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【発明の名称】 石板ユニット部材およびこれの石組配列施工方法
【発明者】 【氏名】枝 洋一

【要約】 【課題】デザイン上、繰り返しの配列パターンがなく、変化に富んだ乱形された石組を施工現場で簡単に敷設形成できるようにする。

【解決手段】敷設面に繰り返しパターン形状となって隣接配置する変形多角形の各領域P1,P2…内において石組可能に乱形配置する形状やサイズの異なる複数の石板1A,1B,1C…を組み合わせて成り、各領域P1,P2…毎に石板1A,1B,1C…の異なる石組配列パターンを構築すべく石板ユニット部材1を形成する。このユニット化した石板1A,1B,1C…を各領域P1,P2…毎に異なる乱形パターンの石組配列形態に従い順次に配列することで各領域P1,P2…毎にデザイン上の繰り返しのない配列パターンを形成する。敷設施工現場にて石板1A,1B,1C…の敷設面に変形多角形の領域パターン6と、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7とを表示するスタンプ枠材3を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 敷設面に繰り返しパターン形状となって隣接配置される変形多角形の各領域内において石組可能に乱形配置される形状やサイズの異なる複数の石板を組み合わせて成る石板ユニット部材であって、石板は各領域毎に異なる石組配列パターンを形成して成ることを特徴とする石板ユニット部材。
【請求項2】 石板の周辺には、石板ユニット部材それぞれの外郭形状において、当該石板同士が前後方向、左右方向での側面で互いに隣接配置されたときに相互に嵌め合い可能となる凹凸形状部を有する請求項1記載の石板ユニット部材。
【請求項3】 石板周辺の上縁角部には、当該石板相互が突き合わせ配置された際に目地幅を自動的に形成させる傾斜割模様の切欠斜面部を割設形成した請求項1または2記載の石板ユニット部材。
【請求項4】 敷設施工現場にて石板の敷設面に変形多角形の領域パターンを表示させる領域形成用の外枠部と、領域パターンの内部にそれぞれの石板の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターンを表示させる石板外郭形成用の内枠部とから成るスタンプ枠材を備えた請求項1乃至3のいずれか記載の石板ユニット部材。
【請求項5】 敷設面に繰り返しパターン形状となって隣接配置される変形多角形の各領域毎に異なる乱形状の石組配列パターンを形成するように形状やサイズの異なるように石割りした複数の石板を任意に組み合わせて各領域毎にユニット化して成る複数組の石板ユニット部材を形成しておき、敷設施工現場において各石板ユニット部材によって各領域毎に乱形状に石組施工するに際し、そのユニット化した石板を各領域毎に異なる乱形パターンの石組配列形態に従い順次に配列することを特徴とした石板ユニット部材の石組配列施工方法。
【請求項6】 石板のそれぞれの乱形配列でユニット化した石板ユニット部材それぞれの外郭形状において、前後方向、左右方向での側面では凹凸形状部を介して石板相互を嵌め合い可能とした請求項5記載の石板ユニット部材の石組配列施工方法。
【請求項7】 石割りした石板周辺の上縁角部に切欠斜面部を割設形成しておき、敷設面に石組施工して石板相互を突き合わせた際に切欠斜面部相互が対向配置することにより形成される目地部に目地材を充填して石板同士を固定する請求項5または6記載の石板ユニット部材の石組配列施工方法。
【請求項8】 スタンプ枠材を石板の敷設面に押し当てて変形多角形の領域パターンと、領域パターンの内部にそれぞれの石板の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターンとを表示させ、そのスタンプ形状の区画配列に従って石板が石組配列されるものとする請求項5乃至7のいずれか記載の石板ユニット部材の石組配列施工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば床面や地面等の敷石、躯体壁、外壁、内壁等の石張り、更には塊状の積み上げ式の擁壁等に使用される例えば天然の石板あるいは石塊等を乱形状に石割り加工して予め組合せユニット化しておき、これらを施工現場に搬入し、搬入状態時の所定の乱形配列形態に従って順次に配列することにより、この乱形配置による敷石、擁壁等が簡単に施工できるようにしたもので、乱形処理等を現場加工に依らずに簡素化することのできる石板ユニット部材およびこれの石組配列施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、敷石、擁壁等を乱形形態で施工するには、施工現場において大きな石板を適当形状の所定大きさの小片状に裁断し、これら小片状の石板を目地を隔てて配置する等して施工しているものである。そのため、かなりの熟練を要し、施工に手間が掛かる面倒さがあり、しかも費用も極めて嵩張るものであったばかりでなく、石板の配置状態が分かるように予め石板割付用の配置図面を作成しておく等の必要があり、非常に面倒な作業となるものであった。
