| 【発明の名称】 |
ツイスターベルト |
| 【発明者】 |
【氏名】平良 卓也
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| 【要約】 |
【課題】補強層の両面にそれぞれ織布を配設して補強層の局部曲げ剛性を高めることにより、糸接触側の表面が成形加硫時に凹面に湾曲することがなく、従って、糸挟み込み時に糸に接圧を集中させることができる。
【解決手段】糸に接触する表面ゴム層2と、表面ゴム層2に積層された補強層3と、を有するツイスターベルト1である。表面ゴム層2の硬さは、JIS Aスケールで70〜80であり、補強層3内に芯体コード4が埋設され、補強層3の表面側には織布5が配設され、補強層3と表面ゴム層2との間に織布6が配設されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 糸に接触する表面ゴム層と、該表面ゴム層に積層された補強層と、を有し、該表面ゴム層の硬さは、JIS Aスケールで70〜80であり、該補強層内に芯体コードが埋設され、該補強層の表面側には第1の織布が配設され、該補強層と該表面ゴム層との間に第2の織布が配設されていることを特徴とするツイスターベルト。 【請求項2】 前記第1及び第2の織布が、ナイロン糸またはポリエステル糸から形成されている請求項1に記載のツイスターベルト。 【請求項3】 前記芯体コードが、1000デニールまたはそれ以下のポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維からなる請求項1又は2に記載のツイスターベルト。 【請求項4】 前記芯体コードが、ベルト幅インチ当たり、25本以上打ち込まれている請求項1〜3のいずれかに記載のツイスターベルト。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、合成糸の仮撚り装置に用いられる撚糸用ベルトに関し、詳しくは、2本の互いに反対方向に走行するツイスターベルト間に糸をニップして仮撚りするベルト式仮撚り装置のツイスターベルトに関する。 【0002】 【従来の技術】従来のツイスターベルトは、ベルト本体内に芯体としてコードを埋設し、ベルト本体のプーリ側表面に織布を積層して構成されていた。すなわち、芯体となるコードを使用することから、コードをプーリ面に露出させないためプーリ面を織布で覆う必要があった。そして、ツイスターベルトの表面ゴム層を構成するゴムとしては、糸を安定的に把持、解撚し、高品質の糸を得ると共にベルト表面ゴム層の摩耗寿命の長いことが要求される。 【0003】しかし、このツイスターベルトは、1種類のゴムで表面ゴム層から本体まで構成されており、ゴム特性の自由度が限られることから、様々な要求に満足させることができなかった。さらに、芯体高さ中心に仮想されるベルトのピッチラインを挟んで、プーリ面側に織布が配設され、表面ゴム層側にゴム層が形成されるというベルト構成では、ベルトの加硫時にゴム収縮を生じるため、ベルトが糸と接する面を凹に湾曲するという現象が避けられなかった。 【0004】従って、このような湾曲したベルトの凹面同士を、図2に示すように、斜めに交叉して圧接させた場合、ベルト1表面の接触面の圧力は均一とはならず、それぞれのベルトの両側で形成される4頂点のみに応力が集中することになる。なお、図中10は糸、11はプーリである。 【0005】このような問題を解消するため、図3に示すように、ベルト1の表面側の両側の角部10を丸く研磨加工することも提案されたが、根本的な解決とはならなかった。 【0006】一方、糸品質を考慮すると、ツイスターベルトに使用するゴムの硬さは、JIS Aスケールで、70〜80の間にあることが望ましいことが確認されており、ベルト本体をこの硬さのゴムで形成すると、糸の沈み込みが過大となり、表面ゴムの摩耗、糸の振動などの問題を生じる場合があった。 【0007】そこで、糸と接する表面ゴム層を軟質のゴムから形成し、中間層を硬質のゴムで形成した、いわゆる2層構造のツイスターベルトも開発された。しかし、2層構造のツイスターベルトの場合、その中間層に用いることのできるゴムの硬さは、ベルトとして必要とされる柔軟性を得るため、あまり高くすることはできない。そのため、表面ゴム層に必要な圧縮剛性を与えるため、厚い中間層を配して、その分、表面ゴム層を薄くすることが考えられるが、このように構成すると摩耗による寿命までに利用できる表面ゴム層の厚さが減少した。 【0008】また、ゴム自体は2層構造であっても、先に述べたピッチラインに対する非対象構造による成形加硫時の湾曲は解消されていない。 【0009】さらに、ベルト表面に糸を挟み込んだとき、両ベルト間の接触力が、ベルト同士を押すことなく、効率よくベルト/糸/ベルト間に集中することにより、糸に適正な回転力が与えられることになるが、このようにするにはベルト自体の平面性を維持する曲げ剛性が必要である。しかし、上記したように、2層のゴム層を構成したベルトでは、糸による局部的なベルトへの曲げ応力に対し、有効な改善策とはならなかった。 【0010】そこで、例えば、特許3039384号では、表面ゴム層12と補強層13との間に、ナイロン編布14を配設し、さらに補強層13の外面側(プーリ側)にナイロン織布15を設けたツイスターベルト16が開示されている。 【0011】しかし、このベルト16は、上記したように加硫時にベルト表面ゴム層12が図4に示すように凹曲するため、斜めに交叉して圧接させた場合、ベルト表面の接触面の圧力は均一とはならず、それぞれのベルトの両側で形成される4頂点のみに応力が集中するという欠点がある。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、糸接触側の表面が成形加硫時に凹面に湾曲することがなく、従って、糸挟み込み時に糸に接圧を集中させることができる局部曲げ剛性の高いツイスターベルトを提供することにある。 【0013】本発明の他の目的は、糸を安定的に把持、解撚し、高品質の糸を得ると共にベルト表面ゴム層の摩耗寿命の長いツイスターベルトを提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明のツイスターベルトは、糸に接触する表面ゴム層と、該表面ゴム層に積層された補強層と、を有し、該表面ゴム層の硬さは、JIS Aスケールで70〜80であり、該補強層内に芯体コードが埋設され、該補強層の表面側には第1の織布が配設され、該補強層と該表面ゴム層との間に第2の織布が配設されていることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。 