| 【発明の名称】 |
シリコーンゴム接着剤組成物及びシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との一体成形体 |
| 【発明者】 |
【氏名】畔地 秀一
【氏名】山川 直樹
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】(A)加熱硬化型のオルガノポリシロキサン組成物100重量部(B)補強性シリカ微粉末 1〜100重量部(C)エポキシ当量が100〜5000g/1molで、分子中に芳香族環を少なくとも1個有する有機化合物又は有機珪素化合物 0.1〜50重量部を含有することを特徴とするシリコーンゴム接着剤組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)加熱硬化型のオルガノポリシロキサン組成物 100重量部(B)補強性シリカ微粉末 1〜100重量部(C)エポキシ当量が100〜5000g/1molで、分子中に芳香族環を少なくとも1個有する有機化合物又は有機珪素化合物 0.1〜50重量部を含有することを特徴とするシリコーンゴム接着剤組成物。 【請求項2】 (C)成分が、分子中に少なくとも1個のSi−H基を含有する有機珪素化合物である請求項1記載のシリコーンゴム接着剤組成物。 【請求項3】 金属より有機樹脂に対する接着力が大きいことを特徴とする請求項1又は2記載のシリコーンゴム接着剤組成物。 【請求項4】 (A)加熱硬化型のオルガノポリシロキサン組成物 100重量部(B)補強性シリカ微粉末 1〜100重量部(C)エポキシ当量が100〜5000g/1molで、分子中に芳香族環を少なくとも1個有する有機化合物又は有機珪素化合物 0.1〜50重量部を含有するシリコーンゴム接着剤組成物の硬化物と熱可塑性樹脂との一体成形体。 【請求項5】 (C)成分が、分子中に少なくとも1個のSi−H基を含有する有機珪素化合物である請求項4記載のシリコーンゴム接着剤組成物の硬化物と熱可塑性樹脂との一体成形体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーンゴムと熱可塑性樹脂との一体成形体において、射出成形や押し出し法或いはロボットなどによる機械塗布によって簡単かつ短時間で成形可能で、プライマーレス成形に適し、また、成形体を製造する工程において、例えばクロムメッキ等で表面処理された、あるいは非表面処理の金型を使用する場合に金型には接着せず、樹脂にのみ接着性を有する特異的な性質を発現することのできるシリコーンゴム接着剤組成物、及びその硬化物(シリコーンゴム)と熱可塑性樹脂との一体成形体に関するものであり、電気、電子、自動車、精密機械、建築関係等に有用なものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、シリコーンゴムの特性を生かして、電気、電子、自動車、建築分野などでその用途が広がり、組立の作業性、密閉性、絶縁性などが要求される。また、使用用途により樹脂との接着が必要となり、プライマーを介して接着を行う場合が多いが、作業上プライマー塗布工程が必要となり、手間がかかる。そこで、シリコーンゴム組成物に接着剤を添加した自己接着型シリコーンゴム材料を用いた場合、前記塗布工程が不要となるため作業時間の短縮ができ、コスト削減ができるし作業性も向上するため、樹脂との一体成形体を製造する上で有効な手段となっている。 【0003】付加型の加熱硬化性シリコーンゴム材料のプライマーレス成型において、有機樹脂と接着させる方法は数多く報告されている。例えば、樹脂上に自己接着性シリコーンゴム材料を硬化させる方法があり、この自己接着性シリコーンゴム組成物については、接着成分を特定した技術が多く提案されている。また、有機樹脂に珪素原子に直結した水素原子を30モル%以上含有するオルガノポリシロキサンを添加し、付加硬化型シリコーンゴムと接着させる方法(特公平2−34311号公報)、有機樹脂へのシリコーンゴムの物理的な嵌合方法により一体化させる方法(特公昭63−4529号公報)、脂肪族不飽和基と珪素原子結合加水分解性基を有する化合物をグラフトしたオレフィン樹脂にシリコーンゴムを接着一体化させる方法(特開昭63−183843号公報)、本出願人が報告した不飽和基及び珪素原子に直結した水素原子を含有する化合物を添加した熱可塑性樹脂とシリコーンゴムとを接着一体化させる方法、熱可塑性樹脂に脂肪族不飽和基を含有してなる熱可塑性オリゴマーを配合した樹脂とオイルブリード性シリコーンゴムとの一体成形体(特開平9−165516号公報、特開平9−165517号公報)等が提案されている。 【0004】しかしながら、付加型加熱硬化シリコーンゴムの場合、汎用の熱可塑性樹脂、繊維、フィルム、例えばABS,PPO,PPS,PC,PE,PP,PBT,アクリル,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,PA,芳香族PA等やその他共重合体などの各樹脂、繊維、フィルムに対して短時間の成形で十分な接着性を得ることができず、十分な接着能を有するためには、上記提案のように樹脂の改質が必要であった。樹脂を改質した場合、余分な工程がかかり、コストが高くなるし、改質により樹脂の特性に変化を生じやすくしてしまう場合があった。また樹脂改質しないでも接着する場合は、金型を使用して成形する場合に金型に接着する難点があり、特にポリアミド系樹脂、繊維には要求を十分満足できるものがなかった。