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【発明の名称】 洗濯機の洗濯物重量検知方法
【発明者】 【氏名】永富 吉成

【氏名】横谷 和展

【要約】 【課題】洗濯中に洗濯物の量が変わった場合でも、洗濯物の量の増減に応じた適切な水量で洗い、すすぎを行なうことのできる洗濯機を提供する。

【解決手段】洗濯物が投入された洗濯槽の静荷重D1を測定し、投入された洗濯物の静荷重C1を検出するステップと、洗濯槽内に注水を行なうステップと、内槽及び/又はパルセータを回転させつつ、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、該動荷重D2の時系列的な変化波形を検出するステップと、得られた動荷重D2の変化波形から高周波成分を抽出して二次振動波形を獲得し、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と二次振動波形に基づいて、洗濯槽内に存する洗濯物の動荷重C2を決定するステップと、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗濯物が投入され、パルセータによって撹拌される内槽と該内槽を回転自由に支持する外槽からなる洗濯槽が洗濯機筐体内に収容された洗濯機の洗濯物の重量を検知する方法であって、洗濯物が投入された洗濯槽の静荷重D1を測定し、投入された洗濯物の静荷重C1を検出するステップと、洗濯槽内に注水を行なうステップと、内槽及び/又はパルセータを回転させつつ、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、該動荷重D2の時系列的な変化波形を検出するステップと、得られた動荷重D2の変化波形から高周波成分を抽出して二次振動波形を獲得し、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と二次振動波形に基づいて、洗濯槽内に存する洗濯物の動荷重C2を決定するステップと、を有することを特徴とする洗濯機の洗濯物重量検知方法。
【請求項2】 洗濯物の動荷重C2は、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、二次振動波形の振幅に基づいて決定される請求項1に記載の洗濯機の洗濯物重量検知方法。
【請求項3】 洗濯物の動荷重C2は、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、二次振動波形の振幅が所定の閾値を越えた合計時間に基づいて決定される請求項2に記載の洗濯機の洗濯物重量検知方法。
【請求項4】 洗濯物が投入され、パルセータによって撹拌される内槽と該内槽を回転自由に支持する外槽からなる洗濯槽が洗濯機筐体内に収容された洗濯機の制御方法であって、洗濯物が投入された洗濯槽の静荷重D1を測定し、投入された洗濯物の静荷重C1を検出するステップと、洗濯槽内に注水を行なうステップと、内槽及び/又はパルセータを回転させつつ、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、該動荷重D2の時系列的な変化波形を検出するステップと、得られた動荷重D2の変化波形から高周波成分を抽出して二次振動波形を獲得し、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と二次振動波形に基づいて、洗濯槽内に存する洗濯物の動荷重C2を決定するステップと、決定された洗濯物の動荷重C2と、注水前に測定された洗濯物の静荷重C1とを比較し、その差分に応じて洗濯槽内の水量を調節するステップと、を有することを特徴とする洗濯機の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯の途中でも、洗濯槽内部の洗濯物の重量を検知することのできる洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、全自動洗濯機では、洗濯(注水)を開始する前に、洗濯物を入れた状態で洗濯槽の全重量D1を測定し、洗濯槽の重量Dを差し引くことにより、投入された洗濯物の重量C1を算出して、洗濯物の重量に対応した注水量で洗い、すすぎ等を行なっていた。
【0003】従って、注水を開始した後に、洗濯物を追加投入したり、一部を取り出しても、その追加分又は取出分に応じて注水量は調整されない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、注水開始後に洗濯物を追加投入した場合には、注水量に対して洗濯物が多くなり、十分な洗いやすすぎを行なえない不都合があった。逆に、注水開始後に洗濯物の一部を取り出した場合には、注水量に対して洗濯物が少なくなるから、洗濯物に対して余分な注水が行なわれたことになり、水が無駄なだけでなく、洗濯にかかる時間が長くなってしまう不都合があった。
