| 【発明の名称】 |
連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサ |
| 【発明者】 |
【氏名】宮崎 正宏
【氏名】白田 優
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| 【要約】 |
【課題】カッタービットによる粉砕が確実で、かつ容易に種々の寸法のものを作成することができ、また軽量化を達成することができる特定の材質の連続地中壁の打ち継ぎ用スペーサを提供する。
【解決手段】先行壁エレメントに後行壁エレメントを打ち継いで一連に連続地中壁を構築するために後行壁エレメントを築造する掘削作業に伴って切削される先行壁エレメントの打ち継ぎ部Cに切削厚さを確保すべく埋設され、切削により破砕される連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサ6を、FRP材で薄板状に形成する。板状のFRP材は、先行壁エレメントを築造すべくその内部に埋設される鉄筋籠5の端縁5aとで中空筒状殻体9を形成するために、その中央部6cが鉄筋籠5から外方に向かって膨出され、その両端部6a,6bが鉄筋籠5に固定される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先行壁エレメントに後行壁エレメントを打ち継いで一連に連続地中壁を構築するために該後行壁エレメントを築造する掘削作業に伴って切削される該先行壁エレメントの打ち継ぎ部に切削厚さを確保すべく埋設され、切削により破砕される連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサにおいて、FRP材で薄板状に形成されることを特徴とする連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサ。 【請求項2】 前記板状のFRP材は、前記先行壁エレメントを築造すべくその内部に埋設される鉄筋籠の端縁とで中空筒状殻体を形成するために、その中央部が該鉄筋籠から外方に向かって膨出され、その両端部が当該鉄筋籠に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カッタービットによる粉砕が確実で、かつ容易に種々の寸法のものを作成することができ、また軽量化を達成することができる連続地中壁の打ち継ぎ用スペーサに関する。 【0002】 【従来の技術】鉄筋コンクリート造もしくは鉄骨鉄筋コンクリート造の連続地中壁は、従来よく知られているように、長大な長さの地中壁を適宜長さの壁エレメントに分けて築造し、隣接する壁エレメント同士を打ち継ぐことによって一連に形成されている。 【0003】通常、各壁エレメントの築造にあたっては、例えばハイドロフレーズ掘削機などの掘削機械を用い、地表面から所定の深度および長さ、幅で削孔を形成しながら、当該削孔内にセメントミルクを注入しつつ揚泥配管を介して地上に掘削土砂を排出して、掘削作業とコンクリート打設作業を並行して行いつつ、地上では壁エレメントに埋設するための鉄筋籠を組み上げ、掘削作業完了後に削孔内のセメントミルク中に鉄筋籠を吊り下ろすようにしている。そして削孔内のコンクリートが硬化することにより、鉄筋コンクリート製の壁エレメントの築造が終了することになる。鉄骨鉄筋コンクリート造の場合もほぼ同様な手順で壁エレメントが築造される。 【0004】また、施工の合理化・短工期化を図るために複数箇所で並行して壁エレメントを築造するために、先行壁エレメントと後行壁エレメントとを設定し、最初に適宜間隔を隔てて先行壁エレメントを築造し、その後これら先行壁エレメント間に後行壁エレメントを築造するようにし、この際、先行壁エレメントの長さ方向端部を打ち継ぎ部として隣接する後行壁エレメントを打ち継ぐことによって連続地中壁の一体化を確保するようにしている。 【0005】そして従来、先行壁エレメントに対して後行壁エレメントを打ち継ぐ工法として、先行壁エレメントの上記打ち継ぎ部に対しコンクリートカッティング工法を適用する場合がある。このコンクリートカッティング工法は、先行壁エレメントの長さ方向端部のコンクリートを、後行壁エレメントを築造する際の掘削作業に伴って掘削機械で切削するもので、この切削によって打ち継ぎ部を粗面化して後行壁エレメントのコンクリートとの付着性を高め、これにより両壁エレメントの一体的連続性を確保するようになっている。 【0006】この際、先行壁エレメント内に埋設された鉄筋籠のコンクリート被り厚を保証しつつ打ち継ぎ部の切削厚さを確保するために、打ち継ぎ部には鉄筋籠に取り付けて、連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサが配置されていた。