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【発明の名称】 充電接点付きパレットとこれを用いた機械式駐車装置
【発明者】 【氏名】加藤 晴一

【氏名】神林 隆

【氏名】成松 千万人

【氏名】今福 修

【要約】 【課題】車両の入出庫が円滑にでき、かつ駐車中に電気自動車に充電することができる充電接点付きパレットとこれを用いた機械式駐車装置を提供する。

【解決手段】充電接点付きパレットが、車1を載せるパレットの側面又は下面に設けられ格納位置において給電用接点13と接続する充電用接点12と、充電用接点12から供給される電力を車のバッテリー1aに接続する充電ライン14とを備える。また機械式駐車装置は、この充電接点付きパレット10と、各格納位置において充電用接点12と接続するように設けられた複数の給電用接点13と、各給電用接点に電源を供給する電源設備18とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車(1)を載せるパレットの側面又は下面に設けられ、格納位置において給電用接点(13)と接続する充電用接点(12)と、充電用接点(12)から供給される電力を車(1)のバッテリー(1a)に接続する充電ライン(14)とを備える、ことを特徴とする充電接点付きパレット。
【請求項2】 前記充電ライン(14)は、非接触型の電磁誘導充電ライン、又は接点を介して接続する直接接続充電ラインである、ことを特徴とする請求項1に記載の充電接点付きパレット。
【請求項3】 前記充電用接点(12)と充電ライン(14)との間に充電装置(16)を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の充電接点付きパレット。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の充電接点付きパレット(10)と、各格納位置において充電用接点(12)と接続するように設けられた複数の給電用接点(13)と、各給電用接点に電源を供給する電源設備(18)とを備えた、ことを特徴とする充電接点付きパレットを用いた機械式駐車装置。
【請求項5】 前記機械式駐車装置はエレベータ式駐車装置であり、前記電源設備(18)は、格納棚に隣接して垂直に延び各給電用接点(13)と接続する給電ライン(18a)を有し、車を載せたパレットの格納棚への横スライドにより、充電用接点(12)と給電用接点(13)とが接続し充電が開始する、ことを特徴とする請求項4に記載の充電接点付きパレットを用いた機械式駐車装置。
【請求項6】 前記機械式駐車装置は平面往復式駐車装置であり、前記電源設備(18)は、格納棚に隣接して水平に延び各給電用接点(13)と接続する給電ライン(18a)を有し、車を載せたパレットの格納棚への横スライドにより、充電用接点(12)と給電用接点(13)とが接続し充電が開始する、ことを特徴とする請求項4に記載の充電接点付きパレットを用いた機械式駐車装置。
【請求項7】 前記機械式駐車装置は二多段駐車装置であり、車を載せたパレットの下降時に充電用接点(12)と給電用接点(13)とが接続し充電が開始する、ことを特徴とする請求項4に記載の充電接点付きパレットを用いた機械式駐車装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駐車中に電気自動車に充電するための充電接点付きパレットとこれを用いた機械式駐車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、内燃機関を動力源とする車両(自動車)を駐車させるための機械式駐車装置として、エレベータ式駐車装置、平面往復式駐車装置、二多段駐車装置等が広く知られている。
【0003】図9は、エレベータ式駐車装置の基本形式である下部乗り込み式エレベータ式駐車装置の全体構成図である。この形式のエレベータ式駐車装置では、車1が入出庫する乗り込み部2が装置の下部(例えば地上)に設けられ、昇降路3内を昇降するケージ4と、昇降路3に沿ってその両側に多段に設けられた駐車棚5を備え、乗り込み部2でケージ上に車1が乗り込み、ケージ4が上昇して所定の棚5で停止し、ケージに組み込まれた横行装置6により、各棚上に車1を格納するようになっている。出庫時にはこの逆動作により、同一の乗り込み部2から車を出庫する。