【0005】また、従来の洗濯機では、前述のとおり、洗濯物投入前後の洗濯槽の重量差分(D1−D)のみに基づいて洗濯物の重量を決定しているため、濡れた洗濯物を投入した場合には、洗濯物に含まれる水も洗濯物の重量として測定されていた。その結果、余分な注水が行なわれ、注水開始後に洗濯物の一部を取り出した場合と同様、水が無駄であり、また、洗濯にかかる時間が長くなってしまう不都合があった。
【0006】本発明の目的は、洗濯中に洗濯物の量が変わった場合でも、洗濯物の量の増減に応じた適切な水量で洗い、すすぎを行なうことのできる洗濯機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の洗濯機の洗濯物重量検知方法は、洗濯物が投入され、パルセータによって撹拌される内槽と該内槽を回転自由に支持する外槽からなる洗濯槽が洗濯機筐体内に収容された洗濯機の洗濯物の重量を検知する方法であって、洗濯物が投入された洗濯槽の静荷重D1を測定し、投入された洗濯物の静荷重C1を検出するステップと、洗濯槽内に注水を行なうステップと、内槽及び/又はパルセータを回転させつつ、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、該動荷重D2の時系列的な変化波形を検出するステップと、得られた動荷重D2の変化波形から高周波成分を抽出して二次振動波形を獲得し、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と二次振動波形に基づいて、洗濯槽内に存する洗濯物の動荷重C2を決定するステップと、を有する。
【0008】洗濯物の動荷重C2は、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、二次振動波形の振幅に基づいて決定することができ、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、二次振動波形の振幅が所定の閾値を越えた合計時間に基づいて決定することが望ましい。
【0009】また、本発明の洗濯機の制御方法は、洗濯物が投入され、パルセータによって撹拌される内槽と該内槽を回転自由に支持する外槽からなる洗濯槽が洗濯機筐体内に収容された洗濯機の制御方法であって、洗濯物が投入された洗濯槽の静荷重D1を測定し、投入された洗濯物の静荷重C1を検出するステップと、洗濯槽内に注水を行なうステップと、内槽及び/又はパルセータを回転させつつ、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と、該動荷重D2の時系列的な変化波形を検出するステップと、得られた動荷重D2の変化波形から高周波成分を抽出して二次振動波形を獲得し、洗濯物及び水を含む洗濯槽の動荷重D2と二次振動波形に基づいて、洗濯槽内に存する洗濯物の動荷重C2を決定するステップと、決定された洗濯物の動荷重C2と、注水前に測定された洗濯物の静荷重C1とを比較し、その差分に応じて洗濯槽内の水量を調節するステップと、を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】発明者らは、水と布との比重や物性等の違いから、洗濯槽(20)内の水と洗濯物の総重量が同じであっても、内槽(22)及び/又はパルセータ(撹拌翼)(60)の回転に伴う洗濯槽(20)の重量の時系列的な変化に違いが生ずることを、以下の試験により見出した。
【0011】試験は、洗濯槽(20)に投入する洗濯物と水の合計重量を41kg(通常の洗濯機の高水位に相当する)とし、洗濯物(密度1.5g/cm3の綿布)の重量を0g〜2016gまで変えて、駆動手段であるモータ(62)によりパルセータ(60)を正逆回転させることにより実施した。モータ(62)は、最初の5秒間停止させた後、10秒間逆回転、続いて10秒間正回転、その後5秒間停止させるよう制御した。
