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【発明の名称】 コミュニティー空間を備えた集合住宅
【発明者】 【氏名】麻生 誉

【氏名】田中 聡

【要約】 【課題】ライフスタイルや家族構成の異なる多世代の人々の要求を満たすとともに、それら多世代の人々が自然とふれ合えるコミュニケーション空間を備えた集合住宅を提供する。

【解決手段】集合住宅に、バリエーションの異なる複数の種類の住戸(4)(4)…を用意して、家族構成やライフスタイル等の異なる多世代の人々の入居を可能にするとともに、各住戸(4)(4)…の入居者が共同で使用する複数種類の目的別の共用施設(11)〜(15)を同一フロアに設けて、多世代の人々が集うコミュニティー空間(2)とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バリエーションの異なる複数の種類の住戸を用意して、家族構成やライフスタイル等の異なる多世代の人々の入居を可能にするとともに、各住戸の入居者が共同で使用する複数種類の目的別の共用施設を同一フロアに設けて、多世代の人々が集うコミュニティー空間としたことを特徴とするコミュニティー空間を備えた集合住宅。
【請求項2】 コミュニティー空間に中庭を設け、この中庭を囲むように共用施設を配置するとともに、各共用施設の出入口を中庭側に設けた請求項1記載のコミュニティー空間を備えた集合住宅。
【請求項3】 コミュニティー空間よりも上層階に設けた住戸を、各階毎に開放廊下でつなぐとともに、これら開放廊下を、中庭上方の吹き抜け部分を囲むようにして配置することによって、開放廊下から共用施設内の様子を目視可能とした請求項2記載のコミュニティー空間を備えた集合住宅。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マンションやアパートなどの集合住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複数の住戸が集まったマンションは、入居対象者をある程度絞って建てられていることが多く、単身者に的を絞ったワンルームマンション、子供連れのファミリータイプのマンション等がその例である。従って、1つのマンションには、家族構成やライフスタイルの似た人々が入居していることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、上述したようなマンションでは、ライフスタイルや年齢層の異なる人々が接する機会が少なく、例えこれらの人々が入居していたとしても、これらの人々が無理なく自然にコミュニケーションしながらふれ合える場所もなかった。
【0004】そこで、この発明は、上記に鑑み、ライフスタイルや家族構成の異なる多世代の人々の要求を満たすとともに、それら多世代の人々が自然とふれ合えるコミュニケーション空間を備えた集合住宅を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明のコミュニティー空間を備えた集合住宅は、バリエーションの異なる複数の種類の住戸を用意して、家族構成やライフスタイル等の異なる多世代の人々の入居を可能にするとともに、各住戸の入居者が共同で使用する複数種類の目的別の共用施設を同一フロアに設けて、多世代の人々が集うコミュニティー空間としたことを特徴とする。
【0006】具体的には、コミュニティー空間に中庭を設け、この中庭を囲むように共用施設を配置するとともに、各共用施設の出入口を中庭側に設けた。また、コミュニティー空間よりも上層階に設けた住戸を、各階毎に開放廊下でつなぐとともに、これら開放廊下を、中庭上方の吹き抜け部分を囲むようにして配置することによって、開放廊下から共用施設内の様子を目視可能とした。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係る集合住宅は、地上階の住戸空間(1)と地下1階のコミュニティー空間(2)とで構成される。
【0008】住戸空間(1)は、図2に示すように、その中央部分に各階を連通する吹き抜け(3)が設けられている。そして、各階において、一人暮らし向けの1LDKタイプからファミリー向けの3LDKタイプまで、部屋数、仕様や設備などの異なる複数種類のバリエーションの住戸(4)(4)…が用意され、家族構成やライフスタイルの異なる多世代の人々が入居可能となっている。図2に示すように、これら住戸(4)(4)…は、各階毎に吹き抜け(3)を囲むようにして配された開放廊下(5)でつながれている。尚、開放廊下(5)の内周には吹き抜け(3)への落下を防止するための柵(6)が設けられている。
【0009】コミュニティー空間(2)は、図3に示すように、中央の中庭(7)と、その周りをコ字型に取り囲む複数種類の目的別の共用施設(11)〜(15)とからなる。中庭(7)は、前記吹き抜け(3)の直下に配され、上方から太陽光が射し込むとともに、芝生や樹木が植えられており、自然とふれ合える場となっている。また、中庭(7)は、建物に囲まれているので、この建物の外部から中庭(7)を伺うことはできず、入居者のみが気軽に利用できる場となっている。
