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【発明の名称】 汚水に含まれる繊維状夾雑物の除去装置
【発明者】 【氏名】森澤 卓矢

【氏名】平井 敦夫

【要約】 【課題】繊維状夾雑物を捕捉した索条の含水率を低下させるとともに、索条を巻き取りドラムに巻き取ることなく引き上げ、廃棄のための巻き戻し作業を廃止することができる繊維状夾雑物の除去装置を提供すること。

【解決手段】繊維状夾雑物捕捉用の索条3を順次汚水中に浸漬して、汚水中に含まれる毛髪等の繊維状夾雑物を捕捉するとともに、浸漬した索条3を順次引き上げることにより汚水中から繊維状夾雑物を除去する汚水に含まれる繊維状夾雑物の除去装置において、浸漬した索条3を、対向するローラ22,43により挟み込んで引き上げる引上機構4を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繊維状夾雑物捕捉用の索条を順次汚水中に浸漬して、汚水中に含まれる毛髪等の繊維状夾雑物を捕捉するとともに、浸漬した索条を順次引き上げることにより汚水中から繊維状夾雑物を除去する汚水に含まれる繊維状夾雑物の除去装置において、浸漬した索条を、対向するローラにより挟み込んで引き上げる引上機構を設けたことを特徴とする汚水に含まれる繊維状夾雑物の除去装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚水に含まれる繊維状夾雑物(本明細書において、単に「繊維状夾雑物」という。)の除去装置に関し、特に、繊維状夾雑物を捕捉した索条の含水率を低下させるとともに、索条を巻き取りドラムに巻き取ることなく引き上げ、廃棄のための巻き戻し作業を廃止することができる繊維状夾雑物の除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、汚水処理場に流入する汚水には、人糞、厨芥等の塊状の可分解性物質のほか、プラスチック塊、木片、空き缶等の塊状の難分解性物質や毛髪等の繊維状の難分解性物質(繊維状夾雑物)が含まれているが、特に、小規模な汚水処理場においては、汚水に含まれる物質のうち塊状の難分解性物質を除去するため、塊状の可分解性物質を粉砕して、汚水と共に処理槽へ導入するように構成したものが主に用いられている。
【0003】しかし、このような除塵手段は、繊維状夾雑物を捕捉、除去することができず、これらの繊維状夾雑物が、処理槽等に設置したあるいは後段の処理におけるセンサーやポンプ等に絡み付き、センサーの誤動作やポンプの処理能力の低下等を引き起こし、汚水処理に支障をきたすという問題があった。
【0004】このために、除塵手段のスクリーンに極めて微細なスクリーン、例えば、目幅2mm程度のスクリーンを用いているが、この場合、除塵手段に難分解性物質と共に人糞、厨芥等の可分解性物質が大量に捕捉され、捕捉されたし渣が除塵手段の内部において腐敗するため、捕捉したし渣を衛生的に処理することが困難であり、また、このような微細なスクリーンを用いても繊維状夾雑物を完全には除去することができなかった。
【0005】そこで、巻き出しドラムに巻回した繊維状夾雑物捕捉用の索条を、順次汚水中に浸漬して、汚水中に含まれる毛髪等の繊維状夾雑物を捕捉するとともに、浸漬した索条を巻き取りドラムに巻き取ることにより引き上げ、汚水中から繊維状夾雑物を除去する装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の繊維状夾雑物の除去装置では、引き上げた索条を廃棄するためには、巻き取りドラムから索条を巻き戻す必要があるが、この索条の巻き戻し作業はすべて手作業にて行わねばならず、汚物の付着した索条の巻き戻し作業は極めて作業環境が悪いものとなり、さらに、この索条には、繊維状夾雑物と共に多量の汚水も含まれることから、含水率が高く、この状態での焼却は困難を伴うものとなり、処理コストが上昇するという問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の繊維状夾雑物の除去装置が有する問題点に鑑み、繊維状夾雑物を捕捉した索条の含水率を低下させるとともに、索条を巻き取りドラムに巻き取ることなく引き上げ、廃棄のための巻き戻し作業を廃止することができる繊維状夾雑物の除去装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の汚水に含まれる繊維状夾雑物の除去装置は、繊維状夾雑物捕捉用の索条を順次汚水中に浸漬して、汚水中に含まれる毛髪等の繊維状夾雑物を捕捉するとともに、浸漬した索条を順次引き上げることにより汚水中から繊維状夾雑物を除去する汚水に含まれる繊維状夾雑物の除去装置において、浸漬した索条を、対向するローラにより挟み込んで引き上げる引上機構を設けたことを特徴とする。
