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【発明の名称】 墓石の水平出し兼接着装置および方法
【発明者】 【氏名】濱田 幸介

【要約】 【課題】墓石の据付け作業が雨天時にもあまり支障をきたさず、接着剤に無駄を生ぜず、また墓石の水平出しが簡単確実にでき、据付け作業を簡易にする。

【解決手段】内袋2で2つの区画部3、4に仕切られた外袋1内のそれぞれの区画部3、4に石材用二液性接着剤を構成する各剤5、6を封入すると共に、外袋1内の適宜部分に鉛玉7を封入する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】プラスチックフィルム材よりなる外袋(1)と内袋(2)を有し、外袋(1)内に封入した内袋(2)で外袋(1)内を内袋(2)の内外2つの区画部(3)(4)に仕切り、それら区画部(3)(4)に石材用二液性接着剤を構成する主剤(5)および硬化剤(6)の一方および他方をそれぞれ充填したものであって、上記外袋(1)外から内袋(2)を人の指で押圧したとき内袋(2)の内圧は内袋(2)が破断する圧力に上昇し、外袋(1)の内圧は外袋(1)が破断する圧力に上昇しないように構成され、外袋(1)内の適宜部分には鉛玉(7)を封入してなる墓石の水平出し兼接着装置。
【請求項2】請求項1記載の墓石の水平出し兼接着装置の外袋(1)外から内袋(2)を人の指で押圧して内袋(2)を外袋(1)内で破断し、その破断部を通して石材用二液性接着剤の主剤(5)および硬化剤(6)を外袋(1)内で混ぜ合わせ、鉛玉(7)および上記混ぜ合わせた石材用二液性接着剤を外袋(1)内に収容した状態で、墓石の据え付けにおける下石(8)の上面であって上石(9)が重ね合わされる範囲(10)における適所に載置し、次いで上石(9)を下石(8)上に降ろし、ハンマー(11)で上石(9)をたたきながら鉛玉(7)を適当寸法だけ潰すことにより上石(9)の水平出しを行ない、上石(9)と下石(8)間で狭圧されて外袋(1)外へ流出する前記石材用二液性接着剤で上石(9)と下石(8)を接着することを特徴とする墓石の水平出し兼接着方法
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石碑、墓誌、灯籠等墓石の据え付け時に用いる墓石の水平出し兼接着装置およびその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】墓石の据え付けにおいて、墓石相互を固定する手段として石材用接着剤が用いられるが、従来は、罐に収容された接着剤を墓石の接合面に塗付して接合していた。しかしながら墓地は通常戸外であるから、雨天の日は接着剤の取り扱いに支障がある。また、接着剤として二液性のものを使う場合は各罐から取り出した2剤を塗付作業前に混ぜ合わせるが、墓石の塗付作業を行なってみると混ぜ合わせた接着剤が余ってしまうことがあり、残った分は捨てることになる。
【0003】また、接着剤は、上下の2つの石の間で固化するまでの間に上石の重みでしだいに押されて薄く広がるので、接着剤の塗付量が不均等になり易いことも原因して上石は均等に沈下せず、また逆に、接着剤の塗付量の調節によって、水平でない下石の上に上石を水平に設置できる技術的な保証もなく、墓石の水平出しは非常に困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、墓石の据付け作業が雨天時にもあまり支障をきたさず接着剤に無駄を生ぜず、また墓石の水平出しと接着が簡単確実にでき、据付け作業を簡易にすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の墓石の水平出し兼接着装置においては、内袋で内外2つの区画部に仕切られた外袋内のそれぞれの区画部に石材用二液性接着剤を構成する各剤を封入すると共に、外袋内の適宜部分に鉛玉を封入したものである。また本発明の墓石の水平出し兼接着方法においては、上記装置の内袋を破断して石材用二液性接着剤を外袋内で混ぜ合わせ、鉛玉および上記混ぜ合わせた石材用二液性接着剤を外袋内に収容した状態で、下側となる墓石の上面に載置し、次いで上側となる墓石を下石の上に降ろし、ハンマーで上石をたたきながら鉛玉を適当寸法だけ潰すことにより上石の水平出しを行ない、外袋内の石材用二液性接着剤が上石と下石の間に狭圧されて外袋外へ流出して上石と下石を接着するものである。
【0006】
【作用】上記のように構成された墓石の水平出し兼接着装置は、上記の墓石の水平出し兼接着方法によって、接着剤が人の手や道具に直接触れることなく上下の墓石間に挿着されると共に鉛玉も同時にセットされる。接着剤は、上石を下石上に降ろすことにより外袋を破って外袋外に流出し上石と下石に直接接触し、時間の経過によって硬化して両石を強力に接合する。上石の水平出しは、上記硬化するまでの間に、ハンマーで上石の適宜部分をたたいてその下方の鉛玉を潰して高さを低くすることにより上石の水平出しを行なう。