【0012】その間、洗濯槽(20)に生ずる動荷重D2の変化を荷重検出器(70)で測定した。荷重検出器(70)は、ロードセル(共和電業製LM−20A)を用い、サンプリング周波数を1kHzとした。ロードセルの出力を以下では電圧表示しているが、0.2Vを1kgf(9.8N)として換算することができる。得られた結果を図3乃至図7に示している。図を参照すると、洗濯物の重量比率が高くなるにつれて、モータ(62)の回転が逆転から正転に変わった部分(経過時間15秒〜20秒の部分)での二次振動(波形の高周波成分)が小さくなっていることがわかる。二次振動の変化を詳しく調べるために、得られたロードセルの出力のうち、モータ(62)の回転を逆転から正転に切り換えた直後の部分(経過時間15〜25秒)の出力を、30Hzのハイパスフィルタを通して観察した。その結果、図8乃至図12に示すように、洗濯物の重量の比率が低い程、二次振動振幅は大きく、また、収束に時間がかかることがわかった。逆に、洗濯物の重量の比率が高いほど、二次振動振幅は小さく、また、収束も早いことがわかった。
【0013】このように、洗濯物の重量比率が高くなるにつれて、二次振動が小さくなるのは、水中では洗濯物は、水に比べて回転及び回転方向の反転に伴って生ずる微小振動を抑える働きをするためと考えられる。
【0014】これら結果に基づいて、二次振動振幅が0.05V以上となった合計時間(積算時間)と、投入した洗濯物の重量C1との関係をグラフ化したところ、図13に示すように、洗濯物の重量が増加するにつれて、積算時間が減少するグラフが得られた。同様に、洗濯物と水の合計重量を32kg(通常の洗濯機の低水位に相当する)として、上記と同様にモータ(62)を回転させた実験においても、投入した洗濯物の重量を変えることにより、図14に示すように、単調減少のグラフが得られた。
【0015】すなわち、モータ(62)の回転を反転させた後の洗濯槽(20)に生ずる荷重変化の二次振動を検出することにより、投入された洗濯物の重量を算出できることを見出した。
【0016】得られた結果を、洗濯機(10)のマイコン(80)(後述する)に記憶しておき、洗濯中に洗濯物の重量を適宜測定して、測定された洗濯物重量に対して水量を調節することにより、注水後に洗濯物を追加投入したり取出しても、追加分、取出し分に合わせて最適な水量で洗濯できる洗濯機(10)を提供できる。
【0017】
【実施例1】図1は、洗濯機(10)の側面断面図である。図1に示すように、洗濯機(10)は、外周を包囲する筐体(12)の内部に、洗い、すすぎ、脱水が行なわれる洗濯槽(20)を収容して構成される。洗濯槽(20)は、洗濯物が投入される内槽(22)と、該内槽(22)の外周を覆う外槽(24)から構成される。外槽(24)は、筐体(12)の上部四隅に取り付けられた吊棒(30)(30)(図1中では2本のみが示されている)によって、筐体(12)の中央に吊下支持されている。外槽(24)の底部には、排水手段となる排水バルブ(42)を具えた排水管(40)が接続されており、排水管(40)を介して洗濯槽(20)中の水を外部に排出する。外槽(24)の内部には、内槽(22)が回転自由に収容される。内槽(22)は、周壁に多数の脱水孔(図示せず)が開設された有底筒状体であり、内槽(22)の中央底面には、洗濯物を撹拌するパルセータ(60)が配備されている。パルセータ(60)及び内槽(22)は、外槽(24)の下面に取り付けられた駆動手段としてのモータ(62)と、減速機(64)及びクラッチ(66)を介して接続され、クラッチ(66)の切り換えによって、洗いやすすぎの際にはパルセータ(60)のみを回転させ、脱水の際には、パルセータ(60)と内槽(22)の両方を一体に回転させる。
【0018】上記吊棒(30)(30)は、下端が外槽(24)の下部から外側に向けて突設された下部受座(26)(26)を貫通し、吊棒(30)(30)の先端の抜止め(32)(32)と下部受座(26)(26)との間には、防振のための圧縮コイルバネ(34)(34)が嵌装されている。また、吊棒(30)(30)の上端は、筐体(12)の上部から内側に向けて突設された上部受座(14)(14)を貫通しており、先端には上部受座(14)からの脱落を防止するための抜止め(36)(36)が取り付けられている。
【0019】吊棒(30)のうち、1本の吊棒(30)には、上部受座(14)と抜止め(36)との間に、洗濯槽(20)に作用する重量を検出する荷重検出器(70)が配備されている。荷重検出器(70)として、上述のロードセルの他に、磁歪素子を用いた力センサを用いることもできる。
【0020】内槽(22)の上部には、内槽(22)内へ注水を行なう注水手段が配備される。注水手段は、図1に示すように、注水管(50)と注水バルブ(52)から構成され、注水管(50)は水道の蛇口に接続される。
