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【発明の名称】 二段式駐車装置と、該装置の車両格納用コンテナ
【発明者】 【氏名】中野 恵

【要約】 【課題】

【解決手段】横方向に並べて配置される複数台の車両格納用の下段コンテナ1a〜1dと、横方向に配置され、減速機付きモータにより循環駆動される無端状の索条2と、下段コンテナ1a〜1dにそれぞれ設けられるクランプよりなり、索条2を係脱可能に係止する係止手段3及びレール4と、該レール4上に走行可能に支持され、吊持用のレールを備えた車両格納用の上段コンテナ5a〜5eと、上段コンテナ上に架設される固定レール6と、固定レール6に走行可能に支持されるチェーンブロック等よりなり、吊持用レールを走行可能に吊持する吊持手段7とよりなり、上段コンテナ5a〜5eは共通の吊持手段によって昇降し、下段コンテナ1a〜1dは共通の無端状索条2によって横行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】横方向に並べて配置される複数台の車両格納用の下段コンテナ1a〜1dと、横方向に配置され、駆動装置によって循環駆動される無端状の索条2と、前記各下段コンテナ1a〜1dにそれぞれ設けられ、前記索条2を係脱可能に掴持する掴持手段3及びレール4と、下段コンテナ1a〜1dの各レール4上に走行可能に支持され、レール手段を備えた車両格納用の上段コンテナ5a〜5eと、上段コンテナ上に架設される固定レール6と、該固定レール6に走行可能に支持され、前記レール手段を走行可能に吊持する、上段コンテナ5a〜5eの吊持手段7とよりなることを特徴とする二段式駐車装置。
【請求項2】上下二段に横方向に並べて配置される複数台の車両格納用のコンテナ13a〜13hと、各コンテナ13a〜13hに固着され、上段に位置するコンテナを走行可能に支持するレール14と、上下の前記コンテナを横行させる移動手段15と、左右両側に配置され、前記コンテナ13a〜13hを昇降させる昇降手段16a、16bと、開閉可能或いは進退可能で、閉じたとき或いは前進したとき、上段に位置するコンテナのうち、端のコンテナを走行可能に支持するレール手段26とよりなることを特徴とする二段式駐車装置。
【請求項3】請求項1又は2記載の二段式駐車装置で用いられる車両格納用コンテナであって、矩形状をなす枠体と、該枠に取着され、車両を載せる床板と、同じく前記枠体に取着される車輪、コロ等のランナーと、上段に位置するコンテナの上記ランナーが走行可能なレールとよりなることを特徴とする車両格納用コンテナ。
【請求項4】車両の全長以上の長さを有する雨受け用の天板を枠体に該枠体の両側よりはみ出して取着したことを特徴とする請求項3記載の車両格納用コンテナ。
【請求項5】枠体の支柱をH型鋼、L型鋼、溝型鋼等で構成して溝型鋼29を固着し、隣接するコンテナの枠体のH型鋼、L型鋼、溝型鋼等よりなる支柱28を上下にスライド可能に嵌挿させたことを特徴とする請求項3又は4記載の車両格納用コンテナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、二段式駐車装置と、該装置で用いられる車両格納用のコンテナに関する。
【0002】
【従来技術】二段式駐車装置には、パレットが昇降する昇降方式のもの、パレットが昇降かつ横行する昇降横行方式のものなどがあり、このうち後者の昇降横行方式の二段式駐車装置は、下段の車両を出すことなく上段の車両を出し入れすることができる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、昇降機構及び横行機構をそれぞれ個別に設けることなく共通化して構造を簡素化した昇降横行方式の二段式駐車装置を提供することを第1の目的とし、該二段式駐車装置で用いられる車両格納用のコンテナを提供することを第2の目的とする。
【0004】
【課題の解決手段】請求項1に係わる発明は、第1の目的を達成する昇降横行方式の二段式駐車装置に関するもので、図1に示すように、横方向に並べて配置される複数台の車両格納用の下段コンテナ1a〜1dと、横方向に配置され、駆動装置によって循環駆動される無端状の索条2と、前記各下段コンテナ1a〜1dにそれぞれ設けられ、前記索条2を係脱可能に係止する係止手段3及びレール4と、下段コンテナ1a〜1dの各レール4上に走行可能に支持され、レール手段を備えた車両格納用の上段コンテナ5a〜5eと、上段コンテナ上に架設される固定レール6と、該固定レール6に走行可能に支持され、前記レール手段を走行可能に吊持する、上段コンテナ5a〜5eの吊持手段7とよりなることを特徴とする。
