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【発明の名称】 防風さく
【発明者】 【氏名】津田 剛

【氏名】清水 遵

【氏名】小林 敬司

【氏名】木村 泰造

【氏名】岡田 充弘

【氏名】樋野 伸二郎

【要約】 【課題】防風ネットによる視界遮断の問題を防風ネットを撤去せずに解決できるようにした防風さくを提供することである。

【解決手段】エキスパンドメタル4を支持枠5の内側に取付けて構成される防風ネット3の両側に水平支軸6を設け、その水平支軸6を支柱1に取付けた軸受7で支えて水平支軸6を支点に防風ネット3を回転可能となし、防風の不要な季節に防風ネットを水平姿勢にして視界を広げるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エキスパンドメタルを支持枠の内側に取付けて防風ネットを形成し、その防風ネットを地表との間に所要の隙間を生じさせ、支柱で支えて路肩に設け、その防風ネットでネットを通り抜ける風を上向きに誘導して風下の道路に流れる風を弱める防風さくにおいて、前記防風ネットの両端に水平支軸を設け、その水平支軸をネットの両側の支柱に取付けた軸受で支えて水平支軸を支点に防風ネットを回転可能となし、さらに、防風ネットの垂直姿勢からの逆回りを止めるストッパと、正回転した防風ネットを水平位置で回り止めするブラケットと、垂直姿勢の防風ネットを前記ストッパに、水平姿勢の防風ネットを前記ブラケットに各々固定するロック手段を設けたことを特徴とする防風さく。
【請求項2】 前記軸受にU字溝を設け、そのU字溝に、溝幅よりも大径の頭部を先端に設けた防風ネット両端の水平支軸を落とし込んで防風ネットを回転可能に支持した請求項1記載の防風さく。
【請求項3】 前記ストッパとブラケットに切抜き穴を設け、防風ネットにそのネットがストッパとブラケットに当接した位置で前記切抜き穴に差込む穴付き突片を設け、その切り抜き穴と、孔付き突片と、切抜き孔を通り抜けた突片の孔に差込むウェッジピースとで前記ロック手段を構成した請求項1又は2記載の防風さく。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強い季節風等に晒される道路の安全走行確保のために、道路に沿って設ける防風さくに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、日本海に近接している北陸自動車道においては、冬季に強い季節風に晒されることが多いことから、海側の路肩に防風さくを設置することがなされている。
【0003】その防風さくは、路肩に沿って設ける防風ネットとそれを支える支柱とで構成されている。防風ネットは、エキスパンドメタルを支持枠の内側に取付け、エキスパンドメタルの目孔を通り抜ける風を上向きに誘導する構造のものが減風効果に優れることが確認されており、そのエキスパンドメタルを用いたものが採用されている。
【0004】また、防風ネットと地表との間に適度の隙間を生じさせると、下部空間を通り抜ける風によって道路の端に積もった雪が効果的に吹き払われることも確認されており、その吹き払いによる除雪効果も考えて、防風さくは、地表と防風ネット間の空間高さ300mm、設置高さ1400mm(防風ネットの高さ1100mm)で、減風率50%程度のものが採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】北陸自動車道では、防風さくを設けて強風時の安全走行を確保する一方で、快適な道路空間を確保するために景観の向上も図られている。ところが、前述の防風さくがあると、座席位置の低い普通車や小型車などは、車窓からの視界が防風さくに遮られて日本海の美しい海岸線が見えず、周りが殺風景になる。
【0006】このため、夏季には防風さくを撤去し、強風が吹く冬季に再びその防風さくを取付けることがなされているが、これは、多大の労力を必要とし、人件費等も嵩む。
【0007】そこで、この発明は防風さくによる景観遮断の問題を防風さくを撤去せずに解決できるようにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明においては、エキスパンドメタルを用いた防風ネットの両端に水平支軸を設け、その水平支軸をネットの両側の支柱に取付けた軸受で支えて水平支軸を支点に防風ネットを回転可能となし、さらに、防風ネットの垂直姿勢からの逆回りを止めるストッパと、正回転した防風ネットを水平位置で回り止めするブラケットと、垂直姿勢の防風ネットを前記ストッパに、水平姿勢の防風ネットを前記ブラケットに各々固定するロック手段を設けたのである。
【0009】支柱に取付ける軸受けは、U字溝に回転軸となる支軸を落とし込む方式のものが好ましい。
【0010】また、防風ネットを固定するロック手段は、後述の実施形態で述べるようなものが、ロックとロックの解除を簡単に行なえて好ましい。
【0011】
【作用】強い風が吹く季節、例えば冬季には、防風ネットを起こして垂直姿勢にし、防風を必要としない夏季等には、防風ネットを倒して水平姿勢にする。これにより、防風が必要なときにはその機能が発揮され、防風が不要なときには防風ネットによる視界遮断が防止されて車窓からの眺望が良くなる。
【0012】また、防風ネットの姿勢変更は、ロック手段によるロックを解いて防風ネットをほぼ90°回転させ、再ロックするだけで完了するので、景観向上のために防風ネットを撤去する必要が無くなる。
