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【発明の名称】 医薬候補を減少させるための高処理量スクリーン
【発明者】 【氏名】マイケル ジョン エイベリー

【氏名】ウェイチャオ ジョージ チェン

【氏名】ハッサン ゴーダ フォーダ

【要約】 【課題】医薬製品の毒性に寄与する反応性代謝産物を作り出す医薬候補を同定する高処理量方法の提供。

【解決手段】本発明は、反応性代謝産物を作り出す医薬候補の同定方法であって:a)グルタチオンの存在下、ミクロソームの医薬代謝酵素系とともに上記医薬候補をインキュベートし、そして;b)ステップa)において形成されたグルタチオン・コンジュゲートを検出する、前記方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 反応性代謝産物を作り出す医薬候補を同定する方法であって:a)グルタチオンの存在下、ミクロソームの医薬代謝酵素系とともに上記医薬候補をインキュベートし;そしてb)ステップa)において作られる場合、グルタチオン・コンジュゲートを検出する、を含む前記方法。
【請求項2】 高処理量の方法である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記ミクロソームの医薬代謝酵素系がヒト肝臓系である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】 前記グルタチオン・コンジュゲートが、タンデム・マス・スペクトロメトリーにより同定される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】本発明の背景医薬候補の毒性は、予備的な開発の間の減少のかなりの部分の原因である。開発及び商業化の後に、有害な反応を示す治療剤は競争力がなく、そして究極的には市場から姿を消すかもしれない。早い時機に、潜在的に毒性をもつ化合物を取り除くためにDiscoveryスクリーンを実施することは、開発段階に入るDiscovery候補の全てがより高い生存率を達成することを可能にするであろう。開発後、選択された医薬は、競争力のある利点を、そしてより好ましい治療係数を享受する可能性が高くなるであろう。
【0002】1の共通な毒性モードは、親電子性反応代謝産物の形成であり、これは、生きた細胞タンパク質及び核酸内に存在する求核基への共有結合によりそれらの毒性を顕出する(1−2)。全ての毒物学的顕出が反応性代謝産物に帰されるわけではないけれども、文献のかなりの部分は、医薬の生物活性化の結果として形成された化学反応性代謝産物の不適当な解毒が、組織壊死(3−4)、発癌(5)、催寄形(6)、及び免疫仲介毒性(7)のための病原メカニズムであることを示唆する。
【0003】
【化1】

