| 【発明の名称】 |
落石等の防護柵 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤原 兼友
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| 【要約】 |
【課題】ワイヤロープに大きな負荷が加わっても支柱への負荷を緩衝するようにして支柱の倒壊を防止できるようにした落石等の防護柵を提供すること。
【解決手段】少なくとも一対の端部支柱1,2を備え、これらの端部支柱1,2の間にワイヤロープ6を上下方向に複数本架橋するとともにこれらのワイヤロープ6に金網6bを取り付けた落石等の防護柵であって、一対の端部支柱1,2とワイヤロープ2との間を、ワイヤロープが2防護柵の外側に向けて付勢されるコイルスプリング8を介して連接する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一対の端部支柱を備え、前記端部支柱の間にワイヤロープを上下方向に複数本架橋するとともにこれらのワイヤロープに金網を取り付けた落石等の防護柵であって、前記一対の端部支柱と前記ワイヤロープとの間を、前記ワイヤロープが防護柵の外側に向けて付勢される弾性手段を介して連接したことを特徴とする落石等の防護柵。 【請求項2】 前記ワイヤロープの両端に棒状の保持具を連結するとともに前記端部支柱に開けた孔に前記保持具を差し通し、前記保持具にはストッパを備えるとともに前記ストッパと前記端部支柱との間の前記保持具周りに圧縮のコイルスプリングを前記弾性手段として備えていることを特徴とする請求項1記載の落石等の防護柵。 【請求項3】 前記保持具の先端に雄ねじを形成し前記雄ねじに螺合して前記ストッパの位置を規制するナットを備えていることを特徴とする請求項2記載の落石等の防護柵。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば道路沿い山の斜面や崖から落下する岩石や土砂及び倒木等の落下を防止するための防護柵に関する。 【0002】 【従来の技術】山の斜面や法面等には岩石,土砂,倒木,雪崩等が道路や民家等に落下するのを防止するための防護柵が設けられる。この防護柵としては、山の斜面に複数の支柱を間隔を開けて打設配列し、支柱の間にワイヤロープを張ってこのワイヤロープに金網を取り付ける方式のものが従来から知られている。このようなワイヤロープや金網を利用する防護柵として、たとえば実開平11−190010号公報に記載のものがある。この公報に記載の防護柵も含めて、支柱によって支持されたワイヤロープ及びこれに取り付けた金網が岩石等を受け止めて、道路や民家等への落下を防止することができる。 【0003】ワイヤロープは、先の公報に記載のように長さ調節できるターンバックルを利用して支柱に取り付けるか、支柱に直に連結して張りめぐらせる施工が行なわれる。したがって、ワイヤロープはほぼ一定の張力を持って支柱間に架橋され、この張力を適切に設定することで、岩石等の重量物の道路や民家側への転落を防止できる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、大きな重量の岩石が急激に落下してワイヤロープや金網に突き当たるときには、大きな負荷がワイヤロープに加わり、大きく撓み変形してしまう。そして、この撓み変形と同時に支柱にも大きな力が加わることになり、岩石の衝突による衝撃が大きいと支柱が斜めに引き倒されてしまう。したがって、支柱がたとえば道路側に前屈みに倒れてしまうと、防護柵の高さ寸法が短くなり、岩石や倒木が防護柵を越えて下に落下してしまうという問題がある。 【0005】このように従来の岩石等の防護柵では、支柱とワイヤロープが剛的に連結されているため、ワイヤロープが受ける負荷が直に支柱に加わって支柱が倒れやすいという問題がある。 【0006】本発明は、ワイヤロープに大きな負荷が加わっても支柱への負荷を緩衝するようにして支柱の倒壊を防止できるようにした落石等の防護柵を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一対の端部支柱を備え、前記端部支柱の間にワイヤロープを上下方向に複数本架橋するとともにこれらのワイヤロープに金網を取り付けた落石等の防護柵であって、前記一対の端部支柱と前記ワイヤロープとの間を、前記ワイヤロープが防護柵の外側に向けて付勢される弾性手段を介して連接したことを特徴とする。 