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【発明の名称】 電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱およびその製造方法
【発明者】 【氏名】宮内 義浩

【氏名】木津 嘉弘

【要約】 【課題】マンガン系合金鉄の原料原単位および電力原単位を向上し、また生産性を向上することを目的として、電気炉操業に適した電気伝導性を有するマンガン含有焼結鉱およびその製造方法を提案する。

【解決手段】電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱を、質量比で、造滓成分としてCaO:5〜18%、Al2O3 :10%以下、MgO:4%以下、SiO2:4〜12%の範囲で含有するとともに、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)が0.8〜2.7の関係を満足するものとする。なお、金属成分として、質量比でMn:35〜60%、Fe:3〜20%を含有し、また、これに加えてMnO2:18%以上を含有することが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 質量比で、造滓成分としてCaOを5〜18%、Al2O3を10%以下、MgOを4%以下、SiO2を4〜12%含有するとともに、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)が0.8〜2.7の関係を満足することを特徴とする電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱。
【請求項2】 金属成分として、質量比でMnを35〜60%、Feを1〜20%含有することを特徴とする請求項1記載の電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱。
【請求項3】 質量比でMnO2を18%以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載の電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱。
【請求項4】 金属源鉱石の造滓成分の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)の質量比を計算し、該質量比に応じて、製品焼結鉱の造滓成分が、質量比で、CaOを5〜18%、Al2O3を10%以下、MgOを4%以下、SiO2を4〜12%含有するとともに、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)が0.8〜2.7の関係を満足するように金属源鉱石および造滓剤の配合を定めて焼成することを特徴とする電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱の製造方法。
【請求項5】 金属源鉱石の粒度構成を5mm超が45%未満、1〜5mmが40%以上、1mm未満が15%以上とするとともに、コークスの粒度構成を0.5〜5mmが80%以上、かつ造滓剤の粒度構成を1mm未満が50%以上となるように調整することを特徴とする請求項4記載の電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気炉製錬によるマンガン系合金鉄の製造に供されるマンガン含有焼結鉱およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マンガン系合金鉄は、原料鉱石(焼結鉱も含む)と炭素系還元材とを電気炉に装入し、これら装入物中に電極を挿入、通電加熱して高温状態となし、原料鉱石と炭素系還元材とを反応させることによって製造する。この際、電気炉の操業状態を安定維持して原料原単位および電力原単位を低く押さえることが必要である。
【0003】電気炉操業の安定性、ひいては原料原単位および電力原単位は、原料鉱石の性状、すなわち、その還元過程での電気伝導性、通気性、還元反応によって生成する溶融スラグの粘性等により左右される。なかでも、還元過程での電気伝導性は極めて重要である。すなわち、電気炉製錬の場合には、先ず原料鉱石を電極間の抵抗加熱により溶融状態とし、さらに還元温度(1300〜1500℃)に昇温しなければならないが、原料鉱石の電気抵抗が小さい場合には、電極直下およびその周辺の温度を上げることができず、還元反応が停滞し、さらには生成したスラグの温度が上がらず、スラグの流動性が低下してメタルとスラグの分離性が悪化するなど、電気炉操業の安定性が損なわれる。逆に、原料鉱石の電気抵抗が大きい場合には、原料鉱石を溶融状態とするために必要以上の電力を要してしまう。したがって、電気炉操業の安定には、原料鉱石の電気伝導性を最適に制御する必要がある。
【0004】原料鉱石が、塊鉱石(いわゆる生鉱)のみからなる場合には、過去の操業実績などから、銘柄ごとの電気伝導性が把握できるので、電気伝導性の悪い鉱石の使用量を制限することにより電気炉操業の安定性を維持することができる。しかし、現実の電気炉操業においては、装入原料鉱石のうち焼結鉱の占める割合は通常30〜50%に達しており、したがって焼結鉱の電気伝導性が電気炉操業に及ぼす影響は極めて大きい。
【0005】しかしながら、かかる焼結鉱は、種々の性状をもつ生鉱を配合し、これを焼結して作られるものであり、原料事情の影響を受け、焼結原料の配合が頻繁に変動する。そのため、原料鉱石として焼結鉱を使用する場合は、生鉱のみを使用する場合と異なり、過去の経験を活かして配合を定めて電気炉操業の安定を図ることができない。すなわち、原料鉱石として焼結鉱を使用する場合は、電気炉装入に当たって、原料鉱石の電気伝導性を事前に把握して操業を安定化することができない。