【0004】
【化2】

【0005】
【化3】

【0006】本発明の要約本発明は、反応性代謝産物を作り出す医薬候補を同定する方法であって:a)グルタチオンの存在下、ミクロソームの医薬代謝酵素系とともに上記医薬候補をインキュベートし;そしてb)ステップa)において作られる場合、グルタチオン・コンジュゲートを検出する、を含む前記方法を提供する。
【0007】本発明は、さらに、高処理量の方法である、反応性代謝産物を作り出す医薬候補の同定方法を提供する。本発明は、さらに、前記医薬酵素系がヒト肝臓系である、反応性代謝産物を作り出す医薬候補の同定方法を提供する。本発明は、反応性代謝産物を作り出す医薬候補を同定する方法であって:グルタチオンの存在下、ミクロソームの医薬代謝酵素系とともに上記医薬候補をインキュベートし、そしてタンデム・マス・スペクトロメトリーによりグルタチオン・コンジュゲートを検出する、ことを含む前記方法をも提供する。
【0008】本発明の詳細な説明本発明は、反応性代謝産物を作り出す能力を有する候補を同定する高処理量方法を提供する。それは、反応性中間体を除去するための自然のメカニズムの中の1つ:ブルタチオンとの結合(conjugation)を利用する。その求核スルフヒドリル基を通じて、グルタチオンは、その反応性親電子性成分に結合して安定なS−置換付加物を形成する化学的に反応性の種に対して重要な細胞構成成分を保護する(8)。グルタチオンによるアセトアミノフェノン親電子性代謝産物の解毒は、上記保護の古典的な例の中の1つである。ヒト肝ミクロソームの医薬代謝酵素系及びグルタチオンとともにインビトロにおいてインキュベートすることにより生成されるグルタチオン・コンジュゲートを検出するための広く行われている分析方法は、反応性代謝産物への生物活性化を経験する化合物を同定するであろう。この分析方法は、タンデム・マス・スペクトロメトリーを利用する。衝突誘導分解の間に、全てのグルタチオン付加物は、ピログルタミン酸成分(129Da)の自然な損失を経験する。129Daの特徴的な自然損失は、代謝活性化その後のコンジュゲーションを介して生成されているグルタチオン・コンジュゲーションの特異的な検出を許容する(9)。
【0009】本発明の方法は、信頼性がある、迅速で、簡単な、そして高処理量自動化になじむものである。上記インキュベーション・ステップは、J.Janiszewkiにより開発された加熱(heated)ブロック96ウェル・インキュベーション法に従い、容易に自動化されることができる。サンプル調製及び抽出ステップはQuadra 96 SPEを用いて自動化される(10)。上記分析ステップは、特に簡単であり、化合物特異的最適化を要求しない。我々は7分間の運転時間をもってクロマトグラフィーを使用したけれども、上記アッセイの特異性は、サンプル当り1分間の運転時間が実行可能であることを示唆する。従って、1日当り1000を上廻る化合物の処理量は、デュアル・カラム・スイッチング・システムを使用することにより達成されることができる。
【0010】上記方法は、その毒性が、医薬代謝性酸化P450系による生物活性化により生成される反応性代謝産物により仲介されるところの最高の毒性化合物を検出するであろう。それは、グルタチオンと安定性付加物を形成しない反応性代謝産物(例えば、フリー・ラジカル)又は非ミクロソーム酵素により形成されるものを検出しないであろう。
【0011】実施例インビトロ・インキュベーション及びサンプル調製500μM基質、1mMグルタチオン(GSH)、1μM P450、及び100mM リン酸カリウム・バッファー(pH7.4)を含有するヒト肝ミクロソーム(HL−mix−11)インキュベーション混合物を37℃で3分間事前インキュベートした。この反応を、NADPH−生成系(0.54mM NADP+ ,10mM MgCl2 ,6.2mM DL−イソクエン酸、及び0.5U/mlイソクエン酸デヒドロゲナーゼ)の添加により開始した。最終インキュベーション容量は1mLであった。NADPH又は基質を含まないサンプルを、ネガディブ・コントロールとして使用した。37℃で30分間のインキュベーション後、上記インキュベーション混合物を10分間3,500rpm で遠心分離にかけた。上記上清を自動化された96−ウェル固相抽出により調製した(10)。これは、タンパク質の除去、100μlの水による3回の洗浄、及び100μlのアセトニトリルによる溶出を含んでいた。溶媒留去の後、残渣を100μlの出発移動相に溶解させた。
