| 【発明の名称】 |
翼、および、翼の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】外山 幸文
【氏名】副田 智浩
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| 【要約】 |
【課題】複雑な形状にも対応できる、製造容易な、高強度、高剛性の翼を提供すること、および、その製造方法を提供すること。
【解決手段】翼(1)は外側の輪郭線と一点鎖線の間の外皮部材(10)と、外皮部材の内側、の芯部材(20)から成る。外皮部材は、背側外皮部材(11)と腹側外皮部材(12)から成り、背側外皮部材と腹側外皮部材は、それぞれ、翼幅方向の中央部分において肉厚部分(13、14)を有する。外皮部材は肉厚部分を含め、ガラス繊維を網状に織った波線で示される網状繊維シートを左下がりのハッチングで示される樹脂でくるんで成る繊維強化樹脂で形成され、肉厚部は網状繊維シートを他の部分よりも多層に重ねてから樹脂でくるまれる。芯材はガラス繊維を細かく裁断した、細かい点で示されるチョップ材を、ガラス繊維をくるんだのと同じ樹脂で同時にくるんで成るチョップ材強化樹脂で形成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外側に繊維を網状に織った網状繊維シートを樹脂材料でくるんだ繊維強化樹脂製の外皮部材を有し、内側に繊維材より微細なチョップ材を樹脂材料でくるんだチョップ強化樹脂製の芯部材を有し、網状繊維シートとチョップ材が同じ樹脂材料で同時にくるまれることを特徴とする翼。 【請求項2】 外皮部材が、部分的に内側に肉厚にされていることを特徴とする請求項1に記載の翼。 【請求項3】 外皮部材が、翼の背側、および、または、腹側において、前縁と後縁の間の幅方向中央部分において肉厚にされていることを特徴とする請求項2に記載の翼。 【請求項4】 網状繊維シートを多く積層することにより肉厚にされていることを特徴とする請求項2に記載の翼。 【請求項5】 チョップ材が網状繊維シートを形成する繊維を微小に裁断したものであることを特徴とする請求項1に記載の翼。 【請求項6】 翼形状の内面を有する型の内部に網状繊維シートを押し付けて略翼形状に粗成形する網状繊維シート粗成形ステップと、網状繊維シート粗成形ステップの後に、粗成形網状繊維シートの内部に繊維材より小さなチョップ材を注入するチョップ材注入ステップと、チョップ材注入ステップの後に、樹脂材料を型内に注入する樹脂材料注入ステップと、から成ることを特徴とする翼の製造方法。 【請求項7】 型が、腹側の型と背側の型に、分割されており、網状繊維シート粗成形ステップは腹側の型と背側の型で別個におこなわれ、チョップ材注入にステップと、樹脂注入ステップは腹側の型と背側の型を合わせてからおこなわれることを特徴とする請求項6に記載の翼の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は翼に関し、特に樹脂製の翼に関する。 【0002】 【従来の技術】回転ロータ等に取り付けられる翼として、繊維強化樹脂の薄肉から成る外皮材の内部に発泡樹脂を充填したものが使用されている。ところが、回転ロータ等に取り付けられる翼は、ロータへの付け根側の端面から翼付け根フランジの間で急激に断面が変化するために、付け根部で高い応力が発生する。そのために、上記のように形成される翼においては、強度、剛性の点から翼内部に金属あるいは繊維強化樹脂等から成る閉断面の補強部材を組み込み、あるいは、その補強材の内部にも発泡樹脂を入れることがおこなわれている。しかしながら、翼が翼端から翼付け根部にかけて翼長さ方向に捩れているような翼においては、このような補強材は形状が非常に複雑になり製造が難しく、また組み付けも難しく、多大な工数を要し、コストが高くなるという問題がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に鑑み、複雑な形状にも対応できる、製造容易な、高強度、高剛性の翼を提供すること、および、その製造方法を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれば、外側に繊維を網状に織った網状繊維シートを樹脂材料でくるんだ繊維強化樹脂製の外皮部材を有し、内側が繊維材より微細なチョップ材を樹脂材料でくるんだチョップ強化樹脂製の芯部材を有し、網状繊維シートとチョップ材が同じ樹脂材料で同時にくるまれる翼が提供される。このように構成される翼は、網状繊維シートとチョップ材が同じ樹脂材料で同時にくるまれるので高強度、高剛性を有し、工数も少ない。 【0005】請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、外皮部材が、部分的に内側に肉厚にされている翼が提供される。このように構成される翼は、外皮部材が、部分的に内側に肉厚にされていることにより、さらに強度、剛性を高めることができる。 【0006】請求項3の発明によれば、請求項2の発明において、外皮部材が、翼の背側、および、または、腹側において、前縁と後縁の間の幅方向中央部分において肉厚にされている翼が提供される。 【0007】請求項4の発明によれば、請求項2の発明において、網状繊維シートを多く積層することにより肉厚にされている翼が提供される。このように構成される翼は肉厚部を得るのが容易であり、簡単に強度、剛性を高めることができる。 【0008】請求項5の発明によれば、請求項1の発明において、チョップ材が網状繊維シートを形成する繊維を微小に裁断したものである翼が提供される。このように構成される翼は、網状繊維シートとチョップ材が同じ材料から形成できる。 