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【発明の名称】 蒸気タービン
【発明者】 【氏名】北村 剛

【氏名】武石 賢一郎

【氏名】吉谷 公志

【氏名】中澤 民暁

【氏名】中野 隆

【要約】 【課題】低圧蒸気タービンにおいて蒸気供給管と内車室との間に発生する熱応力を防止または低減すること。

【解決手段】長手方向に延設されたロータ12に沿って設けられた多段の翼列14と、該翼列14を包囲すると共に複数の抽気室18a、18b,18cを画成する内車室16と、ロータ12および内車室16を包囲する外車室20と、該外車室20を横断方向に貫通して内車室16に接続され翼列に蒸気を供給する蒸気供給管22とを有する蒸気タービン10において、蒸気供給管22において外車室12と内車室16との間に配置された部分22aの外周面に液滴シールド26を配設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長手方向に延設されたロータに沿って設けられた多段の翼列と、該翼列を包囲すると共に前記翼列から所定圧力の抽気を行うために前記翼列の各段の圧力に対応させて半径方向外側に配設された複数の抽気室を画成して成る内車室と、前記ロータおよび内車室を包囲する外車室と、前記外車室を横断方向に貫通して前記内車室に接続され前記翼列に蒸気を供給する蒸気供給管とを有する蒸気タービンにおいて、前記蒸気供給管において前記外車室と内車室との間に配置された部分の外周面に液滴シールドを配設したことを特徴とする蒸気タービン。
【請求項2】 更に、前記内車室の外周面において前記供給管との接続部に隣接する部分に液滴シールドを配設した請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項3】 前記内車室の外周面において前記供給管との接続部に隣接する部分に配設した液滴シールドは、前記内車室が画成する抽気室のうち最も高圧の抽気室を画成する部分の前記内車室の外周面を覆うように設けられている請求項2に記載の蒸気タービン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気タービンに関し、特に低圧蒸気タービンの内車室および該内車室に接続された蒸気供給管の熱応力低減に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービン、特に、その排気が復水器に供給される低圧蒸気タービンは、一般的に、長手方向に延設されたロータに沿って設けられた多段の翼列を有しており、該翼列は内車室により包囲され、前記ロータおよび内車室は外車室により包囲されている。蒸気供給管、特に低圧蒸気供給管が、前記外車室を横断方向に貫通して前記内車室内の蒸気通路に接続されて前記翼列に蒸気を供給する。前記翼列に供給された蒸気は、該翼列を通過する間に温度、圧力を低下させながら該蒸気タービンを駆動し、前記外車室が画成する排気室に排気される。
【0003】一方、蒸気供給管には高温の蒸気が流通するので、蒸気供給管において外車室を横断方向に貫通して前記内車室に接続される部分(本明細書では蒸気入口部と称する)は、排気室内の蒸気の一部を用いて冷却される。この排気室内の蒸気は、既述したように、多段の翼列を通過する間に温度、圧力が低下し、排気室に排気されるときは液滴を含む飽和蒸気となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既述したように、蒸気入口部および内車室において前記蒸気入口部が接続されている部分(本明細書では接続部と称する)は、蒸気供給管を流通する蒸気により加熱されて、内車室の他の部分の外表面よりも比較的高温となるが、排気室内の蒸気は液滴を含む飽和蒸気となっているので、冷却蒸気に含まれる液滴が接触すると液滴の蒸発が生じ、蒸発熱伝達により非常に強度に冷却される。ところが、内車室内部の蒸気供給管に接続された蒸気通路、および、内車室内部の抽気室を画成する仕切壁は、上述の冷却蒸気による冷却作用を直接には受けないので、前記蒸気通路や、抽気室のうち最も圧力の高い抽気のための抽気室の仕切壁は、蒸気入口部や接続部よりも温度が高くなる。そのために、蒸気供給管の蒸気入口部や内車室の接続部と、蒸気通路や高圧抽気室を画成する部材との間に熱応力が発生する。
【0005】本発明は、こうした従来技術の問題点を解決することを技術課題としており、蒸気タービンにおいて、蒸気供給管と内車室との間、より詳細には蒸気供給管の蒸気入口部や内車室の接続部と、蒸気通路や高圧抽気室を画成する仕切壁との間に発生する熱応力を防止または低減した蒸気タービンを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、長手方向に延設されたロータに沿って設けられた多段の翼列と、該翼列を包囲すると共に前記翼列から所定圧力の抽気を行うために前記翼列の各段の圧力に対応させて半径方向外側に配設された複数の抽気室を画成して成る内車室と、前記ロータおよび内車室を包囲する外車室と、前記外車室を横断方向に貫通して前記内車室に接続され前記翼列に蒸気を供給する蒸気供給管とを有する蒸気タービンにおいて、前記蒸気供給管において前記外車室と内車室との間に配置された部分の外周面に液滴シールドを配設したことを特徴とする蒸気タービンを要旨とする。
【0007】このように、液滴シールドを設けることにより、蒸気供給管において外車室と内車室との間に配置された部分(蒸気入口部)が過度に冷却されることが防止され、蒸気供給管と内車室内部の高温部(蒸気通路)との間の温度差により生じる内車室の熱応力が防止または低減される。