【0003】これを解消すべく、この種の現場施工での石組配列による施工方法として、例えば特開平10−338903号公報、実開昭62−71231号公報、特開平4−55501号公報、特開平4−198503号公報等に開示されているような乱形状の形態をユニット化したものがあった。これらはいずれも所定形状の石板を、これを構成する乱形状の要素となる小石板の形状、配列その他を一定のままとしてそれを維持したままで予め配列固定した石板ユニット部材としてユニット化しておき、この石板ユニット部材を施工現場に搬入し、石板ユニット部材における固定化された内部の要素となる小石板の乱形状を維持したままで、石板ユニット部材全体をそれ自体で決められた手順に従って隣接配置して施工するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのような従来提案の石組配列による施工方法では、例えば特開平10−338903号公報の場合では外郭形状が凹凸嵌合形状となるようにして隣接配置するも、その石板の配列形態はその全てが同一のデザインを呈し、現場施工後では配列形態の単純な繰り返しになるに過ぎない。しかも従来では工場サイドで形成される目地と現場施工で形成される目地とが混在する場合が多く、このため両目地部に対して経時変化の差が生じて色斑を生じてしまい将来的に見苦しいものとなる。また、従来のように小片状に裁断した石板を目地を隔てて配置する等して施工する場合では、個々の石板が不定型な形状をしているため、目地を隔てて石板を配置する作業が非常に面倒であり、施工者の技量に頼らざるを得ないものとなり、しかも大小の不定型割石をうまく配置しようとしても、目地の間隔が一定せず、仕上がりの美感を悪化させるものであった。
【0005】また、実開昭62−71231号公報の場合では、外郭形状が角形に形成されているため、隣接配置した現場施工後では変化性に乏しい。特開平4−55501号公報の場合では、乱形状に配列構成した石板ユニット部材の外郭形状が、構成している各石板の辺に沿って形取りされているから、施工現場での敷設配列後では同一パターンが繰り返されるに過ぎない。特開平4−198503号公報の場合では、乱形で連続配置するときの各石板の外形が隣接するもの同士で嵌め合うように凹凸形状としてあるに過ぎず、それらがユニット化されているものではない等の問題点を有していた。
【0006】そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、デザイン上、繰り返しの配列パターンがなく、変化に富んだ乱形された石組を石材割付配置図面を使用しなくても施工現場で簡単に且つ低額な施工費用で敷設することができ、石端材の廃棄物を生じさせることなく素人でも簡単に施工できるものとし、また石組施工後の目地材の経時的な色変化の斑を生じさせず、施工者の技量に頼らなくても一定の目地を隔てて石板を容易に配置することができ、しかも石材の乱形配置を現場加工に依らずに簡素化することができる石板ユニット部材およびこれの石組配列施工方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明にあっては、敷設面2に繰り返しパターン形状となって隣接配置される変形多角形の各領域P1,P2…内において石組可能に乱形配置される形状やサイズの異なる複数の石板1A,1B,1C…1nを組み合わせて成る石板ユニット部材1であって、石板1A,1B,1C…は各領域P1,P2…毎に異なる石組配列パターンを形成して成るものである。石板1A,1B,1C…の周辺には、石板ユニット部材1それぞれの外郭形状において、当該石板1A,1B,1C…同士が前後方向、左右方向での側面で互いに隣接配置されたときに相互に嵌め合い可能となる凹凸形状部を有するものとできる。石板1A,1B,1C…周辺の上縁角部には、当該石板1A,1B,1C…相互が突き合わせ配置された際に目地幅を自動的に形成させる傾斜割模様の切欠斜面部4を割設形成することができる。