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【発明の名称】 片流れ屋根を有する二階建て住宅
【発明者】 【氏名】堺 伸彦

【要約】 【課題】片流れ屋根を有する二階建て住宅において、屋根の軒側下方に配置された空間に棟側からの十分な採光を確保する。

【解決手段】片流れ屋根Yを有する二階建て住宅において、片流れ屋根Y棟側の中央に切欠部が形成され、建物A内のダイニングコーナー5およびリビングコーナー6の上方には天井勾配の吹き抜けFが形成され、かつ、この吹き抜けFに面して切欠部の壁面に開口部28が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 片流れ屋根を有する二階建て住宅において、前記片流れ屋根棟側の中央に切欠部が形成され、建物内軒側の少なくとも中央部分には天井勾配の吹き抜けが形成され、かつ、この吹き抜けに面して前記切欠部の壁面に開口部が形成されていることを特徴とする片流れ屋根を有する二階建て住宅。
【請求項2】 前記切欠部の両側にはそれぞれ二階の居住空間が配置され、これら両居住空間を接続する渡り廊下が前記天井勾配の吹き抜けに架設されていることを特徴とする請求項1記載の片流れ屋根を有する二階建て住宅。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片流れ屋根を有する二階建て住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】片流れ屋根を有する住宅は、屋根部分の体積が大きくなるので、建物内の空気の量を非常に多く取ることができ、かつ、広々とした開放的な生活空間を形成することができるという特長を有している。また、屋根を建物の正面側(道路側)に葺き下ろすことで、建物にボリューム感を与え、見栄えを向上させることができるという利点もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した片流れ屋根を有する二階建て住宅においては、屋根の軒側下方に天井勾配の広くて開放的な空間を設けても、軒側の壁面が葺き下ろしの屋根によって大きく開口できない構造上、十分な採光を確保するのが困難であるという問題があった。この問題を解決するため、屋根にトップライトやドーマーウインド等の開口部を設けた住宅は散見されるが、それでも軒が敷地の北側や西側に配置されている場合には、室内に十分な光を取り込むことができない。
【0004】本発明は、上記問題点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、片流れ屋根を有する二階建て住宅において、屋根の軒側下方に配置された空間に棟側からの採光を実現でき、軒側に天井勾配の広くて明るい居住空間を形成することができる片流れ屋根を有する住宅を提供しようとするものである。さらに本発明は、天井勾配の吹き抜けに二階の居住空間同士を連絡する渡り廊下を架設することで、吹き抜けの開放感を保持しつつ吹き抜けの有効利用を図ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、本発明請求項1記載の片流れ屋根のある住宅では、片流れ屋根を有する二階建て住宅において、前記片流れ屋根棟側の中央に切欠部が形成され、建物内軒側の少なくとも中央部分には天井勾配の吹き抜けが形成され、かつ、この吹き抜けに面して前記切欠部の壁面に開口部が形成されていることを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明では、前記切欠部の両側にはそれぞれ二階の居住空間が配置され、これら両居住空間を接続する渡り廊下が前記天井勾配の吹き抜けに架設されていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は実施の形態の片流れ屋根を有する二階建て住宅の西側立面図(正面図)、図2は片流れ屋根を有する二階建て住宅の南側立面図、図3は片流れ屋根を有する二階建て住宅のS3−S3断面図、図4は片流れ屋根を有する二階建て住宅の一階平面図、図5は片流れ屋根を有する二階建て住宅の二階平面図、図6は片流れ屋根を有する二階建て住宅の室内斜視図である。
【0008】図に示すように、本実施の形態の片流れ屋根を有する二階建て住宅は、建物Aの西側,南側が道路R1,R2に面した敷地内に建築された住宅であって、道路R1は南側が高くなるように勾配が設けられるとともに、敷地は南側が高くなるような小山Mとなっていて、この小山M内に建物Aにおける南側外面の一階部分が埋もれる状態で住宅が建築されることにより、道路R2側からは平屋に見えるようになっている。また、道路R1側に面した敷地内には、シンボルツリーTWが植えられている。