【0008】更に、前記内車室の外周面において前記供給管との接続部に隣接する部分に液滴シールドを配設することができ、より詳細には、該液滴シールドは、前記内車室が画成する抽気室のうち最も高圧の抽気室を画成する部分の前記内車室の外周面を覆うように設けることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図1、2を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。図1において、蒸気タービン10は、好ましくは低圧蒸気タービンであって、長手方向に延設されたロータ12に沿って左右対称に設けられた多段の翼列14を有しており、該翼列14は内車室16により包囲されている。内車室16は翼列14の半径方向外側に配置された複数の抽気室18a、18b、18cを画成しており、該複数の抽気室18a、18b、18cは、多段の翼列14の各段から所定圧力の蒸気を周方向に一様に抽気して外部へ導出する。そのために、複数の抽気室18a、18b、18cは、各々の圧力に応じて長手方向に順次に配設されており、図1の実施形態では、中心軸線Oに沿って中心に配置された第1の抽気室18aが最も圧力の高い抽気のための第1の抽気室となっており、第1の抽気室18aに隣接して軸方向外側に配設されている抽気室18bは、第1の抽気室18aよりも低圧の抽気のための第2の抽気室となっており、第2の抽気室18bに隣接して軸方向外側に配設されている抽気室18cは、更に低圧の抽気のための第3の抽気室となっている。
【0010】ロータ12、翼列14および内車室16は外車室20により全体が包囲されている。翼列14に蒸気を供給するために、蒸気供給管22が、外車室20を横断方向に貫通して内車室16に接続されている。より詳細には、蒸気供給管22の先端には、管内の蒸気の流に方向に先細りにテーパ状に形成され外車室20と内車室16との間の空間32に配置された蒸気入口部22aが設けられており、該蒸気入口部22aは、内車室16、より詳細には内車室16内において中心軸線Oに関して横断方向に延設された蒸気通路24に接続されている。
【0011】蒸気タービン10は、例えば、蒸気タービン10の上流側の中圧蒸気タービン(図示せず)排気により駆動することができる。中圧蒸気タービンから蒸気供給管22を介して内車室20へ供給された蒸気は、図1において矢印で示すように、蒸気通路24を通過して左右対称に翼列14へ供給される。翼列14を通過する間に、この蒸気の一部は抽気室18a〜18cを介して外部に抽気され、残りの大部分はその温度、圧力を低減しながら蒸気タービン10を駆動して、外車室12に画成された排気室30へ排気される。排気室30へ排気された蒸気は、次いで復水器(図示せず)へ供給されることとなるが、このとき該蒸気は、一例として33°Cの温度と0.05ataの圧力を有し、湿り度0.1の飽和蒸気となっている。
【0012】図1から理解されるように、外車室20と内車室16との間の空間32は、排気室30に連通しており、排気室30内の蒸気の一部により蒸気入口部22aおよび内車室16が冷却される。蒸気入口部22a、蒸気入口部22aと内車室16との間の連結部、および、内車室16の外周面において第1の抽気室18aが画成されている領域は、比較的高温の蒸気により満たされているので、蒸気入口部22aおよび内車室16を排気室30内の液滴を含む蒸気により冷却すると、この部分がその他の領域よりも非常に強度に冷却され温度が低下する。一方、蒸気通路24および第1の抽気室18aを画成する仕切壁34は比較的高温の蒸気により温度が高くなっている。従って、蒸気入口部22a、蒸気入口部22aと内車室16との間の連結部、および、内車室16の第1の抽気室18aが画成されている領域と、蒸気通路24および第1の抽気室18aを画成する仕切壁34との間の温度差により内車室16に熱応力が発生する。
【0013】本実施形態では、この熱応力の発生を防止または低減するために、図2において斜線で示すように、蒸気入口部22a、蒸気入口部22aと内車室16との間の連結部、および、内車室16の第1の抽気室18aが画成されている領域の各々の外表面を覆う液滴シールド26、28が配設されている。液滴シールド26、28は金属薄板、好ましくはステンレス鋼の薄板を蒸気入口部22aおよび内車室16の第1の抽気室18aが画成されている領域の各々の外表面に、例えばスポット溶接や所定の溶接線に沿った溶接により固定することができる。また、液滴シールド26、28は、図3の断面図で示すように、板金加工により蒸気入口部22aおよび内車室16の第1の抽気室18aが画成されている領域の各々の外表面から離間するようにしてもよい。要は、液滴シールド26、28は、蒸気入口部22a、蒸気入口部22aと内車室16との間の連結部、および、内車室16の第1の抽気室18aが画成されている領域の各々の外表面に伝熱的に密着することなく、同外表面にしっかりと固定できればよい。液滴シールド26、28を設けることにより、蒸気入口部22aおよび内車室16の第1の抽気室18aが画成されている領域の過度の冷却が防止され、蒸気入口部22aおよび内車室16の第1の抽気室18aが画成されている領域と、蒸気通路24および第1の抽気室18aを画成する仕切壁34との間の温度差により生じる内車室16の熱応力が防止または低減される。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成12年11月28日(2000.11.28)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2002−161707(P2002−161707A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−361653(P2000−361653)