【0021】上記洗濯機(10)の電気系統について図2を用いて説明する。洗濯機の全ての制御及び演算等はマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)(80)を主体とする制御手段(8)によって行なわれる。制御手段(8)は洗濯機(10)の適所に配備され、マイコン(80)には、CPU、メモリ、演算回路、ハイパスフィルタ等(何れも図示せず)が含まれており、メモリには、本発明の洗濯プログラムや、通常の洗濯プログラム、その他各制御に必要なプログラム等が記憶されている。さらに、メモリには、上述のように洗濯槽(20)の動荷重D2に対する二次振動振幅の閾値との関係を示すメモリテーブルや、洗濯物の重量C1に対して最適な注水量を記憶したメモリテーブル、その他以下に示すメモリテーブル等を具える。
【0022】マイコン(80)には、図2に示すように操作部(81)、表示部(82)、バルブ制御回路(83)、センサ回路(84)、モータ駆動回路(85)、クラッチ制御回路(86)が電気的に接続されている。
【0023】使用者が洗濯機(10)に対して行なう操作命令は、すべて操作部(81)を介して入力され、操作結果や洗濯の進行状況、残り時間、適切な洗剤投入量等は表示部(82)に表示される。
【0024】センサ回路(84)は、ロードセル等の荷重検出器(70)に電気的に接続され、荷重検出器(70)にて検出された荷重値をマイコン(80)に送信する。マイコン(80)は、ハイパスフィルタにて、洗濯槽(20)の重量の時系列的な変化の高周波成分(二次振動)を取り出し、テーブルに記憶された閾値を越えた時間の総和をカウントする。
【0025】バルブ制御回路(83)は、上述の注水バルブ(52)及び排水バルブ(42)の開閉を制御する回路であって、マイコン(80)のメモリテーブルに基づいて、注水時には注水バルブ(52)を開放し、必要量だけ水道水を洗濯槽(20)に注入する。また、排水時には、排水バルブ(42)を開放して、洗濯槽(20)から排水を行なう。
【0026】モータ駆動回路(85)は、モータ(62)に電気的に接続され、マイコン(80)からの命令に応じて、モータ(62)の正転、逆転、停止を制御する。
【0027】クラッチ制御回路(86)は、クラッチ(66)に電気的に接続され、マイコン(80)からの命令に応じてクラッチ(66)を切り換えを制御し、モータ(62)の回転をパルセータ(60)のみ、又は、パルセータ(60)と内槽(22)に伝達する。
【0028】上記構成の洗濯機(10)の動作を図15のフローチャートに沿って説明する。使用者が乾燥した洗濯物(濡れた洗濯物については実施例2に示す)を投入し(ステップ1)、操作部(81)から洗濯開始の命令を入力すると、まず、荷重検出器(70)を用いて投入された洗濯物の静荷重C1を測定する(ステップ2)。静荷重C1の測定は、内槽(22)及びパルセータ(60)が回転していない状態で実施することが望ましい。荷重検出器(70)としてロードセルを用いる場合、荷重検出器(70)からの出力は電圧で表わされるため、マイコン(80)にて、荷重検出器(70)の出力電圧に応じた重量を換算し、得られた重量D1から洗濯槽(20)の重量Dを差し引くことによって、投入された洗濯物の乾燥状態の静荷重C1が算出される。
【0029】次に、ステップ2で算出された洗濯物の荷重C1に応じて、マイコン(80)がメモリテーブルを利用して注水量を決定し(ステップ3)、バルブ制御回路(83)に注水バルブ(52)の開放を命令し、注水が行なわれる(ステップ4)。所定量の注水が完了すると、注水バルブ(52)を閉止し、洗い工程が実行される(ステップ5)。洗い工程では、クラッチ(66)がパルセータ(60)のみを回転するように切り換えられ、その状態で、モータ(62)を正逆回転させ、パルセータ(60)の回転方向が逆転から正転に反転する際の動荷重D2の変化を荷重検出器(70)を用いて、所定のサンプリング周波数で時系列的に読み出し(図3乃至図7参照)、センサ回路(84)を介してマイコン(80)に送信する。
【0030】マイコン(80)は、得られた時系列的な重量D2の変化波形(動荷重波形)から、図8乃至図12に示したように、ハイパスフィルタにて高周波成分(二次振動波形)を抽出し、二次振動波形が所定の閾値を越えた時間(実施例では0.05V)の合計を算出し、その合計時間から洗濯物が占める重量の割合αを導き出す。なお、二次振動波形が閾値を越えた合計時間と割合αとの関係は、予めマイコン(80)のメモリテーブルに記憶させておく。得られた洗濯物の重量割合αを、洗濯槽(10)内の水と洗濯物の動荷重(D2−D)と乗算(α×(D2−D))すると、洗濯物の動荷重C2が算出される(ステップ6)。
