| 【発明の名称】 |
真空脱ガス装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】常深 武彦
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| 【要約】 |
【課題】耐熱性および耐熱衝撃性に優れる真空脱ガス装置を提供すること。
【解決手段】減圧装置に接続され内部を減圧できるよう構成された脱ガス槽10と,脱ガス槽10の底部12に設けられた複数本の浸漬管21,22とを有し,浸漬管21,22を取鍋3内の金属溶湯3に浸漬して一方の浸漬管21から金属溶湯8を脱ガス槽3内部に導入して脱ガスした後他方の浸漬管22から取鍋3に戻すよう構成されている。脱ガス槽10及び浸漬管21,22は,カーボン材料より構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 減圧装置に接続され内部を減圧できるよう構成された脱ガス槽と,該脱ガス槽の底部に設けられた複数本の浸漬管とを有し,該浸漬管を取鍋内の金属溶湯に浸漬して一方の浸漬管から金属溶湯を上記脱ガス槽内部に導入して脱ガスした後他方の浸漬管から上記取鍋に戻すよう構成された真空脱ガス装置において,上記脱ガス槽及び上記浸漬管は,カーボン材料より構成されていることを特徴とする真空脱ガス装置。 【請求項2】 請求項1において,上記脱ガス槽の内面又は外面の少なくとも一部分は,熱分解炭素又はガラス状炭素により被覆してあることを特徴とする真空脱ガス装置。 【請求項3】 請求項1又は2において,上記浸漬管の内面又は外面の少なくとも一部分は,熱分解炭素又はガラス状炭素により被覆してあることを特徴とする真空脱ガス装置。 【請求項4】 請求項1又は2において,上記浸漬管の内面又は外面の少なくとも一部分はSiCにより被覆してあることを特徴とする真空脱ガス装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【技術分野】本発明は,金属製品の製造過程において金属溶湯の脱ガス処理を行うための真空脱ガス装置に関する。 【0002】 【従来技術】金属製品の製造過程においては,金属溶湯中に含まれている水素,酸素等の品質に有害なガスを除去する脱ガス処理が行われる。脱ガス処理法としては,種々の方法があるが,その一つとして,溶融金属を取鍋と真空容器との間を循環させる真空循環脱ガス法(RH法)が広く利用されている。 【0003】この真空循環脱ガス法を実施する装置としては,後述する図1に示すごとき,真空脱ガス装置1がある。この真空脱ガス装置1は,同図に示すごとく,脱ガス槽10と,脱ガス槽10の底部に設けられた2本の浸漬管21,22とを有し,該浸漬管21,22を取鍋内3の金属溶湯8に浸漬して一方の浸漬管21から金属溶湯8を上記脱ガス槽10内部に導入して脱ガスした後他方の浸漬管22から取鍋3に戻すよう構成されている。 【0004】 【解決しようとする課題】ところで,従来の真空脱ガス装置においては,次のような問題がある。すなわち,上記脱ガス槽及び浸漬管としては,高温の金属溶湯と接するので,耐火物で内張りされた鋼製のものが利用されている。しかしながら,上記脱ガス槽及び浸漬管の耐熱性及び熱衝撃性は必ずしも十分であるとは言えなかった。そして,従来よりも耐熱性および耐熱衝撃性を有する真空脱ガス装置の開発が望まれていた。 【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,耐熱性および耐熱衝撃性に優れる真空脱ガス装置を提供しようとするものである。 【0006】 【課題の解決手段】請求項1の発明は,減圧装置に接続され内部を減圧できるよう構成された脱ガス槽と,該脱ガス槽の底部に設けられた複数本の浸漬管とを有し,該浸漬管を取鍋内の金属溶湯に浸漬して一方の浸漬管から金属溶湯を上記脱ガス槽内部に導入して脱ガスした後他方の浸漬管から上記取鍋に戻すよう構成された真空脱ガス装置において,上記脱ガス槽及び上記浸漬管は,カーボン材料より構成されていることを特徴とする真空脱ガス装置にある。 【0007】本発明において最も注目すべき点は,上記脱ガス槽及び上記浸漬管を上記カーボン材料より構成したことである。上記カーボン材料は,例えば,黒鉛に代表されるような炭素を用いた材料である。さらに具体的には,等方性黒鉛材料やC/Cコンポジット等がある。 【0008】次に,本発明の作用効果につき説明する。本発明の真空脱ガス装置においては,上記脱ガス槽及び上記浸漬管の素材として,カーボン材料を積極的に採用した。カーボン材料は,耐熱性,耐熱衝撃性に優れる。そのため,カーボン材料を用いた脱ガス槽及び浸漬管は,従来の耐火物を用いた一般的な構造の場合よりも耐熱性及び耐熱衝撃性が向上する。 【0009】次に,請求項2の発明のように,上記脱ガス槽の内面又は外面の少なくとも一部分は,熱分解炭素又はガラス状炭素により被覆してあることが好ましい。この場合には,上記脱ガス槽を構成するカーボン材料がわずかな通気性を有する場合においてもこれを遮断することができ,脱ガス槽内の真空度を高めることができる。これの被覆方法としては,例えば熱分解炭素であればCVD法,ガラス状炭素であればディッピング法がある。 【0010】また,請求項3の発明のように,上記浸漬管の内面又は外面の少なくとも一部分は,熱分解炭素又はガラス状炭素により被覆してあることができる。この場合には,上記浸漬管を構成するカーボン材料がわずかな通気性を有する場合においてもこれを遮断することができる。 【0011】また,請求項4の発明のように,上記浸漬管の内面又は外面の少なくとも一部分はSiCにより被覆することができる。この場合には,高温の金属溶湯と接触する浸漬管の耐酸化性を向上させることができ,浸漬管の耐久性を高めることができる。上記SiCよりなる皮膜としては,焼結法により得られる焼結体,化学反応を用いたもの(珪化法)あるいはCVD法(化学気相蒸着法)により得られるCVD皮膜等がある。特にCVD法によるSiC皮膜は高純度性,緻密性の点で優れる皮膜を得ることができ,さらに耐酸化性を向上させることができる。 