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【発明の名称】 便器と排水管との接続装置
【発明者】 【氏名】中村 健一

【要約】 【課題】施工性及び信頼性の高い便器と排水管との接続装置を提供する。

【解決手段】便器の排水口に接続される便器側接続管と、床面又は壁面に配設された排水管と接続される排水側接続管と、前記便器側接続管と前記排水側接続管を連結する連結管とを備えた便器と排水管との接続装置において、前記連結管は複数に分割されたことを特徴とする便器と排水管との接続装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 便器の排水口に接続される便器側接続管と、床面又は壁面に配設された排水管と接続される排水側接続管と、前記便器側接続管と前記排水側接続管を連結する連結管とを備えた便器と排水管との接続装置において、前記連結管は複数に分割されたことを特徴とする便器と排水管との接続装置。
【請求項2】 前記連結管は少なくとも一つが異なる長さに分割されたことを特徴とする請求項1に記載の便器と排水管との接続装置。
【請求項3】 前記便器側接続管と前記連結管、分割された前記連結管同士、前記連結管と前記排水側接続管の相互の回転を規制するための回転規制構造を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の便器と排水管との接続装置。
【請求項4】 前記回転規制構造が凹凸構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の便器と排水管との接続装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便器の排水口に接続される便器側接続管と、床面または壁面に配設された排水管と接続される排水側接続管と、便器側接続管と排水側接続管を連結する連結管とを備えた便器と排水管との接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の便器と排水管との接続装置としては、例えば特開平7−526239号及び図4に見られるものが知られている。この種の便器と排水管との接続装置11は、図4に示されるように便器の排水口に接続される便器側接続管12と、床面または壁面に配設された排水管と接続される排水側接続管14と、便器側接続管12と排水側接続管14を連結する連結管13とからなる。一方、建物側の排水管位置(壁面から排水管までの距離,一般ラフィンと称される)は便器の仕様によって決定される。改築などにより便器を交換する場合、交換前に設置していたものと仕様が異なると、便器本体の排水口の位置が変わることがある。このような場合、便器と排水管の接続は、便器側接続管12と排水側接続管14を連結する連結管13を切断して、排水管位置の調整(一般にラフィン調整と称する)を行なっている。また、便器と排水管との接続装置11を組み立てる際には、便器側接続管12と排水側接続管14にねじれを生じさせないため、便器側接続管12、連結管13、排水側接続管14の各接続部の断面を非真円形状としたり、各部材に合印を入れたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の便器と排水管との接続装置では、ラフィン調整は便器の設置現場にて作業者が手作業で断面略円形の連結管を切断するため、切断の作業性が悪いだけでなく、切断による寸法誤差が生じ、トイレブース内の便器設置位置に影響を与え、便器の設置が出来なくなる場合もある。また、一般的に塩ビなどの樹脂材料により成形された連結管の切断面には、バリが発生する。このバリに汚物やトイレットペーパーが引っ掛かり、便器と排水管との接続装置内の詰りの原因となる。また、便器と排水管との接続装置の合印による組み立てでは、人為作業のためにねじれが生じ、便器を設置したときに排水管接合部などに隙間ができ、漏気又は漏水の原因となることがある。また、便器側接続管、連結管、排水側接続管の各接続部の断面を非真円形状とした場合は、各接続部の成形が困難なため、各接続部の形状が所定の形状に成形されず、接続部から漏気や漏水する危険性があり信頼性に劣る。本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、施工性と信頼性の高い便器と排水管との接続装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題を解決するために、本発明の便器と排水管との接続装置は、便器の排水口に接続される便器側接続管と、床面又は壁面に配設された排水管と接続される排水側接続管と、便器側接続管と排水側接続管を連結する連結管とを備えた便器と排水管との接続装置において、連結管を複数に分割する。これによりラフィン調整は、複数に分割された連結管の接続で、設定されたラフィンにすることが可能となる。この結果、連結管の切断作業がなくなるので、便器と排水管との接続装置の施工性が向上するとともに、切断による寸法誤差もなくなるので便器設置が確実に行え、しかも切断によるバリもなくなるので汚物やトイレットペーパーの詰まりを低減することが可能になる。
