| 【発明の名称】 |
廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐伯 主税
【氏名】鈴木 哲雄
【氏名】大隅 研治
【氏名】石川 守
【氏名】磯崎 昭夫
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| 【要約】 |
【課題】廃銅製品からアルミニウム分を破砕方式によって分離回収する際、分離されたアルミニウム分に銅や鉄などの他の金属分が不純物として実質量混入されないようにした、廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法を提供することを目的とする。
【解決手段】銅材に対しAA乃至JIS 規格に規定されるAl純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金材が接合された廃銅製品からアルミニウム分を分離回収して、アルミニウム合金展伸材用の溶解用原料としてリサイクルする方法であって、廃熱交換器を破砕し、生じた破砕片からアルミニウム細片を分離選別した後、20%以上の濃硝酸水溶液により洗浄することによって、このアルミニウム細片のみを溶解した際の成分組成が前記AA乃至JIS 規格を満足するように、銅を始めとする他の金属分を除去することである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 銅材に対しAA乃至JIS 規格に規定されるAl純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金材が接合された廃銅製品からアルミニウム分を分離回収して、アルミニウム合金展伸材用の溶解用原料としてリサイクルする方法であって、廃銅製品を破砕し、生じた破砕片からアルミニウム細片を分離選別した後、20%以上の濃硝酸水溶液により洗浄することによって、このアルミニウム細片のみを溶解した際の成分組成が前記AA乃至JIS 規格を満足するように、銅を始めとする他の金属分を除去することを特徴とする廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法。 【請求項2】 前記廃銅製品が銅管に対しアルミニウムフインが接合された廃熱交換器である請求項1に記載の廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、銅管に対しアルミニウムフインが接合された廃熱交換器などの廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】周知の通り、家庭用乃至業務用の空調機 (エアコン、クーラー) には、冷媒乃至熱媒を通す銅管と、この銅管に接合されて室内の空気との接触面積を増加させて熱交換効率を増大させるためのアルミニウムフインとが組み合わされた熱交換器が汎用されている。 【0003】近年、自動車や家電製品などのリサイクルの一貫として、これらの使用済みの廃熱交換器のリサイクルも社会的な課題となっている。 【0004】自動車や家電製品などをリサイクルする場合、これらは多くの異種材料から構成されているために、そのまま一体乃至一括での処理は難しく、まず部材を構成する材料毎に各々分離、選別したのち、各材料毎に破砕して、各々の材料素材の溶解原料などとして再利用するのが一般的である。したがって、廃熱交換器をリサイクルする場合にも、銅管とアルミニウムフインとの異種金属材料が混在しているために、廃熱交換器を構成する銅管とアルミニウムフインとを、まず人手によって分離、分別したのち破砕して、各々の材料毎に各素材の溶解原料などとして用いるのが一般的である。 【0005】ただ、廃熱交換器から銅とアルミニウムとを人手によって分離する方法では効率が悪く、廃熱交換器のリサイクル量の増大に対応した現実的な方法にはなり得ない。これに対し、廃熱交換器をそのまま破砕機などにより破砕することができれば、廃熱交換器のリサイクル量の増大に対応して処理の効率も上げることができる。 【0006】しかし、強固に接合された銅管とアルミニウムフインとの分離自体が困難であると認識され、廃熱交換器をそのまま破砕しても、銅管とアルミニウムフインとの分離がうまく図れないというのが、これまでの一般的な技術常識であった。 【0007】これに対して、本出願人は、特開2000-167530 号や特願平11-356049 号で、前記公開公報に記載のように、銅管に対しアルミニウムフインが接合された廃熱交換器のリサイクル方法として、銅管とアルミニウムフインが接合されたままの状態で廃熱交換器を破砕機にかけることを提案した。 【0008】この技術によれば、廃熱交換器をアルミニウム細片と銅細片とが各々分離して混在する混合破砕片となるまで十分に細かく破砕してやれば、前記技術常識に反して、フインであったアルミニウムと銅管であった銅とが細片として、互いに接合された状態で残らずに、互いに分離して混在する混合破砕片が得られる。