トップ :: E 固定構造物 :: E04 建築物




【発明の名称】 浴室ユニットの壁面構造
【発明者】 【氏名】北川 浩平

【氏名】佐々木 貴史

【氏名】佐伯 宜之

【要約】 【課題】従来の浴室ユニットは、壁面が平坦で画一的な印象を与えたという点を改善し、壁面を立体的に造形することにより、浴室ユニットに従来には見られない質感を与えようとするものである。

【解決手段】浴室ユニットの壁パネル3を連結して形成された壁面Aの所定位置に、外側に弧状に湾曲した縦長の湾曲パネル5を取り付け、この湾曲パネル5で壁面Aに、略柱状に突出した膨出部Bを形成することとした。また、この膨出部Bを、ハンドバー9を使い勝手の良い位置に取り付けるための基礎部分として用いることとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 屋内に浴室空間を構築するための浴室ユニットの壁面構造であって、この壁面は、横方向に連結された複数の平板状の壁パネルと、この壁パネルの表面の所定位置に取り付けられた縦長のアールパネルとからなり、このアールパネルで、壁面に突出した略柱状の膨出部が形成されるようにしたことを特徴とする浴室ユニットの壁面構造。
【請求項2】 壁パネルの表面に上向きの掛支部を有する取付フックが取り付けられると共に、アールパネルの裏面に下向きの係合凹所を有する連結ステーが取り付けられ、上記取付フックの掛支部が連結ステーの係合凹所に嵌まり込むことにより、アールパネルが壁パネルの表面に取り付けられるようになされたことを特徴とする請求項1記載の浴室ユニットの壁面構造。
【請求項3】 アールパネルの裏面に構造材が一体的に取り付けられ、この構造材で支持されるようにアールパネルの表面に、ハンドバーが取り付けられ、ハンドバーが周囲の壁面から突出した浴室の内方位置に設けられるようになされたことを特徴とする請求項1または2記載の浴室ユニットの壁面構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内に浴室空間を構築するための浴室ユニットの壁面の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】屋内に浴室空間を構築するための浴室ユニットは、図9に示すように、浴槽1と、この浴槽1に隣接配置される洗い場パン2と、浴槽1と洗い場パン2の周囲に立設される複数の壁パネル3と、天井面を塞ぐ天井パネル4とで構成されており、これらで一つの独立した水密構造の浴室を形成するようにしていた。
【0003】ここにおいて従来の浴室ユニットでは、周囲の壁面Aは、複数の板状の壁パネル3を横方向に連結して形成されていた。したがって、その壁面Aは平坦であり、この平坦な面に照明器具22や鏡20、棚21などの浴室設備が取り付けられていた。また、身障者や老齢者などが入浴する際の手掛りとなるハンドバー19も、この平坦な壁面Aの適所に固定されていた。
【0004】なお、図9において符号3cは、隣り合った壁パネル3,3同士の間に生じた合せ目を示す。また、14は、洗い場パン2の一側に設けられたカウンターを示し、このカウンター14に湯水混合栓15が設けられている。この湯水混合栓15には、シャワーホース16が分岐するように設けられ、シャワーホース16先端のシャワーヘッド17が、壁面Aに固定されたいずれかのシャワーフック18a,18bで係止されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の浴室ユニットでは、壁面が平坦で、かつ、この壁面には壁パネルの合わせ目が生じるので、見栄えが良くなかった。そのため、浴室ユニットの構成部材に人造大理石や琺瑯パネルなどの高級材を用いても、その質感の向上には限界があった。
【0006】また、図9に示したように、洗い場と浴槽との間の壁面にハンドバーを取り付けた場合、カウンターが邪魔になり、ハンドバーに体を近づけることができないので、本来、その使用を最も必要とする身障者や高齢者にとって、その使用がきわめて困難であるという問題点があった。また、この点を改善するためにハンドバーの脚部を長くすると、ハンドバーの取付部に大きな力が作用するため、その取付構造を強化しなくてはならず、浴室ユニットのコストの上昇を招くと共に、壁面から大きく突出したハンドバーが、突起物として不慮の事故を引き起しかねないという新たな問題点が生じた。
