| 【発明の名称】 |
スレート屋根の補修方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡 廣志
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| 【要約】 |
【課題】波形スレート屋根を補修や張り替えする場合、アスベストによる環境汚染、処理コストなどの問題や、解体作業中の操業・使用の中断などの問題が伴う。
【解決手段】波形スレート屋根の各波形スレートを屋根面に補強ボルトで固定した後、コーキング処理、下地調整材及び屋根用塗料の塗装を施す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鉄骨造建築における既存の波形スレート屋根を解体することなく補修する方法であって、各波形スレートを屋根面に補強ボルトで固定した後、コーキング処理、下地調整材及び屋根用塗料の塗装を施すことを特徴とするスレート屋根の補修方法。 【請求項2】 補強ボルトは、φ50mm以上の座金を用いるものである請求項1記載のスレート屋根の補修方法。 【請求項3】 補強ボルトの座金のパッキンは、該座金の径より約5mm程度小径にしたものである請求項1記載のスレート屋根の補修方法。 【請求項4】 補強ボルトの固定後に、既存の固定ボルトを除去するものである請求項1記載のスレート屋根の補修方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、既存の波形スレート屋根を解体することなく補修する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】鉄骨造建築におけるスレート屋根においては、約15年以上の年月を経過した場合、そのほとんどが雨水との摩擦によるスレート厚の減少で耐水性能・耐衝撃(地震や台風など)性能の劣化を来している。このため、従来では損傷したり劣化した波形スレートを部分的若しくは全面的に取り替える工事を行う必要があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、補修やスレートの張り替えを行うにも、スレート屋根の場合は一般的に雨をしのぐような下地が無く、C型鋼のモヤが存在するのみで、施工途中での降雨・降雪等の気象条件による問題や、解体作業中のフックボルト(スレートをモヤに固定するためのL型のボルト)の切断による落下などの災害原因を考え合わせると、この施工を行うには、当該建築物の操業・使用を一時的に中止せざるを得ないことになる。また、解体により発生する廃棄処分される波形スレートには、人体に有害とされる石綿(アスベスト)が多量に含まれているため、環境を汚染する問題が生じる。しかも、処分するには法定最終処分場での処理が必要となり、処分費などのコストが高くなる問題が生じる。さらに、このような建築物のほとんどが耐火建築物・準耐火建築物であり、手続や施工上の問題点も考え合わせなければならず、コスト高に結びつく原因となっていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで本発明者は上記諸点に鑑み鋭意研究の結果、本発明を成し得たものであり、その特徴とするところは、鉄骨造建築における既存の波形スレート屋根を解体することなく補修する方法であって、各波形スレートを屋根面に補強ボルトで固定した後、コーキング処理、下地調整材及び屋根用塗料の塗装を施すことにある。 【0005】ここで、本明細書中でいう「波形スレート」とは、屋根葺き材料として用いられるもので、波形に成形したスレートをいう。波形スレートには、小波、中波、大波、リブ波などの形状のものがある。一般的に、既存の波形スレートはC型鋼のモヤなどの屋根面にフックボルト(L型のボルト)などの固定ボルトで固定されている。 【0006】「補強ボルト」とは、既存の波形スレートを屋根面に確実の固定するためのボルトをいう。これは、スレート厚の減少や固定ボルトのパッキンの劣化などにより、緩みや雨漏りの原因となっている可能性が高いことから、既存の固定ボルト以外の箇所を固定するものである。補強ボルトの座金は、φ50mm以上の径にして、スレートに局部的に高い圧力が加わらないようにするのが好ましい。この場合、座金に取り付けるパッキンを、該座金の径より大体5mm程度小さくすることにより、補強ボルトの締め付け力をほぼ一定にすることができる。つまり、補強ボルトを締め付けるときに、座金の径を基準にしてパッキンが押し広げられる径によって、締め付け力が容易に把握できるためである。 【0007】既存の固定ボルトは、補強ボルトで固定した後で取り去ることが望ましい。しかし、施工上不可能な場合が多いことから、このまま放置する他、ナット上部のボルトをハンドクリッパー等で切断するだけでもよい。 【0008】「コーキング処理」とは、パテ状の材料を隙間に充填して水密にする処理をいう。例えば、既存のボルト部分やこれを除去した部分、波形スレートのひび割れ箇所などにコーキング処理を施す。波形スレートの亀裂が10mm以上ある場合には、板金補修が有効となる。板金補修は、亀裂にコーキング材を充填して、板厚0.3mm程度のカラー鉄板をコーキング材で貼り付ける方法である。鉄板はビスなどで固定しておき、その周囲をコーキング材でシールする。 