| 【発明の名称】 |
湧水処理シート材 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉原 廣
【氏名】新村 一重
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| 【要約】 |
【課題】湧水処理シート材の取付上の容易化・簡素化、作業の高能率化及び工期の短縮、施工コストの削減を可能とする湧水処理シート材を提供することを目的とする。
【解決手段】帯状に形成されるシート本体1の一面側にその長手方向に沿って通水性を備えた弾性部材2を配置固定し、該弾性部材2はシート本体1の一面側に取り付けられる通水性の支持部材3に装着され、また、前記シート本体1の側端縁にはその長手方向に沿って筒状の保持筒部6を設けると共に該保持筒部6内に合成樹脂等の軟弾性材料からなる取付ベルト7を挿通した構成よりなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 帯状に形成されるシート本体の一面側にその長手方向に沿って通水性を備えた弾性部材を配置固定し、また、前記シート本体の側端縁にはその長手方向に沿って合成樹脂等の軟弾性材料からなる取付ベルトを一体に設けたことを特徴とする湧水処理シート材。 【請求項2】 帯状に形成されるシート本体の一面側にその長手方向に沿って通水性を備えた弾性部材を配置固定し、また、前記シート本体の側端縁にはその長手方向に沿って筒状の保持筒部を設けると共に該保持筒部内に合成樹脂等の軟弾性材料からなる取付ベルトを挿通したことを特徴とする湧水処理シート材。 【請求項3】 帯状に形成されるシート本体の一面側にその長手方向に沿って通水性を備えた弾性部材を配置固定し、該弾性部材は前記シート本体の一面側に取り付けられる通水性の支持部材に装着され、また、前記シート本体の側端縁にはその長手方向に沿って筒状の保持筒部を設けると共に該保持筒部内に合成樹脂等の軟弾性材料からなる取付ベルトを挿通したことを特徴とする湧水処理シート材。 【請求項4】 シート本体が非通水性の素材から形成され、該シート本体の両側端縁にその長手方向に沿って合成樹脂等の軟弾性材料からなる取付ベルトを一体に設けた請求項1または2または3記載の湧水処理シート材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ロックボルトと吹付コンクリートを主体に施工するトンネル壁の施工において、一次覆工コンクリート壁を貫通して打設されたロックボルト基端部の角プレートまたはナットを覆い湧水の排水路として機能する湧水処理シート材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、トンネル内壁のコンクリート壁の施工にあたっては、一次覆工コンクリート壁と二次覆工コンクリート壁との間に非通水性の止水シートを介在させる工法が広く知られている。すなわち、この施工法によればトンネルの内壁面にコンクリートを吹き付けて形成した一次覆工コンクリート壁に対して多数本のロックボルトをその周方向に沿って幾重にも打設し、前記一次覆工コンクリート壁から突出するロックボルトの基端部には方形状の角プレートを嵌合すると共に該角プレートを一次覆工コンクリート壁に圧接するナットを螺合している。そして、周方向に並ぶ複数のロックボルトや角プレートにより前記止水シートが破損したり湧水が出る場合は作業中落ちないようにロックボルトの基端部や角プレートを覆うようにしてトンネル内壁面に合成樹脂製からなる帯状の湧水処理シート材を取付けるようにしている。更に詳述すると、施工にあたっては、まず前記湧水処理シート材をトンネルの内周面であって列設されるロックボルトの基端部、角プレートに宛がい、次にその両側縁に沿ってそれぞれその上から金属製の帯板を配置し、更にその上から帯板を介してトンネル内壁面に所定間隔置きにコンクリート釘を打設していた。このようにして、湧水処理シート材を取り付けた一次覆工コンクリート壁の表面を止水シートで覆い、さらにその表面に二次覆工コンクリートを吹き付けるようにしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記湧水処理シート材は一次覆工コンクリート壁の表面に宛がった状態で、その両側縁に沿ってそれぞれ金属製の帯板を配置しなければならないことから多人数による作業を必要とし非常に面倒であり、しかも金属製の帯板の上からコンクリート釘を打つことから、ともすると打ち込むときコンクリート釘の先端が滑るなどして外れ落とすなどその作業に多くの苦労と困難が伴い、しかも跳ね返ったコンクリート釘が作業者に当るなど危険も伴うものであった。このようにして、多くの湧水処理シート材を一次覆工コンクリート壁の表面に取り付けることから、作業能率が極めて低く施工期間が長期化していたため工期の短縮、施工コストの削減が強く叫ばれていた。そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、湧水処理シート材取付上の容易化・簡素化を図ることにより作業の高能率化及び工期の短縮、施工コストの削減を可能とした湧水処理シート材を提供することを目的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、本発明に係る湧水処理シート材は、帯状に形成されるシート本体の一面側にその長手方向に沿って通水性を備えた弾性部材を配置固定し、また、前記シート本体の側端縁にはその長手方向に沿って合成樹脂等の軟弾性材料からなる取付ベルトを一体に設けた構成よりなる。そして、湧水が出る場合は、非通水性のシート本体が使用され、また湧水が出ない場合は、通水性のものであっても良い。取付ベルトはシート本体の両側端縁に沿って設けられた保持筒部に挿通されていることが好ましい。また、弾性部材の固定手段としては、例えばシート本体の一側面とこの面に貼り合わされて取り付けられる通水性の支持部材である不織布との間に弾性部材を介装する手段が採られる。 【0005】シート本体の側端縁には取付ベルトを一体に設けたので、別途準備する補助材としての金属製の帯板は必要なくなり、このため作業が容易で簡素化され、コンクリート釘の跳ね返りも無く安全である。また、弾性部材としては例えばポリプロピレン樹脂製が好ましく、多数のモノフィラメントをランダムなループ形状に堆積させてマット状に形成される。そして、該弾性部材が打設されたロックボルトの基端部、角プレートまたは基端部のナットを覆うことからシート本体の破損が防止される。また、通水性があることから湧水の排水路として機能し、しかも遊離石灰が付着しにくい。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る湧水処理シート材の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、湧水処理シート材の裏面斜視図、図2は同平面断面図である。湧水処理シート材Aは、ポリプロピレン樹脂または塩化ビニル樹脂からなり非通水性であって帯状(通常10〜12m)に形成されるシート本体1の一面側に弾性部材2が配置固定されている。すなわち、前記シート本体1の一面側に、両側端部をその長手方向に沿って接着した支持部材としての不織布3が固定され、前記シート本体1と不織布3との間であって、不織布3側に弾性部材2が取付けられている。前記シート本体1は湧水を前提とするときは非通水性の素材が選ばれ、湧水を前提としないときは例えば不織布のような通水性の素材を選択しても良い。 【0007】前記弾性部材2は、例えばポリプロピレン樹脂製からなり、多数のモノフィラメントをランダムなループ形状に堆積させてマット状に形成されており、不織布3にはステイプラー4止めして固定されている。ポリプロピレン樹脂を選択した理由は、ポリプロピレン樹脂がアルカリ性及びコンクリート、モルタルに対して長期的に安定ししかも極性がなく遊離石灰も付着させないからであり、多数のモノフィラメントをランダムなループ形状に堆積させることにより高い弾性と強度が備えられると共に耐久性にも優れる。また、ループ形状のモノフィラメント間の開口率を大きくすることにより通水性に優れ集水及び排水機能が高められ、湧水の排水流路を十分に確保するようにしている。また、所定長さ(例えば50cm程度)のものを継ぎ足して取り付けられ、場合によっては特別に所望の寸法または所望に湾曲した形状に成形され場合もある。 【0008】前記支持部材である不織布3は、通水性を有ししかも水などにより容易に破損しない素材が選ばれるが、本実施の形態のように弾性部材2を覆うシート状に限られることはなく、図示は省略するが例えば弾性部材2の両側に配置されシート本体1と共に接着して固定するテープ状のものでもよく、他に帯、紐のようなものであっても良い。 【0009】そして、前記シート本体1の両側端側1a,1aを所定の幅で一側面側に折り返し、その折り返し先端縁をシート本体1に一体に逢着5することによりその長手方向に沿って保持筒部6が設けられる。そして、各保持筒部6内には軟弾性材料からなる取付ベルト7が挿通される。なお、該取付ベルト7は保持筒部6にステイプラー8止めされる。前記取付ベルト7はシート本体1とほぼ同じ長さを有し、軟弾性材料である例えば合成樹脂材またはゴム、合成ゴム材であって後記するコンクリート釘が打設可能でありかつ強く一次覆工コンクリート壁面に圧着され、しかも容易に破断せずシート本体1を展張し得るものであれば良い。 【0010】本発明に係る湧水処理シート材Aは上記構成よりなり、次にその使用方法について説明する。図3はトンネルの内壁面であって湧水処理シート材Aを取付ける状態を示す斜視図である。