敷設施工現場にて石板1A,1B,1C…の敷設面2に変形多角形の領域パターン6を表示させる領域形成用の外枠部3Aと、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7を表示させる石板外郭形成用の内枠部3Bとから成るスタンプ枠材3を備えたものとできる。一方、本発明に係る石組配列施工方法にあっては、敷設面2に繰り返しパターン形状となって隣接配置される変形多角形の各領域P1,P2…毎に異なる乱形状の石組配列パターンを形成するように形状やサイズの異なるように石割りした複数の石板1A,1B,1C…を任意に組み合わせて各領域P1,P2…毎にユニット化して成る複数組の石板ユニット部材1を形成しておき、敷設施工現場において各石板ユニット部材1によって各領域P1,P2…毎に乱形状に石組施工するに際し、そのユニット化した石板1A,1B,1C…を各領域P1,P2…毎に異なる乱形パターンの石組配列形態に従い順次に配列するものとできる。石板1A,1B,1C…のそれぞれの乱形配列でユニット化した石板ユニット部材1それぞれの外郭形状において、前後方向、左右方向での側面では凹凸形状部を介して石板1A,1B,1C…相互を嵌め合い可能とすることができる。石割りした石板1A,1B,1C…周辺の上縁角部に切欠斜面部4を割設形成しておき、敷設面2に石組施工して石板1A,1B,1C…相互を突き合わせた際に切欠斜面部4相互が対向配置することにより形成される目地部に目地材8を充填して石板1A,1B,1C…同士を固定するものとできる。スタンプ枠材3を石板1A,1B,1C…の敷設面2に押し当てて変形多角形の領域パターン6と、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7とを表示させ、そのスタンプ形状の区画配列に従って石板1A,1B,1C…が石組配列されるものとすることができる。
【0008】以上のように構成された本発明に係る石板ユニット部材1の石板1A,1B,1C…は、敷設面2に繰り返しパターン形状となって隣接配置される変形多角形の各領域P1,P2…内において乱形状に石組配置されると共に、各領域P1,P2…毎に異なる石組配列パターンを形成させる。石板1A,1B,1C…周辺の凹凸形状部は、石板1A,1B,1C…のそれぞれの乱形配列でユニット化した石板ユニット部材1それぞれの外郭形状において、前後方向、左右方向での側面で互いに隣接配置されたときに凹凸形状部が雄雌となって相互に嵌め合い可能とさせる。石板1A,1B,1C…周辺の上縁角部に割設形成した傾斜割模様の切欠斜面部4は、敷設後の目地幅を自動的に形成させる。スタンプ枠材3は、敷設施工現場にて石板1A,1B,1C…の敷設面2に対し、繰り返しパターン形状となるような変形多角形の領域パターン6と、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7とを表示させる。一方、本発明に係る石組配列施工方法にあっては、形状やサイズの異なる複数の石板1A,1B,1C…を任意に組み合わせて各領域P1,P2…毎にユニット化して成る複数組の石板ユニット部材1は、そのユニット化した石板1A,1B,1C…を各領域P1,P2…毎に異なる乱形パターンの石組配列形態に従い順次に配列することで、敷設面2に繰り返しパターン形状となって隣接配置される変形多角形の各領域P1,P2…毎に異なる乱形状の石組配列パターンを形成させる。石割りした石板1A,1B,1C…周辺の上縁角部に割設形成された傾斜割模様の切欠斜面部4は、敷設面2に石組施工して石板1A,1B,1C…相互を突き合わせた際に切欠斜面部4同士が対向配置することにより略V字形の目地部が形成され、この目地部内に目地材8を充填して石板1A,1B,1C…相互を固定させる。石板1A,1B,1C…の敷設面2に押し当てて変形多角形の領域パターン6と、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7とを表示させるスタンプ枠材3は、そのスタンプ形状の区画配列に従って石板1A,1B,1C…を石組配列させることで、各領域P1,P2…毎に石板1A,1B,1C…の異なる石組配列パターンを順次形成させる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施の形態を説明すると、図において示される符号1は、例えば床面や地面等の敷石等として敷設面2に繰り返しパターン形状となって隣接配置される所定の変形多角形の各領域P1,P2…内においてそれぞれ乱形状に石組可能となるように隣接配置される形状やサイズの異なる複数の石板1A,1B,1C…1nを組み合わせることで各領域P1,P2…に対応して複数組となって形成された石板ユニット部材である。