【0004】また、ケージ4内にロータリーテーブル(図示せず)を内蔵し、入出庫時に車の向きを反転させて常に前進で入出庫できるようにしたもの(180度型)、更に、ケージ4と駐車棚5の向きを車の走行方向に直交する配置にし、ロータリーテーブルを90°水平回転させて車を入出庫させるようにしたもの(90度型)、等がある。
【0005】図10は、中間乗り込み式のエレベータ式駐車装置の全体構成図である。この形式のエレベータ式駐車装置では、図9に示した下部乗り込み式と比較すると、装置の中間部に車1が入出庫する乗り込み部2が設けられている点のみが基本的に相違し、その他の構造はほぼ同一である。すなわち、下部乗り込み式と同様に、乗り込み部2でケージ上に車1が乗り込み、ケージ4が昇降して所定の棚5で停止し、ケージに組み込まれた横行装置6により、各棚上に車1を格納するようになっている。出庫時にはこの逆動作により、乗り込み部2から車1を出庫する。更に、この形式の発展型として、装置の上部から入出庫する上部乗り込み式のエレベータ式駐車装置もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】地球環境の保全のために、内燃機関に代えて電気自動車が普及しだしている。この電気自動車は排気ガスを放出しないため環境保全上優れているが、従来の燃料の代わりに電気を蓄電器(バッテリー)に充電する必要がある。しかし、この充電には、通常長時間を必要とするため、電気自動車の普及を阻害する一要因になっていた。すなわち、従来の機械式駐車装置は、自動車を駐車するためだけに使用されており、以下の問題点があった。
【0007】(1)駐車パレット上には自動車のバッテリーへの充電設備がない。
(2)駐車パレット上には充電設備がないため、駐車中にバッテリーが上がってしまった自動車への充電は、外部からの充電装置に頼るしか方法がない。
【0008】本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、従来と同様に車両の入出庫が円滑にでき、かつ駐車中に電気自動車に充電することができる充電接点付きパレットとこれを用いた機械式駐車装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、車(1)を載せるパレットの側面又は下面に設けられ、格納位置において給電用接点(13)と接続する充電用接点(12)と、充電用接点(12)から供給される電力を車(1)のバッテリーに接続する充電ライン(14)とを備える、ことを特徴とする充電接点付きパレットが提供される。この構成の充電接点付きパレットを用いることにより、駐車中の格納位置において、充電用接点(12)が給電用接点(13)と接続して自動車のバッテリーへの充電が可能になる。
【0010】本発明の好ましい実施形態によれば、前記充電ライン(14)は、非接触型の電磁誘導充電ライン、又は接点を介して接続する直接接続充電ラインである。この構成により、入出庫時に充電ライン(14)を自動車のバッテリーへ接続することにより、格納位置において自動的に充電ができる。
【0011】また、前記充電用接点(12)と充電ライン(14)との間に充電装置(16)を備える、ことが好ましい。この構成により、給電用接点(13)から電力を供給するだけで、充電装置(16)で充電に適した直流電圧に変換することができ、大型の充電設備を不要にできる。
【0012】また、本発明によれば、上述した充電接点付きパレット(10)と、各格納位置において充電用接点(12)と接続するように設けられた複数の給電用接点(13)と、各給電用接点に電源を供給する電源設備(18)とを備えた、ことを特徴とする充電接点付きパレットを用いた機械式駐車装置が提供される。この構成の機械式駐車装置により、入出庫時には、充電用接点(12)と給電用接点(13)が切り離されているので、従来と同様に安全に入出庫でき、駐車中の格納位置において、充電用接点(12)が給電用接点(13)と接続して自動車のバッテリーへの充電が可能になる。従って、給電用接点(13)と給電ラインを入出庫や利用者に影響を及ぼさない位置に設置でき、機械稼働時の安全性を高めることができる。
