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【発明の名称】 軟弱地盤補強用篭枠及び軟弱地盤補強方法
【発明者】 【氏名】高橋 宏通

【氏名】志賀野 真正

【氏名】千田 賢一

【要約】 【課題】

【解決手段】コマ形を呈する篭本体30と、篭本体30の上口を閉鎖する蓋体40とにより構成する篭枠10を使用し、対象地盤51に複数の篭本体30を布設し、各篭本体31の周囲に間詰材52を充填した後、篭本体30内に中詰材20を充填して蓋体40を取り付け、隣接する各篭枠10間を接続する。複数の篭枠10に載荷重をかけて篭枠10内の中詰材20および間詰材52により一体の盤構造を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対象地盤に布設し、内部に中詰材を封入する軟弱地盤補強用篭枠であって、上口を開放し、コマ形を呈する篭本体と、前記篭本体の上口を閉鎖する蓋体とにより構成することを特徴とする、軟弱地盤補強用篭枠。
【請求項2】 請求項1において、篭本体が上筒部とテーパ部とを一体に形成してなり、前記篭本体が有孔構造であることを特徴とする、軟弱地盤補強用篭枠。
【請求項3】 軟弱地盤補強方法において、請求項1または請求項2に記載の篭枠を使用し、対象地盤に複数の篭本体を布設し、各篭本体の周囲に間詰材を充填し、前記篭本体内に中詰材を充填して蓋体を取り付け、隣接する各篭枠間を接続し、複数の篭枠に載荷重をかけて篭枠内の中詰材および間詰材により一体の盤構造を形成することを特徴とする、軟弱地盤補強方法。
【請求項4】 請求項1において、中詰材を充填した複数の篭本体に跨って蓋体を被せ、前記蓋体と各篭本体との交差部を連結したことを特徴とする、軟弱地盤補強方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軟弱地盤補強用篭枠及び軟弱地盤補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】支持力が十分にない地盤上に構造物を建設する場合の基礎構造として、コンクリート製のコマブロックを用いることが特公昭56−50054号公報に開示されている。このコマブロックは扁平上盤の下部に円錐形の胴体を形成すると共に、胴体下部の中心に円柱形の軸脚を形成したもので、コンクリートで一体成型されている。軟弱地盤に布設した多数のコマブロックの自重や載荷重と、円錐形の胴体および円柱形の軸脚に生じる地盤反力と摩擦抵抗の総合力とを均衡させて、不等沈下のない水平地耐力発揮させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したコンクリート製のコマブロックを用いた基礎構造技術には次のような改良点がある。
<イ> コンクリート製のコマブロックは重量物であるため、取扱性に問題があり、特に軟弱地盤へ重機類を導入することが難しく、施工現場におけるコマブロックの布設に多くの時間と労力を要し施工性が悪い。
<ロ> 軟弱地盤の表層の大半をコマブロック群が覆うため、地震時に過剰間隙水圧の逃げ場を失って液状化現象を起こす危険性がある。
<ハ> コマブロックは軟弱地盤をコマ型に坪掘りした穴に埋め込んでいるが、コマブロックの外周面と地山とのなじみが悪いため、設計通りの支持耐力を得難い。
【0004】本発明の目的とするところは、取扱性と施工性に優れた軟弱地盤補強用篭枠及び軟弱地盤補強方法を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、地山とのなじみ性が良好で、しかも地震時に地盤の液状化現象の発生を抑制できる軟弱地盤補強用篭枠及び軟弱地盤補強方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係る発明は、対象地盤に布設し、内部に中詰材を封入する軟弱地盤補強用篭枠であって、上口を開放し、コマ形を呈する篭本体と、前記篭本体の上口を閉鎖する蓋体とにより構成することを特徴とする、軟弱地盤補強用篭枠である。