| 【発明の名称】 |
高強力複合繊維及びメッシュクロス |
| 【発明者】 |
【氏名】日笠 和之
【氏名】中川 潤洋
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| 【要約】 |
【課題】高強力高弾性率でフィブリル化や芯鞘剥離が生じにくい複合繊維およびメッシュクロスを提供する。
【解決手段】芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル(Aポリマー)からなり、鞘成分が海島構造を有する芯鞘複合繊維において、鞘成分比が0.2〜0.7であり、該鞘成分を構成する海成分は固有粘度[η]が0.6dl/g以上のポリエチレンナフタレート(Bポリマー)からなり、島成分は溶融異方性芳香族ポリエステル(Cポリマー)からなり、鞘成分における島成分比が0.02〜0.25であることを特徴とする複合繊維。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル(Aポリマー)からなり、鞘成分が海島構造を有する芯鞘複合繊維において、鞘成分比が0.2〜0.7であり、該鞘成分を構成する海成分は固有粘度[η]が0.6dl/g以上のポリエチレンナフタレート(Bポリマー)からなり、島成分は溶融異方性芳香族ポリエステル(Cポリマー)からなり、鞘成分における島成分比が0.02〜0.25であることを特徴とする複合繊維。 【請求項2】 ポリエチレンナフタレート(Bポリマー)の固有粘度[η]が0.6〜1.0(dl/g)であり、島成分(Cポリマー)の溶融粘度ηが10〜60(Pa・s)である請求項1記載の複合繊維。 【請求項3】 引張強度が13cN/dtex以上であり、弾性率が350cN/dtex以上である請求項1または2記載の複合繊維。 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の繊維からなるメッシュクロス。 【請求項5】 請求項1〜4に記載のメッシュクロスからなるスクリーン紗。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、製織性が良好で高強力を有し、かつ耐久性、耐熱性、耐摩耗性に優れた複合繊維及びメッシュクロスに関するものであり、その利用分野はスクリーン紗、フィルター、プリント基板用基布、メッシュ状搬送ベルト、抄紙用ベルト、ドライヤーカンバス等に活用されるものである。 【0002】 【従来の技術】溶融異方性芳香族ポリエステル繊維は、高強力高弾性率となることが知られているが、これらの繊維は、分子鎖が繊維軸方向に高度に配向しているため摩擦により容易にフィブリル化が発生するという問題があった。また溶融異方性ポリエステルを芯成分、ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと略す)を鞘成分とする芯鞘型複合繊維を用いる方法も知られているが、鞘成分のPPSが延伸されていない(配向結晶化されていない)ため、非常に脆く、鞘の剥離や脱落等が生じやすい問題があった。そこで、かかる課題を解決するために、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル、鞘成分がPPSと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーからなる複合繊維が特開平5−230715号公報に提案されている。 【0003】特開平5−230715号公報に提案されている如く、鞘成分をPPSと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーとすることで耐フィブリル化、耐摩耗性が大幅に改良されることは事実であるが、織り密度を高くし、屈曲率を上げると鞘成分中のPPSが脆いため、屈曲部で鞘割れが生じやすい。