【0009】請求項6の発明によれば、翼形状の内面を有する型の内部に網状繊維シートを押し付けて略翼形状に粗成形する網状繊維シート粗成形ステップと、網状繊維シート粗成形ステップの後に、粗成形網状繊維シートの内部に繊維材より小さなチョップ材を注入するチョップ材注入ステップと、チョップ材注入ステップの後に、樹脂材料を型内に注入する樹脂材料注入ステップから成る翼の製造方法が提供される。このような製造方法はどのような形状の翼にも適用できる。 【0010】請求項7の発明によれば、請求項6の発明において、型が、腹側の型と背側の型に、分割されており、網状繊維シート粗成形ステップは腹側の型と背側の型で別個におこなわれ、チョップ材注入ステップと、樹脂注入ステップは腹側の型と背側の型を合わせてからおこなわれる翼の製造方法が提供される。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1が本発明による翼の断面図であって、翼1は外側の輪郭線と一点鎖線の間の外皮部材10と、一点鎖線の内側、すなわち、外皮部10の内側、の芯部材20から成る。外皮部材10は、背側外皮部材11と腹側外皮部材12から成り、背側外皮部材11と腹側外皮部材12は、それぞれ、図示されるように、前縁2と後縁3の間の翼幅方向の中央部分において肉厚部分13、14を有する。 【0012】上記のように、背側外皮部材11と腹側外皮部材12から成る外皮部材10は肉厚部分13,14を含め、ガラス繊維を網状に織った図中波線で示される網状繊維シートを図中左下がりのハッチングで示される樹脂でくるんで形成される繊維強化樹脂で形成されており、肉厚部13,14は網状繊維シートを他の部分よりも多層に重ねてから樹脂でくるまれる。芯部材20はガラス繊維を細かく裁断した、図中細かい点で示されるチョップ材を、ガラス繊維をくるんだのと同じ樹脂で同時にくるんで形成されるチョップ材強化樹脂で形成されている。 【0013】網状繊維シート、および、チョップ材を作る原料はガラス繊維に限られるものではなく、その他の材料、例えば、炭素繊維、ケブラー繊維、あるいは、金属繊維等を使用することもできる。また、網状繊維シート、および、チョップ材をくるむ樹脂としては、例えば、エポキシ、ビニルエステル、ポリエステル、フェノール等が使用される。 【0014】本発明による翼は上記のように外側が網状繊維シートを樹脂でくるんだ繊維強化樹脂で構成され、内側がチョップ材を樹脂でくるんだチョップ材強化樹脂で形成され、しかも網状繊維シートとチョップ材が同じ樹脂で同時にくるむので、非常に高い強度を有し、また、製造工数も小さく、下記のように製造することにより、どのような形状にも対応できる。 【0015】そこで、次に、上記の翼の製造方法について図2を参照して説明する。まず、(A)に示されるように、背側の型100と腹側の型200を離間させた状態で網状繊維シートを型に合わせて公知の方法で粗成形する。この時、肉厚部13,14を作る部分については、網状繊維シートを他の部分よりも、多層に重ねる。次に、(B)に示されるように、背側の型100と腹側の型200をあわせる。この状態では、合わせられた背側の型100と腹側の型200の間に、背側と腹側が結合されてはいないが、略翼形状に等しい外形を有する籠状の物体、あるいは、骨組み、ができている。次に、(C)に示されるように、網状繊維シートが囲む空間の内部に、チョップ材を注入する。そして、(D)に示されるように、樹脂を注入する。樹脂が固まれば完成であり、背側の型100と腹側の型200を離間させて取り出す。上記のように製造することにより、翼の形状によらず、簡単に高強度、高剛性の翼を得ることができる。 【0016】 【発明の効果】請求項1の発明による翼は、外側に繊維を網状に織った網状繊維シートを樹脂材料でくるんだ繊維強化樹脂製の外皮部材を有し、内側に繊維材より微細なチョップ材を樹脂材料でくるんだチョップ強化樹脂製の芯部材を有し、網状繊維シートとチョップ材が同じ樹脂材料で同時にくるまれる翼であり、網状繊維シートとチョップ材が同じ樹脂材料で同時にくるまれるので高強度、高剛性を有し、工数も少ない。特に、請求項2のようにすれば、外皮部材が、部分的に内側に肉厚にされており、さらに強度、剛性を高めることができる。特に、請求項4のようにすれば、網状繊維シートを多く積層することにより肉厚にされるので、簡単に強度、剛性を高めることができる。特に、請求項5のようにすれば、チョップ材が網状繊維シートを形成する繊維を微小に裁断したものとされ、網状繊維シートとチョップ材が同じ材料から形成できコストが低減される。 【0017】請求項6の発明による翼の製造方法は、翼形状の内面を有する型の内部に網状繊維シートを押し付けて略翼形状に粗成形する網状繊維シート粗成形ステップと、網状繊維シート粗成形ステップの後に、粗成形網状繊維シートの内部に繊維材より小さなチョップ材を注入するチョップ材注入ステップと、チョップ材注入ステップの後に、樹脂材料を型内に注入する樹脂材料注入ステップから成り、機械加工等の難しい加工を含まずどのような形状の翼にも適用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年11月27日(2000.11.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−161703(P2002−161703A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月7日(2002.6.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−360079(P2000−360079) |
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