【0015】一つの実施態様では、前記第1及び第2の織布が、ナイロン糸またはポリエステル糸から形成されている。 【0016】一つの実施態様では、前記芯体コードは、1000デニールまたはそれ以下のポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維からなる。 【0017】一つの実施態様では、前記芯体コードは、ベルト幅インチ当たり、25本以上打ち込まれている。 【0018】本発明の作用は以下の通りである。 【0019】本発明のツイスタ−ベルトは、補強層内に複数本の芯体コードが埋設され、補強層の両面にそれぞれ織布が配設されている。このように織布/芯体コード/織布のサンドイッチ構造により、補強層の局部曲げ剛性が飛躍的に向上し、従って、ベルト成形加硫時の湾曲が解消され、糸挟み込み時の平面性維持性能が向上し、糸に加わる接圧の均等化が得られる。 【0020】すなわち、従来のツイスターベルトでは、補強層と表面ゴム層との間に編布を配することが開示されているが、編布の特性として縦横とも伸縮性があり、加硫ゴムの成形収縮や補強層の平面性補強の改善にはほとんど寄与していない。 【0021】これに対し、本発明では、補強層と表面ゴム層との間に縦横方向の伸縮性のほとんどない織布を配設していることにより、剛性を従来に比べて高くでき、加硫時にベルトが凹曲することを防止できる。 【0022】また、芯体と織布は極薄い接着ゴム層を介して密接して貼り合わせており、小さな直径のプーリへの巻き付け時にもベルトとしての充分な屈曲性が得られる。 【0023】さらに、中間ゴム層を設ける場合よりも遙かに圧縮剛性の高い織布に、直接表面ゴム層を形成するゴムを貼り合わせることにより、表面ゴム層としてJISAスケールで80以下のゴムを用いても、糸の過大な沈み込みを防止することができる。 【0024】表面ゴム層は剛性のある織布に貼り合わせていることから、この織布のプーリ側にゴム層を設ける場合にも、どのような硬さのゴムを用いても表面ゴム層の特性に影響を与えることなく、広いベルト構成の自由度が得られる。 【0025】 【発明の実施の形態】本発明のツイスターベルト1は、図1に示すように、糸に接触する表面ゴム層2と、該表面ゴム層2に積層された補強層3と、を有する。 【0026】該表面ゴム層2の硬さは、JIS Aスケールで70〜80であり、この範囲を外れると、糸品質が低下したり、ベルトの寿命が低下する。 【0027】表面ゴム層2は合成ゴムから形成することができ、そのような合成ゴムとしては、ミラブルウレタン、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ハイパロン(登録商標)、ポリブタジエンゴム、EPM、EPDMまたはH−NBRの一種または2種以上を使用することができる。 【0028】補強層3内に埋設された芯体コード4は、1000デニールまたはそれ以下のポリエステル繊維、アラミド繊維、またはガラス繊維からなる一種以上を使用することができ、また、芯体コード4は、ベルトの長手方向に長く、ベルト幅方向に複数が埋設されており、ベルトの幅方向でのインチ当たり、25本以上打ち込まれている。 【0029】また、補強層3の表面側(プーリ側)には第1の織布5が配設され、該補強層3の該表面ゴム層2側には第2の織布6が配設されている。ここで使用する第1及び第2の織布5,6は、ナイロン糸またはポリエステル糸から形成するのがよい。また、アラミド繊維、ガラス繊維、綿糸等を併用してもよい。 【0030】このように補強層は、芯体コード4の上下を第1及び第2の織布5,6でサンドイッチして構成されており、ゴム系接着剤によって芯体コード4と第1及び第2織布5,6が直接、接着されている。使用する接着剤としては、上記表面ゴム層2と同じ種類のものを使用でき、あるいは異なる種類のゴムを使用することもできる。 【0031】本発明によれば、補強層3内に複数本の芯体コード4が埋設され、補強層3の両面にそれぞれ織布5,6が配設され、このように織布5/芯体コード4/織布6のサンドイッチ構造により、補強層3の局部曲げ剛性が飛躍的に向上し、従って、ベルト成形加硫時の湾曲が解消され、糸挟み込み時の平面性維持性能が向上し、糸に加わる接圧の均等化が得られる。 【0032】 【発明の効果】本発明のツイスターベルトによれば、補強層の局部曲げ剛性が従来に比べて飛躍的に向上し、ベルト成形加硫時の湾曲が解消される。従って、糸挟み込み時の平面性維持性能が向上し、糸に加わる接圧の均等化が得られる。また、芯体と織布は極薄い接着ゴム層を介して密接して貼り合わせており、小さな直径のプーリへの巻き付け時にもベルトとしての充分な屈曲性が得られる。 【0033】さらに、中間ゴム層を設ける場合よりも遙かに圧縮剛性の高い織布に、直接表面ゴム層を貼り合わせることにより、表面ゴム層にJISAスケールで80以下のゴムを用いても、糸の過大な沈み込みを防止することが可能になった。また、表面ゴム層は剛性のある織布に貼り合わせていることから、この織布のプーリ側にゴム層を設ける場合にも、どのような硬さのゴムを用いても表面ゴム層の特性に影響を与えることなく、広いベルト構成の自由度が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000111085 【氏名又は名称】ニッタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月28日(2000.6.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078282 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策
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| 【公開番号】 |
特開2002−13033(P2002−13033A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−195351(P2000−195351) |
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