さらに、そのメッシュクロスを用いたスクリーン紗で、粒子含有ペースト等を印刷した場合、鞘剥がれが発生する問題があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解決するものであり、高強度、高弾性率を有し、耐フィブリル化性、耐摩耗性、耐鞘剥離性を改善した複合繊維、及びメッシュクロスを提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル(Aポリマー)からなり、鞘成分が海島構造を有する芯鞘複合繊維において、鞘成分比が0.2〜0.7であり、該鞘成分を構成する海成分は固有粘度[η]が0.6dl/g以上のポリエチレンナフタレート(Bポリマー)からなり、島成分は溶融異方性芳香族ポリエステル(Cポリマー)からなり、鞘成分における島成分比が0.02〜0.25であることを特徴とする複合繊維である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明に言う溶融異方性とは、溶融相において光学異方性(液晶性)を示すことである。例えば試料をホットステージにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱し、試料の透過光を観察することにより認定できる。本発明で芯成分に用いる溶融異方性芳香族ポリエステル(Aポリマー)は、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等から誘導される反復構成単位を有するものであるが、下記化1および化2に示す反復構成単位の組み合わせからなるものが好ましい。 【化1】
【化2】
【0007】より好ましくは、化1および化2に示される反復構成単位の組み合わせ(5),(8),(9)からなるポリマーであり、さらに好ましくは、(5)に相当するポリマーであって、下記化3の(Q)の成分が4〜45モル%である芳香族ポリエステルである。 【化3】
【0008】好ましい溶融異方性芳香族ポリエステルの融点(MP)は250〜350℃、より好ましくは260〜320℃である。ここでいう融点とは、示差走査熱量計(DSC:例えばMettler社製TA3000)で観察される主吸熱ピークのピーク温度である(JIS K7121)。具体的にはDSC装置にサンプル10〜20mgをとりアルミ製パンへ封入した後、キャリアーガスとして窒素を100mL/分流し、20℃/分で昇温したときの吸熱ピークを測定する。ポリマーの種類により上記1st Runで明確な吸熱ピークが現れない場合は、50℃/分の昇温速度で、予想される流れ温度より50℃高い温度まで昇温し、その温度で3分間以上保持し完全に溶融した後、80℃/分の速度で50℃まで冷却し、しかる後20℃/分の昇温速度で吸熱ピークを測定するとよい。 【0009】本発明で芯成分として用いる溶融異方性芳香族ポリエステル(Aポリマー)には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエステルケトン、フッ素樹脂等を添加しても良い。また、酸化チタン、シリカ、酸化バリウム等の無機物、カーボンブラック、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤を含んでいても良い。 【0010】本発明においては、海成分(Bポリマー)としてポリエチレンナフタレート(以下PENと略す)を用いることが必要であり、PENを海成分として用いることにより、耐フィブリル性、耐摩耗性は、大きく改善される。 【0011】紡糸時に使用する鞘成分中の海成分(Bポリマー)であるPENは、[η]=0.4〜0.75のものが好ましく、さらに「好ましくは[η]=0.55〜0.65である。本発明に言う固有粘度[η]とは、試料をp−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=1:3に溶解し、30℃で測定した固有粘度(dl/g)である。また本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエステルケトン、フッ素樹脂等を添加しても良い。また、酸化チタン、シリカ、酸化バリウム等の無機物、カーボンブラック、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、造核剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。 【0012】島成分(Cポリマー)は、Aポリマーと同様の溶融異方性芳香族ポリエステルを用いることができ、AポリマーとCポリマーは同種であっても異種であってもよい。