【0013】なお、防風ネットは、水平姿勢にしたときの高さ位置が普通車や小型車の車窓よりも下になるようにしておくと、運転者、同乗者の視界が大きく開け、景観向上の効果がより高まる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1乃至図10に、この発明の防風さくの実施形態を示す。図1の1は、道路に沿って路肩に所定間隔をあけて立設する支柱、3は隣り合う支柱間に設ける防風ネット、図2、図3の20は道路、21は道路端のガードケーブル、22は側溝である。
【0015】支柱1はメッキ処理されたH型鋼で形成され、下部に一体に設けたアンカー杭2を地中に埋めて定位置に立設される。
【0016】防風ネット3は、エキスパンドメタル4を支持枠5の内側に取付けて成る。支持枠5は、図4に示すようにC型鋼5aとL型鋼5bを組合わせて作られており、その2つの鋼材間にエキスパンドメタル4の周縁部が挟み込まれる。エキスパンドメタル4は、図10に示すように、風下の道路に向かって通り抜ける風を上向きに誘導する方向に取付けられる。このエキスパンドメタル4は、減風率40%以上のものが、特に風速10m/sec以上の場合に効果がある。図6の寸法諸元がP=12.5mm、P1 =30.5mm、W=2.0mm、t=1.6mmのXS−32やXS−33等のエキスパンドメタルを用いると減風率40%以上を確保できる。なお、エキスパンドメタルは鉄製のものが一般的であるが塩害等を受け易い場所で用いるものは、鉄製のものに防食塗料を塗装したり、耐食性に優れるステンレスで形成したりすることもあり得る。
【0017】防風ネット3の両端には、図7に示すように、大径の頭部を有する水平支軸(丸ピン)6が、支持枠5に固定して設けられている。図7の5cは、支持枠5に設けた水抜き穴である。
【0018】また、主柱1には、図8に示すように、軸受7が取付けられ、さらに、側方に張り出すストッパ8と、道路側から見た支柱の背面から道路と反対側に延び出すアーム9で支えてストッパ8よりも上方に配置するブラケット10が設けられている。
【0019】軸受7は、隣り合う支柱に対向させて設けられている。この軸受7はU字溝7aを有し、そのU字溝7aに防風ネット3の両端の支軸6が落とし込まれる。支軸5は、軸受7から外れ止めするために、図9に示すように、頭部をU字溝7aの溝幅よりも大径にしてある。このようにすると支柱1に防風ネット3を簡単に装着でき、防風さくの施工性が向上する。
【0020】ストッパ8は、防風ネット3を垂直姿勢位置で当接させて逆回り方向への回転を止めるために設けてある。また、ブラケット10は、支軸6を支点にして垂直位置からほぼ90°正回転させた防風ネット3を水平位置で回り止めするために設けてある。
【0021】このストッパ8とブラケット10には、切り抜き穴11、12が設けられ、一方、防風ネット3には、そのネットがストッパ8に当接した位置で切り抜き穴11に差込まれる孔付き突片13(図7参照)と、防風ネット2がブラケット10に当接した位置で切り抜き孔12に差込まれる孔付き突片14が設けられている。切り抜き穴11、12と突片13、14は、図4、図5に示すL字状のウェッジピース15と組合わせてロック手段を構成する。図4に示すように、切り抜き穴11を貫通した突片13の孔にウェッジピース15を差込むと突片13が穴11から抜け止めされて防風ネット3が垂直姿勢を保つ位置に保持され、また、図5に示すように、切り抜き穴12を貫通した突片14の孔にウェッジピース15を差込むと突片14が穴12から抜け止めされて防風ネット3が水平姿勢を保つ位置に保持される。
【0022】垂直姿勢のロックと水平姿勢のロックは同一ウェッジピースを共有して行なうことができる。このウェッジピース15は、紛失防止のために鎖16等で支柱1に接続しておくのが好ましい。また、水平姿勢のロック部は、図5に示すように、ウェッジピース15を横から差込む構造になって振動等によるウェッジピースの自然の外れが懸念されるので、ブラケット10に、図4の鎖線位置から実線位置に回転させて退路を塞ぐ抜け止め具17を設けておくのが好ましい。
【0023】なお、例示の防風さくについては、図1の支柱間距離Lを7,000mm、防風ネットの長さlを6,820mm、高さhを1,100mm、図3の支持枠厚みtを120mm、図2の路面からのさく高Hを1,382mmとした。支軸6は、防風ネット3の高さ中間点に設けており、防風ネット3を水平にしたときの路面からネット上面までの高さは892mmとなる。
【0024】そのため、車上からの視界を遮ることがなく、景観の向上が図れる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の防風さくは、支柱間に設ける防風ネットを両端の水平支軸を支点にして回転可能となして防風の不要な夏季等にはその防風ネットを回転させて水平姿勢にするようにしたので、防風ネットを撤去せずに景観を向上させることができる。
【0026】また、支柱に設ける軸受にU字溝を設け、そのU字溝に防風ネットの水平支軸を落とし込んで嵌めるようにしたものは、構造がシンプルになり、さくの施工性も良くなる。
【0027】さらに、実施形態で述べたロック手段を採用したものは、ロック、ロック解除の操作が簡単で、安定したロックが行え、安全性にも優れる。
【出願人】 【識別番号】591161759
【氏名又は名称】大東金属株式会社
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開2002−54108(P2002−54108A)
【公開日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願番号】 特願2000−242403(P2000−242403)