【0008】本発明では、ワイヤロープと端部支柱とが弾性手段を介して連接されワイヤロープが防護柵の外側に向けて弾性付勢されているので、大きな岩石が防護柵に衝突しても弾性手段の収縮によりワイヤロープが撓み変形して岩石を受け止め、このときの衝撃が端部支柱に剛的に伝わるのが阻止される。したがって、端部支柱は地中への打設姿勢に保持されて下向きに引き倒されることがなく、岩石の転落を確実に防止できる。 【0009】本発明においては、前記ワイヤロープの両端に棒状の保持具を連結するとともに前記端部支柱に開けた孔に前記保持具を差し通し、前記保持具にはストッパを備えるとともに前記ストッパと前記端部支柱との間の前記保持具周りに圧縮のコイルスプリングを前記弾性手段として備えた構成とすることができる。 【0010】この構成では、ワイヤロープの岩石等が衝突したときコイルスプリングが収縮してワイヤロープを撓ませることができ、端部支柱への負荷を小さくしてその姿勢の変動を抑えることができる。 【0011】また、前記保持具の先端に雄ねじを形成し前記雄ねじに螺合して前記ストッパの位置を規制するナットを備えた構成としてもよい。 【0012】この構成では、雄ねじに対するナットの螺合度に応じてコイルスプリングの圧縮度を変えることができ、たとえば重量の大きな岩石の落下が予測されるような現場では圧縮度を大きく調整して落下岩石による衝撃を緩衝できるようにすることで、端部支柱の打設姿勢を保持することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態における防護柵の概略正面図、図2は設置状況を示す概略側面図である。 【0014】図において、山または崖の斜面Aには道路Bに沿って複数の端部支柱1,2及び中間支柱3が打設固定されている。端部支柱1,2は防護柵の両端に位置し、中間支柱3はこれらの端部支柱1,2の間にほぼ一定の間隔を置いて施工されるものである。端部支柱1,2はの下端には斜面Aの岩盤中に打設される基礎アンカー1a,2aを備え、中間支柱3にも同様に岩盤用の基礎アンカー3aを備えている。なお、斜面Aが土砂等のような場合には、中間支柱3の下端には土中用のアンカー3bを備えるようにしてもよい。また、端部支柱1,2は幅員方向の姿勢を拘束支持するロープ4a,4bによって保持されるとともに、斜面Aの傾斜方向の姿勢を拘束保持するロープ4c,4dによって保持されている。そして、中間支柱3も同様に傾斜方向の姿勢をロープ5a,5bによって拘束保持されている。 【0015】端部支柱1,2どうしの間には図示の例では5本のワイヤロープ6が架橋されている。これらのワイヤロープ6は端部支柱1,2に両端を連接されるとともに、図3に示すように中間支柱3の裏面に設けたUボルト3cの間に通して架橋されたものである。図1に示すように5本のワイヤロープ6には結合コイル6aが外挿され、この結合コイル6aによって金網6bがワイヤロープ6に固定される。なお、図1では金網6bが右端部分にのみ配置されているが、実際は端部支柱1,2の間の全面に取り付けられる。 【0016】図4は端部支柱1部分の要部を示す切欠正面図、図5は端部支柱1の側面図、図6は端部支柱1部分の要部の平面図である。 【0017】端部支柱1はH型鋼を利用したもので、そのウェブ1bには上下方向の5箇所に孔1cを開けている。そして、これらの孔1cと同軸上であって外側(図6において左側)を向くウェブ1bにはパイプを利用したガイド短管1dが溶接によって固定されている。一方、ワイヤロープ6の端部には保持具7が連結され、この保持具7を孔1cからガイド短管1dに通して配置されている。保持具7は一端側にワイヤロープ6を連結するためのアイ部7aを形成するとともに他端側に雄ねじ7bを形成したものであり、図6に示すように孔1cに通したときに雄ねじ7b部分が端部支柱1から大きく突き出る長さを持つ。そして、ウェブ1bから突き出した保持具7には圧縮のコイルスプリング8及びこのコイルスプリング8の一端を受けるストッパ9をそれぞれ外挿し、更に雄ねじ7bにはストッパ9の位置を規制するナット10を螺合している。 【0018】一方、端部支柱2側においても図1に示すようにコイルスプリング8を備えるとともにストッパ及びナット(図1では説明を簡単にするために省略)を配置し、端部支柱1側と同様の連接構造によってワイヤロープ6の右端を連接している。 