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【発明の名称】 疑似凍結路面
【発明者】 【氏名】谷脇 創

【氏名】神戸 大

【氏名】加地 芳夫

【氏名】中本 敏朗

【氏名】佐藤 清

【要約】 【課題】路面凍結時に発生するミラーバーン現象を適切に再現可能な疑似凍結路面を提供する。

【解決手段】2000mm2 以下の表面積をもつ磁器質タイル貼り路面において、目地幅が4〜7mmであって、目地部が磁器質タイル部面積の1/3.0〜1/1.5の面積をもつと共に水分を保持するに足る深さをもち、且つすべり抵抗値μが0.05〜0.10を満足する疑似凍結路面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2000mm2 以下の表面積をもつ磁器質タイル貼り路面において、目地幅が4〜7mmであって、目地部が磁器質タイル部面積の1/3.0〜1/1.5の面積をもつと共に水分を保持するに足る深さをもち、且つすべり抵抗値μが0.05〜0.10を満足することを特徴とする自動車用テストコースのすべり試験路として適する疑似凍結路面。
【請求項2】 磁器質タイルの表面積が路面表面積の60〜75%である請求項1記載の疑似凍結路面。
【請求項3】 磁器質タイルが湾曲表面をもつ請求項1又は2記載の疑似凍結路面。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は疑似凍結路面に関し、冬期間の路面凍結時に発生するミラーバーン現象などを適切に再現することのできる自動車用テストコースのすべり試験路として好適な疑似凍結路面即ち極低μ路面に関する。
【0002】
【従来の技術】各自動車メーカーでは新技術開発の目的で自動車用テストコースの建設を行っているが、その中でもブレーキテスト、タイヤテスト用のすべり易い路面(低μ路面)に関しては様々な種類の路面が提案され使用されている。例えば、アスファルト系やコンクリート系の舗装面を研磨したもの、舗装面に樹脂系材料を塗布したもの、コンクリート版上に磁器質タイルを貼り付けたもの等が使用されている。
【0003】一方、積雪寒冷地域では冬期間の通行のために車両にスパイクタイヤを装着していたが、これはスタッドレスタイヤへと移行した。これに伴い交差点や交通量の多い都市部等で、ミラーバーンと呼ばれる今まで以上にすべり易い極低μ路面が頻繁に発生する様になった。このミラーバーンとは、外気温や走行タイヤの表面温度等の影響により、路面の圧雪や氷版の表面が溶けた後再び凍結することにより発生する、すべり抵抗が極端に小さい路面のことである。通行車両がスパイクタイヤを装着していた頃は、スパイクにより凍結路面が削られて粗面化していたために、この様な問題が表面化することは少なかったが、冬用タイヤのスタッドレス化によりミラーバーンの発生が促進される様になった。
【0004】ミラーバーンの発生が頻繁になるにつれて、交通事故の増加や交通渋滞の深刻化が大きな社会問題となってきており、各自動車メーカーでは、この様な路面に対応できる車両の開発を進めることとなった。また自動車教習所等では、受講者に対して冬期間の非常にすべり易い路面を体験させるカリキュラムを組むところも増えてきた。これらの需要に対応するために、ミラーバーンを再現した路面が必要となってきた。
【0005】これまでにも凍結路面を模した低μ路面として、94mm×94mmの磁器質タイル路面や樹脂塗布路面を使用してきたが、これらの低μ路面を更にすべり易くしてミラーバーン再現用の極低μ路面として使用するには、極低μ路面としての目標ピークμ値の安定確保が難しく、μ−S特性におけるピークμ値が非常に不明瞭で確定し難く、さらに試験結果がタイヤのトレッドパターンに左右されやすいといった問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記した従来の疑似凍結路面即ち極低μ路面の問題点を解決することにあり、特に路面凍結時に発生するミラーバーン現象などを適切に再現でき自動車用テストコースのすべり試験路等として適する疑似凍結路面を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、2000mm2 以下の表面積をもつ磁器質タイル貼り路面において、目地幅が4〜7mmであって、目地部が磁器質タイル部面積の1/3.0〜1/1.5の面積をもつと共に水分を保持するに足る深さをもち、且つすべり抵抗値μが0.05〜0.10を満足することを特徴とする自動車用テストコースのすべり試験路として適する疑似凍結路面である。