【0005】図1において、下段コンテナ1a〜1dに格納される車両は随時入出庫が行われるが、上段コンテナ5a〜5eに格納される車両の場合、例えば上段コンテナ5cに格納される車両9を出すときには、当該コンテナ5c下に図示するように下段コンテナ1cがある場合、該下段コンテナ1cの係止手段3により索条2を係止したのち、駆動装置により索条2を図1の矢印方向に駆動する。すると、下段コンテナ1dが隣の下段コンテナ1cに押され、該下段コンテナ1cと共に図の右方に一コンテナ分移動する。これにより上段コンテナ5c下に該コンテナ5cが降下可能なスペースが形成される。これと同時に或いは前後して吊持手段7が上段コンテナ5e〜5cの各レール手段を移動しながら固定レール6を前記上段コンテナ5c上まで移動する。
【0006】上述するように上段コンテナ5c下にスペースが形成されたのち、吊持手段7が上段コンテナ5cを下段まで降下させ、その後該上段コンテナ5cに格納される車両9が出庫する。空になった上段コンテナ5cは新たな車両が入庫するまで、そのまゝ待機していてもよいし、上昇させて元の位置に戻しておいてもよい。また右方に移行した下段コンテナ5c、5dは、その位置にそのまゝ位置させておいてもよいし、索条2を矢印と逆向きに駆動して元の図示する位置に復帰させておいてもよい。
【0007】本発明において用いられる索条としては、例えばチェーン、ワイヤー、ロープ等を例示することができる。
【0008】また係止手段としては、索条に一定間隔で突設される突起部に係脱可能に係止する係止部であってもよいが、図2に示すように図示省略のアクチュエイターにより開閉可能で、閉じたときに索条2を掴持するクランプ8が好ましい例として挙げられる。後者のクランプの場合、索条の任意の箇所をクランプし、そのまゝ索条の移動により直ちに下段コンテナを移動させることができる。
【0009】レール手段としては、引掛部を有するレールであれば、どのようなレールであってもよい。こうしたレールの例としては、例えば断面L形、T形、或いは図3に示すような倒J形をなすものが例示される。こうしたレール手段は、上段コンテナに別個に設けられていてもよいし、上段コンテナを構成する上梁のようなコンテナの構成部分であってもよい。
【0010】吊持手段としては、例えばチェーンブロック、ウィンチ等が例示され、図3に示すようにコンテナ5a〜5eの各コンテナ上にそれぞれ突設されるレール手段10の引掛部10aに掛合する掛止部11が設けられる。
【0011】本発明における索条の駆動装置、係止手段及び昇降手段は好ましくはコンピュータによってシーケンス制御される。これによりオペレータが操作盤のボタン操作を行うことによりコンテナの上述する動きが自動的に行われる。
【0012】請求項2に係わる発明は、昇降横行方式の別の二段式駐車装置に関するもので、図4に示すように上下二段に横方向に並べて配置される複数台の車両格納用のコンテナ13a〜13hと、各コンテナ13a〜13hに固着され、上段に位置するコンテナを走行可能に支持するレール14と、上下の前記コンテナを横行させる移動手段15と、左右両側に配置され、前記コンテナ13a〜13hを昇降させる昇降手段16a、16bと、開閉可能或いは進退可能で、閉じたとき或いは前進したとき上段に位置するコンテナのうち、端のコンテナ(図示する例では左端のコンテナ13a)を走行可能に支持するレール手段とよりなることを特徴とする。
【0013】図4において、下段に位置するコンテナ13e〜13hに格納される車両9は随時入出庫が行われるが、上段に位置するコンテナ13a〜13dに格納される車両の場合、例えばコンテナ13cに格納される車両を出すときには、上下に設けた移動手段15、例えば図5に示すように受台18に水平に軸支されるネジ棒19と、受台18に設置され、該ネジ棒19を回転駆動する減速機付きモータ20と、ネジ棒19に螺着され、コンテナ13a〜13hに突設される係止部22に係止するナット21と、受台18を一定量、ナット21が係支部22より離脱する位置まで昇降させる油圧シリンダー(図示省略)よりなる移動手段のネジ棒19をモータ20により回転駆動させてナット21をネジ棒19に沿い移動させ、係止部22に係止させて先ずコンテナ13eを図4の左方にコンテナ一台分移動させ、これにより各コンテナ13f〜13hを順次左方に押し動かす。コンテナ13e〜13hを一台分左方に移動させたのち受台18は一定量降下し、ナット21を係止部22より離脱させる。ついで、ネジ棒19を逆回転させて元の位置に復帰する。