【0012】HPLC/MS分析クロマトグラフィーによる分離は、CTC PALオートサンプラーによるインジェクション後、HP1100 4連 HPLCポンプを使用した。調製されたサンプルのアリコート(20μl)を、3μm粒子を充填した2×30 C18 カラム上にインジェクトした。この分析を、0.2ml/分の移動相流速、そして1分間の初期保持後5分間にわたり、5/95アセトニトリル/10mM酢酸アンモニウムから8/20までの速いグラジエントを用いて行った。このHPLCカラム溶出液を、SCIEX API 3000トリプル四重極のTurbolonspray源に導入した。このイオン源は6L/秒の窒素乾燥ガスを使用し、そして5200Vにおける陽イオンモード、450℃、及び7の噴霧器設定において操作された。窒素を、9の設定において、カーテン・ガスとして、そして5の設定において、衝突ガスとして使用した。上記イオン源内で形成された陽イオンは、10Vに保たれたオリフィスを通して真空室内にサンプル採取され、そして19.4eVの実験室フレーム・エネルギーにおいて第2の四重極内で衝突活性化された。上記質量分析計を、中性損失モードにおいて操作し、約2.4秒においてm/z320〜800のレンジにわたりスキャンした。
【0013】知られた毒性特性をもつ選択された薬物への適用本法を、多様な化学構造及び毒性特性を表す20の商業的に入手できる治療剤に適用することにより評価した。上記化合物の半分は(表1)、望ましい安全特性を有することが知られている。他の半分(表2)は、反応性代謝産物を作り出すことが知られている。
【0014】NADPH又は基質を含まない対照サンプルは、m/z348において応答を表す遅い溶出マトリックス・ピークの出現を示した(図1)。GSH分子イオンの質量対電荷比は308であるので、このマトリックス・ピークは、上記スキャン・レンジを僅かに高く開始することにより(320m/zの代わりに350)除去されることができる。図1〜4中に示すクロマトグラムを、m/z350から800に上記イオン電流を再構築することにより得た。それぞれのサンプル・セットについて、ネガティブ・コントロール・サンプルとポジティブ・コントロール・サンプルを含めることが推奨される。
【0015】20の商業的に入手可能な化合物を用いた上記評価からの結果は(図2〜4)、本法が反応性代謝産物の形成を容易に検出することを証明した。望ましい安全特性を有する10の化合物のそれぞれが陰性応答を作り出した(図2)。これは、上記方法が偽陽性応答を作り出さないことを示唆する。反応性代謝産物を生成することが知られている10の化合物からの8は、陽性応答を作り出した(図3)。上記の陽性応答は、広いレンジの反応性代謝産物をカバーする(表1)。これらは、キノン・イミン(アセトミノフェノン及びインドメタシン)、ニトレニウム(クロザピン)、エポキシド(カルバマゼピン)、キノン(4−ヒドロキシアニソール)、及びキノン・メチド(m−クレゾール、p−クレゾール、及び4−イソプロピルフェノール)を含む。インドメタシンからの上記反応性代謝産物の形成は、いくつかの逐次的な酸化ステップを要求する(13)。これらの結果は、本法が、多酸化ステップから生じるものを含む最も反応性の高い代謝産物を検出するということを示唆する。
【0016】本アッセイにおいて反応性代謝産物を生成することが知られているが陽性応答を作り出さなかった2つの化合物は、バルプロ酸(valproic acid)とフェニトイン(phenytoin)である(図4)。しかしながら、上記バルプロ酸反応性代謝産物(2,4−ジエン−VPA)の形成は、40エンVPAを形成するためのミクロソームP450酸化だけでなく、2,4−ジエン−VPAを形成するためのミトコンドリア・コエンザイムA依存性プロセスにより触媒されるβ−酸化を要求する(19)。フェニトインに関しては、上記反応性代謝産物は、エポキシドの代わりのフリー・ラジカルである(20)。GSHは上記フリー・ラジカルを還元し、そしてフェニトインの共有結合を還元することができるが、GSHはそれと安定した付加物を形成することができない。明らかに、本スクリーンは、ミクロソームP450系を介する生物活性化により形成される反応性代謝産物、そして特に、グルタチオンと安定性付加物を形成するものだけを検出する。
【0017】テストされた上記化合物の中の3つは、キノン・メチド反応性代謝産物を作り出す。129の中性損失のスキャンのピーク応答は、先に記載された(6)相対的なキノン・メチド形成速度にひじょうによく相関した、すなわち、クレゾール<p−クレゾール<4−イソプロピルフェノール(図2)。これは、提案されたスクリーンが同一シリーズ内のいくつかの化合物について、反応性代謝産物の形成の程度を比較するために、潜在的に使用されることができるということを示唆する。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
【表3】

【0021】
【表4】

【出願人】 【識別番号】397067152
【氏名又は名称】ファイザー・プロダクツ・インク
【出願日】 平成13年4月24日(2001.4.24)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2002−238597(P2002−238597A)
【公開日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【出願番号】 特願2001−125758(P2001−125758)