| 【発明の名称】 |
透排水性舗装ブロックおよび透排水性舗装版並びに透排水性舗装方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松本 公一
【氏名】神本 英喜
【氏名】廣瀬 啓介
|
| 【要約】 |
【課題】目詰まりしにくく、透排水機能を長期間維持することができるようにすること。
【解決手段】粗骨材2がバインダーで結合されてなる透排水体7により表面6が形成され、前記表面6に穴4が設けられている透排水性舗装版1とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粗骨材がバインダーで結合されてなる透排水体により少なくとも一面側が形成され、前記一面に穴が設けられていることを特徴とする透排水性舗装ブロック。 【請求項2】 前記穴が、前記粗骨材の粒径よりも深いことを特徴とする請求項1に記載の透排水性舗装ブロック。 【請求項3】 粗骨材がバインダーで結合されてなる透排水体により表面が形成され、前記表面に穴が設けられていることを特徴とする透排水性舗装版。 【請求項4】 前記穴が、前記粗骨材の粒径よりも深いことを特徴とする請求項3に記載の透排水性舗装版。 【請求項5】 粗骨材がバインダーで結合されてなる透排水体により表面を形成し、前記表面に穴を設けることを特徴とする透排水性舗装方法。 【請求項6】 前記穴が、前記粗骨材の粒径よりも深い穴を設けることを特徴とする請求項5に記載の透排水性舗装方法。 【請求項7】 請求項1または請求項2に記載の透排水性舗装ブロックを、前記一面側を表面側に向けて敷設して表層を形成することを特徴とする透排水性舗装方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、透排水性舗装ブロックおよび透排水性舗装版、並びに透排水性舗装方法に関するものであり、とくに、目詰まりしにくく、透排水機能を長期間維持することができる透排水性舗装ブロックおよび透排水性舗装版、並びに透排水性舗装方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】透排水性舗装は、表面の水を透水または排水することができる舗装であり、従来から、歩道や車道などに広く使用されている。図3は、従来の透排水性舗装版の表面部分を示した断面図である。図3において、符号10は、透排水性舗装版を示している。この透排水性舗装版10は、路床と、前記路床の上に形成された路盤と、前記路盤の上に形成された基層と、前記基層の上に形成された表層とからなるものであり、前記表層は、図3に示す透排水体7により形成されている。透排水体7は、粗骨材2が図示しないバインダーで結合されてなるものであり、多数の空隙3を有している。そして、この空隙3が表面6から透排水体7に供給される水を通すことによって、透排水舗装版10の透排水機能が得られるようになっている。 【0003】図4に示すように、透排水舗装版10の表面6には、供用開始とともに、土砂の塵埃5などが堆積していく。この土砂の塵埃5は、表面6の隙間を目詰まりさせ、水が透排水体7内に進入するのを妨げて、透排水機能を徐々に低下させる。このため、従来から、十分な透排水機能を維持するために、高圧水を噴射する方法や吸引する方法により、定期的に土砂の塵埃5の除去作業が行われている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この土砂の塵埃の除去作業には、歩道や車道の供用を中断して行わなければならない、手間や費用がかかるなどの不都合があった。本発明は、前記事情を鑑みてなされたもので、目詰まりしにくく、透排水機能を長期間維持することができる透排水性舗装ブロックおよび透排水性舗装版、並びに透排水性舗装方法を提供することを課題としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の透排水性舗装ブロックは、粗骨材がバインダーで結合されてなる透排水体により少なくとも一面側が形成され、前記一面に穴が設けられていることを特徴とする。本発明において、「穴」とは、前記一面に意図的に設けられた穴のことであり、透排水体の空隙とは異なるものである。 【0006】このような透排水性舗装ブロックは、一面に穴が設けられているので、一面側から水が供給された場合に、一面からだけでなく穴の側面からも水が透排水体内に進入する。