【0014】同時に或いはその後、昇降手段16bがコンテナ13dの迎え位置に上昇する。ついで上段の移動手段15で前記と同様にして下段に位置するコンテナ13hのレール14に支持されるコンテナ13aを図の右方に移動させることにより各コンテナ13b〜13dをコンテナ13g〜13eの各レール14上に沿い、図の右方に押し動かし、コンテナ13dを上昇位置で待機する昇降手段16b上に移動させる。次に該昇降手段16bがコンテナ13dを伴って降下すると共に、昇降手段16aがコンテナ13hを上昇させる。上昇したコンテナ13hは、レール手段(後述する)を閉じ或いは前進させることにより該レール手段で支持される。
【0015】以上のようにしてコンテナ13a〜13hが一台分づゝ時計回り方向に押し動かされ、コンテナ13cは図3のコンテナ13dがあった位置にシフトする。以上の動作が繰り返されることによりコンテナ13cは一台分づゝ右方に移動して昇降手段16bで降下する。降下後車両9の出庫が行われる。
【0016】車両の入出庫が例えば図4の左端でのみ行われる場合は、コンテナが一台分づゝ左方に移動し、左端に達する。
【0017】本発明において用いられる移動手段としては、図5に示すような移動手段のほか、油圧シリンダー等が例示される。この移動手段は、昇降手段とは別個に独立して設けてもよいし、図4に示すように昇降手段16a、16b上に設け、該昇降手段16a、16bと共に昇降するようにしてもよい。
【0018】また昇降手段としては、例えばコンテナを走行可能に支持するレールを備えた台を昇降する油圧シリンダー、屈伸によってコンテナを走行可能に支持するレールを備えた台を昇降させるパンタグラフ機構、上下に循環駆動され、コンテナを走行可能に支持するレールを備えた台が連結される無端状の索条と、該索条を循環駆動する減速機付きモータよりなる吊上機構等が例示される。
【0019】本発明におけるレール手段としては、レールが挙げられる。このレールを開閉させるには例えば図6に示すように、右ネジと左ネジを切ったネジ棒24の各ネジ部にナット25を螺着し、レール26をナット25に連結してネジ棒24を減速機付きモータ27で回転駆動させることによりナット25をネジ棒24に沿って進退させる機構、レールに連結される油圧シリンダーでレールを開閉させる機構等を用いることができ、レールを進退させるには例えばレールに一直線状に連結される油圧シリンダー、レールに一直線状に連結されるラックと、該ラックと噛合し、モータにより回転駆動されるピニオンよりなるピニオンラック機構等を用いることができる。
【0020】請求項3に係わる発明は、第2の目的を達成し、請求項1又は2に係わる二段式駐車装置で用いられるコンテナに関するもので、矩形状をなす枠体と、該枠に取着され、車両を載せる床板と、同じく前記枠体に取着される車輪、コロ等のランナーと、上段に位置するコンテナの上記ランナーが走行可能なレールとよりなることを特徴とする。
【0021】本発明に係わるコンテナは、枠体が骨組だけで、側壁板を有していないから軽量化される。
【0022】請求項4に係わる発明は、請求項3に係わる発明において、車両の全長以上の長さを有する雨受け用の天板を枠体に該枠体の両側よりはみ出して取着したことを特徴とする。
【0023】本発明によると、枠体は車両の全長より短くても枠体の両側よりはみ出す天板が庇となり、車両の前後端を雨から保護することができる。
【0024】また、車両が載る床版は、両側が枠体よりはみ出して天板と同じ長さを有するようになっていてもよいが、車両の前後のタイヤが載るだけの長さを有していてもよく、枠体と同じ長さであってもよい。
【0025】請求項5に係わる発明は、請求項3又は4に係わる発明において、図7に示すように枠体の支柱28をH型鋼、L型鋼、溝型鋼等(図7においてはH型鋼を示す)で構成して該型鋼に略L形断面の溝型鋼29を固着し、隣接するコンテナの枠体のH型鋼、L型鋼、溝型鋼等よりなる支柱28を上下にスライド可能に嵌挿させたことを特徴とする。