【0006】それにもかかわらず、電気炉でのマンガン系合金鉄の製造においては、原料事情に制約されて電気炉装入原料鉱石の30〜50%を焼結鉱とせざるを得ない。したがって、焼結鉱を製造する段階で優れた高温特性を有するように作り込む技術が必要になる。しかしながら、従来の焼結鉱の製造技術は、粉鉱石の焼結性と、電気炉装入原料の化学成分の調整の観点から粉鉱石配合を決定していたに過ぎない。したがって、その高温性状、特に電気伝導性を無視して電気炉製錬に使用していたため、焼結鉱の大量使用が原因で電気炉操業が不安定になる場合があった。
【0007】かかる焼結鉱の特性について調査した報告には、焼結鉱の組成を掲げたものとして、例えば、フェロアロイNo.14, 1962 p.69〜73, フェロアロイNo.17, 1962p.23〜24、フェロアロイvol.13, No.6, 1964 p.251〜261があり、高炭素フェロマンガン製造用原料の特性調査結果を示すものとして、フェロアロイNo.17, 1962 p.25〜32がある。また、8th International Ferroalloys Congress Proceedings (The Proceedings of INFACON 8) June 7-10, 1998 Beijing, China p.227Table 2には高炉に装入する焼結鉱の化学組成について記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの調査報告のうち前3者は、従来の一般的な焼結鉱の化学組成を示しているに過ぎず、また、The Proceedings of INFACON 8に掲載されている組成も高炉に装入される焼結鉱の組成を示しているに過ぎず、電気炉操業における高温性状について示唆するところがない。このように、電気炉製錬用のマンガン焼結鉱に関しては、その知見が全くない。
【0009】このような理由から、電気伝導性を含む高温特性の優れた焼結鉱の製造技術の指標を確立することが強く求められている。本発明は、上記現状を背景としてなされたものであって、マンガン系合金鉄の原料原単位および電力原単位を向上し、また生産性を向上することを目的として、電気炉操業に適した電気伝導性を有するマンガン含有焼結鉱およびその製造方法を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために本発明者がすでに提案した熱間電気抵抗測定装置を用いて、種々のマンガン焼結鉱の電気伝導性を評価した結果、マンガン焼結鉱の組成と電気伝導性との間には一定の関係が存在し、組成が下記の条件を満たす焼結鉱であれば、電気炉操業が安定することを発見し、その製造方法を確立して本発明を完成した。
【0011】具体的には、本発明の電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱は、質量比で、造滓成分としてCaOを5〜18%、Al2O3を10%以下、MgOを4%以下、SiO2を4〜12%含有するとともに、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)が0.8〜2.7の関係を満足するものであり、さらに、金属成分として、質量比でMnを35〜60%、Feを3〜20%含有し、また、これに加えてMnO2を18%以上含有することが好ましい。
【0012】上記電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱を製造するに当たっては、金属源鉱石の造滓成分の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)の質量比を計算し、該質量比に応じて、製品焼結鉱が、質量比で、CaOを5〜18%、Al2O3を10%以下、MgOを4%以下、SiO2を4〜12%含有するとともに、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)が0.8〜2.7の関係を満足するように金属源鉱石および造滓剤の配合を定めて焼成するのがよい。
【0013】また、上記焼結鉱の製造に当たって、金属源鉱石の粒度構成を5mm超が45%未満、1〜5mmが40%以上、1mm未満が15%以上とするとともに、コークスの粒度構成を0.5〜5mmが80%以上、かつ造滓剤の粒度構成を1mm未満が50%以上となるように調整することが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、種々の焼結鉱について見かけ電気伝導度がコークスの見かけ電気伝導度を上回る温度と焼結鉱の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+ Al2O3)との関係を示す。図1から明らかなように、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+ Al2O3)が0.8〜2.7の範囲にあるとき、焼結鉱の見かけ電気伝導度が1300〜1500℃の間においてコークスの見かけ電気伝導度を上回っている。
【0015】すでに特願平11-350817において明らかにしたように、1300〜1500℃の間において、見かけ電気伝導度が炭素系還元材の見かけ電気伝導度を上回る原料鉱石(焼結鉱を含む)を主として用いる場合には、電気炉操業が安定し、電力原単位が下がり、Mn歩留まりが向上する。これまで、焼結鉱については、いかなる組成を有するものが電気炉装入原料として適正であるかは明らかでなかった。しかし、本発明者が行った上記評価によれば、原料鉱石の産地、造滓成分等によらず、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)が0.8〜2.7の範囲にあれば、電気炉装入鉱石として適正であると判定できる。したがって、本発明においては、第1に焼結鉱の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+ Al2O3)を0.8〜2.7と定める。