穴の側面は、水が供給される一面と比較して土砂の塵埃などが堆積しにくく、目詰まりしにくい。したがって、目詰まりしにくく、透排水機能を長期間維持することができる透排水性舗装ブロックとすることができる。また、穴の側面からも水が透排水体内に進入するので、透排水機能を向上させることができ、優れた透排水機能が得られる。 【0007】また、本発明の透排水性舗装ブロックは、前記穴が、前記粗骨材の粒径よりも深いことが望ましい。本発明において、「粗骨材の粒径よりも深い」とは、粗骨材の最大粒径よりも深い状態であることをいう。このような透排水性舗装ブロックとすることで、前記穴の側面の深さ方向に粗骨材同士の継ぎ目が形成され、一面側から水が供給された場合に、この継ぎ目からも透排水体内に水が進入することが可能なものとなる。したがって、より一層目詰まりしにくく、透排水機能をより一層長期間維持することができる透排水性舗装ブロックとすることができる。また、穴の側面の深さ方向に形成される粗骨材同士の継ぎ目からも水が透排水体内に進入するので、透排水機能をより一層向上させることができる。 【0008】また、上記課題を解決するために、本発明の透排水舗装方法は、上記の透排水性舗装ブロックを、前記一面側を表面側に向けて敷設して表層を形成することを特徴とする。このような透排水舗装方法によれば、目詰まりしにくく、透排水機能を長期間維持することが可能であり、優れた透排水機能を有する透排水性舗装版を得ることができる。また、透排水性舗装ブロックを敷設することにより表層を形成することができるので、大型の建設機械や装置を使用する必要がなく、容易に施工することができる。 【0009】また、上記課題を解決するために、本発明の透排水性舗装版は、粗骨材がバインダーで結合されてなる透排水体により表面が形成され、前記表面に穴が設けられていることを特徴とする。 【0010】また、本発明の透排水性舗装版は、前記穴が、前記粗骨材の粒径よりも深いことが望ましい。 【0011】また、上記課題を解決するために、本発明の透排水舗装方法は、粗骨材がバインダーで結合されてなる透排水体により表面を形成し、前記表面に穴を設けることを特徴とする。 【0012】また、本発明の透排水性舗装方法においては、前記穴が、前記粗骨材の粒径よりも深いことが望ましい。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳しく説明する。図1は、本発明の透排水性舗装版の表面部分を示した断面図である。図1において、符号1は、透排水性舗装版を示している。この透排水性舗装版1が、図3に示した従来の透排水性舗装版10と異なるところは、表面6に穴4が設けられているところである。この穴4は、平面視円形であり、深さBが、粗骨材2の粒径よりも深くなっている。そして、穴4の側面41の深さ方向には、粗骨材2同士の継ぎ目43が形成されている。 【0014】上述したように、透排水性舗装版1の穴4は、粗骨材2の粒径よりも深くなっている。穴4の深さBを粗骨材2の粒径未満とした場合、穴4の側面41の深さ方向に粗骨材2同士の継ぎ目43が形成されない恐れがあり、継ぎ目43から水が進入することによる効果が得られなくなる場合があるので好ましくない。また、穴4の直径Aは、2.5mm〜10mmの範囲であることが望ましい。穴4の直径Aを2.5mm未満とした場合、穴4自体が目詰まりする恐れがあるため好ましくない。一方、穴4を10mm越える直径Aとした場合、歩行者が躓く原因となる可能性があり、安全性が低下するため好ましくない。また、穴4の密度は、0.05cm2/100cm2〜30cm2/100cm2の範囲であることが望ましい。穴4の密度を0.05cm2/100cm2未満とした場合、穴4を設けることによる効果が十分に得られない恐れがあるため好ましくない。一方、穴4を30cm2/100cm2越える密度とした場合、表面が脆くなり、強度が低下するため好ましくない。 【0015】また、この透排水性舗装版1は、従来の透排水性舗装版10と同様に、路床と、前記路床の上に形成された路盤と、前記路盤の上に形成された基層と、前記基層の上に形成された表層とからなるものであり、前記表層は、図1に示す透排水体7により形成されている。透排水体7は、粗骨材2が図示しないバインダーで結合されてなるものであり、多数の空隙3を有している。 