【0010】共用施設としては、食堂(11)、浴場(12)、キッズルーム(13)、和室(14)及びホビールーム(15)が用意されている。
【0011】食堂(11)は、オープンキッチンとダイニングからなり、大勢の者が一度に食事を採ることができる。また、オープンキッチンを利用して料理教室を開いたり、ダイニングを利用してパーティや映写会を開催できるといったように、「食」を中心とした多目的な交流の場となっている。
【0012】浴場(12)は、浴室、脱衣室、サウナ及びトイレが夫々2部屋づつ設けられており、男性用と女性用に分けられている。浴室は、浴槽が各住戸備え付けの浴槽よりも大きく設計されているとともに、洗い場が複数設けられているので、複数人が同時に利用することができ、銭湯のような裸のつきあいができるふれ合いの場となっている。また、手足を伸ばしてゆったりと入浴することができる。
【0013】キッズルーム(13)は、遊技スペースと託児スペースとからなる。遊技スペースは、子供の共同保育や学童スペースとして、託児スペースは、安心して子供を預けられるマンション内の託児所として利用され、子育てをするお母さん達や子供達の交流の場となっている。また、遊技スペースの床が板張りとなっているため、夜間はエアロビクスなどをするフィットネスルームとして利用することができる。
【0014】和室(14)は、畳敷きの部屋が二部屋あり、日常は茶道、華道等の習い事や、囲碁、将棋など娯楽のために利用される「和」の交流の場となっている。また、慶弔時や来客時などにも利用することが可能である。
【0015】ホビールーム(15)は、フリースペースと倉庫からなる。フリースペースは、趣味の仲間が集まって、共同作業をしたり教室を開いたりする交流の場である。また、自宅では部屋が狭くてできないような大がかりな工作作業をしたり、部屋が汚れる為にできないような絵画や陶芸を楽しむことができるとともに、作品を展示するギャラリーとしても利用できる。倉庫は、フリースペースで使用する共用の機械などを収納しておくことができる。
【0016】これら共用施設(11)〜(15)には、いずれも中庭(7)側に出入口(16)(16)…が設けられており、各共用施設(11)〜(15)に行くには中庭を通らなければならず、各共用施設(11)〜(15)を利用する者同士が自然と顔を合わせることができる。また、各共用施設(11)〜(15)には、中庭(7)側に窓(17)(17)…が形成されており、それら窓(17)(17)…から中庭(7)の様子が見えるとともに、中庭(7)側からも各共用施設(11)〜(15)内の様子を見ることができる。したがって、コミュニティー空間(2)全体に一体感があり、この空間(2)を利用する人達の間にコミュニケーションをとる機会が生まれ易い。さらに、上層階の開放廊下(5)から柵(6)越しにコミュニティー空間(2)を見下ろして、中庭(7)及び各共用施設内(11)〜(15)の様子を目視できるようになっているため、住戸空間(1)とコミュニティー空間(2)とに一体感もある。
【0017】この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、共同施設としては、図書室や自習室なども考えられる。
【0018】
【発明の効果】このように、この発明にかかる集合住宅では、家族構成やライフスタイルの異なる多世代の入居者が、複数種類の目的別の共用施設を同一のフロアに設けてなるコミュニティー空間を利用することで、子供から年寄りまで無理なく自然とふれ合い、また助け合うことができる昔の長屋のような人間関係を実現できる。
【0019】また、コミュニティー空間に中庭を設けて、この中庭を囲むようにして共用施設が配置されているために、中庭に自然と人々が集まり、より一層入居者間のコミュニケーションが促進される。
【0020】また、中庭上方の吹き抜け部分を囲む開放廊下から、コミュニティー空間内の共用施設の様子を目視できるので、住戸空間とコミュニティー空間との間に一体感が生まれ、人々がコミュニティー空間に興味を持ち易い。また、自然と人々の目がコミュニティー空間に向けられ、コミュニティー空間の存在感が高まるとともに、共用施設での催しなどに興味を持ち参加意欲が湧きやすい。
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【出願日】 平成12年6月26日(2000.6.26)
【代理人】 【識別番号】100082278
【弁理士】
【氏名又は名称】樽本 久幸
【公開番号】 特開2002−4604(P2002−4604A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−191565(P2000−191565)