前記内壁面には一次覆工コンクリートを吹き付けた後、該一次覆工コンクリート壁W1に対して多数本のロックボルト9をその周方向に沿って幾重にも打設し、前記一次覆工コンクリート壁W1から突出するロックボルト9の基端部9aには方形状の角プレート10を嵌合すると共にナット11を螺合している。そして、該ナット11を螺締めして角プレート10を一次覆工コンクリート壁W1面に圧接するようにしている。12は前記ナット11に冠着される合成樹脂製のキャップであり、ロックボルト9の基端部9aまたはナット11により後記する止水シートSが破断しないように保護するためその端面が球状をしている。 【0011】次に、図4に示すように弾性部材2を、トンネルの周方向に沿って幾重にも打設された各ロックボルト9に対応させその基端部9aに嵌合されるキャップ12を覆った状態で一時的に湧水処理シート材Aを押さえておき、いずれか一側の取付ベルト7を介して一時覆工コンクリート壁面W1に複数本のコンクリート釘13を順に打ち込んでゆく。このように、取付ベルト7があらかじめ設けられ、これに沿ってコンクリート釘13を順に打ち込むだけで済むことから、従来の金属製の帯板のようにそれを補助材として準備するといった煩わしさがなくなる。しかも、取付ベルト7が保持筒部6内に挿通されているので、シート本体1と一体に扱え至便である。更に、コンクリート釘13を打ち込んでも跳ね返ることがなく打込みが容易でありかつ安全に行なえる。 【0012】更に、シート本体1の両側が取付ベルト7により押さえられるので、シート本体1両側の緩みが防止され、施工上の確実性が向上する。また、長さを通常トンネル内周面であって、周長の半分として例えば10または12mに設定しておけば、中央天端から両サイドに振り分けて湧水処理シート材Aが取付けられ、一人でも取付作業が可能となる。このようにして図5に示すように一次覆工コンクリート壁面W1に湧水処理シート材Aが取り付けられる。なお、この取付けられた湧水処理シート材Aには、100cmの間隔を置いて白い横断状のテープ14(検尺ラインという。)と番号15が貼着表示される。これは、施工が手順通り順に進行しているかどうかを容易に確認できるようにするためである。 【0013】また、一次覆工コンクリート壁面W1側である不織布3とシート本体1間には弾性部材2が介在し集排水通路Hが形成されているので、図4鎖線に示すように一次覆工コンクリート壁面W1全面に止水シートSを介して二次覆工コンクリートW2が吹き付けられた後、ロックボルト9部分から湧水が出たとしても、集排水通路Hを通して確実に排水することができ、排水機能が損なわれることはない。また、弾性部材2はその弾性作用によりシート本体1および止水シートSの破損防止にも役立つものである。 【0014】本実施の形態にあっては、シート本体1の両側に取付ベルト7を一体に設けた構成を示したが、これは湧水処理シート材Aを縦方向に取付ける場合であって、横方向すなわち水平方向に取付ける場合は、シート本体1を筒状に形成すると共に内部にその長手方向に沿って弾性部材2を配置固定し、また、筒状のシート本体1の一側(上側となる側)のみに取付ベルト7を設けるようにしても本発明の目的・効果は充分達成し得る。 【0015】 【発明の効果】以上、説明したように本発明に係る湧水処理シート材は、シート本体の一面側に通水性を備えた弾性部材を配置固定し、また、前記シート本体の側端縁には筒状の保持筒部を設けると共に該保持筒部内に軟弾性材料からなる取付ベルトを挿通するようにしたので、湧水処理シート材をトンネルの内周面に取付けるに別途金属製の帯板のごとき補助材が必要なくそのまま取付ベルトに沿ってコンクリート釘を打ち込むのみで済み、取付が極めて容易であって簡素化され、しかも作業の高能率化が図られる。これにより、大幅な工期の短縮、施工コストの削減が可能となるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500372599 【氏名又は名称】株式会社吉原化工
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| 【出願日】 |
平成12年8月9日(2000.8.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100112531 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 浩二
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| 【公開番号】 |
特開2002−54396(P2002−54396A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月20日(2002.2.20) |
| 【出願番号】 |
特願2000−241829(P2000−241829) |
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