【0016】ここでの透排水体7を形成するバインダーとしては、粗骨材2同士を結合させることができればよく、例えば、セメントペースト、セメントモルタル、スレートアスファルト、改質アスファルト、高粘度改質アスファルト、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、レジン、ポリマーセメントなどが挙げられる。また、粗骨材2としては、砕石、玉砕、砂のほか、製鋼スラグ、硬質骨材、明色骨材、着色骨材などが好ましく使用される。また、粗骨材2の粒径は、透排水性舗装版1の適用場所などに応じて選択され決定される。例えば、歩道として使用される場合、5〜20mmとするのが好ましい。 【0017】この透排水性舗装版1では、表面6から供給される水が透排水体7の空隙3を通ることによって、透排水舗装版1の透排水機能が得られるようになっている。供用開始前の状態、すなわち図1に示す状態で、透排水性舗装版1に表面6から水が供給された場合、表面6の隙間と穴4の側面41および底面42の隙間とから水が透排水体7内に進入して、空隙3を通って透排水体7を通過する。図2は、図1に示した透排水舗装版の供用開始後の状態を示した断面図である。図2に示すように、透排水舗装版1の表面6および穴4の底面42には、土砂の塵埃5などが堆積して、表面6の隙間および穴4の底面42の隙間が目詰まりした状態となっているが、穴4の側面41には、土砂の塵埃5の堆積は見られず、水が進入可能な状態となっている。この表面6および穴4の底面42が目詰まりした状態で、表面6から水が供給された場合、表面6および穴4の底面42からは、水の進入が土砂の塵埃5によって妨げられるが、穴4の側面41の隙間からは水が透排水体7内に進入する。このとき、穴4の側面41の深さ方向に形成された粗骨材2同士の継ぎ目43が、穴4の側面41に存在する他の隙間と比較して大きな隙間となり、透排水体7に進入する水の主な進入口とされる。このようにして透排水体7内に進入した水は、空隙3を通り、透排水体7を通過する。 【0018】このような透排水性舗装版1を得るには、まず、路床の上に路盤および基層を形成し、その上に粗骨材2がバインダーで結合されてなる透排水体7を形成して表層とする。このとき、表層を構成する透排水体7の表面6に粗骨材2の粒径よりも深い穴4を設ける方法によって得られる。透排水体7の表面6に穴4は、コンクリート打設時にピンなどにより穴を形成する方法や、コンクリート硬化後にコンクリートドリルなどを用いて穴を形成する方法などによって形成することが好ましい。 【0019】このような透排水性舗装版1は、透排水体7により表面が形成され、表面6に穴4が設けられているので、表面6から水が供給された場合に、表面6からだけでなく穴4の側面41からも水が透排水体7内に進入することができる。穴4の側面41は、透排水性舗装版1の表面6と比較して土砂の塵埃5などが堆積しにくく、目詰まりしにくい。したがって、たとえ表面6が目詰まりしたとしても水が透排水体7内に進入することが可能であり、透排水機能を得ることができる。このように、透排水性舗装版1の表面6に穴を設けることにより、目詰まりしにくいものとすることができ、透排水機能を長期間維持することが可能なものとなる。また、穴4の側面41からも水が透排水体7内に進入するので、透排水性舗装版1の透排水機能を向上させることができる。 【0020】さらに、穴4が、粗骨材2の粒径よりも深いものであるので、穴4の側面41の深さ方向に粗骨材2同士の継ぎ目43が形成され、表面6から水が供給された場合に、この継ぎ目43からも透排水体7内に水が進入することが可能なものとなる。このため、透排水性舗装版1の表面6および穴4の底面42が目詰まりした状態となった場合には、継ぎ目43が水の主な進入口となって透排水体7に水を進入させることができるので、透排水機能を確保することができる。したがって、より一層目詰まりしにくく、透排水機能をより一層長期間維持することができる透排水性舗装版1とすることができる。 【0021】本発明の透排水性舗装版においては、表層を透排水性舗装ブロックにより形成してもよい。図7は、本発明の排水性舗装ブロックの一例を示した断面図である。この排水性舗装ブロックは、密実なコンクリートにより形成された非透排水体8と、非透排水体8の上面に形成された透排水体71とからなるものである。透排水体71は、粗骨材2がバインダーで結合されてなるものであり、表面6(上面)に穴4が設けられている。この穴4は、平面視円形であり、深さが、粗骨材2の粒径よりも深くなっている。