好ましくは、Bポリマーの融点(MP)+80℃以下、MP−10℃以上のポリマーが好ましい。さらに「溶融粘度ηが10〜60(Pa・s)であり、20〜50(Pa・s)が好ましい。10Pa・s未満のものは工業上生産困難であり、60Pa・sを超えると紡糸性が劣り、線径変動が大きくなる傾向が顕著となり要求品質を満たすことが困難となる。本発明にいう溶融粘度ηとは、温度T(融点MPが290℃以上ではT=MP+10℃、それ以下では300℃)、せん断速度1000sec-1で測定した溶融粘度である。 【0013】本発明の複合繊維における鞘成分比は0.2〜0.7でなければならない。鞘成分が0.2未満では芯が露出しやすくフィブリル化が生じやすい。また、0.7を越えると強力の点で不十分となる。なお、本発明にいう鞘成分比とは、複合繊維の断面積比A/(A+B+C)を示す。断面積比は、繊維断面の顕微鏡写真から求められるが、製造時の芯成分と鞘成分の吐出量の体積比により求めることもできる。 【0014】溶融異方性ポリエステル繊維は延伸を行うことなく優れた性能が得られるが、PPSのような溶融異方性を有しないポリマーからなる未延伸糸は未配向状態であるため物性が著しく劣り、強度等が極めて低いものとなる。さらに溶融異方性を有しないポリマーは溶融異方性ポリエステルとの接着性が低く、剥離しやすい問題がある。以上のことから、本発明は、鞘成分を溶融異方性ポリエステルと溶融異方性を有しないポリマーからなるブレンド(海島成分)で構成することにより、鞘成分の強力を高めると同時に芯成分との接着性を高めようとするものである。本発明の芯鞘型複合繊維の鞘成分は海島構造を有するものである。海島構造とは、繊維横断面において、マトリックスとなる海成分の中に数十から数百の島が存在している状態を意味する。Bポリマー及びCポリマーの混合比、溶融粘度等を変えることにより島数を調整することができる。BポリマーとCポリマーをチップブレンドする、または両成分の溶融物をスタティックミキサー等で混合することにより得られる。 【0015】鞘成分中の島成分比は製造された芯鞘型複合繊維横断面積比C/(B+C)において0.02〜0.25である必要がある。0.02未満では鞘成分の強力を高める、芯成分との接着性を高める等の効果が期待できず、また後述するが、熱処理時に繊維間の膠着が激しくなり工程通過性に劣る。一方、0.25を超えると紡糸性が劣り、線径変動が大きくなる傾向が顕著となり要求品質を満たすことが困難となる。島成分比は、繊維横断面の顕微鏡写真から求められるが、製造時の海成分と島成分の混合比により求めることもできる。島成分の直径は0.1〜2μmとするのが好ましい。 【0016】本発明で用いる複合繊維は、公知の方法、例えば図1に示される構造のノズルから紡糸することができる。得られる繊維の横断面形状は特に限定されるものではないが、例えば図2の様な形状が好ましい。 【0017】また、本発明においては、必要に応じてBポリマー及び/又はCポリマーに着色剤を含有させることができる。着色剤は海成分及び島成分の両方に含まれていても、どちらか一方に含まれていてもよく、含有率が2成分で異なっていてもよい。好ましくは各ポリマー質量の0.1〜2質量%に相当する着色剤を含有させる。0.1質量%未満では着色の効果が不十分である場合が生じることもあり、2質量%を越えるとポリマーが増粘効果と濾過性不良となる場合がある。CポリマーにCポリマー質量に対して0.1〜2質量%に相当する着色剤を含有させるのが、摩耗による脱落が生じにくい点で好ましい。 【0018】着色剤としては、カーボンブラック、顔料(酸化チタン等を含む)、耐熱性を有する染料を用いることができ、粒径が10〜1000mμのものを用いることが好ましい。着色剤の混合方法は、直接Bポリマー及び/又はCポリマーに所定量添加してもよいし、高濃度のマスターチップを繊維製造時にブレンド法で希釈しても良い。また、Bポリマー及びCポリマーには、本発明の効果を損なわない程度に、他のポリマーや各種添加剤を含んでいても良い。 【0019】本発明の複合繊維は紡糸しただけで十分な強度は有しているものの、鞘成分中のPENの重合度が低く、延伸されていない(配向結晶化されていない)ため脆く、鞘の剥離や脱落等が生じやすい。また紡糸しただけで鞘成分に十分な強度を付与できると考えられる高重合度PENは、曳糸性が無く事実上紡糸不可能である。