| 【発明の名称】 |
高炉羽口部ステーブクーラー及びステーブ本体 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥田 隆昭
【氏名】岸上 和嗣
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| 【要約】 |
【課題】炉床壁煉瓦7の熱膨張があっても、羽口煉瓦5によって大丸9に過大な荷重がかかることを防止して羽口大丸の変形を起こさせず、また羽口大丸と羽口煉瓦との空隙からのガス流れを生じさせず、朝顔部煉瓦6を突き上げることのない長期安定性を保つ高炉羽口部ステーブクーラー及びステーブ本体1を提供する。
【解決手段】高炉羽口部に周設されるステーブクーラーにおいて、該ステーブクーラーを構成するステーブ本体1aの炉内側に棚状の突き出し部2を設け、羽口を囲む羽口煉瓦5を該突き出し部2の上部で支持することを特徴とする高炉羽口部のステーブクーラー及びステーブ本体。棚状の突き出し部2の下面と炉床壁煉瓦7との間に可縮性モルタル層12による熱膨張吸収部を設けてなる。棚状の突き出し部2の下部には、ステーブの炉内面近傍の温度を検出する温度検出端13と、不定形耐火物の圧入口14とを設けてなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高炉羽口部に周設されるステーブクーラーにおいて、該ステーブクーラーを構成するステーブ本体の炉内側に棚状の突き出し部を設け、羽口を囲む羽口煉瓦を該突き出し部の上部で支持することを特徴とする高炉羽口部のステーブクーラー。 【請求項2】 ステーブ本体に設けた前記棚状の突き出し部の下面と炉床壁煉瓦との間に熱膨張吸収部を設けてなることを特徴とする請求項1に記載の高炉羽口部のステーブクーラー。 【請求項3】 前記羽口部に周設されるステーブ本体の前記棚状の突き出し部の下部には、ステーブの炉内面近傍の温度を検出する温度検出端と、不定形耐火物の圧入口とを設けてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉羽口部のステーブクーラー。 【請求項4】 高炉羽口部に周設されるステーブ本体であって、該ステーブ本体の炉内側に棚状の突き出し部を設けてなることを特徴とするステーブ本体。 【請求項5】 前記棚状の突き出し部の下部には、ステーブの炉内面近傍の温度を検出する温度検出端設置部と、不定形耐火物を圧入する圧入口設置部とを設けてなることを特徴とする請求項4に記載のステーブ本体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高炉羽口部に周設されるステーブクーラー及びステーブ本体に関する。 【0002】 【従来の技術】高炉本体においては、外周の鉄皮を高温の炉内雰囲気から保護するため、ステーブクーラーを用いることが多い。ステーブクーラーにおいては、鉄皮の炉内側にステーブ本体を配置し、ステーブ本体には冷却水配管が設置され、ステーブ本体を冷却水で冷却することによって鉄皮の温度を低温に保持する。 【0003】高炉羽口部においては、図4に示すように、炉内に高温空気を送り込む羽口8が設けられ、羽口8は大丸9で保持され、さらに大丸9は大丸保持金物10で保持され、大丸保持金物10は高炉外周の鉄皮11に固定される。大丸9を囲むように羽口煉瓦5が配置され、羽口煉瓦5と鉄皮11との間には羽口部ステーブクーラーのステーブ本体1aが配置される。ステーブ本体1には、図3(c)に示すように冷却水パイプ3が複数本配置され、冷却水配管15を経由して冷却水が供給される。冷却水配管3を流れる冷却水によってステーブ本体1が冷却され、炉内側からの熱を遮断してステーブ本体外側の鉄皮11を保護している。羽口煉瓦5は、図3(a)に示すように、大丸9を取り巻くように複数の煉瓦(5a〜5d)を組み合わせて形成される。 【0004】高炉炉床部の炉底には炉底煉瓦が築造され、その上部の炉床壁部には炉床壁煉瓦7が築造される。炉底煉瓦及び炉床壁煉瓦はカーボン煉瓦によって構成される場合が多い。