【0008】本発明で用いる磁器質タイルとしてはその大きさが45mm×45mmの方形寸法を超えないこと即ち表面積が2000mm2 以下のものであれば従来から低μ路面等に用いられてきた適宜のものを用いうる。材質については、試験車両の通行荷重に耐え得る強度を持っていること、試験車両のタイヤ通行により表面が傷つき難いこと、気象条件や繰り返し行う散水によりひび割れが生じたり、すべり抵抗値が変化しないこと等が条件となる。また平面的な形状についても特に限定されず、方形であっても円形であっても試験結果に影響を与えることはない。表面は水平でもよいが、湾曲していること即ち丸みをもっていることが好ましい。
【0009】また磁器質タイルの配置については、試験車両の進行方向に対して直角であっても斜めであっても試験結果には影響しない。目地はコンクリート目地等適宜の材質のものが用いられる。図1及び図2は磁器質タイルの配置の一例を示す図であり、1は磁器質タイル、2は目地である。
【0010】本発明ではこれらの磁器質タイル路面において、目地部の割合を特殊な所定割合にし且つ目地部に積極的に所定量の水分が保持されるようにその深さを制御することによって意外にも、試験車速30km/hでのμ−S特性におけるピークμ値μP=0.07以下を安定的に確保でき、μ−S特性におけるピークμ値を明瞭にすることができ、試験タイヤのトレッドパターンに左右されないμP値及びμ−S特性を確保することができるという予期せざる顕著な効果が得られることを見出した。
【0011】すべり抵抗値μは下記の式1によって与えられる。タイヤが進行方向と同一方向に回転しているときに、このタイヤに制動力を加えるとタイヤの接地面に進行方向と逆方向の摩擦力が生じる。制動力が十分に大きい場合はタイヤが完全にロックされ、路面に対するタイヤ表面のスリップ率S(式2)は100%となる。この時のすべり摩擦抵抗力とタイヤ荷重との比をすべり抵抗値という。また、すべり抵抗値μとスリップ率Sとの関係をμ−S特性という。
すべり抵抗値μ=すべり摩擦抵抗力/タイヤ荷重 (式1)
スリップ率S=(車両の対路面速度−タイヤの回転速度)
/車両の対路面速度 (式2)
【0012】上記の効果を得るために、目地部は目地幅5が4〜7mmであって、目地部のタイルに対する面積比が1/3.0〜1/1.5の範囲内にあることが必要であり、またタイル表面の面積即ちタイヤが接触する面積が路面面積の60〜75%の範囲にあることが好ましく、さらに目地の深さDが所定量の水分を保持するに足る深さ、具体的には2〜4mm、好ましくは2.5〜3.5mmであることが必要であることが判明した。
【0013】本発明の疑似凍結路面では広い範囲の車両走行速度、たとえば30〜60km/時の速度での走行において安定的に上記効果を発現する。散水により所定配置の目地部に保持された所定量の水分がタイヤでかき上げられて磁器質タイル表面を最適条件で濡らすことが上記効果を発現するものである。
【0014】
【実施例】寸法W1=24.5mm×24.5mmの磁器タイル(モザイクタイル)を目地2の幅W2=5mm、目地の深さ3mmにて路面をつくった。目地部面積(W3×W3−W1×W1)は270mm2 で、磁器タイル部面積(W1×W1)は600.25mm2 で磁器タイル面積/目地部面積は2.22である。この路面についてすべり抵抗値μとスリップ率Sの関係(μ−S特性)を求めた。結果を図3に示す。図4は従来のタイル路面のμ−S特性を示すグラフである。
【0015】目標ピークμ値μP=0.07が容易に確保でき、μ−S特性におけるピークμがスリップ率20%前後に明瞭に表れていることがわかる。従来のタイル路面ではピークμが不明瞭であり、トレッド幅を変えるとμ値及びμ−S特性が不安定になる傾向が見られるが、本発明の磁器質タイル路面では、試験タイヤのトレッドパターンに係わらず、μ値及びμ−S特性が安定的に得られる。
【出願人】 【識別番号】590002482
【氏名又は名称】日本鋪道株式会社
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100071755
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 武彦
【公開番号】 特開2002−54105(P2002−54105A)
【公開日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願番号】 特願2000−242324(P2000−242324)