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【発明の名称】 融雪装置
【発明者】 【氏名】綾田 和見

【要約】 【課題】バーナ火炎の到達距離を増大させる。燃焼効率を向上させる。

【解決手段】炉体の一側面に熱源となるバーナ装置を配するとともに、バーナ装置に隣接させて、炉内に空気を送り込む送風機を並設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】融雪槽内に炉体を配し、当該炉体の一側面に熱源となるバーナ装置を配するとともに、当該バーナ装置に隣接させて、炉内に空気を送り込む送風機を並設したことを特徴とする融雪装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、融雪装置の燃焼効率を改善する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】北海道のような降雪地域では、住宅密集による除雪スペースの減少やダンプ輸送による除雪コストの問題から、強制的に雪を溶かす各種の融雪装置が使用される。図7は、バーナ装置を備えた地下埋設型の融雪装置を示すものである。この装置は、地面下に埋設する鋼鉄製の本体ケース1の内部に、バーナ火炎2を噴射するためのバーナ装置3と、バーナ火炎熱によって高温に加熱され雪を融かす鋼鉄製の炉体4を設置するもので、上部開口5から投入した雪Sを高温炉体4に直接接触させることによって急速に雪Sを融かすようになっている。
【0003】また槽内1にたまった融雪水(冷水)7をポンプ8で汲み上げ、それを炉体内のスパイラルパイプ9に通し、このスパイラルパイプ9の中央部に火炎2を通して、シャワー温水を得る。スパイラルパイプ9を通過するときに温められた融雪水が管路Pを通ってシャワーノズル6から下向きに噴射され、雪Sを融かすわけである。この装置は、炉体による直接融雪と、スパイラルパイプを利用した融水加熱という二つの設計理念によって雪を融かすようになっている。
【0004】また、これに加え、炉体内に送り込まれた熱風を排気筒に導き、排気筒の先端を雪の方向に向けておき、排熱によって雪を融かす構造も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の融雪装置は、炉体の大きさ(容積)が90%〜110%といった相違はあるが、ほぼ同じ程度の大きさであり、これに伴ってバーナ装置も、同程度の能力(性能)のものが使用される。これは融雪装置が、主として個人住宅や集合住宅の玄関先で使用され、処理する雪の量に大差がないことによる。バーナ装置は、それ自体として強制ファンを備え、燃焼火炎を炉内に強制的に送り込むようになっており、大小の相違はあっても基本構造は略同じである。
【0006】問題は、次のような点にある。第一に、特に、炉体の奥行きを大きくした場合や、遮蔽板を用いて炉内の熱風流路の距離を長くした場合の問題で、奥に行くほど熱風の流速が落ち、炉体温度を均等に出来ないという難が発生する。熱風流路の先端ほど、温度が低下するからである。
【0007】第二に、従来のバーナ装置では、排気ガス濃度が高いために人体に好ましくない影響を与える懸念があり、また排気量が少ないために、とくにいわゆる排気熱利用型の融雪装置においては、融雪能力とそれに対する燃料消費量の関係について高い効率を達成できないという問題がある。融雪機に用いられるバーナーは、いわゆる汎用のものであり、主として安定した着火、燃焼状態の安定を得ることに主眼がおかれ、融雪機に求められる排気ガス濃度の清浄化や排気送風(排出)量の増大は考慮されなかったためである。
【0008】そこで本発明の目的は、バーナ火炎の到達距離を増大させるとともに、バーナ装置の燃焼効率を更に改善可能とする点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明に係る融雪装置は、炉体の一側面に熱源となるバーナ装置を配するとともに、バーナ装置に隣接させて、炉内に空気を送り込む送風機を並設した。
【0010】
【作用】本発明に係る融雪装置は、炉内に空気を送り込む送風機をバーナ装置に隣接させて配したので、炉体内部に噴出されるバーナ熱は、送風機が噴射する空気流に乗って高速で流れ、炉体の奥部まで到達する。また送風機の空気流により、同方向に流れるバーナ火炎にも多量の酸素が供給され、燃焼効率が高まり、排ガス中の有毒ガスが確実に低減する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1〜図2は、本発明に係る融雪装置の一実施形態を示すものである。まず図1は、本発明に係る融雪装置の全体の概略構造を例示するものである。符号10はバーナ室、20はポンプ室、30は融雪室であり、融雪室30は、略長方形の炉体31と、炉体31の上に配した平板35を備える。
【0012】図2に示すように、炉体31の側面には、バーナ装置11と、これに隣接して送風機(ブロアファン)12とを取り付ける。送風機12の大きさは、炉体31の容積、経路長などに応じて適宜のものを使用する。符号60は排気筒でありバーナ装置11の排熱を雪に直接吹きかけるようになっている。尚、炉体31の形状は限定されない。また本発明は大型の炉体に適用すると特に有効である。