図4に示すように、羽口煉瓦5は炉床壁煉瓦7の上に乗るような形で築造され、更に羽口煉瓦5の上部には朝顔部煉瓦6を築造してなるのが従来の高炉本体の構造であった。 【0005】羽口煉瓦5に囲まれた羽口8及び大丸9は鉄皮11に固定されており、鉄皮11は低温に保たれているため熱膨張が少ないので、羽口8の位置はほとんど変化しない。一方、炉底煉瓦や炉床壁煉瓦7は炉内に溶銑や滓を貯留するために高温に加熱され、熱膨張する。この熱膨張によって、炉床壁煉瓦7の上に築造された羽口煉瓦5が上方に押し上げられることとなる。このような構造では、羽口8及び大丸9が羽口煉瓦5によって上方に変形する荷重を受けることとなる。このため、大丸9の下部と羽口煉瓦5との間に図4に示すような可縮性モルタル層12を設け、炉床壁煉瓦7の熱膨張によって羽口煉瓦5が上方に押し上げられた場合には、この可縮性モルタル層12が収縮することにより、押し上げられた羽口煉瓦5から大丸9に過大な荷重がかかるのを防止していた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】大丸9及び羽口8は、大丸保持金物10によって固定されると同時に、羽口煉瓦5によって周囲を保護されている。大丸9の下部と羽口煉瓦5との間に設けた可縮性モルタル層12が厚すぎると、該モルタル層が失われた場合に羽口煉瓦5による羽口8、大丸9及び大丸保持金物10の保護が不十分になる可能性がある。従って、上記可縮性モルタル層12を過度に厚くすることはできない。このため、時として可縮性モルタルの収縮代が十分でなかったり、炉命後期に炉床壁温度の上昇に伴う炉床壁煉瓦の熱膨張量の増加により、羽口大丸が羽口煉瓦によって上向きに押し上げられて変形をきたし、羽口8と羽口大丸9との接触面、あるいは羽口大丸9と大丸保持金物10との接触面が歪んでガス漏れにつながる場合がある。 【0007】また、羽口煉瓦5が炉床壁煉瓦7の膨張によって上方に押し上げられると、羽口大丸の上部と羽口煉瓦5との間に空洞ができ、ここから高温ガスが朝顔部煉瓦6の背面に廻り、ガス流路を作り、朝顔部煉瓦や朝顔部ステーブを傷める場合がある。 【0008】更に、炉床壁煉瓦7の膨張によって羽口煉瓦5が押し上げられると、羽口煉瓦5の上に築造されている朝顔部煉瓦6が羽口煉瓦5によって突き上げを受け、朝顔部煉瓦6とステーブ1との間に隙間が発生すると共に炉内物による側圧を受け、不安定な状況となって煉瓦目地が切れ、築造体としての強度を損なうこととなる。 【0009】本発明は、炉床壁煉瓦の熱膨張があっても、羽口煉瓦によって羽口大丸に過大な荷重がかかることを防止して羽口大丸の変形を起こさせず、また羽口大丸と羽口煉瓦との空隙からのガス流れを生じさせず、朝顔部煉瓦を突き上げることのない安定性を保つ高炉羽口部ステーブクーラー及びステーブ本体を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。 (1)高炉羽口部に周設されるステーブクーラーにおいて、該ステーブクーラーを構成するステーブ本体1aの炉内側に棚状の突き出し部2を設け、羽口を囲む羽口煉瓦5を該突き出し部2の上部で支持することを特徴とする高炉羽口部のステーブクーラー。 (2)ステーブ本体1aに設けた前記棚状の突き出し部2の下面と炉床壁煉瓦7との間に熱膨張吸収部を設けてなることを特徴とする上記(1)に記載の高炉羽口部のステーブクーラー。 (3)前記羽口部に周設されるステーブ本体の前記棚状の突き出し部2の下部には、ステーブの炉内面近傍の温度を検出する温度検出端13と、不定形耐火物の圧入口14とを設けてなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の高炉羽口部のステーブクーラー。 (4)高炉羽口部に周設されるステーブ本体1aであって、該ステーブ本体の炉内側に棚状の突き出し部2を設けてなることを特徴とするステーブ本体。 (5)前記棚状の突き出し部2の下部には、ステーブの炉内面近傍の温度を検出する温度検出端設置部と、不定形耐火物を圧入する圧入口設置部とを設けてなることを特徴とする上記(4)に記載のステーブ本体。 