【0005】本発明の好ましい態様においては、連結管を少なくとも一つが異なる長さに分割する。一般的なラフィンは、例えば255mm、305mm、385mm、435mmの如く4種類程度であり、隣接するラフィンの差は50mmや80mmのように一定でないため、連結管の分割を一般的な隣接するラフィンの差にすることで、分割数を少なくしつつ、一般的なラフィンへの対応が可能になる。また、分割数が少なくなるので、比較的長いラフィンの組立てにおいて、連結管の接続作業の工数を少なくすることも可能となる。
【0006】また、本発明の他の好ましい態様においては、便器側接続管と連結管、分割された連結管同士、連結管と排水側接続管の相互の回転を規制するための回転規制構造を設ける。これにより、接続時のねじれを抑制できるので、便器を設置しても排水管接合部などの隙間を抑え、漏気や漏水などのトラブルを防ぐことができる。
【0007】更に、本発明の好ましい態様は、回転規制構造を凹凸構造とする。これにより、回転規制構造の成形性が容易になるので、接続部のねじれを抑制できるとともに、接続部からの漏気や漏水などのトラブルを防ぐことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1は本発明の第一の実施例を用いた便器の設置状態を示す側面図である。図1において、便器と排水管との接続装置2は、便器1の排水口1aに接続される便器側接続管4と、床面FLに配設された排水管9に接続される排水側接続管5と、便器側接続管4と排水側接続管5とを連結するための等分割された連結管3からなる。
【0009】図2は本発明の便器と排水管との接続装置2の第一の実施例を示す斜視図である。図2において、便器側接続管4は、上部に便器1の排水口1aを挿入して気密状態に保つゴムジョイント6を備え、水平方向には上部外周に回転規制凸7が設けられた連結管3または排水側接続管5と外側接続される接続口4aが開設され、また図示せぬが下部には螺子10にて床面FLに固定するための螺子挿通孔を備えている。
【0010】排水側接続管5は、水平方向には上部内周に回転規制凹8が設けられた連結管3または便器側接続管4と内側接続される接続口5aが開設され、下部には床面FLに配設された排水管9と接続されるためのフランジ5bを備えている。
【0011】連結管3は、中空円筒形状であり、6つに等分割された連結管3Aからなる。等分割された連結管3Aは、一方に上部内周に回転規制凹8が設けられた便器側接続管4または他の連結管3Aと内側接続される大径部3Aaと、他方に上部外周に回転規制凸7が設けられた排水側接続管5または他の連結管3Aと外側接続される小径部3Abを備え、それぞれが30mmのラフィン調整機能を有している。
【0012】壁面WLから床面FLに配設された排水管9までの距離であるラフィンRIの調整(一般にラフィン調整と称する)は、便器側接続管4と排水側接続管5と、等分割された連結管3Aの組合せによって行なう。例えば、便器側接続管4と排水側接続管5とを連結管3を介すことなく直接接続すれば255mmのラフィンRIに対応でき、便器側接続管4と排水側接続管5との間に等分割された連結管3Aを1つ介在させると285mmのラフィンRIに対応でき、更に等分割された連結管3Aを1つ加えて2つ介在させると315mmのラフィンRIに対応できる。以下同様に、等分割された連結管3aを6つ介在させると435mmのラフィンRIに対応できる。
【0013】図1に戻り、便器と排水管との接続装置2の組立ては、便器側接続管4の接続口4aの回転規制凸7に等分割された連結管3Aの大径部3Aaの回転規制凹8を勘合させて接続し、等分割された連結管3Aの小径部3Abの回転規制凸7に他の連結管3Aの大径部3Aaの回転規制凹8を勘合させて接続し、他の連結管3Aの小径部3Abの回転規制凸7に排水側接続管5の接続口5aの回転規制凹8を勘合させて接続する。ここでは、等分割された連結管3Aを2つ介在させた組立て例を説明したが、ラフィン調整により必要となる等分割された連結管3Aの個数が変化した場合は、その変化に応じて、同様の作業を実施すればよい。また、それぞれの接続は、接着剤を用いて接着する。
