| 【発明の名称】 |
電気洗濯機 |
| 【発明者】 |
【氏名】山中 恭二
【氏名】宮野 譲
【氏名】釜野 年恭
【氏名】桧山 功
【氏名】小池 裕之
【氏名】▲會▼田 勝寿
|
| 【要約】 |
【課題】濯ぎ効率を高めて濯ぎ水の消費量を減少する。
【解決手段】濯ぎ工程において洗濯兼脱水槽2を回転させることにより外槽5内の濯ぎ水を回転させて該濯ぎ水を遠心力によって前記外槽の側壁内面に沿って迫り上げることにより一部を前記洗濯兼脱水槽の上から該洗濯兼脱水槽内に散水するように還流させると共に迫り上がった他の一部を溢水口5aから外槽外に溢水させて排水するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】外槽の内側に回転自在に設置した洗濯兼脱水槽と撹拌翼を回転駆動する電動駆動装置を該外槽の底の外側に設置し、給水電磁弁を開閉することによって前記洗濯兼脱水槽および外槽内に給水して洗濯水を溜めた状態で撹拌翼を回転させて洗濯物を撹拌することによって洗濯する洗濯工程を実行し、排水電磁弁を開閉することにより外槽内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽を高速回転させることによって洗濯物を遠心脱水する脱水工程を実行する電気洗濯機において、濯ぎ工程において前記洗濯兼脱水槽を回転させることにより外槽内の濯ぎ水を回転させて該濯ぎ水を遠心力によって前記外槽の側壁内面に沿って迫り上げることにより一部を前記洗濯兼脱水槽の上から該洗濯兼脱水槽内に散水するように還流させると共に迫り上がった他の一部を溢水口から外槽外に溢水させて排水するようにしたことを特徴とする電気洗濯機。 【請求項2】請求項1において、前記濯ぎ工程は、洗濯兼脱水槽を回転させて外槽内の濯ぎ水の還流散水と溢水排水を所定時間行った後に該洗濯兼脱水槽の回転を停止して補給水する制御を繰り返すようにしたことを特徴とする電気洗濯機。 【請求項3】請求項2において、前記濯ぎ工程における洗濯兼脱水槽の回転および停止と補給水は、導電度センサで濯ぎ水の汚れ度合いを監視しながら繰り返すようにしたことを特徴とする電気洗濯機。 【請求項4】請求項1〜3の1項において、前記濯ぎ工程における水位は溜め濯ぎにおける水位よりも低い水位に設定したことを特徴とする電気洗濯機。 【請求項5】請求項1〜4の1項において、前記濯ぎ工程における洗濯兼脱水槽の回転速度は、洗濯兼脱水槽に1次共振が発生する回転速度よりも低い回転速度に設定したことを特徴とする電気洗濯機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気洗濯機に関する。 【0002】 【従来の技術】一般的な電気洗濯機は、外枠内に防振支持機構によって外槽を懸垂支持し、この外槽の内側に洗濯兼脱水槽と撹拌翼を回転自在に設置し、この外槽の底の外側に設置した電動駆動装置によって、前記撹拌翼を単独で、または前記洗濯兼脱水槽と撹拌翼を一体的に回転駆動する構成である。そして、給水電磁弁を開閉することによって給水口から洗濯兼脱水槽(外槽)内に給水して外槽内に洗濯水を溜めた状態で撹拌翼を回転させて洗濯物を撹拌することによって洗濯(洗いと濯ぎ)する洗濯工程を実行し、排水電磁弁を開閉することにより外槽内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽と撹拌翼を一体的に高速回転させることによって洗濯物を遠心脱水する脱水工程を実行する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような電気洗濯機において、濯ぎ工程では、槽内に濯ぎ水を留めた状態で撹拌翼を回転させて洗濯物を撹拌することにより該洗濯物内の洗い水(洗剤成分や汚れ成分)を濯ぎ水内に溶かし出した後に排水する工程を繰り返す溜め濯ぎ方法や、槽内に濯ぎ水を継続的に給水して余剰な濯ぎ水をオーバーフロー排水させながら撹拌翼を回転させて洗濯物を撹拌することにより該洗濯物内の洗い水(洗剤成分や汚れ成分)を濯ぎ水内に溶かし出して排水するオーバーフロー濯ぎ方法が採用されている。 