【0009】この繊維状夾雑物の除去装置は、引上機構により、浸漬した索条を対向するローラにより挟み込んで引き上げることから、索条や繊維状夾雑物に含まれる汚水を絞り出して脱水するとともに、索条を巻き取りドラムに巻き取ることなく容器等に排出し、索条の巻き戻し作業を廃止することができ、これにより、繊維状夾雑物を捕捉した索条を簡便かつ低コストにて廃棄することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の汚水に含まれる繊維状夾雑物の除去装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】図1〜図2に、本発明の繊維状夾雑物の除去装置の一実施例を示す。この繊維状夾雑物の除去装置2が設置される比較的小規模な汚水処理場の汚水処理設備は、家庭等から排出された種々の物質、すなわち、人糞、厨芥等の塊状の可分解性物質のほか、プラスチック塊、木片、空き缶等の塊状の難分解性物質や毛髪等の繊維状夾雑物を含む汚水を生物処理するためのもので、汚水処理場に導入された汚水は、まずスクリーンを備えた除塵装置にて、プラスチック塊、木片、空き缶等の塊状の難分解性物質が捕捉、除去される。また、汚水に含まれる人糞、厨芥等の塊状の可分解性物質は粉砕され、自然又は撹拌機や曝気機等により強制的に発生する水流により、汚水が循環する水槽としての処理槽1に導入され、生物処理される。
【0012】処理槽1に導入された汚水には、破砕された人糞、厨芥等の可分解性物質のほかに、処理槽1に設置したセンサーやポンプ等に絡み付き、センサーの誤動作やポンプの処理能力の低下等を引き起こし、汚水処理に支障をきたす要因となっている毛髪等の難分解性の繊維状夾雑物Gが含まれている。
【0013】この繊維状夾雑物Gを捕捉、除去するために、処理槽1に、繊維状夾雑物の除去装置2を設置する。この繊維状夾雑物の除去装置2は、図1〜図2に示すように、繊維状夾雑物捕捉用の索条3を順次処理槽1の汚水中に浸漬して、汚水中に含まれる毛髪等の繊維状夾雑物Gを捕捉するとともに、浸漬した索条3を順次引き上げることにより汚水中から繊維状夾雑物Gを除去するようになっている。そして、この除去装置2には、索条3の引上機構4が設けられており、この引上機構4は、対向する駆動ローラ22と補助ローラ43とによって、浸漬した索条3を挟み込んで引き上げることができる。
【0014】索条3は、除去装置2の巻き出しドラム21から引き出され、処理槽1の汚水中をくぐって繊維状夾雑物Gを捕捉した後、引上機構によって引き上げられ、引上機構の下部に設置された索条収納容器5に収納される。なお、索条3は、巻き出しドラム21からシーブ24を介して、下端が半円弧形をしたパイプ状のガイド23の内部を通り、処理槽1の汚水中に浸漬される。
【0015】引上機構4は、本実施例では、駆動源により回転する駆動ローラ22と、この駆動ローラ22に付勢された状態で対向する補助ローラ43とによって構成される。駆動ローラ22は、周面にすべり止めが施されるとともに、索条3がずれて外れないようにフランジが形成されている。補助ローラ43は、本体フレームFに揺動可能に取り付けたアーム41の先端に回動可能に取り付けられ、アーム41を押圧用のばね42で付勢することにより、駆動ローラ22の外周面に押圧されている。この引上機構4は、繊維状夾雑物Gが付着した索条3を、駆動ローラ22と補助ローラ43の各周面間にて押圧し、繊維状夾雑物G及び索条3に含まれる多量の汚水を脱水することができる。