こうした中で、熱可塑性樹脂とシリコーンゴムの一体成形体を形成するのに金型を使用した場合、金型には接着せず成型可能であり、かつ熱可塑性の各樹脂とシリコーンゴムとが強固に接着した一体成形体の供給が強く望まれていた。 【0005】本発明は、上記要望に応えたもので、熱可塑性樹脂と強固に一体化することができるシリコーンゴム接着剤組成物及びその硬化物(シリコーンゴム)と熱可塑性樹脂との一体成形体を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、加熱硬化型のオルガノポリシロキサン組成物にエポキシ当量が100〜5000g/1molのエポキシ基と、分子中に芳香族環を少なくとも1個有した有機化合物又は有機珪素化合物を配合したシリコーンゴム接着剤組成物を使用し、これを熱可塑性樹脂と接着一体成形させた場合、両者が強固に接着したシリコーンゴムと熱可塑性樹脂との一体成形体が得られると共に、射出成型方法を用いても上記熱可塑性樹脂に対して短時間の硬化条件で十分な接着力を有し、また成形金型から実用上十分な剥離をする上記シリコーンゴムと熱可塑性樹脂との一体成形体を得ることができ、特に結晶性の高いナイロン66、芳香族ポリアミドなどのポリアミド樹脂やポリアミド繊維にも有効であることを知見し、本発明をなすに至った。 【0007】従って、本発明は、(A)加熱硬化型のオルガノポリシロキサン組成物 100重量部(B)補強性シリカ微粉末 1〜100重量部(C)エポキシ当量が100〜5000g/1molで、分子中に芳香族環を少なくとも1個有する有機化合物又は有機珪素化合物 0.1〜50重量部を含有してなり、好ましくは金属より有機樹脂に対する接着力が大きいことを特徴とするシリコーンゴム接着剤組成物を提供する。また、本発明は、この接着剤組成物の硬化物(シリコーンゴム)と熱可塑性樹脂との一体成形体を提供する。 【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明のシリコーンゴム接着剤組成物は、(A)加熱硬化型のオルガノポリシロキサン組成物、(B)補強性シリカ微粉末、(C)エポキシ当量が100〜5000g/1molで、分子中に芳香族環を少なくとも1個有する有機化合物又は有機珪素化合物を必須成分とする。 【0009】上記(A)成分に係る熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物としては、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物又は有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物とすることが好ましく、特に付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物が好ましい。この場合、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、(1)1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部(2)1分子中に平均2個以上の珪素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50重量部(3)付加反応触媒 触媒量からなるものであることが好ましく、有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、(i)1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部(ii)有機過酸化物 触媒量からなるものであることが好ましい。 【0010】ここで、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物の(1)成分の1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。 【0011】 R1aSiO(4-a)/2 (1) (式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜12、好ましくは1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。) 【0012】上記R1で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。 【0013】この場合、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(特に炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、珪素原子に結合する全有機基中(即ち、前記平均組成式(1)におけるR1としての非置換又は置換の1価炭化水素基中)0.001〜20モル%、特に0.01〜10モル%とすることが好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、組成物の硬化速度、硬化物の物性等の点から、本発明で用いるオルガノポリシロキサンは、少なくとも分子鎖末端の珪素原子に結合したアルケニル基を含んだものであることが好ましい。なお、アルケニル基以外のR1としては、メチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、トリフルオロプロピル基等のフルオロアルキル基が好ましく、特にアルキル基が好ましい。 