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【発明の名称】 発電機の制御方法および制御装置
【発明者】 【氏名】中島 博信

【要約】 【課題】排ガスエコノマイザを蒸気源とする蒸気タービンと並列運転するディーゼルエンジンとの負荷分担を自動化する.

【解決手段】排ガスエコノマイザ1を蒸気源とする蒸気タービン駆動のターボ発電機5とディーゼルエンジンなどの原動機駆動のディーゼル発電機7とを並列運転する際に、ターボ発電機の発電量をタービン設定電力値Tref になるようにタービン入口蒸気弁3の開度を制御し、ディーゼル発電機7の発電量をディーゼル設定電力値Dref になるように原動機の燃料流量を制御する発電機の制御方法において、タービン入口蒸気弁3が所定の適正開度よりも小さいときはタービン設定電力値Tref を大きくするとともに、ディーゼル設定電力値Dref を小さくし、逆にタービン入口蒸気弁3が所定の適正開度より大きいときにはタービン設定電力値Tref を小さくするとともに、ディーゼル設定電力値Dref を大きくするようにして、タービン入口蒸気弁3が所定の適正開度を維持するように制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排ガスエコノマイザを蒸気源とする蒸気タービン駆動のターボ発電機とディーゼルエンジンなどの原動機駆動のディーゼル発電機とを並列運転する際に、ターボ発電機の発電量をタービン設定電力値になるようにタービン入口蒸気弁の開度を制御し、ディーゼル発電機の発電量をディーゼル設定電力値になるように原動機の燃料流量を制御する発電機の制御方法において、タービン入口蒸気弁が所定の適正開度よりも小さいときはタービン設定電力値を大きくするとともに、ディーゼル設定電力値を小さくし、逆にタービン入口蒸気弁が所定の適正開度より大きいときにはタービン設定電力値を小さくするとともに、ディーゼル設定電力値を大きくするようにして、タービン入口蒸気弁が所定の適正開度を維持するように制御することを特徴とする発電機の制御方法。
【請求項2】 排ガスエコノマイザを蒸気源とする蒸気タービン駆動のターボ発電機とディーゼルエンジンなどの原動機駆動のディーゼル発電機とを並列運転する際に、ターボ発電機の発電量の検出値とタービン設定電力値との差を調節器を介してタービン入口蒸気弁のガバナにフィードバックするタービン制御回路と、ディーゼル発電機の発電量の検出値とディーゼル設定電力値との差を調節器を介して原動機のガバナにフィードバックするディーゼル制御回路とを有する発電機の制御装置において、タービン入口蒸気弁の開度の検出値と弁開度設定値との差を調節器を介してタービン設定電力値およびディーゼル設定電力値にフィードバックする弁開度フィードバック回路を付加したことを特徴とする発電機の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は船舶の主機であるディーゼルエンジンの排ガスエコノマイザを蒸気源とする蒸気タービンにより駆動される発電機と、その発電機と並列運転されるディーゼルエンジンなどの原動機により駆動される発電機との負荷分担の制御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は、排ガスエコノマイザを蒸気源とする蒸気タービンにより駆動される発電機(以下「ターボ発電機」という。)とディーゼルエンジンなどの原動機により駆動される発電機(以下「ディーゼル発電機」という。)とを並列運転する際の制御装置のブロック図である。図において、1は船舶の主機であるディーゼルエンジンの排ガスの熱エネルギーを回収して蒸気を発生させる排ガスエコノマイザである。2は排ガスエコノマイザで発生した蒸気から水滴を除去する分離ドラムである。4は排ガスエコノマイザを蒸気源とする蒸気タービンである。3は開度を制御することにより蒸気タービン4へ送る蒸気量を調節するタービン入口蒸気弁であり、3aは弁開度を制御する弁開度ガバナである。5は蒸気タービン4により駆動されるターボ発電機である。
【0003】6は原動機であり、ここではディーゼルエンジンとして示している。6aはディーゼルエンジン6への燃料流量を制御するディーゼルエンジンガバナである。7はディーゼルエンジン6により駆動されるディーゼル発電機である。8b、8cは調節器である。9は電力計であり、9aはターボ発電機5の発電量を検出するターボ発電機用電力計、9bはディーゼル発電機用電力計である。10はkWリミッタ、11はブレーカ、12c、12eは加え合せ点、13は母線であり、負荷に接続されている。14はタービン制御回路、15はディーゼル制御回路である。