【0009】この住宅は、南側に寄せて棟が配置された片流れ屋根Yを有し、この片流れ屋根Yの棟側中央部は、二階の床まで矩形状に切欠されていて、この切欠部分にはバルコニーBが形成されている。このバルコニーBは、前記小山Mから出入り可能となっている。前記建物Aの北側の敷地には、道路R1に面したスロープSを介して車2台を道路R1に対して縦列に駐車可能な駐車スペースPが設けられている。また、前記スロープSにも2台程度の車を駐車可能となっている。
【0010】次に、建物A内の一階部分について説明する。建物の玄関Eは、道路R1に面した西側の中央やや北寄りに設けられ、さらに詳しくは、壁面の一部を凹設してそこに玄関ポーチ1が設けられ、この玄関ポーチ1の北側外壁に玄関ドア2が設けられている。そして、玄関ポーチ1の正面外壁の東側に玄関ホール4が設けられ、この玄関ホール4および玄関ポーチ1の北側に玄関土間3が設けられている。前記玄関ホール4の奥には、玄関ホール4と仕切りなしに連続したリビング・ダイニングルームが配置され、北側がダイニングコーナー5、南側がリビングコーナー6となっている。このリビング・ダイニングルームの上方は天井勾配の吹き抜けFとなっている。また、ダイニングコーナー5の奥には対面式のキッチン7が配置されている。
【0011】前記リビングコーナー6の奥には廊下8および階段9が設けられ、前記キッチン7の東側には廊下8から連絡可能な洗面所10と浴室11が配置され、また、前記階段9の階段下にはトイレ12が設けられている。前記リビングコーナー6の南側には、リビングコーナー6と仕切りなしに連続したピアノ室13が配置されている。このピアノ室13の上部は前記バルコニーBが位置している。そして、ピアノ室13の西側には、ステップ14およびガラス戸15を介して室内の床面よりも高い位置にテラスTEが設けられている。ピアノ室13の東側には、前記廊下8の突き当たりに設けられた開き戸16を介して行き来可能な寝室17が配置されている。そして、この寝室17は引き違い戸18を介して前記駐車スペースPから直接出入り可能となっている。また、前記テラスTEと玄関ホール4との間には、リビングコーナー6から出入り可能な和室19が配置されている。
【0012】続いて、建物Aの二階部分について説明する。前記片流れ屋根YのバルコニーBを挟んだ両側の棟側には、寝室20,21がそれぞれ配置されている。これら両寝室20,21からはそれぞれ引き違い戸22,23を介して前記バルコニーBへ出入り可能となっている。そして、一方の寝室20は階段9を上がった二階のホール24から開き戸25を介して行き来可能であり、他方の寝室21は、ホール24から前記勾配天井の吹き抜けF部分に架設された渡り廊下26を通過し、開き戸27を介して行き来する構成となっている。また、バルコニーBの吹き抜けFに面した壁面には、開口部28が形成されており、この開口部28から吹き抜けを介してリビング・ダイニングルームに南側からの採光を取り込むことができるので、明るく開放的なリビング・ダイニングルームが形成されている。
【0013】以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本実施の形態では、天井勾配の吹き抜けFを建物の軒側中央に配置されたリビング・ダイニングルームの上方のみに設けたが、玄関Eやキッチン7の上方に吹き抜けを設けた構成としても良い。
【0014】
【発明の効果】本発明は、上述の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。請求項1記載の片流れ屋根を有する二階建て住宅にあっては、屋根の棟側に切欠部を形成し、この切欠部の吹き抜けに面した壁面に開口部を形成したので、通常は葺き下ろしの屋根によって壁面に大きな開口を形成できず閉塞されがちな建物軒側の部屋に、棟側からの採光が実現でき、明るい空間を形成することができるという効果が得られる。
【0015】請求項2記載の片流れ屋根を有する二階建て住宅にあっては、切欠部の両側に二階の居住空間をそれぞれ配置し、天井勾配の吹き抜けに二階の居住空間同士を接続する渡り廊下を架設したので、吹き抜けの開放感を保持しつつ吹き抜けの有効利用が図られるとともに、二階に離れ感覚で使用できるプライバシー性の高い空間が形成される。加えて、一階からの眺めも変化に富んで魅力的なものとなる。
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【出願日】 平成12年6月22日(2000.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−4597(P2002−4597A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−188194(P2000−188194)