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【発明の名称】 場所打ちコンクリート杭の構築方法
【発明者】 【氏名】笹原 厚
【課題】普通骨材よりも軽量な骨材、すなわち、再生骨材又は高炉スラグ砕石などの産業廃棄物よりなる軽量な骨材を含むコンクリートにより、良好な充填性を確保しつつ場所打ちコンクリート杭を構築する。

【解決手段】地盤を掘削して孔11を形成し、孔内に安定液17を充填して鉄筋かご14を建て込み、孔の下端にトレミー管13を通じて普通コンクリート15aを打設した後に、トレミー管を引き上げながらを普通コンクリートの上に打ち継いで、孔の上端に普通コンクリートを打設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含むコンクリートにより場所打ちコンクリート杭を構築する方法であって、地盤を掘削して孔を形成し、該孔内に安定液を充填して鉄筋を建て込み、前記孔の下端にトレミー管を通じて普通コンクリートを打設した後に、前記トレミー管を引き上げながら軽量な骨材を含むコンクリートを前記普通コンクリートの上に打ち継いで、前記孔の上端には普通コンクリートを打設することを特徴とする場所打ちコンクリート杭の構築方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、場所打ちコンクリート杭の構築方法に関し、さらに詳細には、再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含むコンクリートにより場所打ちコンクリート杭を構築する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既存コンクリート構造物の解体時に生じるコンクリート廃棄物を粒状に砕いて再生骨材を生成し、この再生骨材をコンクリートの骨材として利用することが知られており、同様に、高炉スラグ砕石などの廃棄物もコンクリートの骨材として利用されている。そして、かかる再生骨材又は高炉スラグ砕石を含むコンクリートを、場所打ちコンクリート杭の構築に使用することが検討されている。ここで、場所打ちコンクリート杭の従来工法としては、例えば、掘削機械により地盤を掘削して孔を形成しながら、この孔内にベントナイト液などの安定液を充填して孔壁の崩壊を防止し、孔の掘削が終了したら孔内に鉄筋を建て込み、その後に、トレミー管を通じて孔の下端から上方に向けてコンクリートを打設することにより場所打ちコンクリート杭を構築する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記場所打ちコンクリート杭の従来工法に、再生骨材又は高炉スラグ砕石を含むコンクリートを使用する場合、コンクリートの充填性に問題が生じる可能性がある。
【0004】すなわち、普通コンクリートの比重は2.3程度であるのに対し、前記再生骨材又は高炉スラグ砕石を含むコンクリートの比重は2.2程度であり、普通コンクリートよりも比重が若干小さいため泥水中では流動性が低下する。このように流動性の低いコンクリートをトレミー管により孔内に打設する場合、特に、孔の上端部で打設圧力が弱くなるため、孔壁に沿って配置された鉄筋の外側にはコンクリートが充填されず、ここが空洞になったり、あるいはスライムが詰まって充填不良を起こす可能性が増大する。
【0005】かかる充填不良が杭の上端部で発生した場合には、コンクリートを健全な部分まで斫り込んで、新たなコンクリートを打設する必要が生じるため、手間が掛かり工程が煩雑になるという欠点がある。また充填不良が地表から修復困難な杭の中間部や下端部に生じた場合には、杭の支持力低下を起こす恐れがある。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解決せんとしたものであり、その課題は、普通骨材よりも軽量な骨材、すなわち、再生骨材又は高炉スラグ砕石などの産業廃棄物よりなる軽量な骨材を含むコンクリートにより、良好な充填性を確保しつつ場所打ちコンクリート杭を構築する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含むコンクリートにより場所打ちコンクリート杭を構築する方法であって、地盤を掘削して孔を形成し、該孔内に安定液を充填して鉄筋を建て込み、前記孔の下端にトレミー管を通じて普通コンクリートを打設した後に、前記トレミー管を引き上げながら軽量な骨材を含むコンクリートを前記普通コンクリートの上に打ち継いで、前記孔の上端には普通コンクリートを打設することを特徴とする場所打ちコンクリート杭の構築方法が提供される。