また、図7中の非透排水体8を省略して、透排水体のみでブロックを形成すれば、排水性舗装に加え、透水性舗装にも適用できるものとなる。このような透排水性舗装ブロックを製造するには、一般に、インターロッキングブロックやコンクリート平板の製造に用いられている即時脱型方式の振動加圧形成機を用いる方法などによって得られる。また、透排水性舗装ブロックに使用されるコンクリートの硬化前の性状が軟らかく流動性がある場合には、コンクリートを流し込む方法で製造される一般的なコンクリート製品と同様の方法などによって製造してもよい。 【0022】そして、このようにして得られた透排水性舗装ブロックを、透排水体71によって形成されている側(上面側)を表面側に向けて敷設することにより、透排水性舗装版の表層を形成することができる。 【0023】このような透排水性舗装版によれば、上述した例に示した透排水性舗装版と同様の効果が得られる。また、このような透排水舗装方法によれば、透排水性舗装ブロックを敷設することにより表層を形成することができるので、大型の建設機械や装置を使用する必要がなく、容易に施工することができる。 【0024】本発明の透排水性舗装ブロックおよび透排水性舗装版においては、上述した例に示したように、平面視円形の穴を設けたものとしてもよいが、例えば、平面視三角形や平面視四角形などの平面視多角形の穴としてもよく、とくに限定されない。さらに、穴の上端の形状と底面の形状とは同じでもよいし、異なるものであってもよく、とくに限定されない。 【0025】 【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。 (実施例)表1に示す配合で、経縦50cm、横50cm、厚さ5cm、目標空隙率15%の透排水体を形成し、図5に示すように、深さ3cm、直径0.5cmの穴を5cm2に1個の密度で設け、試験体とした。 【0026】 【表1】
【0027】図5において、(a)は、試験体を上方から見た図であり、(b)は、断面図である。 【0028】(従来例)実施例と同様の配合で、実施例と同様の大きさおよび空隙率の透排水体を形成し、試験体とした。 【0029】このようにして得られた試験体の表面に、粒度5mm以下の砂を均一に蒔いて、蒔いた砂の量と透水時間との関係を調べた。透水時間は、図5(a)および図5(b)に示すように、内径13cmの現場透水試験器を試験体の中央に設置し、400mlの水が流下する時間を測定する方法により求めた。さらに、得られた透水時間の結果から、単位時間当たりの透水量を求めた。結果を表2および図6に示す。 【0030】 【表2】
【0031】表2および図6より、従来例では、砂の量が増加するのに伴って透水量が急激に低下した。これに対し、実施例は、透水量の低下が緩やかとなっている。このことにより、実施例では、従来例と比較して、透排水機能を長期間維持することが可能であることが確認できた。 【0032】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、目詰まりしにくく、透排水機能を長期間維持することが可能であり、優れた透排水機能を有する透排水性舗装ブロックおよび透排水性舗装版を得ることができる。さらに、前記穴を、粗骨材の粒径よりも深くすることで、穴の側面の深さ方向に粗骨材同士の継ぎ目が形成されるので、目詰まりしにくく、透排水機能を長期間維持することが可能であり、優れた透排水機能が得られるという効果が、より一層効果的に得られる透排水性舗装ブロックおよび透排水性舗装版を得ることができる。 【0033】本発明の透排水舗装方法は、上記の透排水性舗装ブロックを、前記一面側を表面側に向けて敷設して表層を形成する方法であるので、大型の建設機械や装置を使用する必要がなく、容易に施工することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000183266 【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年8月9日(2000.8.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−54104(P2002−54104A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月20日(2002.2.20) |
| 【出願番号】 |
特願2000−241617(P2000−241617) |
|