そして、この混合破砕片からアルミニウム細片と銅細片とを各々分離選別すること容易であり、分離後のこれら細片を、各々、元々のアルミニウムフィン用のアルミニウム材などのアルミニウムおよび元々のリン脱酸銅などの銅管用の溶解用原料として用いることができる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この技術によっても、特に、アルミニウムの側の分離において、分離アルミニウム分に銅や鉄などの他の金属分が不純物として少量混入される。 【0010】このため、合金成分量の多い他の3000系、5000系、7000系(AA 乃至JIS 規格)などのアルミニウム合金展伸材用の溶解原料にはリサイクルが可能であるとしても、このアルミニウム細片のみを或いはこのアルミニウム細片を主体に溶解原料として、元のフイン材用純アルミニウム合金 (AA乃至JIS 規格に規定されるAl純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金) を溶製する場合には、混入される銅や鉄などの金属分量により、成分規格を外れる場合が生じる。 【0011】この結果、上記アルミニウム細片を、前記Al純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金の溶解原料とする場合には、他に多量のアルミニウム地金の添加を必要とすることとなる。これでは、前記廃熱交換器に元々使用されていた純アルミニウム合金フイン材 (純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金) を、元のアルミニウムフイン材に効率良くリサイクルできないことを意味する。そして、リサイクルの効率を考慮するならば、実際問題としては、よりアルミニウム純度が低く合金成分量の多い他の合金系にしかリサイクルできないことも意味する。 【0012】しかして、前記廃熱交換器に元々使用されていた純アルミニウム合金フイン材をよりアルミニウム純度の低い合金系にリサイクルすることも、一応のリサイクルではあるものの、スクラップアルミニウムを、品位を落とさずに、元々使用されていた用途に再使用するという、本来のリサイクルの意義が失われる。 【0013】前記技術において、アルミニウム細片に銅や鉄などの他の金属分が不純物として少量混入される理由は、前記廃熱交換器の破砕の際に、アルミニウム細片と銅細片とが各々分離して混在する混合破砕片となるまで十分に細かく破砕するために、破砕機の種類にもよるが、アルミニウム細片と銅細片や他の鉄などの金属細片とが破砕中に擦れ合うことによる。この破砕中の擦れ合いが生じた場合、比較的硬度が低いアルミニウム細片表面に、銅や鉄などの他の金属分 (細片や微粉状態) が擦り付くあるいは付着する。 【0014】そして、この擦り付いた銅や鉄などの他の金属分のアルミニウム細片表面への接着性はかなり強固なものである。このため、後段での選別工程での、通常この種技術分野で汎用される、磁力、比重、振動、風力などの公知の機械的な選別手段では、アルミニウム合金展伸材用の溶解用原料として許容できる不純物量以下までは、中々除去できない。 【0015】また、銅や鉄などの他の金属分が擦り付いたアルミニウム細片を、更に、破砕して細かくし、破砕中や破砕後の前記機械的な選別手段で、他の金属分を分離除去することも考えられる。しかし、前記他の金属分のアルミニウム細片表面への接着性の強固さから、この方法によっても、アルミニウム合金展伸材用の溶解用原料として許容できる不純物量以下までは、中々分離除去できない。また、アルミニウム細片を微粉などに細かくしすぎた場合、溶解用原料として使用する際の飛散などの問題から、逆に、塊状に予め固める工程が必要となってしまい、リサイクルの工程としての実用性が損なわれる。 【0016】従って、銅管に対しアルミニウムフインが接合された廃熱交換器を始め、銅材に対しAl純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金材が接合された廃銅製品からアルミニウム分を前記破砕方式によって分離回収する方法において、溶解用原料として前記アルミニウム合金規格を満足するために、破砕方式や破砕機の種類に関わらず、分離された溶解用原料アルミニウム分に、銅や鉄などの他の金属分が不純物として実質量混入されないようにする改善が強く求められていたものである。 【0017】因みに、アルミニウム合金鋳物などの溶解用原料としてリサイクルする場合には、鋳物の合金成分のAA乃至JIS 規格からして、前記銅や鉄などの他の金属分が実質量混入することは許容され、除去する必要は全くない。したがって、このアルミニウム細片表面へ擦り付いた銅や鉄などの他の不純物金属分の問題は、圧延、押出、鍛造などの塑性加工を伴う、前記Al純度99.00%以上の純アルミニウム合金展伸材の溶解用原料特有の問題である。 