【0014】上記オルガノポリシロキサンの構造は、通常は、主鎖がR12SiO2/2で示されるジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がR13SiO1/2で示されるトリオルガノシロキシ基で封鎖された基本的には直鎖状構造を有するジオルガノポリシロキサンであるが、部分的にはR1SiO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状構造、環状構造などであってもよい。このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンの重合度(或いは粘度)には特に制限がなく、室温(25℃)で液状の低重合度のものから、生ゴム状(ガム状)の高重合度のものまで使用可能であるが、通常、平均重合度(重量平均重合度)10〜10,000、特に50〜10,000であり、好ましくは100〜10,000、より好ましくは100〜2,000程度のものが使用される。この平均重合度が10未満では、硬化物としてのゴム物性が不十分となる場合がある。なお、その粘度は25℃において100〜1,000,000cps(センチポイズ)、特に500〜500,000cpsであることが好ましい。 【0015】また、(2)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(2) R2bHcSiO(4-b-c)/2 (2) で示され、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜150個程度の珪素原子結合水素原子(即ち、Si−H基)を有することが必要である。 【0016】上記式(2)中、R2は炭素数1〜12の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、このR2としては、上記式(1)中のR1と同様の基を挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有さないものが好ましく、特にメチル基等のアルキル基が好ましい。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1で、かつb+cは0.8〜3を満足する正数であり、好ましくはbは1〜2、cは0.01〜1、b+cは1.5〜2.8である。 【0017】1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上含有されるSi−H基は、分子鎖末端、分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、またこの両方に位置するものであってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、1分子中の珪素原子の数(又は重合度)は通常、平均2〜300個、好ましくは3〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが望ましく、その粘度は25℃において0.1〜10,000cps、特に0.5〜5,000cpsであることが望ましい。 【0018】式(2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)3SiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。 【0019】このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(1)成分のオルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同じ)に対して0.1〜300部、好ましくは0.3〜200部、特に好ましくは0.5〜100部である。また、(2)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(1)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、(2)成分中の珪素原子に結合した水素原子(Si−H基)の量が0.3〜20モル、好ましくは0.5〜5モル、より好ましくは0.8〜3モル、特に0.8〜2.5モル程度となる量で配合することもできる。 【0020】(3)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属として0.1〜1,000ppm、好ましくは0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度とすればよい。 【0021】付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、上記(1)、(2)、(3)成分にて構成される。 【0022】一方、有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物の(i)成分の1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、上記(1)成分と同様のものを使用することができる。 【0023】また、(ii)成分の有機過酸化物としては、従来公知のものを使用することができ、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン等が挙げられる。 【0024】有機過酸化物の配合量は触媒量であり、通常、(i)成分のオルガノポリシロキサン100部に対して0.01〜10部、好ましくは0.1〜10部とすることができる。 