| 【発明の名称】 |
ミシン |
| 【発明者】 |
【氏名】福場 尚文
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| 【要約】 |
【課題】操作性やメンテナンス性を高めることができるミシンを提供する。
【解決手段】ミシン10は、フレーム11に回動自在に支持されるとともにミシンモータ12に連結された下軸13と、下軸13から駆動力が伝達されて軸回転する上軸15と、上軸15の端部に設けられたはずみ車40と、上軸15に沿って原動部材20Aおよび従動部材20Bが配置されたクラッチ20と、原動部材20Aおよび下軸13に設けられたベルト17とを有している。また、上軸15の端部にははずみ車40の嵌合部41が回転自在に嵌合され、はずみ車40は座金43およびねじ44で上軸15から抜け出さないように固定されている。この状態で、嵌合部41の凹部41Aに上軸プーリ軸受16Aの凸部16Bが噛合され、クラッチ20の原動部材20Aにはずみ車40を連結させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上軸および下軸と、前記上軸および前記下軸のうちの一方を駆動するモータと、前記上軸の端部に設けられたはずみ車と、前記上軸に沿って原動部材および従動部材が配置されたクラッチと、前記原動部材および下軸に設けられた駆動力伝達手段とを有し、前記原動部材が前記上軸に対して回転可能に支持されているとともに、前記従動部材が前記上軸に固定され、かつ、前記原動部材および前記従動部材を互いに離反させることにより前記上軸に対して前記モータの駆動力が遮断されるミシンであって、前記原動部材に前記はずみ車が連結されていることを特徴とするミシン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はミシンに係り、特にクラッチの原動部材および従動部材を互いに離反させることにより上軸に対して下軸の回転力が遮断されるミシンに関する。 【0002】 【従来の技術】図5に示すように、従来のミシン60は、ミシンモータ61に下軸62が連結され、下軸62の下軸プーリ63と上軸64の上軸プーリ65とがベルト66で連結されている。上軸プーリ65にはクラッチ67の原動部材67Aが形成され、上軸プーリ65には上軸64が回転自在に取り付けられ、上軸64の端部にははずみ車64Aが取付けられ、上軸64の端部近傍にはクラッチ67の従動部材67Bがカム止ピン68(図6参照)で軸方向にスライド自在に取り付けられている。 【0003】このミシン60は、図6に示すようにクラッチ67の従動部材67Bがクラッチばね69で原動部材67Aに押し付けられることにより、従動部材67Bの凸部67Dと原動部材67Aの凹部67Cとが噛合されて上軸プーリ65の回転がクラッチ67を介して上軸64に伝達される。 【0004】一方、クラッチ67の下方には、針振り作動カム70がステッピングモータ(図示せず)で回転制御可能に支持され、針振り作動カム70には上軸切外し作動カム70Aが一体形成されている。 【0005】また、針振り作動カム70とクラッチ67との間には、上軸切外しリンク75が支点軸76を中心に回動自在に取り付けられている。上軸切外しリンク75の上端には接触ピン75Aが形成され、下端には接触面75Bが形成されている。接触ピン75Aはリンクばね77で原動部材67A側に押し付けられ、これにより「上軸切外し」を行わないときには接触ピン75Aが従動部材67Bに接触しない位置に待機される。 【0006】さらに、支点軸76には針振りリンク80が回動自在に取り付けられている。針振りリンク80の下端には針振りカム70のカム面に接する針振りカムピン80Aが形成され、上端にはリンク85が接続されている。リンク85の他端は針振り揺動機構(図示せず)に接続されている。 【0007】この状態で、針振り作動カム70および上軸切外し作動カム70Aが回転して、針振り作動カム70の変位により針振りカムピン80Aを介して針振りリンク80が回動することにより針振り揺動機構で針棒88(図5参照)の針振りを行える。 【0008】以上の構成から、ステッピングモータ(図示せず)で針振り作動カム70および上軸切外し作動カム70Aを回動して、上軸切外しリンク75の接触面75Bを押圧することにより上軸切外しリンク75を回動して接触ピン75Aを従動部材67Bの接触位置に移動する。これにより、接触ピン75Aを従動部材67Bに形成されたカム面に押圧できる。 【0009】ミシンモータ61の駆動力を下軸62、ベルト66、上軸プーリ65および原動部材67Aを介して従動部材67Bに伝達させることにより従動部材67Bを回転させる。これにより、接触ピン75Aが押圧された従動部材67Bのカム面が回転して従動部材67Bが原動部材67Aから離れる方向にスライドする。従動部材67Bがスライドすることにより従動部材67Bの凸部67Dと原動部材67Aの凹部67Cの噛合が外れ、上軸64は下軸62から切外された状態になる。このとき、上軸64は針棒88の針88A(図5参照)が布の上方に位置する上位位置で停止する。 【0010】この状態において、ステッピングモータ(図示しない)の駆動で針振り作動カム70および上軸切外し作動カム70Aが回動されると、上軸切外しリンク75はリンクばね77のばね力で待機位置に戻される。上軸切外しリンク75が待機位置に戻されることにより従動部材67Bがクラッチばね69により原動部材67A側にスライドされ、従動部材67Bの凸部67Dと原動部材67Aの凹部67Cとが噛合し、上軸プーリ65の回転がクラッチ67を介して上軸64に伝達される。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】ここで、ミシン60の操作性やメンテナンス性を考慮すると、ミシンモータ61をオフにした場合に、上軸64を静止させたままはずみ車64Aを手動で回して下軸62のみを回転させたい場合がある。 