【0018】本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、廃銅製品からアルミニウム分を破砕方式によって分離回収する際、分離されたアルミニウム分に銅や鉄などの他の金属分が不純物として実質量混入されないようにした、廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法を提供しようとするものである。 【0019】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、本発明リサイクル方法の請求項1の要旨は、銅材に対しAA乃至JIS 規格に規定されるAl純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金材が接合された廃銅製品からアルミニウム分を分離回収して、アルミニウム合金展伸材用の溶解用原料としてリサイクルする方法であって、廃銅製品を破砕し、生じた破砕片からアルミニウム細片を分離選別した後、 20%以上の濃硝酸水溶液により洗浄することによって、このアルミニウム細片のみを溶解した際の成分組成が前記AA乃至JIS 規格を満足するように、銅を始めとする他の金属分を除去することである。 【0020】銅や鉄などの他の金属分が擦り付いた上記アルミニウム細片を、20% 以上の濃硝酸水溶液により洗浄した場合、アルミニウム細片側は溶解されずに、銅、鉄、亜鉛、マンガンなど、アルミニウムフィン用純アルミニウム系合金にとっての成分規格上の不純物金属のみが溶解されて、アルミニウム細片から効率よく除去乃至分離される。 【0021】なお、本発明で、アルミニウム細片のみを溶解した際の成分組成が前記AA乃至JIS 規格を満足するとは、溶解の際に混入される不純物金属量が、前記規格に規定される各々の上限値を越えないと言う意味である。因みに、アルミニウム細片のみを溶解した際に、前記規格に規定される合金元素の各々の下限値を下回った場合は、当該合金元素を通常の溶解工程と同様に添加すれば事足りるため、本発明では、前記AA乃至JIS 規格を外れるとは規定しない。 【0022】 【発明の実施の形態】(濃硝酸水溶液洗浄)前記した通り、本発明では、アルミニウムを溶解せず、銅、鉄、亜鉛、マンガンなどの不純物金属だけを溶解させるために、洗浄濃硝酸水溶液の濃度は20%(vol%以下同じ))以上とする。 【0023】硝酸濃度が20% 未満の場合、洗浄水溶液の、銅、鉄、亜鉛、マンガンなどの不純物金属の溶解力が弱くなり、強固に擦り付いたこれら金属分を、アルミニウム細片表面から、実用的な短時間の工程で溶解除去することができない。このため、洗浄アルミニウム細片のみを溶解した際の成分組成が、AA乃至JIS規格に規定されるAl純度99.00% (質量% ) 以上の1000系アルミニウム合金規格を満足できなくなる。 【0024】一方、濃硝酸水溶液の濃度が高いほど、前記溶解力は高くなるため、この点からの濃硝酸水溶液の濃度の上限は特に規定しないが、廃液処理の問題や作業環境面を考慮すると、50% 以下とすることが好ましい。 【0025】なお、この硝酸水溶液以外に、この種洗浄用の薬液としては、リン酸、硫酸、塩酸などの酸水溶液、カセイソーダなどのアルカリ水溶液などがある。しかし、アルミニウムはこれら洗浄用の薬液に対して全て溶解しやすく、アルミニウムの溶解量が増して、リサイクル量が減り、リサイクル自体の意味が失われる。また、アルミニウム細片にとっての主たる除去対象不純物である銅は、塩酸、カセイソーダなどのアルカリ水溶液には溶解しない。このため、硝酸水溶液以外の薬液は、本発明の目的からして使用できない。 【0026】(アルミニウムの分別回収)一方、この濃硝酸水溶液洗浄に入る前に、廃空調機、廃給湯器、風呂釜などにおける廃熱交換器などの廃銅製品からアルミニウムを分別回収し、溶解原料とするためには、廃銅製品からのスクラップアルミニウムの分別回収がまず必要である。このスクラップアルミニウムの分別回収には、混入する不純物量を低減するための、重要な工程があるので、以下に詳細に説明する。 【0027】前記廃銅製品から、スクラップアルミニウムやスクラップ銅を得る場合、廃銅製品を複合材として構成している他の金属材である、鉄材 (鋼材を含む) 、真鍮材、ろう材および廃銅製品内 (例えば廃空調機の銅管内など) に含まれる油分や冷媒ガスは、選別分離後のスクラップ銅細片に混入されると、溶解用原料としての異物となり、溶湯の品質を低下させ、鋳造されるアルミニウム材や銅材 (鋳造材やその後の展伸材) の品質や商品価値を失わせる問題がある。また、発煙や発生ガスなど、溶解工程自体を困難とする問題もある。 【0028】したがって、これらの異物は、本発明の酸化処理工程や還元処理工程の負荷を減らすためにも、異物の種類や量に応じて、選択的に除去する前処理が必要である。