【0009】「下地調整材」とは、既存の波形スレートを強化したり厚みを補充することなどを目的として塗布するものをいう。例えば、セメント系、樹脂系やこれらを混合したものなどがある。下地調整材は、スレートの状態(補強ボルトの固定時に確認)に合わせて、塗布厚や硬さを調整する。状況によっては重ね塗りも有効である。通常、下地調整材の塗布後に防水シーラー塗装を行う。ただ、この塗装は下地調整材の塗布前に行ってもよく環境やスレートの状態に応じて施工する。 【0010】「屋根用塗料」とは、下地調整材を塗布した後に塗布するもので、防水層の形成や着色を目的とした塗料をいう。材質については、特に限定するものではないが、防水性の他に耐候性や密着性が高く、しかも本発明の目的から水性塗料など作業環境を汚染しないものが好ましい。この屋根用塗料を塗装することにより、経年変化の発生を上塗り材の摩滅というかたちで知徳することができ、迅速に対応することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。 【0012】本発明に係るスレート屋根の補修方法の実施の形態の一例として、先ず高圧洗浄機でスレート屋根の埃、藻などの不純物を十分に洗浄する。特に、スレートの継ぎ目を集中的に行う。この後、図1に示すように既存の固定ボルト2以外の箇所に補強ボルト1でスレートSをモヤ(C型鋼)3に固定する。補強ボルト1によるスレートSの固定箇所は、特に限定するものではないが、図のようにスレートSの山部を固定するのが雨漏りを防止する上で好ましい。 【0013】補強ボルト1は、図2に示すようにφ6×90の六角頭のセルフドリリングビスであり、ネジ長が60mmである。本発明においては、この補強ボルト1に用いる座金4の径をφ50mm以上にして老朽化したスレートSにかかる締付圧が大きくならないようにしている。本例では、厚さ1.6mm、径φ60mmの座金4に、厚さ8mm、径φ55mmのフェルトパッキン5を組み合わせている。大径の座金4とこれよりやや小径のパッキン5の組み合わせにより、スレートSにかかる負担を少なくすると共に、締め付けるときにパッキン5の径が例えば座金4と大体同じ径になるまで締め付けることを目安にすることができ、締め付け過ぎや締め付け不足を防止することが可能となる。 【0014】補強ボルト1でスレートSを固定した後は、既存の固定ボルト2を除去する。前述したように、施工上不可能な場合はそのまま放置したり、ナット上部のボルトを切除するだけでもよい。次に、固定ボルト2を除去した箇所やスレートSのひび割れした箇所などに一液変性シリコンコーキングなどでコーキング処理を施す。そして、カチオンフィラーなどによる下地調整材の塗装、防水シーラーや水性のアクリルシリコンなどの屋根用塗料を塗装することで完了する。 【0015】本発明にかかるスレート屋根の補修方法の施工に先立ち、図3(a)のように安全対策として安全帯用の親綱6を設ける。親綱6は、同図(b)(c)のようにモヤ3にボルトで固定したアングル7に取り付ける。また、同図(d)のように適宜箇所に縦移動用足場板8と横移動用足場板9を配置する。 【0016】また、図4(a)で示すように転落防止及び洗浄・塗装作業のための飛散防止用の仮設10を設けてもよい。仮設アングル11は、同図(b)(c)のようにスレート面に固定し、転落防止用親綱12とネット用ロープ13を設け、該ネット用ロープ13に、同図(a)のように飛散防止ネット14を取り付ける。 【0017】 【発明の効果】以上のように本発明に係るスレート屋根の補修方法は、鉄骨造建築における既存の波形スレート屋根を解体することなく補修する方法であって、各波形スレートを屋根面に補強ボルトで固定した後、コーキング処理、下地調整材及び屋根用塗料の塗装を施すことにより、環境を汚染することなく極めて簡単確実に老朽化したスレート屋根を修復することができる。 【0018】特に、補強ボルトに大経の座金を使用することで強度の低下した波形スレートを破損することなく確実に固定できる効果がある。また、本発明に係るスレート屋根の補修方法による施工を行うことにより、屋根用塗料の塗り直しだけで長期に渡って屋根の強度を保つことが可能となるなど、実用上極めて有益な効果を有するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500581250 【氏名又は名称】岡 廣志
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| 【出願日】 |
平成12年12月21日(2000.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080724 【弁理士】 【氏名又は名称】永田 久喜
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| 【公開番号】 |
特開2002−188248(P2002−188248A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月5日(2002.7.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−388105(P2000−388105) |
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