【0007】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。図1〜3において、外袋1はその内部に内袋2を封入したプラスチックフィルム材よりなる偏平状の袋である。内袋2もプラスチックフィルム材よりなる袋で、この内袋2によって外袋1は2つの区画部3、4に仕切られる。それら区画部3、4に石材用二液性接着剤を構成する主剤5と硬化剤6が別別に充填される。石材用二液性接着剤を構成する一方の剤を充填された内袋2は、外袋1外から人の指で押した場合に生ずる内圧で破けるようにする。内袋2の容量(大きさ)に対して接着剤の充填量が少ないと、内圧が十分に上昇しないうちに内袋2の上下両面部が密着して、それ以上の内圧上昇は得られない。図2に示すごとく内袋2がその厚み方向(上下方向)に膨張した状態に接着剤を充填しておけば、外袋1の上下両外方から内袋2を指で押したときに、内袋2内の圧力は十分に大きくなる。内袋2内に接着剤と一緒に若干の空気を封入しておくと、その空気が膨れ気味になって上記膨張した状態が容易に得られる。指で押して内袋2の内圧が上昇しても内袋2の強度が大きすぎると内袋は容易に破けない。したがって、上昇する内圧によって内袋が破ける程度に内袋の素材であるプラスチックフィルムを極く薄くしたり、内袋の縁の接着強度を弱くする。外袋1の外側から内袋2を指で押して破くのは、石材用二液性接着剤を外袋1内で混ぜ合わせるためであるから、上記操作で外袋1まで破けることがないようにしなければならない。そのためには、外袋1に充填する接着剤の量は図2に示すように外袋の容量(大きさ)より少な目にして外袋に余裕を持たせて詰め込む。このようにすると、内袋2を破くために内袋が位置する外袋の部分が必然的に扁平状に押圧されても、外袋内圧はあまり上昇しない。また、若干の内圧上昇にも耐えられるように外袋1の素材であるプラスチックフィルムは、内袋2のそれより厚くすれば安全である。そして、外袋1の縁の接着強度も内袋2のそれよりやや大にする。しかしながら、後述するように、外袋1は上石の重みで破断しなければならないから、外袋1の強度にも限度を持たせる必要がある。以上に述べた種種の相関特性を勘案して、外袋1外から内袋2を指で押圧したとき内袋2の内圧は内袋が破断する圧力まで上昇し、外袋1内圧は外袋が破断する圧力まで上昇しないように構成される。
【0008】外袋1内には鉛玉7を封入しておく。鉛玉の径は5mm程度がよい。鉛玉7は外袋1内のどの位置に封入してもよいし、外袋の縁の密封部に取り付けてもよい。図1〜2では後者の例を示し、鉛玉7は外袋1の縁の密封部を形成する平行な2本のシール間に挟まれて外袋1内の内袋2寄りに逃げ出すのを阻止されている。しかし基本的に鉛玉の封入位置が限定されない理由は、外袋に付随して外袋の取り扱いの中で鉛玉も同時に取り扱えることに利点があり、作業の簡素化や鉛玉の使用忘れを防ぐことに役立つからである。
【0009】墓石を上下に重ね合わせる作業に先立って内袋2が位置する外袋1の表裏両面側から指で押圧して内袋2を破く。そうすると2つの区画部3、4が連通状態となるので指で接着剤を交互に両区画部に移動させる操作を繰り返して石材用二液性接着剤の主剤5と硬化剤6を混ぜ合わせる。
【0010】墓石の1つの接合面につき本発明の水平出し兼接着装置の主剤5と硬化剤6が前記操作で混ぜ合わされた接着剤を収容した外袋1を通常4個下石上に載置して上石をその上に降ろす。上石の重量で外袋1が破け、2液が混合した接着剤が外袋外に流出し上石と下石に直接接触する。外袋1の強度や外袋1の縁の密封部の強さは、墓石の重量で外袋が破ける程度に弱くする。弱い密封部は熱溶着時の温度をやや下げて形成した弱溶着部として得られる。外袋が確実に破けるように外袋1の縁の密封部に切れ目12を設けてもよい。さらにその切れ目12を利用して手で少しだけ破ってもよい。上述の如く、外袋の一部に破れ易い部分を設ける場合は、鉛玉の封入されている部位のなるべく反対側に設ける。外袋を上石と下石の重なり合う範囲にセットする場合、外袋の鉛玉側を上記範囲の周縁に沿わせて置けば外袋の前記破れ易い部分は上記周縁より外袋分だけ内側に配置され接着剤が上記範囲外に食み出る恐れがない。水平出しの作業はハンマー11で上石の上部をたたくことにより行なう。水平出しが終了すれば、そのまま接着剤の硬化を待つ。なお、本発明の装置は、その構造上、墓石を横並びに接合する場合にも利用できる。この場合、隣接する石に対して平行出しをする必要があれば、人手やハンマーにより上記隣接する石に対して強く押しつける。また、隣接する石の接着面に本発明の装置を保持するには、両面接着テープを用いればよい。
【0011】
【発明の効果】本発明は、上記の構成であるから、石材用二液性接着剤が外袋内に一定量ずつ封入されており、墓石の接合面に対して必要な接着剤を外袋の個数で定めることができ、従来のように大きな容器で一度に大量の石材用二液性接着剤を混ぜ合わせて使い残しが無駄になったり、雨天によって作業に支障を来たしたりすることがない。
【0012】さらに本発明は接着剤と鉛玉が1つの外袋内に封入されており、その両者の取り扱いを1つの外袋の取り扱いで出来、また、接着剤が人体や衣類に付着したり鉛玉が散乱して紛失したりすることもないので、墓石の水平出しおよび接着が容易簡単に、しかも衣服等を汚すことなくきれいに行なえる。
【0013】また、本発明は、石材用二液性接着剤を構成する主剤と硬化剤を内袋で仕切ったので、内袋を破くだけで仕切りが解除でき、チャックの場合のような解除用引き手は必要としない。
【出願人】 【識別番号】598100232
【氏名又は名称】有限会社不二物産
【出願日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【代理人】 【識別番号】100110146
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 弘昭
【公開番号】 特開2002−4639(P2002−4639A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−223078(P2000−223078)