【0004】このような電気洗濯機の濯ぎ工程における課題は、濯ぎ水の消費量が多いことから、濯ぎ効率を高めて少ない濯ぎ水で洗剤成分や汚れ成分を除去するができるようにすることにある。 【0005】従って、本発明の目的は、濯ぎ効率を高めて少ない濯ぎ水で洗剤成分や汚れ成分を除去することができる電気洗濯機を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、外槽の内側に回転自在に設置した洗濯兼脱水槽と撹拌翼を回転駆動する電動駆動装置を該外槽の底の外側に設置し、給水電磁弁を開閉することによって前記洗濯兼脱水槽および外槽内に給水して洗濯水を溜めた状態で撹拌翼を回転させて洗濯物を撹拌することによって洗濯する洗濯工程を実行し、排水電磁弁を開閉することにより外槽内の洗濯水を排水し、洗濯兼脱水槽を高速回転させることによって洗濯物を遠心脱水する脱水工程を実行する電気洗濯機において、濯ぎ工程において前記洗濯兼脱水槽を回転させることにより外槽内の濯ぎ水を回転させて該濯ぎ水を遠心力によって前記外槽の側壁内面に沿って迫り上げることにより一部を前記洗濯兼脱水槽の上から該洗濯兼脱水槽内に散水するように還流させると共に迫り上がった他の一部を溢水口から外槽外に溢水させて排水するようにしたことを特徴とする。 【0007】そして、前記濯ぎ工程は、洗濯兼脱水槽を回転させて外槽内の濯ぎ水の還流散水と溢水排水を所定時間行った後に該洗濯兼脱水槽の回転を停止して補給水する制御を繰り返すようにしたことを特徴とする。 【0008】また、前記濯ぎ工程における洗濯兼脱水槽の回転および停止と補給水は、導電度センサで濯ぎ水の汚れ度合いを監視しながら繰り返すようにしたことを特徴とする。 【0009】また、前記濯ぎ工程における水位は溜め濯ぎにおける水位よりも低い水位に設定したことを特徴とする。 【0010】また、前記濯ぎ工程における洗濯兼脱水槽の回転速度は、洗濯兼脱水槽に1次共振が発生する回転速度よりも低い回転速度に設定したことを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態を示す電気洗濯機の縦断側面図であり、ここでは全自動洗濯機を例示している。 【0012】1は電気洗濯機の外枠で、内部機構の周囲を包囲する筐体を構成する。2は、外枠1内に設けた洗濯槽兼脱水槽であり、その上部の縁部にバランスリング3を備える。この洗濯槽兼脱水槽2の底部の内側には回転自在に撹拌翼4を備える。 【0013】5は外槽であり、その内部に前記洗濯槽兼脱水槽2および撹拌翼4を回転自在に収容する。この外槽5の上端には、内側に環状に庇部6aを迫り出させた環状の槽カバー6を嵌着して取り付ける。この槽カバー6の庇部6aの下面は、前記バランスリング3の上面に対面し、外槽5の内壁面に沿って回転しながら迫り上がってきた濯ぎ水を洗濯兼脱水槽2内に向けて誘導する散水誘導路7と散水口7aを形成する。また、外槽5の上部には、この外槽5の内壁面に沿って迫り上がってきた濯ぎ水の一部を槽外に溢水させる溢水口5aを設ける。 【0014】外槽5の底部の外側にはブラシレス電動機を内蔵する電動駆動装置8を鋼板製の取り付けベース9によって取り付け、この外槽5は、外枠1の上端四隅から防振支持装置10によって懸垂支持する。 【0015】衣類投入開口11aを備えた上カバー11は、外槽5の上に設ける。この上カバー11は、枠体1の上部開口を覆うように開口端縁に嵌め込み、フロントパネル12およびバックパネル13と共に取り付けねじ(図示省略)によって枠体1に取り付ける。 【0016】上カバー11の前部に位置してフロントパネル12の下方に形成されるフロントパネルボックス14は、操作スイッチである入力スイッチ群と報知手段である表示素子群およびブザーとを備えた操作パネル15と、操作パネル制御装置16と、外槽5内の水位に応じた水位検出信号を発生する水位センサ17を収容する。入力スイッチ群は、図示説明は省略するが、電源スイッチと、洗濯物の汚れの程度(汚れ多め,標準汚れ,汚れ少なめ)を設定するスイッチと、ドライマーク衣料洗濯を設定するスイッチと、布団洗濯を設定するスイッチと、スタートスイッチを備える。その他、洗濯あるいはすすぎの水流の強さを選択するスイッチを設けており、また布質を表わすスイッチを設けている。 