【0004】次に、従来の制御方法について作用を説明する。オペレータは排ガスエコノマイザの発生蒸気量を予測して、その蒸気量に見合ったターボ発電機5の負荷分担を決めてターボ発電機5の発電量の設定値Tref を手動で設定する。また、上記設定値Tref に対応してディーゼル発電機7の負荷分担は、発電機制御装置により(負荷量ーTref )の演算にてディーゼル発電機7の発電量の設定値Dref が自動設定される。これらの設定値Tref およびDref はkWリミッタ10を介して正の価としてそれぞれ加え合せ点12c、12eに送られる。一方、電力計9a、9bの検出値は負の価として加え合せ点12c、12eに送られる。加え合せ点12c、12eでこれらの価を加算したとき、和が0であれば、それぞれの発電量は設定値通りなので、ガバナ3a、6aの開度をそのまま維持し、和が正であれば、設定値Tref 、Dref に対して発電量が不足しているのでガバナ3a、6aの開度を大きくし、和が負であれば、発電量が設定値Tref 、Dref を上回るので、ガバナ3a、6aの開度を小さくする。このようにして発電機5、7の発電量を設定値に一致するように制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたようにターボ発電機5の発電量は手動により設定している。主機の運転状況が変化し、排ガスエコノマイザ1で発生する蒸気量が予測した蒸気量よりも増加したときには、ターボ発電機5の発電量を当初設定した値に維持すると、増加した分の蒸気が余るため、蒸気を外に捨てることになり熱エネルギのむだになる。また、排ガスエコノマイザで発生する蒸気量が予測した蒸気量より減少したときは、安全装置が作動してターボ発電機5の運転を継続することができなくなる。したがって、オペレータは排ガスエコノマイザで発生する蒸気量に応じてターボ発電機5の発電量の設定値を手動で変更する必要があり、非常に面倒であるばかりでなく、オペレータの高い技量が要求されることになる。
【0006】本発明は従来技術の以上述べた問題点に鑑み案出されたもので、ターボ発電機5およびディーゼル発電機7の負荷分担を自動制御することにより、オペレータが、蒸気タービン4およびディーゼルエンジン6をを容易に、かつ、高い技量を要さないで運転することができる発電機の制御方法および制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1記載発明の発電機の制御方法は、排ガスエコノマイザを蒸気源とする蒸気タービン駆動のターボ発電機とディーゼルエンジンなどの原動機駆動のディーゼル発電機とを並列運転する際に、ターボ発電機の発電量をタービン設定電力値になるようにタービン入口蒸気弁の開度を制御し、ディーゼル発電機の発電量をディーゼル設定電力値になるように原動機の燃料流量を制御する発電機の制御方法において、タービン入口蒸気弁が所定の適正開度よりも小さいときはタービン設定電力値を大きくするとともに、ディーゼル設定電力値を小さくし、逆にタービン入口蒸気弁が所定の適正開度より大きいときにはタービン設定電力値を小さくするとともに、ディーゼル設定電力値を大きくするようにして、タービン入口蒸気弁が所定の適正開度を維持するように制御するものである。
【0008】また、請求項2記載発明の発電機の制御装置は、排ガスエコノマイザを蒸気源とする蒸気タービン駆動のターボ発電機とディーゼルエンジンなどの原動機駆動のディーゼル発電機とを並列運転する際に、ターボ発電機の発電量の検出値とタービン設定電力値との差を調節器を介してタービン入口蒸気弁のガバナにフィードバックするタービン制御回路と、ディーゼル発電機の発電量の検出値とディーゼル設定電力値との差を調節器を介して原動機のガバナにフィードバックするディーゼル制御回路とを有する発電機の制御装置において、タービン入口蒸気弁の開度の検出値と弁開度設定値との差を調節器を介してタービン設定電力値およびディーゼル設定電力値にフィードバックする弁開度フィードバック回路を付加したものである。
【0009】次に、本発明の作用を説明する。以上説明したように、タービン入口蒸気弁の弁開度を検出し、その値が所定の弁開度設定値、たとえば、80%よりも大きいときには、排ガスエコノマイザからの蒸気発生量が予定より少ないと判断し、タービン設定電力値を減らすとともに、ディーゼル設定電力値を増すようにフィードバックする。逆に、タービン入口蒸気弁の弁開度が所定の弁開度設定値より小さいときは、排ガスエコノマイザからの蒸気量が予定より多いと判断し、タービン設定電力値を増すとともに、ディーゼル設定電力値を減らすようにフィードバックする。
