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【発明の名称】 多層型収納付き建物
【発明者】 【氏名】紋谷 幹男

【要約】 【課題】大きな収納空間を設けてこれを有効利用することができる上に使い勝手も非常に良好であり、収納空間を構成する構造材が強固なコアを構成して建物全体の強度を向上させる構造とする。

【解決手段】収納空間K3は、一階1Fから2階2Fに通じる室内階段S2の踊り場30に面している。収納空間K4は、2階2Fの居室20に面している。そして、室内階段S1、S2、S3、収納空間K1、K2、K3、K4、K5を構成するパネル体を含む構成材により、住戸の地階Lから屋根裏空間Uにかけて角筒型のコアが形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下階にわたって複数の居室を配置した建物において、建物本体内の中央に室内階段を設け、この室内階段に沿って上下階方向に多層構造の複数の収納空間を設けたことを特徴とする多層型収納付き建物。
【請求項2】 前記収納空間の出入り口付近に室内階段の踊り場を設けたことを特徴とする請求項1記載の多層型収納付き建物。
【請求項3】 前記収納空間の出入り口は、各階の所定の居室に面していることを特徴とする請求項1又は2記載の多層型収納付き建物。
【請求項4】 屋根裏に、前記収納空間の上部に位置した屋根裏収納空間を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の多層型収納付き建物。
【請求項5】 地階に、前記収納空間の下部に位置した地階収納空間を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の多層型収納付き建物。
【請求項6】 前記収納空間及び前記室内階段を構成する構成材により、前記建物本体の中央に角筒形のコアを形成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の多層型収納付き建物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収納空間を上下階方向に備えた多層型収納付き建物に関するものである。
【0002】
【背景の技術】例えば、一般住宅や集合住宅等の建物内には、物品を収納するために押入、天袋、納戸等が設けられ、また近年では床下空間を利用した床下収納庫、さらには屋根裏収納などが設けれている。
【0003】近年においてはその家族構成や生活パターンの変化と共に、住戸内にも家具その他の多くの物品が揃えられ、また、その物品の使用形態も季節等に応じて多用化していることなどから、必要に応じてこれらの物品を建物内に収納しておくための大きな収納空間を必要とするようになってきている。この点は、土地の高騰に伴う敷地の有効利用および建物内容積の有効利用の観点からも、建物内に可能な限り大きくしかも効率的な収納空間を設けておくことが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の収納構造においては、単に収納空間を平面的に広くしたいわゆる大型の収納部を床下等に形成したとすると、物品の出し入れ等を行う際に使い勝手が悪いという問題があった。また、このように収納空間を平面的に広く形成しても、例えば間取りとの関係などにおいて開閉蓋を設ける場所や設置数などに制約を受けるためにこれを有効利用しにくいという問題もあった。
【0005】一方、例えば住戸内に設けられる納戸のような収納空間においては、ほとんどの場合、手の届く範囲内が有効利用される空間であり、居住性を重視した通常の居室と同じ天井高をとっても、上部は利用されない無駄な空間になっていた。
【0006】本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、いわゆる蔵のような大きな収納空間を設けてこれを有効利用することができる上に使い勝手も非常に良好であり、また、収納空間を構成する構造材が強固なコアを構成して建物全体の強度を向上させる構造となる多層型収納付き建物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の多層型収納付き建物は、上下階にわたって複数の居室を配置した建物において、建物本体内の中央に室内階段を設け、この室内階段に沿って上下階方向に多層構造の複数の収納空間を設けたことを特徴としている。
【0008】この発明によると、収納空間が建物本体内の中央に上下階方向に区画された多層構造となっているので、これら収納空間の天井高は例えば一般の居室よりも低くなるが、逆に手の届く範囲となるので、上部が無駄な空間とならない。
【0009】また、前記収納空間の出入り口付近に、室内階段の踊り場を設けてもよい。このようにすると、踊り場から収納空間へと直接出入りすることができ、収納空間の使い勝手も極めて良好なものとなる。また、前記収納空間の出入り口を、各階の所定の居室に面するようにしてもよい。このようにすると、居室から収納空間へ直接出入りすることができるので、蔵のような大きな収納空間を設けてもこれを有効利用できる上に使い勝手もさらに良好なものとなる。
【0010】また、屋根裏に、前記収納空間の上部に位置した屋根裏収納空間を設けてもよいし、地階に、前記収納空間の下部に位置した地階収納空間を設けてもよい。このように、屋根裏や地階に、収納空間の上下部に位置する地階空間を設けると、建物の内部空間を、効率的かつ有効に利用することができる。
【0011】そして、前記収納空間及び前記室内階段を構成する構成材により、前記建物本体の中央に角筒形のコアを形成してもよい。このようにすると、建物全体の補強強度が向上し、これにより建物の構造強度上からも有効な効果を発揮する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1から図4は、第1実施形態の多層型収納付き建物であり、本実施形態は、上下階にわたって複数の居室を配置した建物において、建物本体内の中央に室内階段S1、S2、S3を設け、これら室内階段S1、S2、S3に沿って上下階方向に多層構造の複数の収納空間K1、K2、K3…を設けた構成としている。