【0025】有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、上記(i)、(ii)成分にて構成される。 【0026】次に、(B)成分の補強性シリカ微粉末は、シリカの種類に特に限定はなく、通常使用されるものであればよく、ゴムの補強材として使用されるものである。 【0027】その補強性シリカ微粉末としては、従来のシリコーンゴム組成物に使用されているものを使用できるが、好ましくは比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ微粉末を用いる。特に50〜400m2/gの沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカなどが好適に使用される。ゴム強度を向上させるにはヒュームドシリカが好適である。また、上記補強性シリカ微粉末は有機珪素化合物等で表面が疎水化処理されたシリカ微粉末であってもよい。 【0028】その場合、これらのシリカ微粉末は、予め粉体の状態で直接処理されたものを用いることができる。その処理法としては一般的周知の技術により処理でき、例えば、常圧で密閉された機械混練装置或いは流動槽に上記未処理のシリカ微粉末と処理剤を入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において室温或いは熱処理にて混合処理し、場合により触媒を使用して処理を促進してもよいが、混練後乾燥することにより調製することができる。処理剤の配合量は、その処理剤の被覆面積から計算される量以上であればよい。 【0029】処理剤は、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン等のオルガノシラザン類、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン及びクロロプロピルトリメトキシシラン等のオルガノアルコキシシランなどのシランカップリング剤、ポリジメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンなどの有機珪素化合物が挙げられ、これらの処理剤で表面処理し、疎水性シリカ微粉末として用いる。処理剤としては、シラン系カップリング剤又はシラザン類が好ましい。 【0030】(B)成分の配合量は、(A)成分100部に対して1〜100部とすることがよく、1部未満では機械的強度が弱くなり、100部を超えると(B)成分の充填が困難となり、作業性、加工性が悪くなる。好ましくは2〜80部がよい。 【0031】なお、上記疎水化処理したシリカ微粉末を更に配合時に疎水化処理すればより好適である。その場合、配合時に使用する疎水性を与える表面処理剤としては、シラン系カップリング剤やその部分加水分解物、オルガノシラザン類、チタネート系カップリング剤、オルガノポリシロキサンオイル或いはオルガノハイドロジェンポリシロキサンオイル等が挙げられる。 【0032】使用される表面処理剤において、シラン系カップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルアミノシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン及びクロロプロピルトリメトキシシラン等のオルガノアルコキシシランなどが例示されるが、シラン系であれば特に限定なく使用でき、また上記シランの部分加水分解物も使用できる。 【0033】使用されるオルガノシラザン類としては、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン等が例示される。 【0034】使用されるチタネート系カップリング剤としては、テトラi−プロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセトネート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート及びオクチレングリコールチタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等が例示される。 【0035】使用されるオルガノポリシロキサンオイルとしては、環状、鎖状、分岐状、網目構造のいずれでもよいが、粘度0.65〜100,000センチストークス(25℃)の直鎖状又は環状のジメチルポリシロキサンが好適に使用される。使用されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンオイルとしては、分子構造が環状、鎖状、分岐状、網目構造のいずれでもよいが、下記平均組成式(3)で示される直鎖状のメチルハイドロジェンポリシロキサンが望ましく使用される。 【0036】 【化1】