そして従来にあってはこのスペーサは、ハイドロフレーズ掘削機などが備える、いわゆるカッタービットによって破砕することが可能な塩化ビニールもしくはモルタルを素材として形成されていた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで従来の連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサにあっては、塩化ビニールを素材としたものではその素材特性のために、カッタービットで破砕する際に小割りにすることが困難であることが経験的に知られており、そのために相当の大きさの破砕片が発生し、これら破砕片が揚泥配管の配管閉塞を生じさせる原因となっていた。特に、揚泥配管の径が小さく、その配管長さが長い場合や曲折部分が多い場合に特に問題となっていた。 【0008】また塩化ビニール製のスペーサを作成する場合に、市販の塩化ビニールパイプを利用することが便利であるが、この市販の塩化ビニールパイプは寸法が規格化されている。これに対して、スペーサが取り付けられる鉄筋籠とこの鉄筋籠が吊り下ろされる削孔の内面との間の設計上のあき寸法、すなわちスペーサの配置スペースは、工事ごとに種々異なる。従って、市販の塩化ビニールパイプを流用できれば好都合であるが、スペーサに求められる設計上の要求寸法に合わない場合が多く、また要求寸法に合うパイプを入手することは不経済であった。 【0009】他方、モルタル製のスペーサは、重量が重く取り扱いに不便であり、特に連続地中壁の深度が深くスペーサの取り付け箇所が多いと、吊り下ろす鉄筋籠の重さが相当重くなってしまうという問題があった。またモルタル製のスペーサにあっては、切削を考慮して無筋とされるために薄く製作することが困難であり、このためにスペーサを軽量化することが難しかった。 【0010】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、カッタービットによる粉砕が確実で、かつ容易に種々の寸法のものを作成することができ、また軽量化を達成することができる特定の材質の連続地中壁の打ち継ぎ用スペーサを提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために本発明の連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサにあっては、先行壁エレメントに後行壁エレメントを打ち継いで一連に連続地中壁を構築するために該後行壁エレメントを築造する掘削作業に伴って切削される該先行壁エレメントの打ち継ぎ部に切削厚さを確保すべく埋設され、切削により破砕される連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサにおいて、FRP材で薄板状に形成されることを特徴とする。 【0012】また、前記板状のFRP材は、前記先行壁エレメントを築造すべくその内部に埋設される鉄筋籠の端縁とで中空筒状殻体を形成するために、その中央部が該鉄筋籠から外方に向かって膨出され、その両端部が当該鉄筋籠に固定されていることを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図3に示すように、一連の連続地中壁1を構築するために後行壁エレメント2が打ち継がれることとなる先行壁エレメント3を築造するために掘削された削孔4内には、その内部のセメントミルク中に吊り下ろして鉄筋籠5が挿入される。この鉄筋籠5には、削孔4への挿入前に地上において、隣接する後行壁エレメント3に接することとなる先行壁エレメント3の長さ方向両端部の打ち継ぎ部Cに位置される鉄筋籠5の両端部に、スペーサ6が設けられる。図示例にあっては、スペーサ6は、鉄筋籠5の両端部、ひいては先行壁エレメント3の長さ方向両端部にその高さ方向に沿って互いに間隔を隔てて、例えば3〜5m程度の間隔で4つずつ設けられている。 【0014】これら鉄筋籠5およびスペーサ6は先行壁エレメント3のコンクリートの硬化により当該先行壁エレメント3内に埋設されることになる。スペーサ6は、鉄筋籠5の端縁5aから外方へ突出されていて、後行壁エレメント2を築造する掘削作業に伴って切削される打ち継ぎ部Cの切削厚さを確保しつつ、先行壁エレメント3内に埋設された鉄筋籠5に対するコンクリート被り厚を保証するようになっている。特に本実施形態にあっては、これらスペーサ6は、FRP材で薄板状に形成される。すなわち、これらスペーサ6は例えば、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維を樹脂に混入して2mm程度の薄板状に形成される。 【0015】そしてこれらスペーサ6は、鉄筋籠5の高さ方向に向けて縦向きに配置され、壁厚方向に互いに間隔を隔てる一対の縦筋5b間に水平に掛け渡して上下一対設けられたL型金物7のほぼ中央にその上下両端部6a,6bがそれぞれボルト8で固定されて取り付けられる。取り付け方法としては、ボルト8に限らず、タッピングや鉄線による緊結など、様々な手法を適用することができる。また本実施形態のスペーサ6は、半円筒形状に湾曲させて形成されてその中央部6cが鉄筋籠5から外方に向かって膨出され、鉄筋籠5に取り付けられることにより当該鉄筋籠5の端縁5aとで上下方向に沿った曲面を備える中空筒状殻体9を形成するようになっている。 