【0019】ここで、図6から判るように、保持具7はウェブ1bとストッパ9との間に介装したコイルスプリング8によって図において左側に付勢され、その付勢力はナット10の位置によって調整される。すなわち、ナット10を図において右側に移動させるとコイルスプリング8を圧縮して付勢力は強くなり、左側に移動させると付勢力は弱くなる。そして、端部支柱2側においても同様にコイルスプリングによって保持具7は図1において右側方向に付勢される。したがって、ワイヤロープ6はその両端の保持具7を介して引っ張られる向きの付勢力を受けて端部支柱1,2の間に架橋される。 【0020】以上の構成において、図1に示すように端部支柱1,2の間に架橋され中間支柱3の背面のUボルト3cに通した5本のワイヤロープ6に結合コイル6aを介して金網6bが取り付けられる。したがって、図2において斜面Aの上側から岩石や倒木等が落ちてきても、端部支柱1,2と中間支柱3及びワイヤロープ6によって支持された金網6bがこれらを受けて道路B側への落下を防ぐことができる。 【0021】ここで、重量が大きな岩石などが落下して防護柵に衝突すると、端部支柱1,2にコイルスプリング8で弾性付勢されているワイヤロープ6は図1において中央側に引っ張られる。このとき、ワイヤロープ6が端部支柱1,2に剛的に連結されていると、ワイヤロープ6の下側への引張りによって端部支柱1,2及び支柱3が下側に引き倒されようとする。これに対し、ワイヤロープ6はその両端をコイルスプリング8による枠の中央から左右方向に引張りの弾性力を受けている。したがって、岩石によりワイヤロープ6を引き下げるような衝撃が加わると、コイルスプリング8が圧縮変形してワイヤロープ6を下に撓ませるように変形させる。すなわち、コイルスプリング8は岩石による衝撃を緩衝させるようにしてワイヤロープ6を変形させるので、端部支柱1,2及び中間3に対してこれらを引き倒す負荷を加えることがない。したがって、大きな岩石が防護柵に衝突しても、端部支柱1,2及び中間支柱3は打設姿勢に保持され、下側に向けて傾くようなことがない。 【0022】このようにコイルスプリング8によりワイヤロープ6の両端を端部支柱1,2の外側に向けて弾性付勢し、その弾性反力を利用して岩石などによる衝撃を緩衝させることができる。このため、端部支柱1,2及び中間支柱3に対する引き倒し方向の負荷が抑えられ、端部支柱1,2及び中間支柱3の姿勢を保持でき、岩石などが防護柵を乗り越えて下に落下することがなくなる。また、端部支柱1,2にはワイヤロープ6への岩石の衝突による衝撃が剛的に伝達されないので、端部支柱1,2の耐力を上げることができ、落石事故を確実に防止することができる。 【0023】 【発明の効果】本発明では、ワイヤロープを端部支柱に対して弾性的に支持する構成とし、ワイヤロープに加わる負荷が端部支柱に剛的に伝達されないようにしているので、大きな岩石等がワイヤロープ及び金網に衝突してもワイヤロープがこの衝突による衝撃を緩衝するように変形するので、端部支柱や中間支柱への負荷を抑えることができる。したがって、端部支柱及び中間支柱を打設姿勢に保持することができ、落石や倒木等の落下を確実に防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500370229 【氏名又は名称】丸建ネット工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月8日(2000.8.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099508 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 久
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| 【公開番号】 |
特開2002−54109(P2002−54109A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月20日(2002.2.20) |
| 【出願番号】 |
特願2000−240307(P2000−240307) |
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