【0012】しかしながら、従来のミシン60は上軸64を静止させる目的で従動部材67Bの凸部67Dを原動部材67Aの凹部67Cから切外すと、同時に上軸64が下軸62から切外されてしまう。このため、はずみ車64Aを手動で回転させても、下軸52を回転させることはできない。従って、ミシン60の操作性やメンテナンス性をより高めるために改良の余地があった。 【0013】本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作性やメンテナンス性を向上できるミシンを提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明は、上軸および下軸と、前記上軸および前記下軸のうちの一方を駆動するモータと、前記上軸の端部に設けられたはずみ車と、前記上軸に沿って原動部材および従動部材が配置されたクラッチと、前記原動部材および下軸に設けられた駆動力伝達手段とを有し、前記原動部材が前記上軸に対して回転可能に支持されているとともに、前記従動部材が前記上軸に固定され、かつ、前記原動部材および前記従動部材を互いに離反させることにより前記上軸に対して前記モータの駆動力が遮断されるミシンであって、前記原動部材に前記はずみ車が連結されていることを特徴としている。 【0015】このように構成されたミシンにおいては、クラッチの原動部材にはずみ車を連結することで、はずみ車を原動部材および駆動力伝達手段を介して下軸に連結できる。このため、原動部材および従動部材を互いに離反させた状態で、ミシンを停止させた際に、はずみ車を手動で回すことにより原動機および駆動力伝達手段を介して下軸を回すことができる。よって、上軸を停止させたままの状態で下軸のみを回すことができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、図1において説明した部材等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。 【0017】図1に示すように、本発明に係る第1実施形態であるミシン10は、フレーム11に回動自在に支持されるとともにミシンモータ(モータ)12に連結された下軸13と、下軸13から駆動力が伝達されて軸回転する上軸15と、上軸15の端部に設けられたはずみ車40と、上軸15に沿って原動部材20Aおよび従動部材20Bが配置されたクラッチ20と、原動部材20A(すなわち、上軸プーリ16)および下軸13の下軸プーリ14に設けられた駆動力伝達手段(ベルト)17とを有している。 【0018】図2に示すように、下軸13の下軸プーリ14と上軸15の上軸プーリ16とにベルト17が回巻され、上軸プーリ16が上軸15に回転自在に取り付けられている。上軸プーリ16にはクラッチ20の原動部材20Aが一体に形成されている。さらに、上軸15にはクラッチ20の従動部材20Bが止ピン21で軸方向に移動自在に取り付けられている。従動部材20Bはクラッチばね22で原動部材20A側に押圧されることにより、従動部材20Bの凸部20Dと原動部材20Aの凹部20Cとが噛合される。 【0019】また、クラッチ20の下方には、針振り作動カム25がステッピングモータ35(図1参照)で回転制御可能に支持され、針振り作動カム25にはクラッチ作動カム25Aが一体形成されている。さらに、針振り作動カム25とクラッチ20との間には、クラッチ作動リンク26が支点軸27を中心に回動自在に取り付けられ、クラッチ作動リンク26の上端には接触ピン26Aが形成され、下端には接触面26Bが形成されている。上端の接触ピン26Aはリンクばね28で原動部材20A側に押し付けられ、接触ピン26Aが従動部材20Bに接触しない待機位置に保持される。 【0020】加えて、支点軸27には針振りリンク30が回動自在に取り付けられている。針振りリンク30の下端には針振り作動カム25のカム面に接する針振りカムピン30Aが形成され、上端にはリンク31が連結されている。リンク31の他端は針振り揺動機構(図示せず)に連結されている。 【0021】針振り作動カム25が回転することにより変位すると、針振りカムピン30Aが針振り作動カム25のカム面に沿って移動して針振りリンク30が回動する。針振りリンク30が回動すると、リンク31が移動して針振り揺動機構で針棒18(図1参照)の針振りを行う。 【0022】このミシン60は、図3および図4に示すように、クラッチ20の原動部材20Aが上軸15に対して回転可能に支持されているとともに、従動部材20Bが上軸15に対してスライド自在に支持されるとともに上軸15と一体に回転可能に支持され、原動部材20Aおよび従動部材20Bを互いに離反させることにより上軸15に対してミシンモータ12の駆動力が遮断されるように構成されている。 【0023】上軸プーリ16には上軸プーリ軸受16Aが強固に固着され(または、一体形成され)、上軸プーリ16および上軸プーリ軸受16Aは上軸15に回転自在に嵌入されている。上軸プーリ軸受16Aは上軸メタル42(図4参照)に回転自在に支持されており、上軸メタル42はフレーム11(図1参照)に固定されている。 【0024】上軸15の端部にははずみ車40の嵌合部41が回転自在に嵌合され、はずみ車40は座金43およびねじ44(図4参照)で上軸15から抜け出さないように固定されている。この状態で、嵌合部41の凹部41Aに上軸プーリ軸受16Aの凸部16Bが噛合され、クラッチ20の原動部材20Aにはずみ車40を連結させることができる。 【0025】次に、図2〜図4に基づいてミシン10の作用について説明する。