【0011】本発明は、高炉羽口部に周設されるステーブクーラーにおいて、該ステーブクーラーを構成するステーブ本体(羽口部ステーブ本体1a)の炉内側に棚状の突き出し部2を設け、羽口を囲む羽口煉瓦5を該突き出し部2の上部で支持しているので、羽口煉瓦5がその下方に築造された炉床壁煉瓦7から独立している。 【0012】このような構造を採用した結果として、炉底煉瓦や炉床壁煉瓦の熱膨張は羽口部ステーブ本体の棚状の突き出し部2の下方で吸収され、羽口煉瓦5やその上方の朝顔部煉瓦6の位置に影響を及ぼさない。そのため羽口煉瓦と大丸等の羽口部との隙間は相対移動することなく炉代を通じて一定に保たれ、炉命後期に炉床壁温度が上昇して煉瓦の熱膨張量が増加することがあっても、大丸が羽口煉瓦に突き上げられて変形を来したり、羽口あるいは大丸保持金物との接触面が歪んでガス漏れを生じることはない。従って、従来のように大丸9の下部と羽口煉瓦5との間に可縮性モルタル層を設ける必要がなく、大丸9と羽口煉瓦5との間の間隔を必要最小限の厚みとすることができる。 【0013】羽口煉瓦の位置が一定レベルに維持されるので、羽口大丸の上部と羽口煉瓦5との間に空洞が生じることもなく、高温ガスが朝顔部煉瓦6の背面に廻ってガス流路を作ることによって朝顔部煉瓦や朝顔部ステーブを傷める問題もない。 【0014】更に、羽口煉瓦5の上に築造されている朝顔部煉瓦6が羽口煉瓦5によって突き上げを受けないので、朝顔部煉瓦が自身の熱膨張量を生じるのみであり、ステーブとの間に隙間が発生するとしてもごくわずかであり、築造体としての強度を維持し得る。 【0015】 【発明の実施の形態】図1〜図3を用いて本発明のステーブクーラー及びステーブ本体について説明を行う。 【0016】羽口部は、図1に示すように、大丸保持金物10を鉄皮11に固定し、大丸保持金物10の先端に大丸9を配置し、大丸9の先端に羽口8を配置することによって形成される。大丸保持金物10の周囲の鉄皮は羽口部ステーブ本体1aによって冷却保護され、大丸9の周囲には羽口煉瓦5が築造される。 【0017】羽口部ステーブ本体1aは、通常は図2に示すように、両側面に半円形の開口部(羽口部開口16)を設け、同様の形状を有する羽口部ステーブ本体1aを図3(b)に示すように横に並べる。横に並んだ羽口部ステーブ本体1aによって形成される円形の羽口部開口16によって囲むように、大丸保持金物10が配置される。 【0018】本発明の羽口部ステーブ本体1aは、図2に示すように羽口が配置される部分の直下であって炉内側となる側に棚状の突き出し部2を有する。この棚状の突き出し部2の上に載せるように羽口煉瓦5を構築すると、図1に示すように羽口煉瓦5を羽口の大丸9の周囲に構築することができる。羽口煉瓦5は、通常は図3(a)に示すように複数のブロック(5a〜5d)に分割され、これらブロックを組み合わせて構築することにより大丸9の周囲を囲む形状となる。 【0019】羽口部ステーブ本体1aの内部には、図3(c)に示すように冷却水パイプ3が配設される。棚状の突き出し部2の内部にも冷却水パイプを配設し、該突き出し部の冷却を行う。冷却水パイプ3には、冷却水配管15を経由して冷却水が連続供給される。 【0020】棚状の突き出し部2の炉内面側先端については、図1、2に示す断熱材層4を設けると良い。これにより、棚状の突き出し部2の先端が過度に高温にさらされる事態を防ぐことができる。断熱材層4としては、ハイアルミナ煉瓦やカーボン煉瓦あるいは積層したステンレスエキスパンドメタル等を用いることができる。断熱材層4の高炉本体半径方向における厚さは、90〜150mm程度とすると好ましい。この範囲であれば、炉内熱変動を緩和する上で十分な厚さであり、かつステーブとの一体鋳造の作業性を良好に保つこともできる。 【0021】羽口部の下方に構築する炉床壁煉瓦7は、炉内が高温になるために熱膨張する。炉床壁煉瓦7最上端の上部には羽口部ステーブ本体1aの棚状の突き出し部2が突出しているので、炉床壁煉瓦7の上端と棚状の突き出し部2との間には、本発明の上記(2)にあるように、炉床壁煉瓦の熱膨張に対応するための熱膨張吸収部を設けると好ましい。この熱膨張吸収部は、図1に示すように、可縮性モルタルを充填した可縮性モルタル層12とすると好ましい。