請求項2に係る発明は、請求項1において、篭本体が上筒部とテーパ部とを一体に形成してなり、前記篭本体が有孔構造であることを特徴とする、軟弱地盤補強用篭枠である。請求項3に係る発明は、軟弱地盤補強方法において、請求項1または請求項2に記載の篭枠を使用し、対象地盤に複数の篭本体を布設し、各篭本体の周囲に間詰材を充填し、前記篭本体内に中詰材を充填して蓋体を取り付け、隣接する各篭枠間を接続し、複数の篭枠に載荷重をかけて篭枠内の中詰材および間詰材により一体の盤構造を形成することを特徴とする、軟弱地盤補強方法である。請求項4に係る発明は、請求項1において、中詰材を充填した複数の篭本体に跨って蓋体を被せ、前記蓋体と各篭本体との交差部を連結したことを特徴とする、軟弱地盤補強方法である。
【0006】
【発明の実施の形態1】以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0007】<イ>篭枠図1に篭枠10の敷設状態を示し、図2に篭枠10の斜視図を示す。篭枠10は中詰材20を収容する篭体で全体が略円錐形または角錐形を呈する篭本体30と、篭本体30の上口を封鎖する蓋体40よりなる。
【0008】<ロ>篭本体篭本体30は均一径の上筒部31と、該上筒部31の下方へ向けて径が徐々に縮径するテーパ部32とからなる。本例ではテーパ部32の底部33を図示するように網で閉鎖する場合について示すが底部33の径が中詰材20より小さい場合は開放したままでもよい。篭本体30は例えば溶接金網、菱形金網、有孔板等によって形成するものとし、また篭本体30を構成する上筒部31とテーパ部32の相対的な高さ方向の長さや、テーパ部32の傾斜角度は、図示した形態に限定されるものではなく、現場の地盤の性状や載荷重の大きさ等を考慮して適宜選択するものとする。
【0009】<ハ>蓋体蓋体40は中詰材20を篭本体30を封入するための閉鎖部材で、本例では蓋体40が篭本体30の円形を呈する上筒部31と同形に形成した場合について示す。蓋体40は例えば溶接金網、菱形金網、有孔板等によって形成する。蓋体40は篭本体30から分離独立したものの他に、篭本体30の上口の一部にヒンジ等を介して開閉可能に接続しておいてもよい。
【0010】
【作用】つぎに前述した篭枠10を用いた軟弱地盤の補強方法について説明する。
<イ>前処理図3に示すように対象地盤50の改良予定範囲に亘って篭枠10の布設面51まで掘削する。
【0011】<ロ>篭本体の布設つぎに図4に示す如く布設面51に底部33を着床させて篭本体30を布設し、篭本体30の周囲に間詰材52を充填する。篭本体30は作業者が簡単に持ち運べる程度の重量であるから、篭本体30の布設に重機類を使用する必要はない。また間詰材52としては砕石、砂利、玉石等の骨材を単独でまたは組み合わせて用いるのが好適であるが、現地発生の掘削土砂を埋め戻す場合もある。
【0012】<ハ>中詰篭本体30に中詰材20を中詰して所定の重量を付与した後、篭本体30の上口に蓋体40を被せて取り付ける。中詰材20としては、適度の大きさに破砕したコンクリートガラ等の廃材、砂、ビリ、砕石、砂利、玉石等の骨材を単独でまたは組み合わせたものを使用できる。また中詰に際し、中詰材20を締め固める場合もある。以上の工程を繰り返し行い、複数の篭枠10を相互に隣接させながら布設面51に布設する。
【0013】<ニ>連結各篭枠10を隣接させて布設しただけでは夫々が独立していて、相互に連続性を持たない。そこで、図5,6に示すように隣接する各篭枠10,10の隣接部をコイル材等の連結具11を用いて連結する。連結具11はコイル材の他に結束線による結束手段やクリップによる連結手段を適用でき、隣接する各篭枠10,10相互間に連続性を付与する。最後に使途に応じて各篭枠10群上に直接構造物を構築するか、或いは各篭枠10群上にコンクリート層や盛土層等を構築して基礎構造物として利用する。