【0013】以下、これらについて説明すると、本実施形態はパネル組立型の2階建て住戸が例示されており、図1は一階1Fの平面図、図2は2階2Fの平面図、図3は住戸の内部構造を示す立面図、図4は地階L部分を示す平面図である。
【0014】図1に示す一階1Fには、それぞれ複数の居室2、4、玄関6、浴室8、洗面所10、トイレ11、キッチン12等が設けられている。図2に示す二階2Fにも、複数の居室14、16、18、20、浴室22、洗面所24、トイレ26等が設けられている。
【0015】そして、住戸内の中央部には、地階Lから一階1Fに通じる室内階段S1、一階1Fから2階2Fに通じる室内階段S2、2階2Fから屋根裏空間Uに通じる室内階段(梯子)S3が設けられているとともに、これら室内階段S1…に沿って多層構造の収納空間K1、K2、K3、K4、K5が設けられている。
【0016】最下層の収納空間K1は地階Lの空間を利用している。また、最上層の収納空間K5は、屋根裏空間Uを利用している。収納空間K2は一階1Fの居室4に面しており、出入り口28を開けて内部に物品が収納可能となっている。
【0017】収納空間K3は、一階1Fから2階2Fに通じる室内階段S2の踊り場30に面しており、この踊り場30の出入り口32を開けて内部に物品が収納可能となっている。また、収納空間K4は、2階2Fの居室20に面しており、出入り口34を開けて内部に物品が収納可能となっている。
【0018】そして、室内階段S1、S2、S3、収納空間K1、K2、K3、K4、K5を構成するパネル体を含む構成材により、住戸の中央部にタワー状の構造体、すなわち住戸の地階Lから屋根裏空間Uにかけて角筒型のコアが形成されている。
【0019】このように住戸内の中央に室内階段S1、S2、S3を設け、これら室内階段S1、S2、S3に沿って上下階方向に多層構造の複数の収納空間収納空間K1、K2、K3、K4、K5を設けたので、収納空間K1、K2、K3、K4、K5の天井高は例えば一般の居室(例えば居室2、20)よりも低くなるが、逆に各居室から簡単に手の届く範囲に配置されているので、上部が無駄な空間とならない。
【0020】また、収納空間K3は、室内階段S2の踊り場30に面しているので、踊り場30から収納空間K3へと直接出入りすることができ、収納空間K3の使い勝手も極めて良好なものとなる。
【0021】また、収納空間K2、K4の出入り口28、34を、一、二階の居室4、20に面するようにしたので、居室4、20から収納空間K2、K4へ直接出入りすることができるので、蔵のような大きな収納空間を設けてもこれを有効利用できる上に使い勝手もさらに良好なものとなる。
【0022】また、屋根裏空間Uに収納空間K5を設け、地階Lにも収納空間K1を設けたので、住戸の内部空間を効率的かつ有効に利用することができる。そして、室内階段S1、S2、S3、収納空間K1、K2、K3、K4、K5を構成するパネル体を含む構成材により、住戸の地階Lから屋根裏空間Uにかけて角筒型のコアを形成したことから、住戸全体の補強強度が向上し、これにより住戸の構造強度上からも有効な効果を発揮する。
【0023】次に、図5は第2実施形態の多層型収納付き建物を示すものであり、本実施形態は、地階Lから一階1Fに通じる室内階段S1、一階1Fから半2階2HFに通じる室内階段S2、半2階2HFから2階2Fに通じる室内階段S4、2階2Fから屋根裏空間Uに通じる室内階段(梯子)S5が設けられ、これら室内階段S1…に沿って第1実施形態と同様の多層構造の収納空間K1、K2、K3、K4、K5を設けている。そして、収納空間K4、K5の間の上下空間に新たに収納空間K6を設けているとともに、一階1Fの上部にも、半2階2HFと同一高さの収納空間K7を設けている。
【0024】このような構造とすることにより、第1実施形態と同様の効果が得られるとともに、さらに蔵のような大きな収納空間を設けることができる。
【0025】また、図6は第3実施形態の多層型収納付き建物を示すものであり、本実施形態は、本実施形態はパネル組立型の3階建て住戸を例示している。この構造によると、収納空間K3、K8は、室内階段S2、S6の踊り場に面しているので、踊り場から収納空間K3、K8へと直接出入りすることができ、使い勝手が極めて良好な3階建て住戸となる。
【0026】また、収納空間K2、K4、K9の出入り口も、一、二、三階の居室4、20、40に面するようにしたので、居室4、20、40から収納空間K2、K4、K9へ直接出入りすることができて使い勝手が良好なものとなる。したがって、内部空間を効率的かつ有効に利用し、構造強度上からも有効な3階建て住戸を提供することができる。
【0027】なお、上記各実施形態は、本発明を二階建、三階建住宅に適用した例を示したが、その他の種々建物などにも適用できることは言うまでもない。また、各収納空間の天井高としては、使い勝手を考慮した場合、普通の身長の大人が腰や頭を少し低くした状態で歩ける程度の高さ、例えば1.4m程度以上の高さであれば十分であるが、収納物品の形状や収納の仕方、あるいは階高、間取りなどの関係で一部の収納空間についてそれ以下の高さにすることも可能である。また、各収納空間への階段の位置としても、間取りや収まり等の関係で適宜変更してもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る多層型収納付き建物によれば、いわゆる蔵のような大きな収納空間を設けてこれを有効利用することができる上に使い勝手も非常に良好であり、また、収納空間を構成する構造材が強固なコアを構成して建物全体の強度を向上させる構造とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000114086
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
【出願日】 平成12年6月22日(2000.6.22)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
【公開番号】 特開2002−4595(P2002−4595A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−187831(P2000−187831)