【0014】本構成によれば、便器と排水管との接続装置2の組立てにおいて、連結管の切断作業がなくなるので、便器と排水管との接続装置2の施工性が向上するとともに、切断による寸法誤差もなくなるので便器設置が確実に行え、しかも切断によるバリもなくなるので汚物やトイレットペーパーの詰まりを低減することが可能になる。また、便器側接続管4と連結管3A、分割された連結管3A同士、連結管3Aと排水側接続管5、または便器側接続管4と排水側接続管5の相互の回転を、回転規制凸7および回転規制凹8にて規制するため、接続時のねじれが抑制でき、便器を設置しても排水管接合部などの隙間を抑え、漏気や漏水などのトラブルを防ぐことができる。
【0015】第一の実施例では、連結管3は6分割としたが、これに限定されるものではない。例えば、分割数を6よりも多くすれば、ラフィンRIの調整幅が小さくなるので、より多くのラフィンRIへの対応が可能となり、また分割数を6よりも小さくすれば、比較的長いラフィンRIのときに、連結管3Aの接着数が減少するので、作業性が向上する。
【0016】図3は本発明の便器と排水管との接続装置2の第二の実施例を示す斜視図である。図3において、便器側接続管4および排水側接続管5は、図2に示される第一の実施例と同じ構成である。
【0017】連結管3は、中空円筒形状であり、50mmのラフィン調整機能を有している連結管3Bと、130mmのラフィン調整機能を有している連結管3Cからなる。連結管3Bは、一方に上部内周に回転規制凹8が設けられた便器側接続管4または連結管3Cと内側接続される大径部3Baと、他方に上部外周に回転規制凸7が設けられた排水側接続管5または連結管3Cと外側接続される小径部3Bbを備えている。連結管3Cは、一方に上部内周に回転規制凹8が設けられた便器側接続管4または連結管3Bと内側接続される大径部3Caと、他方に上部外周に回転規制凸7が設けられた排水側接続管5または連結管3Bと外側接続される小径部3Cbを備えている。
【0018】ラフィン調整は、便器側接続管4と排水側接続管5と、分割された連結管3B,3Cの組合せによって行なう。例えば、便器側接続管4と排水側接続管5とを連結管3を介すことなく直接接続すれば255mmのラフィンRIに対応でき、便器側接続管4と排水側接続管5との間に連結管3Bを介在させると305mmのラフィンRIに対応でき、更に連結管3Cを介在させると435mmのラフィンRIに対応できる。また、便器接続管4と排水側接続管5との間に連結管3Cのみを介在させると385mmのラフィンRIに対応できる。
【0019】本構成によれば、隣接するラフィンRIの差が一定でない場合でも、連結管を切断することなく一般的なラフィンRIへの対応が可能になるので、便器と排水管との接続装置2の施工性が向上するとともに、切断による寸法誤差もなくなるので便器設置が確実に行え、しかも切断によるバリもなくなるので汚物やトイレットペーパーの詰まりを低減することが可能になる。また、便器側接続管4と連結管3B,3C、各連結管3B,3C同士、連結管3B,3Cと排水側接続管5、または便器側接続管4と排水側接続管5の相互の回転を、回転規制凸7および回転規制凹8にて規制するため、接続時のねじれが抑制でき、便器を設置しても排水管接合部などの隙間を抑え、漏気や漏水などのトラブルを防ぐことができる。更に、少ない分割数でも一般的なラフィンRIへの対応が可能となるため、連結管の接続作業の工数を少なくすることも可能となる。
【0020】第二の実施例では、連結管3を50mmのラフィン調整機能を有している連結管3Bと、130mmのラフィン調整機能を有している連結管3Cとに分割したが、これに限定されるものではなく、例えば分割数を2より多くしてもよく、またそれぞれの調整機能についても50mmや130mmにとらわれず他の寸法としてもよい。
【0021】尚、ラフィンRIが特殊または排水管9の配設誤差などにより、これらの便器と排水管との接続装置2を用いても便器1が設置できない場合は、接続管3をそのラフィンRIよりやや長くなるように組合せた後、従来の便器と排水管との接続装置2と同様に接続管3を切断してラフィン調整を行なう。
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【出願日】 平成12年9月27日(2000.9.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−97706(P2002−97706A)
【公開日】 平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願番号】 特願2000−294194(P2000−294194)