【0007】本発明は、上記従来の浴室ユニットが有していた問題点の解決を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明のうち、請求項1記載の発明は、屋内に浴室空間を構築するための浴室ユニットの壁面構造を、横方向に連結された複数の平板状の壁パネルと、この壁パネルの表面の所定位置に取り付けられた縦長のアールパネルとからなり、このアールパネルで、壁面に突出した略柱状の膨出部が形成されるものとしたことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、壁パネルの表面に上向きの掛支部を有する取付フックを取り付けると共に、アールパネルの裏面に下向きの係合凹所を有する連結ステーを取り付けた構成を加え、上記取付フックの掛支部が連結ステーの係合凹所に嵌まり込むことにより、アールパネルが壁パネルの表面に取り付けられるようにされたものと、限定したことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、アールパネルの裏面に構造材を一体的に取り付け、この構造材で支持されるようにアールパネルの表面に、ハンドバーを取り付け、ハンドバーが周囲の壁面から突出した浴室の内方位置に設けられるようにした構成を加えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示した実施の形態に基づき詳細に説明する。なお、図において、従来例で示したものと同一のものには、同一符号を付している。
【0012】図1は、本発明に係る壁面構造の実施形態を示した浴室ユニットの要部斜視図である。図示したように、この浴室ユニットの基本構成は、従来例において示したものと全く同様であり、浴槽1と、この浴槽1に隣接配置される洗い場パン2と、浴槽1と洗い場パン2を取り囲むようにその周囲に立設される複数の壁パネル3と、天面を塞ぐ天井パネル4とで構成されている。
【0013】そして、洗い場パン2の浴槽1が接した側の壁面Aには、カウンター14が設けられ、このカウンター14に湯水混合栓15が取り付けられている。なお、図1において符号20は、カウンター14の後側の壁面Aに取り付けられた鏡を示す。
【0014】ここにおいて、本発明の浴室ユニットの壁面構造では、一つの壁面Aを構成した壁パネル3の接合個所、即ち、壁パネル3,3同士が直交した隅角部ではない同一平面で隣り合った個所に、その合せ目(図2の符号3c参照)を覆い隠すように、外側に弧状に湾曲した縦長の湾曲パネル5を取り付け、この湾曲パネル5で壁面Aに柱状の膨出部Bを形成するようにしている。
【0015】湾曲パネル5は、図5〜図7に示すように表面が弧状に湾曲したパネルの両端を横方向の複数の連結ステー6で連結した平面視略D字形のものであり、この連結ステー6の下側には、左右対称にそれぞれ後述する取付フック7が係合する係合凹所6aが設けられている。
【0016】なお、上記湾曲パネル5は、壁パネル3と同様に、合成樹脂や琺瑯パネルなどで形成されている。また、図6において符号12は、この連結ステー6をアールパネル5に一体的に連結するためのリベットを示す。
【0017】上述した取付フック7は、図3に示すように上向きに傾斜した掛支部7aを有する金属小片状のものであり、図2に示すように壁パネル3,3同士が接合された合せ目3cを挟むように、その両側に対称に、かつ、上下の異なる位置に複数、タッピングビス8で固定されるようになっている。
【0018】なお、このタッピングビス8が固定される壁パネル3が、琺瑯パネルのように薄い金属板などをベースとしている場合には、予めタッピングビス8が取り付けられる個所の裏面側に、図3に示すように裏打ち材などの構造材3aを一体的に設けておくこととする。なお、図3において符号3bは、琺瑯パネル製の壁パネル3の裏面に一体的に接合されたウレタン保温材を示す。
【0019】上記のようにして壁パネル3の所定位置に取付フック7を取り付け、次に、この取付フック7の上側から図4に矢印で示すように、アールパネル5を落し込む。このことにより、アールパネル5の裏面側に取り付けられた連結ステー6の係合凹所6aに、取付フック7の上向きの掛支部7aが嵌まり込み、アールパネル5はこの取付フック7で、左右への位置ずれ不可に壁パネル3の前側に掛支保持される。