【0016】しかし、上記(CaO+1.39MgO)/(SiO2+ Al2O3)の比が上記所定値の範囲内にあるだけでは十分ではない。個々の造滓成分が電気炉における還元製錬に必要な量的関係を満たさなければならない。すなわち、CaOおよびMgOは、経済性を損なわず電気炉製錬を行う上で不可欠であり、それぞれCaOは5〜18%、MgOは4%以下とする。また、Al2O3はフェロマンガン製造時にスラグ中に移行するだけなので、少ないほど経済的に好ましく、また、10%を超えると生成するスラグの流動性が著しく悪化するので10%以下とする。SiO2はフェロマンガンを製造する場合、マンガン酸化物の還元を停滞させるので基本的には少ない方が望ましいが、生成スラグの流動性を確保するために必要であり、そのため、4〜12%の範囲内で含有させる。
【0017】上記条件を満たす焼結鉱を用いれば電気炉操業は安定するが、これに加えて、焼結鉱中の金属成分として、質量比でMnを35〜60%、Feを3〜20%含有することが望ましい。Mnの含有量が35%より少ないときには、Mnが他の成分に希釈されて還元反応が停滞するためであり、また、これら金属成分が少ないときには、相対的にスラグ量が多くなって電力原単位を悪化させるからである。一方、金属成分が多くなりすぎると、前記(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)の質量比を0.8〜2.7に調整するのが困難となるからである。
【0018】また、MnO2は18%以上であることが望ましい。ここにMnO2とは、JIS M 8233で規定されているマンガン鉱石中の活性酸素量をMnO2の含有率で表したものであるが、その量が少ないということは、原料粒子間を結合している低融点の化合物MnO・SiO2が過剰に生成されているということであり、これは焼結鉱を低温で軟化・溶融させるので、求められる適正な電気伝導性の範囲を逸脱させる原因になる。したがって、MnO2は18%以上とするのが望ましい。
【0019】本発明に係る電気炉製錬用マンガン含有焼結鉱は、マンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石と造滓成分となる石灰石、生石灰、珪石等の造滓剤を配合し、これにコークスを混じて通常の方法に従って焼結することにより得ることができる。その際、製品焼結鉱の造滓成分の量および質量比を上記のとおりにすることが必要である。そのため、本発明では、以下に述べるようにして配合を決定する。
【0020】まず、金属源となるマンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石の組成分析を行う。次に、分析結果と需給等の原料事情および製品燒結鉱の要求成分(例えば、Mn含有量)に基づき、金属源鉱石の基本的な配合割合が決定される。本発明ではその配合割合および配合鉱石の分析値に基づき、金属源鉱石の有する造滓成分の量および(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)の質量比を計算する。そして、これらの計算結果に基づき、製品焼結鉱が、質量比で、CaOを5〜18%、Al2O3を10%以下、MgOを4%以下、SiO2を4〜12%含有するとともに、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)が0.8〜2.7の関係を満足するように造滓成分となる石灰石、生石灰、珪石等の造滓剤を配合する。なお、コークスは、コークス自体を含む全原料の質量の7〜12%配合する。また、造滓剤としては上記のほかドロマイト等造滓の成分源となるものを適宜使用することができる。
【0021】実際の配合に当たっては、マンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石の造滓成分の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)の質量比に応じて、金属源鉱石および造滓剤の配合割合を次のように変えるのが合理的である。
【0022】まず、配合するマンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石の造滓成分の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)質量比が0.8〜2.7であるときは、基本的な造滓成分の関係は満足しているのであるから、造滓成分の存在量(絶対量)のみを調整すればよい。ただし、コークスのアッシュ成分であるSiO2とAl2O3を考慮する必要がある。そのため、マンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石を合計でコークスを含む全原料の質量の78〜93%配合し、これに造滓成分の不足分を石灰石、生石灰、珪石等を10%以下添加して補えばよい。この場合においても、コークスはコークス自体を含む全原料の質量の7〜12%配合する。
【0023】配合するマンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石の造滓成分の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)の質量比が0.8未満であるときは、CaO、MgO等の塩基性成分が不足している。したがって、まず、これらを添加して添加後の配合原料の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)の質量比を0.8〜2.7に調整する。具体的には、質量比で、マンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石を合計でコークスを含む全原料の質量の68%以上、93%未満配合し、石灰石、生石灰等を20%以下配合すればよい。なお、コークスは、コークス自体を含む全原料の質量の7〜12%配合する。