【0008】本発明の場所打ちコンクリート杭の構築方法において、再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材とは、例えば、JIS A5011−1高炉スラグ骨材の規定において、高炉スラグ粗骨材として定められた絶乾比重が2.2以上のものをいう。なお、本明細書中において普通骨材とは絶乾比重が粗骨材で2.5トン/m3程度以上のものをいい、普通コンクリートとはかかる普通骨材を骨材として使用したものであって単位重量が2.3トン/m3程度以上のものである。
【0009】
【実施例】以下、添付図面に基づいて実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1(1)〜(5)は本発明にかかる場所打ちコンクリート杭の構築方法の一実施例を示す簡略断面図である。本発明では、最初に、べノト工法、アースドリル工法またはリバースサーキュレーション工法などの掘削工法により、地盤を掘削して孔11を形成する。ここで、例えば、アースドリル工法により孔を形成する場合には、ベントナイト液などの安定液17を充填して孔壁の崩壊を防止しつつ掘削を行ない、孔を形成した後に、孔の上端部にケーシング12を環装すると、図1(1)のような孔11が形成される。
【0010】次に、孔11の下端部に溜まったスライム(図示せず)を除去した後、図1(2)に示すように、孔11内に鉄筋かご14を吊り降ろして設置し、トレミー管13を孔11の下端まで延ばす。そして、図1(3)に示すように、このトレミー管13を通して単位重量が2.3トン/m3以上の普通コンクリート15aを1バッチに相当する量、例えば、生コンクリート供給車両一台分だけ打設する。このとき、コンクリートは普通コンクリートを使用し、しかもトレミー管13の上端から孔の下端までの高低差による圧力が作用するため、普通コンクリートは鉄筋かご14の外側まで充分に廻り込んで充填される。また、この打設初期における普通コンクリート15aにより、例えば、直径1.5m程度の場所打ちコンクリート杭では下端部2〜3m程度が形成される。
【0011】1バッチ分の普通コンクリートを打設した後、トレミー管13の下端1m程度を普通コンクリート15aの内部に留めた状態で、再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含む単位重量2.2トン/m3程度のコンクリート15bの打設を開始し、同様に下端1m程度をコンクリート中に留めた状態でトレミー管13を徐々に引き上げながら打設工程を続ける。これにより、普通コンクリート15aの表面の一部が軽量なコンクリート15bに押し上げられて、トレミー管13とともに上昇する。このとき、コンクリートは普通コンクリートに比べて若干比重が小さいコンクリート(再生骨材または高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含むコンクリート)が使用されるものの、トレミー管13の上端から打設位置までの高低差による圧力が作用するため、軽量なコンクリートは鉄筋かご14の外側まで充分に廻り込んで充填される。
【0012】軽量なコンクリート15bの打設を継続し、構築予定のコンクリート杭の上端5m程度を残す高さまでコンクリートが上昇してきたら、軽量なコンクリート15bの打設を停止する。そして、ケーシング12を上方に引き上げながら、軽量なコンクリートから普通コンクリート15aに代えてコンクリート打設を行なう。このとき、トレミー管13の上端から打設位置までの距離が小さくなり高低差による圧力は低下するものの、コンクリートは普通コンクリートが使用されるため、普通コンクリートは鉄筋かご14の外側まで廻り込むことができて、場所打ちコンクリート杭の上端部における充填不良は防止される。なお、図1(5)において、場所打ちコンクリート杭15の上を土砂16により埋め戻した状態を示したが、場所打ちコンクリート杭15は孔の上端まで形成しても良い。
【0013】
【発明の効果】本発明の場所打ちコンクリート杭の構築方法では、鉄筋かごの外周までコンクリートが廻り込み易い杭の中間部に、高炉スラグ砕石などの軽量な骨材を含む軽量なコンクリートを使用する一方で、軽量なコンクリートでは充填不良が生じ易い杭の上端部に普通コンクリートを使用しているので、杭の外周に空洞部ができることを防止することができるとともに、普通骨材よりも軽量な骨材、例えば、再生骨材又は高炉スラグ砕石などの産業廃棄物を大量に、しかも有効に再利用することが可能になった。
【出願人】 【識別番号】000140982
【氏名又は名称】株式会社間組
【出願日】 平成12年8月9日(2000.8.9)
【代理人】 【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一 (外1名)
【公開番号】 特開2002−54137(P2002−54137A)
【公開日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願番号】 特願2000−241119(P2000−241119)