【0010】この石板ユニット部材1は、予め例えば工場サイドにおいて、例えば天然石板等を乱形状に石割り加工し、これらを施工現場において所定の配列形態に従って順次に配列するものであり、例えば縦横が約1000mm程度の変形多角形を呈する所定形状の複数の領域P1,P2…内に一定の目地間隔を開けて例えば13枚〜16枚程度の石板1A,1B,1C…,1nがそれぞれ乱形状となって配置されるように構成されている。そして、複数組の石板ユニット部材1のそれぞれを構成する各石板1A,1B,1C…は、互いに隣接配置された四角形、五角形、六角形更にはそれ以上の多角形の変形多角形の各領域P1,P2…毎に異なる石組配列パターンを呈するものとなるようにして配置されている。尚、石板1A,1B,1C…,1nそれぞれの形状は、その角隅部の角度が鋭角とならないように配慮されることが好ましいものである。
【0011】具体的には図3に示すように、第1の領域P1(図3(a)参照)では、大小の五角形または六角形の計15個の石板1A,1B,1C…を配列し、第2の領域P2(図3(b)参照)では、前記第1の領域P1の石板1A,1B,1C…の形状とは若干異なる大小の五角形または六角形とし、且つ8番目の石板1Hを四角形とした計15個の石板1A,1B,1C…を配列してある。
【0012】第3の領域P3(図3(c)参照)では、前記第1、第2の領域P1,P2の石板1A,1B,1C…の形状とは若干異なる大小の五角形または六角形とした計15個の石板1A,1B,1C…を配列してある。
【0013】第4の領域P4(図3(d)参照)では、前記第1、第2、第3の領域P1,P2,P3の石板1A,1B,1C…の形状とは若干異なる大小の五角形または六角形とし、且つ7番目の石板1Gを四角形としたた計13個の石板1A,1B,1C…を配列してある。
【0014】第5の領域P5(図3(e)参照)では、前記第1、第2、第3、第4の領域P1,P2,P3,P4の石板1A,1B,1C…の形状とは若干異なる大小の五角形または六角形とし、且つ8番目の石板1Hを四角形とした計16個の石板1A,1B,1C…を配列してある。
【0015】これら第1乃至第5の領域P1,P2,P3,P4,P5の隣接配列パターンの具体的な構成としては、例えば図1に示すように、第1の領域P1を中央にして第2乃至第5の領域P2,P3,P4,P5それぞれが左右前後位置に配置させられるものとなっている。また、図示を省略したが、第1乃至第5の領域P1,P2,P3,P4,P5それぞれの前後左右にそれぞれの第1乃至第5の領域P1,P2,P3,P4,P5のものが隣接配置されるのであり、その隣接配置の形態は施工現場でランダムに選択され、施工されるようになっている。
【0016】石板ユニット部材1の製作は、共通した外郭形状を維持したままで、その石板1A,1B,1C…の形状、大小等は任意に選定し、またそれに従って石割りして行ない、複数組の石板ユニット部材1それぞれが単独製品となるようにその配列形態を維持したままで工場サイド等にて構成しておく。このとき、石板1A,1B,1C…のそれぞれの乱形配列でユニット化した複数組の石板ユニット部材1それぞれの外郭形状において、前後方向、左右方向での側面では、互いに隣接配置されたときに相互に嵌め合い可能な凹凸形状部を形成しておく。尚、石板ユニット部材1それぞれは、例えば大判の1枚の石板素材を適当な多角形の石板1A,1B,1C…となるように裁断することで形成され、その形状、配列その他の組合せは適当に裁断時に選定されるものとなっており、それぞれに異なるものとしておくことも、ある程度の数種類のパターンに予め設定したものとしておくことも可能である。このよう乱形組合せ処理作業を施工現場で行わずに、石材加工場等の工場サイドで処理しておくことで、施工現場では産業廃棄物となる端材を生じさせないで済む利点がある。
【0017】また石板1A,1B,1C…は、例えばサファイアブラウン、バハマブルー、インぺリアルホワイト、タイガースキン等の天然石板材を素材とし、これらを模様的に任意に組み合わせるようにして使用することもできる。
【0018】また裁断石割りした石板1A,1B,1C…周辺の下縁角部自体はそのままにして上縁角部だけに例えば傾斜割模様の切欠斜面部4を割設形成しておくことで、図5に示すように、石板1A,1B,1C…相互の下半分同士を突き合わせることで石板1A,1B,1C…相互をきっちりと位置合わせでき、また、これによって互いに対向配置する切欠斜面部4により自動的に目地幅を形成させるようにしておく。