【0016】一方、巻き出しドラム21と駆動ローラ22間に掛け渡される索条3が確実に処理槽1の汚水中をくぐるようにするため、下端を半円弧形に形成したパイプ状のガイド23を配設する。このガイド23の下端半円弧形部は、処理槽1の所定深度位置となるようにし、かつシーブ24からの索条の往路側を挿通し、下端半円弧形部の開口部から索条3は、処理槽1の汚水中を通過するようにして上方の駆動ローラ22へ巻き上げられるようにする。ガイド23の外径は、処理槽1内を循環する汚水中に含まれる繊維状夾雑物Gが引っ掛かることがない太さ以上に設定する。これにより、索条の往路側に繊維状夾雑物Gが引っ掛かることがないようにする。ガイド23の下端半円弧形部の開口部から索条3に所要の張力を付与した状態で、索条3を処理槽1内を挿通させることにより、繊維状夾雑物Gの捕捉を効果的に行うことができる。
【0017】また、索条3には、繊維状夾雑物Gを効率よく引っ掛けて捕捉するために、ワイヤーロープ、ピアノ線、合成樹脂糸等の細い径の可撓性線材を使用する。また、この索条3には、索条3に引っ掛かった繊維状夾雑物Gの離脱を防止しながら、繊維状夾雑物Gを水面上に確実に引き上げることができるように、所定の間隔をあけて多数の節等を、索条3を結んだり、あるいは索条3に突設した突起により形成することができる。
【0018】次に、図3に、引上機構4の第2実施例を示す。この実施例の引上機構4は、除去装置2の本体フレームFに軸止したホイール44と、駆動ローラ22に取り付けたホイール45間にチェン46を張架して、駆動ローラ22の回転力をホイール44に伝達するようにしている。そして、駆動ローラ22の外周面に対して接離方向に揺動可能に取り付けたアーム47に、押圧用のばね48を付勢し、かつアーム先端に補助ローラ49を回転可能に取り付け、この補助ローラ49を駆動ローラ22の外周面に対し押圧するようにし、さらに補助ローラ49とホイール44にそれぞれ取り付けたギア50,51を互いに噛合し、補助ローラ49を、駆動ローラ22側に押圧しつつ、駆動ローラ22の回転方向と逆方向に回転するよう構成する。この引上機構4では、駆動ローラ22と補助ローラ49の両方を回転駆動させることによって、索条3をスリップさせることなく確実に引き上げることができる。
【0019】このように、各実施例の繊維状夾雑物の除去装置では、引上機構4により、浸漬した索条3を対向するローラにより挟み込んで引き上げることから、索条3や繊維状夾雑物に含まれる汚水を絞り出して脱水するとともに、索条3を巻き取りドラムに巻き取ることなく容器5等に排出し、索条3の巻き戻し作業を廃止することができ、これにより、繊維状夾雑物を捕捉した索条3を簡便かつ低コストにて廃棄することができる。
【0020】また、駆動ローラ22の下方位置に配設する索条収納容器5は、特に限定されることはないが、少なくとも上面が開口されており、引上機構4によって引き上げられた索条3が、自然と収納されるようになっておればよく、例えばバケット状のものを用いることができる。また、幾重にも折り重なるようにして収納された索条3を簡易に廃棄できるように、望ましくは索条収納容器5内にごみ袋を開口した状態で収納し、該ごみ袋が満杯になったとき、ごみ袋の口を閉じ、ごみ袋毎廃棄することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の汚水に含まれる繊維状夾雑物の除去装置によれば、引上機構により、浸漬した索条を対向するローラにより挟み込んで引き上げることから、索条や繊維状夾雑物に含まれる汚水を絞り出して脱水するとともに、索条を巻き取りドラムに巻き取ることなく容器等に排出し、索条の巻き戻し作業を廃止することができ、これにより、繊維状夾雑物を捕捉した索条を簡便かつ低コストにて廃棄することができる。
【出願人】 【識別番号】000233206
【氏名又は名称】日立機電工業株式会社
【出願日】 平成12年8月8日(2000.8.8)
【代理人】 【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治 (外1名)
【公開番号】 特開2002−54122(P2002−54122A)
【公開日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願番号】 特願2000−239240(P2000−239240)