【0016】またスペーサ6の形状としては、図4および図5に示すように、断面半六角形もしくは断面台形のチャンネル状として、膨出させた中央部6cを平坦面として形成したものであってもよい。 【0017】このようなスペーサ6は、鉄筋籠5とともに削孔4内に挿入され、コンクリートの硬化によって先行壁エレメント3内に埋設されて、鉄筋籠5よりも外側の、コンクリートカッティング工法が適用される打ち継ぎ部Cにその中央部6cが位置されることになる。後行壁エレメント2を築造する際に掘削機械で掘削作業を行うとこれに伴って先行壁エレメント3の打ち継ぎ部Cのコンクリートが掘削機械のカッタービットで切削され、これによりスペーサ6は破砕される。本実施形態にあっては、スペーサ6をガラス繊維などのFRP材で薄板状に形成したので、当該FRP材の材質特性によりカッタービットによって確実に細かく粉砕することができ、これによりスペーサ6の破砕片が揚泥配管を詰まらせて配管閉塞が発生してしまうことを防止することができる。 【0018】またFRP材は軽量であり、例えば塩化ビニールを素材とするスペーサに比べてその重量を1/4程度に抑えることも可能であり、もちろんモルタル製スペーサに比べてきわめて軽量で、鉄筋籠5への取り付けなどの取り扱い性がきわめて容易になるとともに、スペーサ6を取り付けた鉄筋籠5の重量増加も抑えることができる。 【0019】さらに、FRP材はその製造が容易であるとともに加工性も高く、形状・寸法の変更に柔軟に対応させて作成することが可能なので、先行壁エレメント3の削孔4の内面と鉄筋籠5との間の設計上のあき寸法に合致する種々の寸法や必要強度を備えたスペーサ6を容易に得ることができる。 【0020】また上記実施形態にあっては、鉄筋籠5の端縁5aとスペーサ6とで中空筒状殻体9を形成させるようにしたので、スペーサ6は、鉄筋籠5を削孔4内に挿入する際に削孔4の内面(地山)と接触しても、その接触圧力で押し潰されることなく強靱に抵抗し、これにより挿入作業時にスペーサ6が破壊されることを防止できて、当該スペーサ6を打ち継ぎ部Cに適切に配置することができる。 【0021】またスペーサ6は、膨出されたその中央部6cが曲面もしくは平坦面で形成されているので、挿入時などに地山が損傷を受けることを防止でき、これにより地山と鉄筋籠5とのあき寸法を設計値通りに維持することができて鉄筋籠5のコンクリート被り厚を適切に確保することができる。 【0022】またスペーサ6を半円筒形状もしくは断面台形状に形成したので、鉄筋籠5を削孔4に挿入する際のガイドとして機能させることができ、従って鉄筋籠5の吊り下ろし作業性も安定させることができる。 【0023】上記実施形態にあっては、スペーサ6として半円筒形状もしくは断面台形のチャンネル状のものを例示して説明したが、スペーサ6はFRP材で薄板状に形成される限りにおいてその形態は問わない。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る連続地中壁の打ち継ぎ部用スペーサにあっては、ガラス繊維などのFRP材で薄板状に形成したので、当該FRP材の材質特性によりカッタービットによって確実に細かく粉砕することができ、これによりスペーサの破砕片が揚泥配管を詰まらせて配管閉塞が発生してしまうことを防止することができる。 【0025】また、薄板状のFRP材は軽量であり、鉄筋籠への取り付けなどの取り扱い性がきわめて容易になるとともに、スペーサを取り付けた鉄筋籠の重量増加も抑えることができる。 【0026】さらに、薄板状のFRP材はその製造が容易であるとともに加工性も高く、形状・寸法の変更に柔軟に対応させて作成することが可能で、種々の寸法や必要強度を備えたスペーサを容易に得ることができる。 【0027】また、鉄筋籠の端縁とスペーサとで中空筒状殻体を形成させるようにしたので、挿入作業時などにスペーサが破壊されることを防止できて、当該スペーサを打ち継ぎ部に適切に配置することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000549 【氏名又は名称】株式会社大林組 【識別番号】599093524 【氏名又は名称】旭硝子ビルウォール株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月10日(2001.4.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−302939(P2002−302939A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月18日(2002.10.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−111207(P2001−111207) |
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