そのため得られた繊維を窒素等の不活性ガス雰囲気下や、空気のごとき酸素含有の活性ガス雰囲気中又は減圧下で熱処理を行うことで、固相重合し、鞘成分中のPENの配向結晶化度を高めることにより上記の問題を解決することができる。また、熱処理により固相重合を行うことで、鞘成分であるPENの重合度が上昇し、固有粘度[η]が0.6以上に上昇する。本発明において、固相重合を行う繊維の形態は、フィラメント、カットファイバーいずれも可能である。 【0020】従来の芯鞘型複合繊維の場合、鞘成分は強度に殆ど寄与しないため、高強力繊維を得るためには、鞘成分を小さくせざるを得なかった。そのため、摩耗や製織行程通過時に鞘成分が剥離したり、芯成分が露出してフィブリル化などが生じる。本発明によれば、鞘成分も強力向上に寄与するため、鞘成分比を高くした場合でも、強度13cN/dtex以上の優れた複合繊維を得ることができる。 【0021】熱処理雰囲気は露点が−80℃以下の低湿気体が好ましい。好ましい熱処理条件としては、芯成分の融点−40℃以下から鞘成分の融点以下まで順次昇温していく温度パターンが挙げられる。 【0022】熱の供給は、気体の媒体を用いる方法、加熱板、赤外線ヒーター等により輻射を利用する方法、高周波等を利用した内部加熱方法等がある。処理形状はカセ状、トウ状(例えば金属網等にのせて行う)、あるいはローラー間で連続的に処理することも可能である。 【0023】本発明において、熱処理により固相重合されたPENの固有粘度[η]は0.6dl/g以上必要であり、好ましくは、1.0dl/g以下であり、さらに好ましくは、0.65〜1.0dl/gである。固有粘度[η]が0.6未満であると、鞘成分の強度が不十分となり所望の耐摩耗性が得られない。 【0024】本発明により、芯成分が溶融異方性芳香族ポリエステル、鞘成分がPENと溶融異方性芳香族ポリエステルのブレンドポリマーからなり、鞘成分のPENを固相重合により高重合度化、高結晶化させることにより、高強力、高弾性率、寸法安定性等の性能を保持し、溶融異方性芳香族ポリエステルからなる繊維の欠点である表面フィブリル化、耐摩耗性を改善し、かつ芯鞘複合繊維における鞘割れ、鞘剥がれ等の欠点が著しく改良された複合繊維、及びメッシュクロスを得ることができる。 【0025】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定されるものではない。なお本実施例中の測定値は以下の方法で測定したものである。 [溶融粘度 MV]300℃、せん断速度r=1000sec-1の条件で東洋精機キャピログラフ1B型を用いて測定した。 [対数粘度ηinh]試料をペンタフルオロフェノールに0.1質量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中でウーベローデ型粘度計を用いて相対粘度(ηrel)を測定し、ηinh=ln(ηrel)/cにより算出した。なおcはポリマー濃度(g/dl)である。 [固有粘度]試料をP−クロロフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=3:1で溶解し、30℃で定法に従い測定した。 [強度]JIS L 1013に準じ、試長20cm、初荷重0.1g/d、引張速度10cm/minの条件で破断強伸度を求め、5点以上の平均値を採用した。 [線形変動%]ZIMMER社製の外径測定器M−4609A/2を用い、糸速20m/分で長さ100mのフィラメントの線形を連続記録し、最大(max)と最小(min)および平均値(x)を測定し、下記式より求めた。 線形変動(%)=±((max−min)/2x)×100線形変動が大きいほど、鞘成分の剥離、脱落が生じていることとなる。[ガイド摩耗]大栄科学機器社製の抱合力試験器を用い、120度の角度で配置された3本の櫛ガイドに6本のモノフィラメントを各々ガイドに通し、各フィラメントに1g/dの荷重をかけ、ストローク長3cm、速度95回/分で往復運動を与え、毛羽(剥離、フィブリル化)の発生した回数を測定した。 【0026】<実施例1>Aポリマーには、前記化3で示した構成単位(P)と(Q)が73/27モル%である溶融異方性芳香族ポリエステル(MP=281℃、η=42.5Pa・s、ηinh=4.38dl/g)を用いた。