【0014】<ホ>補強原理相互に連続性を持たせて布設した篭枠10群に載荷重を作用させたときにおける篭枠10の作用について説明する。各篭枠10を個別的にみると、篭枠10は可撓性を有することから、載荷重が作用すると篭本体30が変形して周囲の間詰材52と良くなじむ。
【0015】また各篭枠10に封入した中詰材20は、載荷重が加わると中詰材20を構成する骨材間の間隔が狭くなり、骨材の接触部の摩擦抵抗が急激に増す。そのため、各篭体10内の中詰材20があたかもコンクリートの塊の如く高い強度を発揮する。高強度の塊と化した篭枠10はそのテーパ部32の楔作用により周囲の間詰材52を圧縮して拘束する。そのため、各篭枠10群と周囲の間詰材52とが盤構造を形成する。盤構造といっても中詰材20や間詰材52が荷重を分散して応力分布を均等化して不等沈下を抑制する。以上の要素から最終的に高い支持力の確保と沈下抑制が可能となる。勿論、各篭枠10と間詰材52間に発生した摩擦抵抗は支持力確保に貢献する。
【0016】さらに。各篭枠10群と間詰材52とにより形成した盤構造は、良好な透水性を有することから、地震時に過剰間隙水圧を逃がして地盤の液状化回避も可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態2】以降に他の実施の形態について説明するが、その説明に際し、前記した実施の形態1と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0018】前述した実施の形態1においては各篭本体30に対して単体の蓋体40をもける場合について説明したが、図7に示すように複数の篭本体30に跨るように帯状金網製の蓋体40を取り付けても良い。この場合、蓋体40と各篭本体30の交差部を各種の連結具を用いて一体に連結するものとする。本実施の形態にあっては、各篭本体30間の一体性をさらに向上できる利点がある。
【0019】
【発明の実施の形態3】図8に示すように布設面51に布設した帯状のネット材60と、各篭本体30の上部間に連続して取り付けた蓋体40とにより、間詰材52を上下の両側から挟み込むように施工すると、載荷重が作用したときの間詰材52の拘束効果が高まり、盤構造の支持力と沈下抑制力をさらに高めることができる。この場合、ネット材60と篭本体30間の横滑りを規制するため、篭本体30の底部から下向きに係止用の爪34を突設し、該爪34をネット材60に貫挿させるようにするとよい。
【0020】
【発明の実施の形態4】以上は前処理として対象地盤全体を掘削した場合について説明したが、篭本体30の形状に坪掘りした穴に篭本体30を挿入して施工しても良い。本例にあっては、間詰材52の充填作業を省略できる利点がある。
【0021】
【発明の効果】本発明は、次のような効果を得ることができる。
<イ>篭枠は軽量であるので取扱性や運搬性に優れる。
<ロ>篭枠を搬入し、現場で中詰材を充填して所定の重量を付与できるので、足場の悪い軟弱地盤における布設作業を簡単迅速に行え、施工性に優れる。特に大型重機類を使用しないで施工できるので、騒音や振動などの建設公害の問題がなくなる。
<ハ>篭本体が変形を許容するので、地山とのなじみ性が良好となるうえに、地震等の横揺れに対する順応性に優れる。
<ニ>載荷重により中詰材と間詰材とが一体の盤構造を形成するので、高い支持力と沈下抑止力を確保できる。
<ホ>有孔構造の篭枠に中詰材を充填しただけであるから通水性があり、地震時に地盤の液状化現象の発生を効果的に抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】390019323
【氏名又は名称】小岩金網株式会社
【出願日】 平成12年8月7日(2000.8.7)
【代理人】 【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生 (外1名)
【公開番号】 特開2002−54130(P2002−54130A)
【公開日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願番号】 特願2000−238674(P2000−238674)