【0013】この実施形態で示すような、上面フラットな略直方体を呈する炉体31を用いた場合には、従来一般の融雪装置とは融水の流れについて異なる特殊設計を必要とする。路体31の上面が平滑であるため、その部分にゴミが溜まりやすくなるという特殊な問題があるからである。そこで、融水の流れについて簡単に説明する。
【0014】融雪室30は平板35によって上下に仕切られるが、投入された雪を融かすのは主として上部空間S1であり、下部空間S2は主として融雪水の温度を上昇させる機能を営む。上部空間S1と下部空間S2は適当位置で連通させるので(図3)、融雪水あるいは氷雪を加熱する機能は同じである。
【0015】融水の流れは、例えば、次の通り構成する。
■ 平板35より上の上部空間S1と、その下の下部空間S2とは、平板35よりも高い位置に配した取水口18によって連通させる。、その部分には金網等のフィルターを配してゴミが下部空間に流れないようにしておくことが望ましい。
■ 一方、平板35より上の上部空間の水の一部は、平板35の表面に段差なく開設した開口37からポンプ室20に流れ込むようにしておく。開口37の下端縁は、平板35の表面と同一高さであることが望ましい。この部分に段差があると土粒など比重の重いゴミが平板35の上に残る可能性があるからである。
■ ゴミは、開口37からポンプ室20に流れ込むので、ポンプ室20側にはゴミ受け篭36を配しておく。このゴミ受け篭36は、水を通しつつ細かなゴミを収集できるよう金属メッシュを用いることが望ましい。
【0016】図3は、融雪室30の上部周縁に配した温水管40を例示するものである。融雪室30の上部空間S1の水は、前記開口37と、この開口37とは別に設けた開口(取水口18)を通って下部空間S2に流れる。取水口18は、好ましくは開口37と対向する位置に開設し、ポンプ室20までの距離を長くとって炉体31による十分な加熱の時間を確保する。
【0017】下部空間S2は、ポンプ室20の壁部に設けた連通口28を介してポンプ室20とつながっており、ポンプ装置25の吸引によって下部空間S2の水はポンプ室20に流動する。そして下部空間S2で温められた水は、ポンプ装置25および温水管40を介して融雪室30の上部に運ばれ、シャワーノズル45から融雪室内の氷雪に向かって散水される。
【0018】このようにして略直方体の炉体31を使用し、バーナ装置11と送風機12とを並設すると、図4に示すように、送風機12から炉体内に送り込まれる空気流Jによって、バーナ火炎(燃焼ガス流)Gは、空気流Jに引き込まれつつ高速で前進する。そして空気流Jおよびバーナ火炎Gは、炉体31の最奥面38に衝突して図中矢印C1のように、高速のまま炉体側壁36に沿ってバーナ室10側に回り込み、炉体31内部を均等に熱する。バーナ室10側に戻った空気流Jとバーナ火炎Gは、手前の壁面34に衝突して図5の矢印C2のように回り込み、ガス流(G)の一部が再燃焼される。
【0019】バーナ火炎Gが、空気流Jに引き寄せられるのは、空気流Jが高速低圧であるためであり、空気流Jが高速で炉内を周回し始めると、バーナ火炎Gは手前側(バーナ室10側)から急速な膨張を呈し、最奥部では殆ど空気流Jに呑み込まれる状態で前進する。空気流Jとバーナ火炎Gとが混合する結果、高温ガスの燃焼はほぼ完全となり、排気筒60から雪に向かって排出される排ガスも、有毒ガスを殆ど含まず、黒い煤(すす)も目に見えて減少する。
【0020】尚、従来の融雪装置では図6に示すように、符号Qで示す手前側の位置に高温のガス流(G)が回り込まず、そのまま煙突から外気に排ガスを逃がしていた。これを解消するため、近時、遮蔽板を炉内に設け、ガス流を案内して、手前側に設けた煙突から排気する構造がみられた。しかしその場合でもガスの流速が遅いため、不均等な熱交換がなされて最奥部(煙突周辺)の温度は必然的に低く偏っていた。これに対し、本発明に係る融雪装置によれば、遮蔽板を設けるまでもなくガス流(G)が高速で炉内を循環し、炉体31の全体を均等に高温加熱することが可能となった。
【0021】本発明に係る融雪装置は、炉体にバーナ装置と送風機を併設できる限り、炉体の形状は限定されない。平面フラットなものに限らず、例えば円筒形の炉体であっても良い。また地下埋設型の融雪装置に限らず、車両搭載型の可動式融雪装置等、各種タイプの融雪機を含む。但し、排気熱を雪に向かって排出する排気熱型の融雪機に適用することが特に好ましい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る融雪装置によれば、バーナ火炎の到達距離が増大し、バーナ装置の燃焼効率を更に向上させることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】598085515
【氏名又は名称】株式会社 ユニックス
【出願日】 平成12年8月11日(2000.8.11)
【代理人】 【識別番号】100099014
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 滿茂
【公開番号】 特開2002−54116(P2002−54116A)
【公開日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願番号】 特願2000−244304(P2000−244304)