【0020】なお、アールパネル5の下端には、別途用意したパネルカバー取付座5bとパネルカバー(図示せず)が取り付けられ、その開放部分が塞がれるようになっている。また、図示していないが、アールパネル5の上端にも同様にパネルカバー取付座とパネルカバーが取り付けられ、壁パネル3との間隙が塞がれるようになっている。
【0021】以上のようにして本発明の浴室ユニットの壁面構造では、平板な壁パネル3で構成された壁面Aに、アールパネル5で略柱状の膨出部Bが形成されるものである。
【0022】よって、平面で画一的になりがちであった浴室ユニットの壁面に、従来には見られなかった立体感が付与される。
【0023】なお、上記では説明を省略したが、壁パネル3とアールパネル5との間に生じる隙間は、適宜、シリコーンなどの防水剤を用いて塞ぐこととする。また、壁パネル3にアールパネル5を取り付ける際、接着剤を併用しても良く、このようにすれば、その取り付けが一層強固なものとなり望ましい。
【0024】また、このようにしてカウンター14の後側に形成された膨出部Bを利用して、周囲の壁面Aから突出した位置に、図1に示すようにハンドバー9を取り付けても良く、このようにすれば洗い場パン2と浴槽1のいずれの側からもこのハンドバー9が握り易くなり、また、その際、カウンター14に邪魔をされることなく、体を近づけることができるので、障害者や老齢者にとってきわめて使用勝手の良いものとなり好ましい。
【0025】図8は、このハンドバー9の取付例を示す要部分解斜視図である。この例では、アールパネル5の表面に、内周に雌ねじ11aが形成された略円筒形のフランジ11を回動可能に取り付け、一方、ハンドバー9には、その端部の外周に、この雌ねじ11aと螺合する雄ねじ(図示せず)を設け、ハンドバー9の先端をフランジ11に差し込んだ状態で、このフランジ11を回転させることにより、上記両ねじを螺合させ、ハンドバー9を固定するようにしている。
【0026】なお、ここにおいて、膨出部Bを形成するアールパネル5の裏面には、予めその所定位置に裏打ち材などの構造材5aが一体的に設けられており、上記フランジ11は、この構造材5aが設けられた個所に、表裏一対の座金10a,10bを介して取付ボルト13で取り付けられるようになっている。なお、この構造材5aだけでは強度が不足する場合は、図示したように、その裏側に別途、さらに補強用の取付金具23を取り付ければ良い。
【0027】なお、上記では膨出部Bに手摺りとなるハンドバー9を取り付けた例を示したが、このハンドバー9の代わりにシャワーヘッド(図示せず)をスライド可能に保持するスライドバーを取り付けても良く、あるいはこのハンドバー9にスライドバーの機能を兼ねさせるようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち、請求項1記載の発明は、浴室ユニットの壁面にアールパネルで略柱状の膨出部を形成することとしたので、平面で画一的な印象を与えがちであった浴室ユニットの壁面が、立体的な造形となり、浴室ユニットに従来には見られなかった質感や高級感を醸し出すことができるという効果がある。
【0029】請求項2記載の発明は、壁パネルの表面に上向きの掛支部を有する取付フックを取り付けると共に、アールパネルの裏面に下向きの係合凹所を有する連結ステーを取り付け、両者の係合により、アールパネルを壁パネルの表面に取り付けるようにしたので、上記請求項1記載の発明の効果に加え、アールパネルの取り付けが簡単、かつ確実になされるという効果がある。
【0030】請求項3記載の発明は、アールパネルの裏面に構造材を一体的に取り付け、この構造材で支持されるようにアールパネルの表面に、ハンドバーを取り付けたので、何ら壁面構造を強化することなく、ハンドバーを使い易いように、周囲の壁面から突出した位置に取り付けることができ、その使用勝手を向上させることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000108661
【氏名又は名称】タカラスタンダード株式会社
【出願日】 平成12年9月27日(2000.9.27)
【代理人】 【識別番号】100061664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 ハルミ
【公開番号】 特開2002−97734(P2002−97734A)
【公開日】 平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願番号】 特願2000−293306(P2000−293306)