【0031】洗濯物の動荷重C2を算出した後、洗い工程で洗濯物の追加又は取り出しがあったかどうかを判別する。具体的には、算出された洗濯物の動荷重C2と最初に測定された洗濯物の静荷重C1とを比較する。動荷重C2が、静荷重C1よりも大きい場合には、注水後に洗濯物の追加投入があったものと判断し(ステップ7のYes)、再度メモリテーブルに記憶された動荷重C2に応じた注水量(ステップ3)となるように、注水バルブ(52)を開放して注水を行なう(ステップ4)。逆に、動荷重C2が静荷重C1以下である場合には、すすぎ工程に移行する(ステップ7のNo、ステップ8)。なお、動荷重C2が静荷重C1よりも小さい場合には、ステップ4に戻り、注水に変えて、排水バルブ(42)を開放して、不要分だけ排水を行なうようにしてもよい。
【0032】すすぎ工程、脱水工程以降については説明を省略するが、すすぎ工程についても、洗濯物の動荷重を測定して、同様に水量調節することが望ましい。
【0033】
【実施例2】図16は、本発明の他の実施例を示すフローチャートである。実施例1では、乾燥した洗濯物が投入された場合について説明したが、実施例2では、濡れた状態の洗濯物が投入された場合について説明する。実施例1と共通する部分については適宜フローチャート図15のステップ番号を引用し、説明を省略する。洗濯槽(20)に濡れた洗濯物が投入されると(ステップ10)、ステップ2と同様に洗濯物の荷重C1を測定する(ステップ11)。ここで、荷重C1は、濡れた洗濯物の荷重であるため、乾燥状態の洗濯物の荷重よりも重く測定される。
【0034】次に、ステップ3と同様に、算出された洗濯物の荷重C1に応じた注水量をマイコン(80)がメモリテーブルから決定し(ステップ12)、バルブ制御回路(83)に注水バルブ(52)の開放を命令し、注水を行なう(ステップ13)。所定量の注水が完了すると、バルブ(52)を閉止し、ステップ6と同様に洗濯物の動荷重を検知する(ステップ14)。このステップにより、乾燥状態の洗濯物の動荷重C1’が算出され、重量C1’に応じた注水量がメモリテーブルによって決定される(ステップ15)。乾燥状態の洗濯物の重量C1’は、ステップ11で測定された重量C1よりも軽いため(C1’<C1)、不要な水が排水される(ステップ16)。なお、ステップ13における注水の後に洗濯物を追加し、C1’>C1となったときには、注水が行なわれる。
【0035】注水完了後、実施例1と同様に洗い工程が実行される(ステップ17)。洗い工程における動荷重の検出については、ステップ6と同様である。ステップ18にて得られた洗濯物の動荷重C2が、動荷重C1’よりも大きい場合には、注水後に洗濯物の追加投入があったものと判断して(ステップ19のYes)、再度メモリテーブルに記憶された動荷重C2に応じた注水量となるように、注水バルブ(52)を開放し、注水を行なう。逆に、動荷重C2が動荷重C1’以下である場合には、すすぎ工程に入る(ステップ19のNo、ステップ20)。なお、動荷重C2が動荷重C1’よりも小さい場合には、ステップ12に戻り、注水に変えて、不要分だけ排水を行なうようにしてもよい。
【0036】実施例2についても、すすぎ工程、脱水工程以降については説明を省略するが、すすぎ工程についても、洗濯物の動荷重を測定して、同様に水量調節することが望ましい。
【0037】上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0038】例えば、上記実施例では、洗い工程前に洗濯物の重量測定を行なったが、注水された状態であれば、洗い工程やすすぎ工程等で重量測定しても構わない。また、洗濯機(10)の構成は、上記実施例に限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】本発明の洗濯機によれば、注水後に洗濯槽中の洗濯物の重量を測定できるから、洗濯開始後に洗濯物を追加投入したり取り出しを行なっても、その追加分又は取出分に応じて注水量を調整することができる。従って、洗濯物の重量に合わせた水量で洗いやすすぎを行なうことができ、洗い残しやすすぎ残しもなく、洗浄力の向上や、洗濯にかかる時間の最適化、水の節約を達成できる。さらに、濡れた状態の洗濯物を投入しても、注水後の洗濯槽中の洗濯物の重量に基づいて洗濯を行なうことができるから、従来のように余分な注水が行なわれるようなこともない。また、洗濯物と注水量の合計重量を荷重検出器で測定できるから、注水量を測定するための水量センサ等を別途設ける必要もない。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【代理人】 【識別番号】100066728
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 敏之 (外2名)
【公開番号】 特開2002−282576(P2002−282576A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−84569(P2001−84569)