モルタルが可縮性を有するため、炉床壁煉瓦が熱膨張した場合にはこの可縮性モルタル層12が収縮することによって熱膨張吸収部の厚みが薄くなり、熱膨張を吸収することができる。また、熱膨張吸収部に可縮性モルタルが充填されているので、羽口部ステーブ本体1の棚状の突き出し部2を炉内の高温から保護することができる。可縮性モルタルとしては、セラミックファイバーとコランダム質モルタルの混練物等を用いることができる。熱膨張吸収部の高炉炉体高さ方向の厚みは、常温における築造時に40〜60mm程度であると好ましい。炉床壁煉瓦の熱膨張率及び想定される煉瓦温度とから、熱膨張吸収部の厚みがこの程度であれば炉床壁煉瓦の熱膨張を吸収することができるからである。 【0022】棚状の突き出し部2と炉床壁煉瓦上端との間の熱膨張吸収部の厚みが大きくなりすぎたり、あるいは可縮性モルタル層12のモルタルが消失した場合には、熱膨張吸収部を通過して炉床壁煉瓦とステーブ本体との間に高温ガスが流入し、炉下部に向かうガス通路が形成される可能性がある。これに対し、本発明の上記(3)のように、羽口部ステーブ本体1aの棚状の突き出し部2の下部に、ステーブの炉内面近傍の温度を検出する温度検出端13及び不定形耐火物の圧入口14を設けると好ましい(図1)。炉床壁煉瓦とステーブ本体との間に高温ガスが流入した際にはこの温度検出端13の温度が上昇するので高温ガスの流入を検出することができる。高温ガスの流入を検出したら、不定形耐火物の圧入口14から不定形耐火物を圧入することにより、棚状の突き出し部2と炉床壁煉瓦上端との間の熱膨張吸収部に不定形耐火物を充填し、ガス流路を遮断することができる。羽口部ステーブ本体1aに配置した温度検出端設置部に温度計を設置することにより、温度検出端13とすることができる。同じく羽口部ステーブ本体1aに配置した圧入口設置部に圧入口を設置することにより、不定形耐火物圧入口14とすることができる。 【0023】 【発明の効果】本発明は、高炉羽口部に周設されるステーブクーラーにおいて、該ステーブクーラーを構成するステーブ本体(羽口部ステーブ本体)の炉内側に棚状の突き出し部2を設け、羽口を囲む羽口煉瓦を該突き出し部の上部で支持しているので、炉床壁煉瓦の熱膨張があっても、羽口煉瓦によって羽口大丸に過大な荷重がかかることを防止して羽口大丸の変形を起こさせず、また羽口大丸と羽口煉瓦との空隙からのガス流れを生じさせず、朝顔部煉瓦を突き上げることなく長期安定性を保つことができる。 【0024】本発明は、炉床壁煉瓦の上端と棚状の突き出し部との間に炉床壁煉瓦の熱膨張に対応するための熱膨張吸収部を設けることにより、棚状の突き出し部が炉床壁煉瓦によって突き上げられることを防止することができる。 【0025】本発明は、羽口部ステーブ本体の棚状の突き出し部の下部に、ステーブの炉内面近傍の温度を検出する温度検出端及び不定形耐火物の圧入口を設けることにより、炉床壁煉瓦とステーブ本体との間に高温ガスが流入した際には温度検出端で検出し、不定形耐火物の圧入口から不定形耐火物を圧入することにより、熱膨張吸収部に不定形耐火物を充填し、ガス流路を遮断することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006655 【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月29日(2001.1.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107892 【弁理士】 【氏名又は名称】内藤 俊太 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−220609(P2002−220609A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月9日(2002.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−20145(P2001−20145) |
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