【0013】本発明の好ましい実施形態によれば、前記機械式駐車装置はエレベータ式駐車装置であり、前記電源設備(18)は、格納棚に隣接して垂直に延び各給電用接点(13)と接続する給電ライン(18a)を有し、車を載せたパレットの格納棚への横スライドにより、充電用接点(12)と給電用接点(13)とが接続し充電が開始する。この構成のエレベータ式駐車装置は、給電ライン(18a)と給電用接点(13)を入出庫や利用者に影響を及ぼさない位置に設置でき、機械稼働時の安全性を高めることができ、かつ駐車中の格納位置において、充電用接点(12)が給電用接点(13)と接続して自動車のバッテリーへの充電ができる。
【0014】また、前記機械式駐車装置は平面往復式駐車装置であり、前記電源設備(18)は、格納棚に隣接して水平に延び各給電用接点(13)と接続する給電ライン(18a)を有し、車を載せたパレットの格納棚への横スライドにより、充電用接点(12)と給電用接点(13)とが接続し充電が開始する。この構成の平面往復式駐車装置も、給電ライン(18a)と給電用接点(13)を入出庫や利用者に影響を及ぼさない位置に設置でき、機械稼働時の安全性を高めることができ、かつ駐車中の格納位置において、充電用接点(12)が給電用接点(13)と接続して自動車のバッテリーへの充電ができる。
【0015】更に、前記機械式駐車装置は二多段駐車装置であり、車を載せたパレットの下降時に充電用接点(12)と給電用接点(13)とが接続し充電が開始する。この構成の二多段駐車装置でも、給電用接点(13)を入出庫や利用者に影響を及ぼさない位置に設置できるので、機械稼働時の安全性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0017】図1は、本発明の充電接点付きパレットの第1実施形態図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。この図に示すように、本発明の充電接点付きパレット10は、充電用接点12と充電ライン14とを備える。充電用接点12は、車1を載せるパレットの側面に設けられ、図示しない格納位置において給電用接点13と接続する。また、充電ライン14は、充電用接点12から供給される電力を車1のバッテリー1aに接続する。この充電ライン14は、非接触型の電磁誘導充電ライン、又は接点を介して接続する直接接続充電ラインであるのがよい。電磁誘導充電ラインを用いることにより、充電ライン14とバッテリー1aとの接続を非接触でできる。また、直接接続充電ラインを用いることにより、周知のコネクタを用いて確実に接続できる。
【0018】図1の充電接点付きパレット10は、更に、充電用接点12と充電ライン14との間に充電装置16を備える。この充電装置16により、給電用接点13から電力を供給するだけで、充電装置16で充電に適した直流電圧に変換することができ、大型の充電設備を不要にできる。
【0019】図2は、本発明の充電接点付きパレットの第2実施形態を示す図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。図2の充電接点付きパレット10は、第1実施形態における充電装置16がなく、充電に適した直流電圧が給電用接点13から直接供給されるようになっている。この構成により、パレット上に余分な充電装置の設置が不要となり、パレットをよりシンプルにすることができる。
【0020】図3は、本発明の充電接点付きパレットの第3実施形態を示す図である。この例では、パレットの両側に充電用接点12を備えている。なお、充電用接点12の位置は、パレットの片側又は両側でもよく、或いはパレットの下面でもよい。
【0021】図4は、本発明の機械式駐車装置の第1実施形態図であり、図5は、図4のA−A線における断面図である。図4及び図5において、本発明の機械式駐車装置はエレベータ式駐車装置であり、上述した充電接点付きパレット10と各格納位置において充電用接点12と接続するように設けられた複数(図4では10箇所)の給電用接点13と、各給電用接点13に電源を供給する電源設備18とを備えている。電源設備18は、格納棚に隣接して垂直に延びる給電ライン18aを有する。この給電ライン18aは、図示しない電源と各給電用接点13と接続する。この構成により、車1を載せたパレット10の格納棚への横スライドにより、充電用接点12と給電用接点13とが接続し充電が開始するようになっている。
【0022】すなわち、図4及び図5に示すエレベータ式駐車装置は、以下のように作動する。
(1)エレベータパーキング(エレベータ式駐車装置)内の左右の隙間に充電用の電線(給電ライン18a)が垂直に延びている。