【0010】このようにタービン入口蒸気弁の開度を指標として、弁開度が所定の適正開度になるようにターボ発電機とディーゼル発電機の発電量を制御する。一方の発電量を増したときは他方の発電量を減らすように負荷分担を自動制御したので、排ガスエコノマイザの運転状態が変化しても排ガスエコノマイザからの蒸気が余って熱エネルギを無駄にしたり、蒸気が不足して蒸気タービンの運転が不安定になったりすることがなくなる。
【0011】
【発明実施の形態】図1は本発明の発電機の制御装置のブロック図である。なお、本図では図2のブロック図に、弁開度フィードバック回路を付加したものなので、図2と共通の部分には同じ符号を付しており、重複した説明は省略する。
【0012】図において、20は弁開度フィードバック回路である。弁開度フィードバック回路20はタービン入口蒸気弁の開度を検出して開度信号を発信する開度信号発信器3bと調節器8aを有している。
【0013】次に、本実施形態の作用を弁開度フィードバック回路を中心に説明する。タービン入口蒸気弁3の開度は、図示するように弁開度信号発信器3bにより負の信号として発信される。手動による弁開度の設定値は正の信号として発信され、加え合せ点12aで負の弁開度信号と加算される。加え合せ点12aでの加算値が0である場合、すなわち、弁開度設定値と弁開度信号発信器3bから発信される弁開度信号の絶対値が等しい場合には、調節器8aへの出力は0で、フィードバックが無く現状が維持される。
【0014】加え合せ点12aでの加算値が正である場合は、弁開度は設定値よりも小さいので、加算される信号は調節器8aを経て加え合せ点12bに正の信号が送られ、当初のタービン電力設定値Tref に加算されるので、Tref は増加し、加え合せ点12cおよび調節器8bを経て、タービン入口蒸気弁3を開くように信号が弁開度ガバナ3aに送られる。一方、調節器8aからの信号は、分岐して加え合せ点12dには負の信号として送られ、当初のディーゼル設定電力値Dref に加算されると、Dref は減少し調節器8cを経てディーゼルエンジン6への燃料流量を絞るように信号がディーゼルエンジンガバナ6aに送られる。
【0015】加え合せ点12aでの加算値が負である場合には、弁開度は設定値よりも大きいので、加算された負の信号は調節器8aを経て加え合せ点12bに送られ、当初のタービン電力設定値Tref は負の価が加算されて減少し、加え合せ点12cおよび調節器8bを経てタービン入口蒸気弁3を絞るように信号が弁開度ガバナ3aに送られる。一方、調節器8aからの信号は分岐して、加え合せ点12dには正(すなわち負と負の積だから)の信号として送られ、当初のディーゼル設定電力値Dref に加算されると、Dref は増加し、調節器8cを経てディーゼルエンジン6への燃料流量を増すように信号がディーゼルエンジンガバナ6aに送られる。
【0016】このようにタービン入口蒸気弁3の開度を所定の適正値になるようにターボ発電機5の発電量を自動制御するとともに、ターボ発電機5の発電量の増減を相殺するようにディーゼル発電機7の発電量を自動制御するようにした。したがって、排ガスエコノマイザ1からの蒸気量が増減しても、ターボ発電機5の発電量はそれに追従して増減するとともに、ディーゼル発電機7の発電量はターボ発電機5の発電量の増減を相殺するように増減するので熱エネルギの無駄がなくなり、蒸気タービン4およびディーゼルエンジン6は、オペレータの技量を要することなしに安定した運転が可能になる。
【0017】本発明は以上述べた実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように本発明の発電機の制御方法および制御装置は、タービン入口蒸気弁の開度を指標として、開度が一定になるようにターボ発電機およびディーゼル発電機の発電量を制御するようにしたので、排ガスエコノマイザから発生する蒸気量が変動しても、それに対応して蒸気タービンおよびディーゼルエンジンが運転され、熱エネルギが無駄になることや蒸気タービンの運転が不安定になることがないなどの優れた効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成12年10月5日(2000.10.5)
【代理人】 【識別番号】100091085
【弁理士】
【氏名又は名称】島村 芳明
【公開番号】 特開2002−115503(P2002−115503A)
【公開日】 平成14年4月19日(2002.4.19)
【出願番号】 特願2000−306011(P2000−306011)