【0026】本発明によると、各コンテナは横行する方向には一体に連結されるが、昇降は可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】図8は、図1に示す二段式駐車装置の下段コンテナ1a〜1dとして用いられるコンテナについて示すもので、H型鋼よりなる支柱28と上梁30a及び下梁30bを組合せ、四側面を解放した矩形状の枠体31よりなり、長さは車両の長さより短く、床面には床版32が取付けられ、上面には標準車両の全長とほゞ同一長さの天板33が枠体31の両側よりはみ出し、かつ雨水が流出し易いように傾斜して取付けられている。
【0028】枠体31にはまた、上枠にレール手段である一対のレール34が並設されると共に、下梁30bの前後左右に下段に位置するコンテナのレール34を転動するランナーとしての車輪35と、下梁30bの左右いづれか一側に図2に示すように開閉可能で、閉じたとき無端状をなす索条2を掴持する係止手段としてのクランプ8が取付けられている。
【0029】図9は、図1に示す二段式駐車装置の上段コンテナ5a〜5eとして用いられるコンテナについて示すもので、レール34に代えて図3に示すような倒J型をなすレール手段としてのレール39を取付けると共に、図9には図示していないが、枠体31を構成する各支柱28に図7に示すようにL形断面の溝型鋼29を添着し、かつクランプ8を省いた以外は、図8に示すコンテナと同一構造をなしている。
【0030】本実施形態のコンテナを用いた二段式駐車装置への車両の入出庫は前述の図1に示すものと同様にして行われる。
【0031】図10は、図4に示す二段式駐車装置のコンテナ13c〜13hとして用いられるコンテナについて示すもので、クランプ8に代えて図5に示す係止部22を設け、かつ枠体31を構成する各支柱28に図7に示すように溝溝鋼29を添着した以外は図8に示すコンテナと同一構造をなしている。
【0032】図11は、図4に示す二段式駐車装置で用いられる昇降手段16a、16bについて示すもので、一対のレール41を前記レール34と同一間隔で配置した台42を昇降させるパンタグラフ機構43と、該パンタグラフ機構43を屈伸させる油圧シリンダー44とよりなっている。
【0033】本実施形態のコンテナ及び昇降手段を用いた二段式駐車装置への車両の入出庫は前述の図4に示すものと同様にして行われる。
【0034】
【発明の効果】請求項1に係わる発明によると、各コンテナの昇降は共通の吊持手段により、また横行は駆動装置によって循環駆動される共通の無端状索条によって行われ、コンテナごとに吊持手段や横行させるための手段を設ける必要がないから、構成が簡単となる。
【0035】請求項2に係わる発明においては、移動手段と、昇降手段とレール手段とにより各コンテナがコンテナ一台分づゝ移行して循環するようになっており、各コンテナごとに横行させるための手段を必要としないから構成が簡単となる。本発明においてはまた、車両の入出庫が下段の一カ所から行うことが可能であり、したがって車両の出入口が一カ所だけでよく、必要によってはその出入口にターンテーブルでも設けておけば、車両が一台分出入りできるだけの間口の狭い土地でも設置することができる。
【0036】請求項3に係わる発明のコンテナによると、コンテナを構成する枠体が骨組だけで、側壁板を有していないから軽量化される。
【0037】請求項4に係わる発明のコンテナによると、コンテナを構成する枠体は、長さを車両の全長よりも短くし、軽量化することができる。
【0038】請求項5に係わる発明のコンテナによると、各コンテナは横行時には連結されるから、一つのコンテナのみを押し動かしたり、牽引すればよく、昇降するのには何ら支障がない。
【出願人】 【識別番号】500297214
【氏名又は名称】中野 恵
【出願日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【代理人】 【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一
【公開番号】 特開2002−4617(P2002−4617A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−188873(P2000−188873)