【0019】これら形状、大小等の異なる石板1A,1B,1C…を当該石板1A,1B,1C…の石組配列形態を維持したままで例えば紙製、合成樹脂材製等のシート材を介在させて重ねられ、縛着梱包し、施工現場に搬入するようにしてある。このとき、各石板1A,1B,1C…には必要があれば相互に識別できる例えば番号や記号等の符号を例えば裏面等に表示し、また後述するスタンプ枠材3の石板外郭形成用の内枠部3Bによる配列区画にも対応する数字、記号その他の符号を表示するようにしておいて、その符号に従い例えば一端左側から他端右側にかけて順番に配列するように敷設することができるようにしてある。
【0020】図2、図4に示すように、変形多角形の領域P1,P2…は、敷設施工現場にて石板1A,1B,1C…の例えばコンクリート等の路面上に打設したモルタル上に変形多角形の領域パターン6を押し当て表示させるための領域形成用の外枠部3Aと、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7を押し当て表示させるための石板外郭形成用の内枠部3Bとから成る例えば金属枠板製のスタンプ枠材3によって形成される。このスタンプ枠材3は、敷設される石板ユニット部材1の石板1A,1B,1C…の異なる配列パターンそれぞれに対応して各別に構成され、各領域P1,P2…内での石板1A,1B,1C…の配列が石板外郭パターン7に従って容易に行なえるようにしてある。
【0021】尚、このスタンプ枠材3の外枠部3Aにおける角部は、各内角部分が全て鈍角に形成されており、このため領域P1,P2…の角部における内角は、全て鈍角に形成されるものとしてある。さらに、領域P1,P2…内に敷設配置される各石板1A,1B,1C…の形状は少なくとも4つの角部を有する変形多角形とし、できるだけ三角形の石板を使用しないようにしてある。
【0022】また、石板ユニット部材1、スタンプ枠材3等は例えばその外郭形においての前後辺、左右辺それぞれの長さは基本的には例えば1000mm程度とすることが予定されるも、これより長くあるいは短く形成されることもあり、更にはほぼ正方形状を呈するようにする場合を基本とことに限らず、前後辺、左右辺それぞれの長さが異なるものとなっていても差し支えないのである。場合によっては、外郭形状を例えば五角形、六角形としてこれ等の組合せによって連続的に隣接配置するようにすることも可能である。
【0023】次に、本発明に係る石板ユニット部材1の石組配列施工方法について説明すると、先ず石板ユニット部材1の製作は、共通した外郭形状を維持したままで、その石板1A,1B,1C…の形状、大小等は任意に選定し、それに従って石割りして行ない、石板ユニット部材1それぞれが単独製品となるようにその石組配列形態を維持したままで例えば工場サイド等にて構成しておく。
【0024】すなわち、工場サイドにおいては、敷設面2に繰り返しパターン形状となって隣接配置される変形多角形の各領域P1,P2…毎にそれぞれ異なる乱形状の石組配列パターンを形成するように一枚の大きな石材を形状やサイズの異なるよう裁断、石割り加工して小さな複数の石板1A,1B,1C…に裁断、分割形成しておき、これら複数の石板1A,1B,1C…を任意に組み合わせることで各領域P1,P2…毎にユニット化して成る複数組の石板ユニット部材1を形成しておく。
【0025】このとき、石板1A,1B,1C…のそれぞれの乱形配列でユニット化した石板ユニット部材1それぞれの外郭形状において、前後方向、左右方向での側面では互いに隣接配置されたときに相互に嵌め合い可能となるよう例えば凹凸形状部にしておくものである。
【0026】また石割り後には、各石板1A,1B,1C…相互の隣接配置を容易にするよう、例えば敷設後の目地幅を自動的に形成するために手作業により例えばノミとハンマー等を使用して傾斜割模様の切欠斜面部4を各石板1A,1B,1C…相互の周辺の上縁角部に割設形成しておく。こうすることで敷設面2上に並べられた石板1A,1B,1C…の周辺における下縁角部同士をぴったりと突き合わせることで隣接した位置決め配置を容易にし、さらに突き合わせ配置することにより、切欠斜面部4相互が対向配置されることとなって略V字形の目地部が自動的に揃った状態となって形成され、そこに目地材8を充填して石板1A,1B,1C…同士を固定するものとしてある。また、このような手作業による傾斜割模様の切欠斜面部4の形成は、目地幅を若干でも不揃いなものとなることで、施工現場で石板1A,1B,1C…を配列したときには、一層の自然石状の雰囲気を形成させるのに役立つ。