【0012】 【発明の実施の形態】実施形態例1本発明の実施形態例にかかる真空脱ガス装置につき,図1を用いて説明する。本例の真空脱ガス装置1は,図1に示すごとく,減圧装置に接続され内部を減圧できるよう構成された脱ガス槽10と,該脱ガス槽10の底部に設けられた2本の浸漬管21,22とを有する。該浸漬管21,22を取鍋3内の金属溶湯8に浸漬して一方の浸漬管21から金属溶湯8を上記脱ガス槽10内部に導入して脱ガスした後他方の浸漬管22から取鍋3に戻すよう構成されている。そして,上記脱ガス槽10及び上記浸漬管21,22は,カーボン材料より構成されている。 【0013】以下,これを詳説する。上記脱ガス槽10は,図1に示すごとく,本体部11と,底部12とを組み合わせて構成してある。本体部11の上端には,真空吸引用の吸引穴111を有すると共に該吸引穴に吸引管112を有してなる。そして,吸引管112には,減圧用の真空ポンプ19を接続してある。また,脱ガス槽10の底部12は,筒状の本体部11の下端部を閉止するように配設されていると共に,上記浸漬管21,22と連通される連通穴121,122を有している。 【0014】この本体部11及び底部12は,いずれもカーボン材料,具体的には,熱膨張係数の異方比が1.3以下の等方性炭素材料により構成されている。さらに,本体部11の内面115と底部12の内面125及び連通穴121,122の内面は,熱分解炭素よりなる皮膜を配設してある。この皮膜は,CVD法より配設し,厚さ200μmに仕上げてある。 【0015】また,上記浸漬管21,22は,図1に示すごとく,上記脱ガス槽10の底部12において上記連通穴121,122とそれぞれ連通するように配設されている。また,一方の浸漬管21の上端付近には,金属溶湯8を上昇させるための不活性ガス7を導入できるよう,不活性ガス導入管71と連通したガス導入口127を設けてある。 【0016】そして,上記浸漬管21,22は,いずれもカーボン材料,具体的には熱膨張係数の異方比が1.3以下の等方性炭素材料により構成されている。さらに,浸漬管21,22の内周面215,225には,熱分解炭素よりなる皮膜を配設してある。この皮膜も上記と同様の手法により形成されたものであり,その厚さは300μmである。 【0017】次に,本例の真空脱ガス装置1を用いた脱ガス処理の例を簡単に説明する。例えば,金属溶湯としての鋼材を脱ガス処理する場合には,1500℃の温度の金属溶湯8を取鍋3内に溜める。次いで,浸漬管21,22の下端部が十分に金属溶湯8内に漬かるように,上記真空脱ガス装置1を配置させる。 【0018】次いで,脱ガス槽10に接続されている真空ポンプ19を運転することにより,脱ガス槽10内を真空引きする。真空度としては例えば0.5Torr程度に制御する。次いで,不活性ガス導入管71に接続された不活性ガス供給源から不活性ガス7を導き,浸漬管21に連通した連通穴121に吹き出させる。これにより,いわゆるエアーリフトポンプの作用により,浸漬管21から金属溶湯8が上方の脱ガス槽10内に供給される。そして,脱ガス槽10内の減圧作用によって金属溶湯8内に含まれているガスが除かれ,その後他方の浸漬管22を通って下方の取鍋3に戻される。 【0019】このとき,上記真空脱ガス装置1の浸漬管21,22及び脱ガス槽10には,上記高温の金属溶湯8から急激な熱伝達を受ける。ここで,本例においては,上記脱ガス槽10及び浸漬管21,22としては,上記カーボン材料を用い,かつ,その内表面には熱分解炭素よりなる皮膜を形成してある。そのため,カーボン材料の特徴を生かして優れた耐熱性及び耐熱衝撃性が得られると共に,上記熱分解炭素によってカーボン材料の通気性を遮断することができる。それ故,脱ガス槽10内の真空度を十分に維持することができると共に,脱ガス槽10および浸漬管21,22の耐久性を大幅に向上させることができる。 【0020】したがって,上記真空脱ガス装置1を用いれば,非常に安定した真空循環脱ガス処理を実施することができる。そして,これにより,金属溶湯8を用いた金属製品の生産性及び品質を従来よりも向上させることができる。 【0021】実施形態例2本例は,実施形態例1における浸漬管21,22の内周面の熱分解炭素による被覆を止め,その代わりに,内周面及び外周面をCVD法によるSiC皮膜を形成した例である。CVD法によるSiC皮膜の形成は,実施形態例1と同様のカーボン材料よりなる浸漬管21,22に対して,H2キャリアーによりメタンと四塩化珪素を導入して熱分解させる処理を施すことにより行った。得られたSiC皮膜は,厚み200μmとなった。その他は実施形態例1と同様である。 【0022】この場合には,上記SiC皮膜の存在によって,浸漬管21,22の耐酸化性を向上させることができ,さらに浸漬管21,22の耐久性,ひいては真空脱ガス装置1全体の耐久性を向上させることができる。その他は実施形態例1と同様の作用効果が得られる。 【0023】 【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,耐熱性および耐熱衝撃性に優れる真空脱ガス装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000158 【氏名又は名称】イビデン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月12日(2000.7.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079142 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 祥泰 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−30325(P2002−30325A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−211477(P2000−211477) |
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