【0017】上カバー11の後部に位置してバックパネル13の下に形成されるバックパネルボックス18が設けられる。このバックパネルボックス18には、入水側を給水口19に接続し、出水側を注水口20に接続する給水電磁弁21を収容する。注水口20は、洗濯槽兼脱水槽2の開口に向けて放水するように形成する。バックパネルボックス18には、必要に応じて、風呂水などの水をポンプを介して洗濯槽兼脱水槽2に供給するためのポンプ(図示省略)や、前記給水電磁弁21からの水道水から金属イオンを取り除いて注水口20に供給するフィルター装置(図示省略)を設置する。 【0018】上カバー11に形成した衣類投入開口11aは、蓋22によって開閉自在に覆う構造としている。 【0019】外槽5の底部に形成した排水口5bは、排水電磁弁23を介して排水ホース24に接続している。また、この排水口5bの近傍に洗濯水の汚れの程度を電気信号に変換する導電度センサー25を設置する。この導電度センサー25は、例えば、特許第2753387号公報に開示されているようなセンサーを使用する。 【0020】また、外槽5の下方にはエアートラップ5cを設け、このエアートラップ5cはエアーチューブ26を介して前記水位センサ17に接続して外槽5内の水位を検出する。また、外槽5に形成した前記溢水口5aは、溢水パイプ27を介して前記排水ホース24に接続する。 【0021】枠体1の下方には、四隅に脚28を取り付けた合成樹脂製のベース29を装着する。 【0022】前記電動駆動装置8はカバー30により覆って防水する。この電動駆動装置8は、駆動電動機として、制御性に優れたブラシレス電動機を備えている。このブラシレス電動機への給電は、インバータ回路を内蔵する電力制御装置31により行う。この電力制御装置31は、前記操作パネル制御装置16からの指示および水位センサ17,導電度センサ25からの検出信号に応じて電動駆動装置8と給水電磁弁21および排水電磁弁23を制御して洗濯および脱水工程を実行する。電動駆動装置8のブラシレス電動機への給電制御は、PWM(パルス幅変調)制御およびPAM(パルス電圧変調)制御を行って広範囲な出力調整を実行する。 【0023】電力制御装置31は、外槽5の下に位置するように前記ベース29に形成した取付け部29aに載置して設ける。 【0024】操作パネル制御装置16と電力制御装置31は、必要に応じて、一体的に構成する。 【0025】図2は、電気洗濯機の電気系のブロック図であり、操作パネル制御装置16を電力制御装置31と一体化した構成で示している。 【0026】電力制御装置31(16)は、マイクロコンピュータ31aと負荷駆動装置31bを備える。マイクロコンピュータ31aは、洗濯,脱水およびイオン交換樹脂再生工程を制御する制御プログラムを内蔵し、入力スイッチ群15a,水位センサ17および導電度センサ25からの信号を入力し、洗濯,脱水およびイオン交換樹脂再生制御プログラムを実行することにより、給水電磁弁21と排水電磁弁23と電動駆動装置8のブラシレス電動機8aとクラッチ機構8bを制御して洗濯,脱水およびイオン交換樹脂再生工程を実行し、表示素子群15bを点灯/消灯制御することによって運転状態を報知する。 【0027】マイクロコンピュータ31aは、具体的には、洗濯および脱水工程において、次のような制御処理を実行する。図3に示したタイムチャートを参照して説明する。 【0028】洗い工程においては、水位センサ17の検出信号を監視しながら給水電磁弁21を開閉制御することにより所定水位まで洗い水を給水し、電動駆動装置8のブラシレス電動機8aとクラッチ機構8bを制御することによって洗濯兼脱水槽2を静止状態に保持すると共に撹拌翼4を回転(正方向回転,停止,逆方向回転の繰り返し)させて洗濯物を撹拌する。 【0029】濯ぎ工程(1)においては、先ず、排水電磁弁23を開放して外槽5および洗濯兼脱水槽2内の洗い水を排水口5bから排水ホース24に排水し、更に、電動駆動装置8を制御することによって撹拌翼4と洗濯兼脱水槽2を一体的に回転させて洗濯物に含まれている洗い水を軽く遠心脱水する。この脱水は、洗い水の一部が残っている状態で起動する。