【0037】なお、式中rは0〜50の整数、sは1〜50の整数の範囲である。rが50より多いと、粘度が高く処理しにくくなる。sが50より多くても同様に粘度が高く、表面が濡れ難く好ましくない。 【0038】処理剤の配合量は、その処理剤の被覆面積から計算される量以上であればよいが、特に問題がなければそれより少ない配合量で行ってもよい。特には、上記シリカ微粉末100部に対して0.1部未満では、処理剤としての効果がなく、20部より多いと、工程上無駄となり、コスト的にも不利であることから、0.1〜20部となるような量であり、好ましくは0.5〜10部となる量である。 【0039】処理法は、シリカ微粉末だけを処理するようにしても他の成分と混練しながら処理してもどちらでもよいが、一般的周知の技術により処理でき、例えば、常圧で機械混練装置に他の配合物と処理剤を入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において室温或いは熱処理にて混合処理し、場合により触媒を使用して処理を促進してもよいが、混練することにより調製することができる。 【0040】本発明に使用される(C)成分は、接着性を付与させるために必須なものであり、エポキシ当量が100〜5000g/1molで、分子中に芳香族環を少なくとも1個有する有機化合物又は有機珪素化合物である。 【0041】本発明の(C)成分は、分子中に芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等)を少なくとも1個、好ましくは1〜20個含有するものである。分子中に芳香族環を有することで(A)成分との相溶性が低下し、それによりゴムと樹脂界面での接着性が向上する。(A)成分と(C)成分とに相溶性があると接着性付与成分がゴム成分中に存在しやすくなり、樹脂との接着性が悪くなるため、(C)成分は(A)成分に半相溶又は非相溶であることがよい。 【0042】また、(C)成分は、グリシドキシ基等のエポキシ基を分子中に少なくとも1個有するものである。このグリシドキシ基等のエポキシ基は、接着性を発現するために必要なものであり、そのエポキシ当量は100〜5000g/1mol、好ましくは120〜4000g/1molの範囲である。エポキシ当量が100未満では合成が困難であり、またシリコーンゴム組成物との相溶性が悪くなりすぎ、またゴム物性にも影響を与えてしまう。5000を超えると求める接着性が不十分となる。 【0043】また、本発明の(C)成分としては、分子中に少なくとも1個のSi−H基(即ち、珪素原子に結合した水素原子)を含有するものが好ましく、1分子中に少なくとも1個、通常1〜100個、好ましくは1〜50個、特には2〜20個程度のSi−H基を有する、珪素原子数1〜500、好ましくは1〜200のオルガノシラン、オルガノシロキサン等の有機珪素化合物であるものが好適に使用できる。 【0044】上述したように、本発明は、(C)成分として、エポキシ当量が100〜5000g/1molのエポキシ基を有し、分子中に芳香族環としてフェニル骨格又はフェニル基に代表されるベンゼン環や、ナフタレン環、アントラセン環等を少なくとも1個有する有機化合物又はオルガノシラン、オルガノシロキサンなどの有機珪素化合物、更に好ましくはエポキシ当量が100〜5000g/1molのエポキシ基を有し、分子中にフェニル骨格又はフェニル基等のベンゼン環を少なくとも1個有し、少なくとも1個のSi−H基を含有する有機珪素化合物を使用する。本出願人が先願した接着性シリコーンゴム組成物(特開平6−172738号公報)、シリコーン接着組成物(特開平8−53661号公報)に使用される接着性付与成分は、分子中にフェニル骨格又はフェニル基等のベンゼン環を有しているが、エポキシ基を有していないものであり、これら接着性シリコーンゴム組成物のポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリフタルアミド等の熱可塑性樹脂に対する接着性は不十分であった。また、一方で接着性付与成分としてSi−H基とエポキシ基を含有した組成物の例が以前から提案されているが、この接着性付与成分は分子中にフェニル骨格又はフェニル基等のベンゼン環構造を含有していないものであり、これもまた上記熱可塑性樹脂に対して十分な接着性が得られないものであった。 【0045】本発明で使用される(C)成分として、具体的には下記のものが例示される。 【化2】
から選ばれる基であり、Rw,Rxは置換又は非置換の一価炭化水素基である。q=1〜50、h=0〜50、好ましくはq=1〜20、h=1〜100である。)で示される基、R''は【化3】
(Rw,Rxは上記と同様であり、y=0〜100である。)から選ばれる基であり、Y’は【化4】
(Rw,Rx,q,hは上記と同様である。)である。z=1〜10である。〕 【0046】更に、上記化合物にトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基などのアルコキシシリル基、アクリル基、メタクリル基、エステル基、無水カルボキシ基、アミノ基、アミド基等を含有させた有機化合物や有機珪素化合物も使用することができる。 【0047】上記Rw,Rxの置換又は非置換の一価炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等、R1で例示したと同様のものが挙げられるほか、置換一価炭化水素基としてアルコキシ基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、アルキルアミノ基等で置換したものが挙げられる。 【0048】なお、上記接着性付与成分は上記成分を単独で用いても併用してもよい。或いは、上記成分の反応物でもよい。 【0049】接着性付与成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン組成物100部に対して0.1〜50部であり、配合量が0.1部未満では十分な接着性が得られず、50部を超えると物性低下を引き起こす可能性がある。好ましくは0.2〜30部である。 