【0027】そして、これら形状、大小等の異なる石板1A,1B,1C…を当該石板1A,1B,1C…の石組配列形態を維持したままで例えば紙製、合成樹脂材製等のシート材を介在させて重ねられ、縛着梱包して施工現場に搬入する。
【0028】一方、敷設施工現場において、石板1A,1B,1C…の敷設面2に砕石を敷設固定し、コンクリートを打ち、この上にモルタルを打設し、更には砂地処理等を施した後、この石板1A,1B,1C…の敷設面2に、領域形成用の外枠部3Aと石板外郭形成用の内枠部3Bとから成るスタンプ枠材3を押し当てて変形多角形の領域パターン6と、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7とを表示させておき、そのスタンプ形状の区画配列に従って各石板ユニット部材1毎でその各石板1A,1B,1C…を敷設面2の個々の石板外郭パターン7に従って順次置くことで石組配列パターンが形成される(図4参照)。
【0029】すなわち、各組の石板ユニット部材1によって各領域毎に乱形状に石組施工するに際し、そのユニット化した石板1A,1B,1C…を各領域P1,P2…毎に異なる乱形パターンの石組配列形態に従い順次に配列すれば良い。このとき、各石板1A,1B,1C…の例えば裏面等に表示してある識別用の符号等を、スタンプ枠材3の石板外郭形成用の内枠部3Bによる配列区画にも表示させてある符号等に対応させながら例えば一端左側から他端右側にかけて順番に配列するように敷設する。敷設面2に石組施工した際に、石板1A,1B,1C…周辺の側面下半部5が接合された状態で上縁角部に割設形成した切欠斜面部4相互が対向配置することによりそこに略V字形の目地部が形成され、この目地部内に目地モルタル等の目地材8を充填して石板1A,1B,1C…同士を固定する(図5参照)。
【0030】尚、本実施の形態における石板ユニット部材1は、床面、地面等に対する敷設配列のみならず、例えば壁面、門柱等の石張り施工、さらには舗装への応用にも施工を可能にする。また石板1A,1B,1C…の肉厚を厚くして塊状とすることで、それ自体で積み上げ式の擁壁等となし得る。さらに石板1A,1B,1C…の替わりとして例えば木製板、セメント板、タイル等にも応用可能とし、あるいは石板1A,1B,1C…の素材利用として例えばチップ材の再利用、焼却灰の利用も可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているために、デザイン上、繰り返しの配列パターンがなく、変化に富んだ乱形された石組を石材割付配置図面を使用しなくても施工現場で簡単に且つ低額な施工費用で敷設することができる。また石端材の廃棄物を生じさせることなく素人でも簡単に施工できるものとし、さらに石組施工後の目地材8の経時的な色変化の斑を生じさせず、施工者の技量に頼らなくても一定の目地を隔てて石板1A,1B,1C…,1nを容易に配置することができる。しかも石板1A,1B,1C…の乱形配置を現場加工に依らずに簡素化することができる。
【0032】すなわちこれは本発明において、敷設面2に繰り返しパターン形状となって隣接配置される変形多角形の各領域P1,P2…毎にそれぞれ石板1A,1B,1C…の異なる乱形状の石組配列パターンを形成して成るからであり、これによって、デザイン上の繰り返しのパターンがなく、変化に富んだ乱形石組を得ることができる。
【0033】また従来では互いに同じ配列パターンがユニット化されているのに対し、本発明では個々の互いに異なる配列パターンの1個1個がユニット化されているので、石板ユニット部材1のそれぞれにおける各石板1A,1B,1C…の配列パターンは無制限に存在し、その組み合わせも同一のものとはならず、施工現場で敷設構成された隣接配置形態上での各石板1A,1B,1C…のデザイン上の繰り返しパターンでない変化に富んだ乱形石組を簡単に形成することができる。
【0034】しかも石板ユニット部材1の各石板1A,1B,1C…それぞれは軽量化でき、そのために狭い場所での施工の容易性、施工現場への搬入、持ち運びの容易性等が得られるものとなる。さらに石板1A,1B,1C…の肉厚を厚くして塊状とすることで、それ自体で積み上げ式の擁壁等を形成することもできる。
【0035】石板1A,1B,1C…の周辺には、石板ユニット部材1それぞれの外郭形状において、当該石板1A,1B,1C…同士が前後方向、左右方向での側面で互いに隣接配置されたときに相互に嵌め合い可能となる凹凸形状部を有するので、敷設施工現場に生じている凹凸面・起伏面等に沿って、石板1A,1B,1C…相互による乱形配置を容易に形成することができる。