この異物除去処理は、廃銅製品を構成する他の主要金属部材との分離工程において行うのが効率的である。 【0029】(破砕工程)廃銅製品から、本発明におけるスクラップ銅やスクラップアルミニウムの細片を得るために、まず、前記分離後の廃銅製品を破砕する。 【0030】この際に、廃銅製品を、銅およびアルミニウムと他の金属が接合されたままの状態で破砕して、分離促進の観点から、スクラップ銅細片と、他の金属片や樹脂片とが各々分離して混在する混合破砕片となるまで、細かく破砕することが好ましい。廃銅製品を細かく破砕し、各粒子の寸法を均一化する (同じサイズとする) ほど、風力選別などの密度差により選別する場合に、各粒子の重量差が生じやすく他の主要金属部材との分離が促進される。このための、細片化の一つの目安は細片一個当たりの最大長さを平均で10cm以下の細片に破砕することである。 【0031】破砕手段は、引き裂き作用による破砕機、カッターミルなどの切断や剪断による破砕機、また、リングハンマ破砕機などの衝撃式破砕機など、公知の破砕機や粉砕機などが適宜使用可能である。 【0032】ただ、平均粒径が10mm以下の均一な鱗片状の前記混合粉を得るためには、この破砕の段階でも、長片形状の細片よりは、均一な鱗片形状の混合破砕片が得られるような破砕手段と条件を選択することが特に好ましい。 【0033】この点、特開平10-137617 号公報や特開平11-290834 号公報などに記載された引き裂き作用による破砕機を用いれば、均一な鱗片形状の混合破砕片が得られやすい。この破砕機を用いると、廃風呂釜や廃石油炊き給湯器など、亜鉛やハンダなどの厚メッキが施されている場合に、破砕機の引き裂き作用により、これらのメッキを銅から効率よく剥離除去する効果も期待できる。 【0034】この引き裂き作用による破砕機は、破砕室内中央に回転羽根車を配し、この回転羽根車を囲む位置に複数枚の円弧状破砕刃を所定間隔で並列に設けた基本構造をしている。このため、前記回転羽根車と円弧状破砕刃との協働による引き裂き作用を有し、平均粒径が10mmよりは大きいが、前記均一な鱗片形状の混合破砕片が得られる。 【0035】(磨り潰し工程)また、前記混合破砕片は、引き続き、砥石、ミル、回転ローラーミルなど、公知の適宜の磨り潰し手段により磨り潰し、平均粒径が10mm以下の均一な鱗片状の混合細片としても良い。 【0036】(選別工程)そして、このような、銅およびアルミニウムスクラップ銅と他の金属や樹脂とが各々分離して混在する混合細片となった後は、この混合細片は、前記破砕乃至磨り潰し工程中で、あるいは前記破砕乃至磨り潰し工程後に、風力選別手段、或いは、色調選別手段 (選別対象の色調を波長により識別する) で、スクラップ銅細片、アルミニウムスクラップ細片、および他の金属などの不純物細片乃至粉とに各々分離選別する。 【0037】他に、比重、磁力等の公知の選別手段を適宜使用乃至併用しても良いが、平均粒径が10mm以下の均一な鱗片状の混合細片からのスクラップ銅細片、アルミニウムスクラップ細片、他の金属細片乃至粉などの不純物との分離には、前記風力選別手段が最も効率的である。このため、選別の主体には風力選別手段を用いることが好ましい。 【0038】そして、この分離されたアルミニウム細片と銅細片とは、アルミニウム細片は前記洗浄処理を施した上で、各々の展伸材用の溶解用原料に各々用いることができる。これらは細片化されているので、溶解速度が早くなり、溶解歩留りが向上するなどの、溶解原料としての利点も有する。 【0039】本発明では、前記洗浄処理により、洗浄後のアルミニウム細片は、洗浄アルミニウム細片のみを溶解した際の成分組成が、AA乃至JIS 規格に規定されるAl純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金規格を満足する。このため、前記廃熱交換器であれば、このスクラップアルミニウムだけを溶解原料として使用して、元々のアルミニウムフィン材用の純アルミニウム合金系展伸材を製造できる。 【0040】勿論、元々のアルミニウム合金の溶解用原料に必ず戻す必要は全くなく、必要があれば、またリサイクルの本来の意味を失わない範囲で、3000系など他のアルミニウム合金系の溶解用原料や不純物の希釈用溶解原料として使用することもできる。なお、銅細片の場合も同様であって、元々の銅管材用のリン脱酸銅や、それ以外の銅乃至銅合金展伸材用の溶解用原料に各々用いることができる。 【0041】 【実施例】次に、本発明方法の実施例を説明する。廃銅製品として、JIS 1200規格のアルミニウムフイン材を用いた同じタイプの複数の廃空調機より、プラスチック製や鋼製の枠体を除去し、熱交換器と、機内配管部材とキット材部材を含む冷媒配管部材とを分離した。更に、熱交換器と冷媒配管部材とから、溶解用原料として用いる場合の異物を除去した、熱交換器塊と冷媒配管部材群を各々別個に準備した。