【0024】一方、配合するマンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石の造滓成分の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)質量比が2.7を超えるときは、SiO2などの酸性成分が不足しているのであるから、これらを添加して添加後の配合原料の(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)の質量比を0.8〜2.7に調整する。具体的には、質量比で、マンガン鉱石、鉄鉱石等の金属源鉱石を合計でコークスを含む全原料の質量の78%以上、93%未満、珪石等を10%以下、コークスをコークス自体を含む全原料の質量の7〜12%配合する。
【0025】上記配合において、コークスはコークス自体を含む全原料の質量の7〜12%を配合することとしているが、これは、その配合量が7%を下回ると焼結に必要な熱量が不足して焼結鉱の生産性が著しく低下し、また、12%を超えると熱量過多となってマンガン焼結鉱中のMnO2量が減少して低温で軟化・溶融するので、電気炉装入原料として不適切なものとなってしまうからである。
【0026】本発明の焼結鉱の製造に当たっては、基本的には上記配合に留意すればよいが、さらに以下に示すように原料の粒度構成に注意を払うことが、製品焼結鉱の生産性、均一性、保存性等の面から望ましい。
【0027】まず、金属源鉱石の粒度構成を5mm超が45%未満、1〜5mmが40%以上、1mm未満が15%以上とするとともに、コークスの粒度構成を0.5〜5mmが80%以上とする。これは、原料鉱石の特性にもよるが、焼結の際に一定の通気性を維持してコークスの燃焼を維持しながら焼結反応を進めるためである。一方、石灰石、生石灰等の造滓剤の粒度構成は、1mm未満が50%以上となるように調整する。これは、焼結時の反応をより均一に進めるとともに、(CaO+1.39MgO)/(SiO2+Al2O3)比が2.7近傍まで高くなってもマンガン鉱石等を均一に反応させて、製品焼結鉱が空気中の水分等によりふけを起こすことを防止するためである。
【0028】
【実施例】表1に示す種々の金属源鉱石を表2に示すように配合して焼結鉱を製造し、その性状を測定した。測定は熱間電気抵抗測定装置を用い、1100℃から1600℃の間で焼結鉱の見かけ電気伝導度を測定し、同一の条件で測定したコークスの電気伝導度と比較して焼結鉱の見かけ電気伝導度がコークスの見かけ電気伝導度を上回る温度を測定した。測定結果は製品焼結鉱の分析値とともに表3に示した。
【0029】なお、熱間電気抵抗試験装置とは、本発明者が先に特願平11-350817号においてその概略を示し、さらに特願2000-240250においてその構造を詳細に開示している電気炉装入原料の評価試験装置である。試験条件は以下のとおりである。
試料焼結鉱の粒度:3〜5mm試料焼結鉱の層厚:50mm試料焼結鉱への荷重:20kPa電気抵抗測定周波数:1kHzまた、試料焼結鉱には、粒度3〜5mmのコークスを質量比で10%混合して電気炉内の状態に近似させた。昇温速度は1000℃までは10℃/min、それ以上は3℃/minとし、雰囲気ガスとしてN2ガスを3 l/minの割合で流した。なお、電極面積は6.15cm2とした。
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

【0032】
【表3】

【0033】表1に示した金属源鉱石に、造滓剤とコークスを表2に示す割合で配合して製造した表3に示す特性値を有する焼結鉱をフェロマンガン製造原料として電気炉操業を行った。いずれの操業においても、焼結鉱を装入原料鉱石の40%、生鉱石を60%使用し、スラグ組成のCaO/SiO2の比が同一となるように配合を組んだ。なお、生鉱石はすべて電気炉装入原料の評価試験により、電気炉装入適正原料と評価されたものである。
【0034】上記の電気炉操業の結果、発明例である試験No.1〜9の焼結鉱を装入した場合には、電気炉操業は安定し、電極の浮き等は観察されなかった。しかしながら、比較例である試験No.10、11、14および15の焼結鉱を装入した場合は、明らかに電極が浮き、Mn収率が低下、電力原単位および鉱石原単位が悪化した。また、試験No.12、13の焼結鉱を使用した場合は、造滓成分の増加により、Mn収率および鉱石原単位が僅かに悪化した。一方、電力原単位は、スラグ生成量の増加に加えて、スラグ温度が上昇したため、明らかに悪化が認められた。
【0035】以上本発明を主としてフェロマンガンの製造について説明したが、本発明はフェロマンガンの製造用の焼結鉱にしか適用できないものではなく、Mnを約35%以上含有する合金鉄、例えばシリコマンガンの製造用の焼結鉱にも適用できるものである。
【0036】
【発明の効果】本発明者は、電気炉装入原料である焼結鉱の特性についてその溶融・還元温度における電気伝導性の面から検討し、電気炉装入原料として適切な性状を有する焼結鉱を製造する方法を提供した。したがって、本発明の方法によって製造した焼結鉱を電気炉装入原料とすることにより、電気炉操業を安定させ、Mn収率を向上させるとともに、電力原単位、鉱石原単位を低減させることができる。
【出願人】 【識別番号】391021765
【氏名又は名称】日本電工株式会社
【出願日】 平成12年10月6日(2000.10.6)
【代理人】 【識別番号】100108176
【弁理士】
【氏名又は名称】白木 大太郎
【公開番号】 特開2002−115014(P2002−115014A)
【公開日】 平成14年4月19日(2002.4.19)
【出願番号】 特願2000−307004(P2000−307004)