【0036】石板1A,1B,1C…周辺の上縁角部には、当該石板1A,1B,1C…相互が突き合わせ配置された際に目地幅を自動的に形成させる傾斜割模様の切欠斜面部4を割設形成したので、石割りした石板1A,1B,1C…周辺の上縁角部に形成した切欠斜面部4相互が対向配置するも、切欠斜面部4が形成されていない石板1A,1B,1C…周辺の下縁角部では隣接する石板1A,1B,1C…同士をぴったりと合わせるから、きっちりと並べられしかも目地が不揃いにならない。しかも切欠斜面部4相互が対向配置することにより、目地材8を充填して石板1A,1B,1C…同士を固定するのに必要な目地幅を自動的に形成することができ、石板1A,1B,1C…相互の突き合わせ固定作業が容易に行なえる。さらに、例えば苔目地等の植物との混合目地も容易に形成することもできるのである。
【0037】また従来は工場サイドで形成された目地と現場施工で形成された目地とで経時変化が異なるため、現場の目地処理による色変化の斑が生じてしまうことで将来的に見苦しくなるのに対して、本発明の目地材8の挿入による石板1A,1B,1C…相互の突き合わせ固定はすべて現場施工でのみ行なわれるから、従来のような目地材8の経時的な色変化の斑が生じないものとなり、美感を損なうものとならない。
【0038】敷設施工現場にて石板1A,1B,1C…の敷設面2に変形多角形の領域パターン6を表示させる領域形成用の外枠部3Aと、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7を表示させる石板外郭形成用の内枠部3Bとから成るスタンプ枠材3を備え、このスタンプ枠材3を石板1A,1B,1C…の敷設面2に押し当てて変形多角形の領域パターン6と、領域パターン6の内部にそれぞれの石板1A,1B,1C…の外郭形状に応じた個々の石板外郭パターン7とを表示させることで、そのスタンプ形状の区画配列に従って石板1A,1B,1C…を石組配列させるものとしたので、敷設施工現場での敷設面2の各石板1A,1B,1C…の配列方法、位置その他が分かり、施工者の技量に頼らなくても、素人でも簡単に施工することができる。しかもこのようなスタンプ枠材3の使用自体が各領域P1,P2…毎に異なる乱形パターンの石組配列形態を形成するための割付配置図面としての役割を十分に果たすことができ、施工面全体に対する領域の割り付けも不要となるため、従来のような石板1A,1B,1C…の配置状態が分かる割付配置図面を作成する必要性がなくなった。
【0039】一方、本発明に係る石組配列施工方法にあっては、変形多角形の各領域P1,P2…毎に異なる乱形状の石組配列パターンを形成するように形状やサイズの異なるように石割りした複数の石板1A,1B,1C…を任意に組み合わせて各領域P1,P2…毎にユニット化して成る複数組の石板ユニット部材1を形成しておき、敷設施工現場において、そのユニット化した石板1A,1B,1C…を各領域P1,P2…毎に異なる乱形パターンの石組配列形態に従い順次に配列するものとしたので、石板ユニット部材1の各石板1A,1B,1C…は、敷設施工現場に搬入する際にはそれぞれが分離しているから、敷設施工現場に生じている凹凸面・起伏面等に沿って容易に配列させることができ、しかも敷設施工現場の勾配その他にも対応可能である。
【0040】また石板ユニット部材1の外郭形状の各辺に凹凸形状部が形成されるも、このような端部処理は石割加工の工場サイドにて外郭縁上に存する各石板1A,1B,1C…それぞれに対して予め個別に処理されるため、敷設施工現場での石端材等の廃棄物が生じることなく施工を楽に行なうことができて環境にも優しいものとなり、敷設施工現場での施工費用も従来の1/4程度となる。さらに施工者の技量に頼らなくても、素人でも簡単に施工することができる。
【0041】また、石板1A,1B,1C…の一部が破損した場合でもパーツの取り替えが簡単にできる。しかも石板1A,1B,1C…として、例えば互いに異なるパターンの絵文字や象形文字を施す等の数種類の石素材を混合させて使用することで敷石としてのデザイン性を向上させることもできる。
【出願人】 【識別番号】300062887
【氏名又は名称】株式会社創景
【出願日】 平成12年8月22日(2000.8.22)
【代理人】 【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
【公開番号】 特開2002−61101(P2002−61101A)
【公開日】 平成14年2月28日(2002.2.28)
【出願番号】 特願2000−250677(P2000−250677)