先ず、ステッピングモータで針振り作動カム25を回動させて、クラッチ作動リンク26の接触面26Bを針振り作動カム25で押すことにより、クラッチ作動リンク26が回動して接触ピン26Aをクラッチ20の従動部材20Bのカム面20Eに押し付ける(図4参照)。 【0026】ミシンモータ12の駆動力を下軸13、ベルト17、上軸プーリ14を介してクラッチ20に伝達することでクラッチ20の従動部材20Bが回転する。図4に示すように従動部材20Bのカム面20Eには接触ピン26Aが押圧されているので、従動部材20Bがクラッチ20の原動部材20Aから離れる方向にスライドして、従動部材20Bの凸部20Dと原動部材20Aの凹部20Cの噛合が外される。よって、上軸15は下軸13の駆動から切外された状態になり、針棒18の針19(図1参照)が布の上方に位置する上位位置に停止する。 【0027】このように、下軸13を回転させた状態で針19上下動を止めることができるので、例えばボビン46を巻く操作、スキップ縫いする操作、刺繍する操作をおこなうことができる。この操作の際に、上糸47を安定供給するためにしゃくり動作するてんびん48も併せて停止させることができるので、針棒18を停止したとき上糸47を供給させないようにして、「糸がらみ」の発生を防ぐことができる。 【0028】この上軸15が下軸13の駆動から切外された状態から、ステッピングモータをさらに駆動して針振り作動カム25を回動することによりクラッチ作動リンク26をリンクばね28により待機位置に戻す。クラッチ作動リンク26が待機位置に戻されることにより、従動部材20Bがクラッチばね22により原動部材20A側にスライドされて従動部材20Bの凸部20Dと原動部材20Aの凹部20Cとが噛合する。これにより、ミシンモータ12の回転は、下軸13、ベルト17、上軸プーリ14、クラッチ20を介して上軸15に伝達させて、針棒18の針19を上下動させることができる。 【0029】次に、クラッチ20の作用について図3および図4に基づいて詳しく説明する。クラッチ20の従動部材20Bを原動部材20Aから離れる方向にスライドさせることにより、従動部材20Bを原動部材20Aから離反させて「上軸切外し」の状態にする。これにより、下軸13の回転は上軸プーリ14を介して原動部材20Aまで伝達されるが、上軸13には伝わらない。よって、上軸13は回転を停止する。 【0030】この状態において、はずみ車40に備えた嵌合部41の凹部41Aに上軸プーリ軸受14Aの凸部14Bが噛合されて、クラッチ20の原動部材20Aにはずみ車40を連結されている。従って、下軸13の回転は上軸プーリ14および上軸プーリ軸受14Aを介してはずみ車40に伝達され、はずみ車40は上軸プーリ14と一体に回転する。 【0031】従って、この状態でミシン10を停止すれば、はずみ車40を手動で回すことにより上軸プーリ14を回すことができ、上軸プーリ14を回すことでベルト17を介して下軸13を回すことができる。よって、上軸15を停止させたままの状態で下軸13のみを回すことができる。 【0032】このように、はずみ車40を手動で回して下軸13を回すことができるので、ミシン10の操作性やメンテナンス性を高めることができる。加えて、予期せぬ何らかの原因で上軸15が切外された状態で、ミシン10が異常停止した場合でも、はずみ車40を手動で回すことにより、ミシン10の状態を確認できる。 【0033】また、前述した実施形態では上軸15と下軸13とを連結するための駆動力伝達手段としてベルト17を使用した例について説明したが、その他の駆動力伝達手段としてベベルシャフトやギヤを使用することも可能である。 【0034】さらに、本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能であり、前述した実施形態において例示したクラッチ,下軸,上軸,モータ,はずみ車等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所,厚さ寸法等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。 【0035】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、クラッチの原動部材にはずみ車を連結することで、はずみ車を原動部材および駆動力伝達手段を介して下軸に連結できる。このため、原動部材および従動部材を互いに離反させた状態で、ミシンを停止させた際に、はずみ車を手動で回すことにより原動機および駆動力伝達手段を介して下軸を回すことができる。よって、上軸を停止させたままの状態で下軸のみを回すことができる。この結果、はずみ車を手動で回して下軸を回せるので、所望の作業をおこなうことができ、ミシンの操作性やメンテナンス性を向上できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003399 【氏名又は名称】ジューキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月31日(2001.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099195 【弁理士】 【氏名又は名称】宮越 典明 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−355482(P2002−355482A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月10日(2002.12.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−164304(P2001−164304) |
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