なお、異物の除去について、鉄材は鉄製の枠材、支え板、締結具等、真鍮材は真鍮ネジ等、ろう材や油分および冷媒ガスは銅管のU ベンド部等を各々除去することにより行った。 【0042】そして、これら熱交換器塊と冷媒配管部材群を合計で約1100Kg、そのまま前記特開平10-137617 号公報や特開平11-290834 号公報などに記載された引き裂き作用による破砕機にかけ破砕するとともに、磁力選別機にかけて鉄分を分離し、平均粒径が10mm以下の均一な鱗片形状の混合 (銅、アルミニウム、樹脂を主体とする) 破砕細片を得た。 【0043】その後、風力選別により、この混合細片から、銅細片、他の金属細片や樹脂などの不純物細片乃至粉を分離選別して、前記アルミニウムフイン材の溶解用のアルミニウム細片を得た。 【0044】そして、この溶解用のアルミニウム細片を、表1 に示すように、濃硝酸の濃度を変えた水溶液で洗浄して、アルミニウムを溶解せずに、銅、鉄、亜鉛、マンガンなど、成分規格上の不純物金属だけを溶解させることを試みた。洗浄後のアルミニウム細片は水洗乾燥した。 【0045】これらのアルミニウム細片を各々用いて、アルミニウム合金を溶製すべく大気溶解試験を行い成分の測定を行った。そして、アルミニウムフイン用のJIS 1200規格相当(JIS規格よりも若干厳しいという意味) とJIS 1M30規格相当と比較し、成分組成の評価を行った。また、比較のために、水洗のみで、濃硝酸水溶液で洗浄しない例の大気溶解試験 (比較例No.6) も行った。これらの溶製したアルミニウム合金の成分測定結果を、前記JIS 規格相当の成分規格とともに、表1 に示す。 【0046】表1 から明らかな通り、硝酸濃度が30、40% と本発明要件を満足する濃硝酸水溶液で洗浄したアルミニウム合金を溶解用原料として用いた発明例No.2、3 は、Al純度99.00%以上のアルミニウムフイン用のJIS 1200規格相当とJIS 1M30規格相当を両方とも満足している (JIS 1M30規格相当より下限に外れているTi量は前記した通りTi添加により別途調整可能) 。ただ、硝酸濃度が20% と本発明で規定する下限値の濃硝酸水溶液で洗浄したアルミニウム合金を溶解用原料として用いた発明例No.1は、不純物金属含有量が比較的高く、JIS 1M30規格相当の方は満足するものの、JIS 1200規格相当からはMn量などが高めに外れている。 【0047】これに対し、表1 から明らかな通り、濃度が20% 未満の本発明要件を外れる濃硝酸水溶液で洗浄したアルミニウム合金を溶解用原料として用いた比較例No.4、5 および濃硝酸水溶液で洗浄しなかった比較例No. 6 は、特に銅、鉄などの含有量が、Al純度99.00%以上のアルミニウムフイン用のJIS 1200規格相当とJIS 1M30規格相当から、いずれも外れている。したがって、これらの結果から、本発明で規定する濃硝酸水溶液の硝酸濃度20% と濃硝酸水溶液洗浄の技術的な意義が明らかである。 【0048】 【表1】
【0049】 【発明の効果】以上説明したように、本発明リサイクル方法によれば、廃銅製品からアルミニウム分を破砕方式によって分離回収する際、分離されたアルミニウム分に、AA乃至JIS 規格での前記Al純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金規格を満足するように、銅や鉄などの他の金属分が不純物として実質量混入されないようにしたリサイクル方法を提供することができる。したがって、実際に現時点で大量に使用されている廃銅製品から、高純度のアルミニウム展伸材などへのリサイクルを可能にする点で、工業的な価値が大きい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001199 【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
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| 【出願日】 |
平成12年12月5日(2000.12.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089196 【弁理士】 【氏名又は名称】梶 良之
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| 【公開番号】 |
特開2002−173717(P2002−173717A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月21日(2002.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−369762(P2000−369762) |
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