その後、排水電磁弁23を閉じ、給水電磁弁21を開いて水位センサ17の検出信号を監視しながら所定の溜め濯ぎ水位まで給水し、洗い工程と同様に、洗濯兼脱水槽2を静止状態に保持すると共に撹拌翼4を回転(正方向回転,停止,逆方向回転の繰り返し)させて洗濯物を撹拌する溜め濯ぎを実行する。この溜め濯ぎの終盤には、洗濯物の片寄りを解き解すバランス撹拌を実施する。 【0030】その後、撹拌翼4の回転を停止し、排水電磁弁23を開いて濯ぎ水を溜め濯ぎ水位よりも低い水位(溜め濯ぎ水位の1/2程度)まで排水する。そして、撹拌翼4と洗濯兼脱水槽2を一体的に回転駆動する。このときの回転駆動速度は、洗濯兼脱水槽2に1次共振が発生する回転速度よりも低い回転速度に設定する。この実施の形態においては、150rpmに設定した。 【0031】外槽5に溜っている濯ぎ水の中で洗濯兼脱水槽2が回転すると、濯ぎ水は、洗濯兼脱水槽2の回転に連れて回転し、この回転によって発生する遠心力によって外槽5内の側壁内面に沿って迫り上がる。このように外槽5内の側壁内面に沿って回転しながら迫り上がった濯ぎ水は、その大半が槽カバー6によって案内されて散水誘導路7から散水口7aに導かれて該散水口7aから洗濯兼脱水槽2内に放出(散水)されて循環し、他の一部は、溢水口5aから溢水して溢水パイプ27を経由して排水パイプ24に排水され、オーバーフロー・循環濯ぎとなる。 【0032】このように洗濯兼脱水槽2を回転させる濯ぎを行うと、濯ぎ水の一部が溢水口5aから排水されることから、外槽5内の濯ぎ水が減少する。そこで、洗濯兼脱水槽2の回転を停止し、給水電磁弁21を開閉制御して補給水し、再び洗濯兼脱水槽2を回転させるこのような濯ぎを複数回繰り返す。この実施の形態においては、洗濯兼脱水槽2を30秒間回転させて10秒間停止する回転駆動を3回繰り返し、10秒間の停止の間に補給水するようにし、その後、洗濯物の片寄りを解き解すバランス撹拌を実行する。 【0033】この実施の形態では、前述したと同様な濯ぎ工程(2)を実行し、2回の濯ぎを実施するようにしたが、導電度センサ25からの検出信号を監視しながら好ましい濯ぎ結果が得られるように各制御処理内容(撹拌翼の回転時間や洗濯兼脱水槽の回転時間や補給水時間や繰り返し回数など)を適宜変更すると良い。 【0034】このような濯ぎ工程は、外槽5および洗濯兼脱水槽2内の濯ぎ水量を減少させた状態で全体的に循環させながらその一部を溢水させて排水するオーバーフロー・循環濯ぎを行うことができるので、少ない濯ぎ水によって洗濯物を効率良く濯ぐことができる。 【0035】脱水工程においては、排水電磁弁23を開いて外槽5内の濯ぎ水を排水し、外槽5内の濯ぎ水が所定の水位まで低下したときに電動駆動装置8を制御して洗濯兼脱水槽2と撹拌翼4を一体的に高速回転させるように起動し、950rpm程度の回転速度まで上昇させて洗濯物に含まれている濯ぎ水を遠心脱水する。 【0036】 【発明の効果】本発明の電気洗濯機は、洗濯兼脱水槽を回転させることによって外槽内の濯ぎ水を回転させて該濯ぎ水を遠心力によって前記外槽の側壁内面に沿って迫り上げることにより一部を前記洗濯兼脱水槽の上から該洗濯兼脱水槽内に散水するように還流させると共に迫り上がった他の一部を溢水口から外槽外に溢水させて排水するようにしたことにより、濯ぎ効率を高めて少ない濯ぎ水で洗剤成分や汚れ成分を除去することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
|
| 【出願日】 |
平成12年6月29日(2000.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074631 【弁理士】 【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−11287(P2002−11287A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月15日(2002.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2000−197115(P2000−197115) |
|