(2)入出庫フロア(この例では1階)で車1がパレット10上に乗り込む。この際、車に充電用ケーブルが付いている場合には、それをパレット上の接続口に差し込む。車に充電用ケーブルがない場合には、パレット上のケーブルを車に差し込む。
(3)車1を載せたパレット10はリフトで格納棚まで上昇した後、横スライドする。この横スライドの停止と同時に、常設の電線(給電ライン18a)に取り付けられている接点(給電用接点13)とパレット上の接点(充電用接点12)が接触あるいは非接触で通電し充電が開始する。
【0023】図6は、本発明の機械式駐車装置の第2実施形態を示す平面図である。この図において、本発明の機械式駐車装置は平面往復式駐車装置である。また、電源設備18は、格納棚(駐車棚)に隣接して水平に延び各給電用接点13と接続する給電ライン18aと充電装置18bを有する。また、図で格納棚(駐車棚)に沿って走行台車がレール上を走行し、各駐車棚の前で停止してパレット10を駐車棚へ横スライドさせるようになっている。この構成により、車1を載せたパレット10の格納棚(駐車棚)への横スライドにより、充電用接点12と給電用接点13とが接続し充電が開始する。
【0024】図7は、本発明の機械式駐車装置の第3実施形態を示す図であり、図8は、図7の作動説明図である。図7及び図8において、本発明の機械式駐車装置は二多段駐車装置であり、車1を載せたパレット10の下降時に充電用接点12と給電用接点13とが接続し充電が開始するようになっている。
【0025】すなわち、この二多段駐車装置は、以下のように作動して上段パレット10aが下位置着床時のみ充電を行う。
(1)車1が上段パレット10aに乗り込む。車に充電用ケーブルが付いている場合には、それをパレット上の接続口に差し込む。車に充電用ケーブルがない場合には、パレット上のケーブルを車に差し込む。その後、常設の電線18aに取り付けられている接点13aとパレット上の接点12aが接触あるいは非接触で通電し充電が開始する。
(2)続いて、下段パレット10bに車1が乗り込む。この時、下段パレット10bの上昇のために上段パレット10aの接点が外れるので、上段パレット10a上の車1への充電が停止する。下段パレット10bへの駐車が完了すると、パレット10a,10bが下降し、正位置に着床した後、常設の電線18aに取り付けられている接点13a,13bとパレット上の接点12a,12bが接触あるいは非接触で通電し充電が開始する。また、同時に上段パレットの車への充電が再開する。
【0026】上述した本発明の充電接点付きパレット10を用いることにより、駐車中の格納位置において、充電用接点12が給電用接点13と接続して自動車のバッテリー1aへの充電が可能になる。
【0027】また、前記充電用接点12と充電ライン14との間に充電装置16を備えた構成により、給電用接点13から電力を供給するだけで、充電装置16で充電に適した直流電圧に変換することができ、大型の充電設備を不要にできる。
【0028】また、上述した充電接点付きパレット10を用いた機械式駐車装置により、入出庫時には、充電用接点12と給電用接点13が切り離されているので、安全に入出庫でき、駐車中の格納位置において、充電用接点12が給電用接点13と接続して自動車のバッテリーへの充電が可能になる。従って、給電用接点13と給電ラインを入出庫や利用者に影響を及ぼさない位置に設置でき、機械稼働時の安全性を高めることができる。
【0029】なお、本発明は、上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】上述したように、本発明の充電接点付きパレットとこれを用いた機械式駐車装置は、車両の入出庫が円滑にでき、かつ駐車中に電気自動車に充電することができる等の優れた効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000198363
【氏名又は名称】石川島運搬機械株式会社
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【代理人】 【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実 (外1名)
【公開番号】 特開2002−4620(P2002−4620A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−189246(P2000−189246)