鞘成分としては、BポリマーとしてPEN([η]=0.61、η=300Pa・s)、Cポリマーとして上記Aポリマーと同様の溶融異方性芳香族ポリエステルを用い、島成分比0.1となるようにブレンドした。芯成分と鞘成分を別々の押出し機より溶融し、芯と鞘の面積比2:1になるように、図1の構造を有する口金より紡糸温度305℃、巻き取り速度680m/分で紡糸した。紡糸調子は良好で320dtex/6fの繊維を得た。この紡糸原糸を分繊して53dtexのモノフィラメントとし、250℃で2時間、さらに260℃で6時間窒素ガス雰囲気中で熱処理した。得られた熱処理糸は、以下の性能を有していた。 【0027】 平均線径 :70μm引張強度(DT) :17.6cN/dtex引張伸度(DE) :3.0%弾性率 (YM) :470cN/dtex鞘成分比 :0.33このフィラメントを経糸及び緯糸に用いて平織物とし、100メッシュのスクリーン紗を得た。製織工程での毛羽やフィブリルの発生はまったく無く良好であった。さらにこのスクリーン紗を用いセラミック含有ペーストを印刷した結果1000回印刷しても鞘剥がれは発生しなかった。尚、紡糸直後の複合繊維の鞘成分をP−クロロフェノール:1,1,2,2,−テトラクロロエタン=1:3で溶解し、不溶な溶融異方性ポリエステルを濾過除去した後、溶解したPENの[η]を測定(30℃)したところ0.54dl/gであった。さらに熱処理後の鞘成分(PEN)の[η]を同様の方法で測定したところ0.79dl/gであった。 【0028】<実施例2、実施例3>鞘成分比、島成分比を表1に示すごとく変更したこと以外は、実施例1と同様に複合繊維を製造した。結果を表1に示す。 【0029】<実施例4>紡糸後、熱処理時間を250℃で2時間、さらに260℃で10時間窒素ガス雰囲気中で処理したこと以外は実施例1と同様に複合繊維を製造した。結果を表1に示す。 【0030】<比較例1>鞘成分をPEN単独にした以外は実施例1と同様に紡糸、熱処理を実施したが、熱処理段階で繊維間の膠着が発生し、解舒時に鞘剥がれが発生した。 【0031】<比較例2>鞘成分のBポリマーに直鎖ポリフェニレンサルファイド(溶融粘度110Pa・s:温度300℃)を用いる以外は、実施例1と同様に複合繊維を製造した。結果を表―1に示す。このフィラメントを経糸及び緯糸に用いて平織物とし、100メッシュのスクリーン紗を得た。製織工程での毛羽やフィブリルの発生は無く良好であった。しかしこのスクリーン紗を用いセラミック含有ペーストを印刷した結果、100回程度印刷したところで鞘剥がれが発生し、使用不可能となった。 【0032】<比較例3、比較例4>鞘成分比、島成分比を表1に示すごとく変更したこと以外は、実施例1と同様に複合繊維を製造した。結果を表1に示す。 【0033】 【表1】
【0034】本発明により得られる複合繊維は強度及び弾性率に優れ、線径変動率も4%未満のものであり、鞘成分と芯成分の剥離、脱落は生じていなかった。製織工程も問題無く、性能の優れたものが得られた。一方、比較例3は強度、弾性率は良好であるが、線径変動が大きく、要求品質を満たすものではなかった。また比較例4は鞘成分比が大きいため、繊維の強度は低いものとなった。かかる繊維は製織工程で断糸トラブルが発生した。 【0035】 【発明の効果】本発明によれば、製織性が良好で高強力を有し、かつ耐久性、耐熱性、耐薬品性に優れた複合繊維及びメッシュクロスを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001085 【氏名又は名称】株式会社クラレ
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| 【出願日】 |
平成12年6月30日(2000.6.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−13030(P2002−13030A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−198570(P2000−198570) |
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