【0050】また、(C)成分の接着性付与成分を効果的に補助する目的で、分子中に1個のアルケニル基と少なくとも1個のエステル基を有する有機化合物或いは有機珪素化合物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸等の不飽和カルボン酸類、安息香酸アリルエステル、フタル酸ジアリルエステル、ピロメリット酸テトラアリルエステル、アルキル酸アリルエステル等のアリルエステル類などを含有した有機化合物或いは有機珪素化合物を配合してもよい。また、有機金属キレート、アミン系、アミド系、イミダゾール系、酸無水物系などのエポキシ基開環触媒を添加してもよい。これらは本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。 【0051】上記の成分以外に接着性向上の目的で(A)成分と非相溶なシロキサン骨格を有する有機珪素化合物を添加してもよい。例えば、フェニル基含有シリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、シリコーン変性パーフルオロアルキルエーテル化合物、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、アミド変性シリコーンオイル、イミド変性シリコーンオイル、ウレタン変性シリコーンオイルなどが挙げられる。 【0052】また、本発明にオイルブリード性を付与するために1種以上のフェニル基含有の無官能オルガノポリシロキサンを(A)成分100部に対して1〜20部添加してもよい。 【0053】本発明のシリコーンゴム接着剤組成物には、上記した成分以外に、目的に応じて各種の添加剤、例えば酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化バナジウム、酸化コバルト、酸化クロム、酸化マンガン等の金属酸化物及びその複合物、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、カーボン等の無機充填剤を添加することができ、また目的とする特性を損なわない限り、顔料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤、反応制御剤等を添加してもよい。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。 【0054】また、付加硬化型オルガノポリシロキサン組成物を用いる場合、ビニルシクロテトラシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアネート、アルキルマレエート、エチニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコール類、シラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール及びそれらの混合物からなる群から選ばれる化合物などの付加反応制御剤等を本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。 【0055】本発明のシリコーンゴム接着剤組成物は、上記した(A)〜(C)成分、任意成分を常温で均一に混合するだけでも得ることが可能であるが、好ましくは(B)成分は、(A)成分のうち(2)、(3)成分、或いは(ii)成分を除いた成分とプラネタリーミキサーやニーダー等で100〜200℃の範囲で1〜4時間熱処理し、その時点で上記処理剤を添加してもよい。その後室温で(2)、(3)成分、或いは(ii)成分、(C)成分を混合して組成物を得ることができる。成型方法は、混合物の粘度により自由に選択することができ、注入成型、圧縮成型、射出成型、押出成型、トランスファー成型等いずれの方法を採用してもよい。その硬化条件は、通常60〜200℃で10秒〜24時間の範囲内で加熱成形することができる。 【0056】本発明のシリコーンゴム接着剤組成物は、有機樹脂との一体成形体を得る場合に好適に用いられる。この場合、本発明に使用される有機樹脂は、通常のオレフィン重合系或いは縮重合系等の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的にはアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ナイロン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶樹脂等、或いはこれらの混合物であってもよい。なお、これらは繊維状、フィルム状のものでもよい。 【0057】本発明に係る未硬化シリコーンゴム接着剤組成物を上記熱可塑性樹脂の上に一体成形する方法としては、予め成形された熱可塑性樹脂の上に未硬化のシリコーンゴム接着剤組成物を所望の形状にしてのせ、熱可塑性樹脂の溶融する温度以下の温度で加熱する方法、予め成形された熱可塑性樹脂の上に未硬化のシリコーンゴム接着剤組成物をのせ、熱可塑性樹脂の溶融する温度以下で圧縮する方法、射出成型機により熱可塑性樹脂を金型に先に射出成形し、次いで該金型内にシリコーンゴム接着剤組成物を加熱射出する方法等が挙げられる。なお、上記熱可塑性樹脂の成形体を製造する方法の一例として、例えば上記熱可塑性樹脂をペレット化し、熱可塑性樹脂の軟化点以上に加熱した成形金型へ注入し、次いで金型を熱可塑性樹脂の軟化点以下に冷却する公知の方法が便利である。この場合、一般に射出成型機、トランスファー成型機と呼ばれている機器の使用が可能である。なお、金型としては、通常表面処理されていないスチール、ステンレス等の金属製のものや、これらの金属に、例えばクロムメッキ、ニッケルメッキ等の表面処理を施したものを使用することができる。 【0058】一方、シリコーンゴム接着剤組成物は未硬化の状態で液状、パテ状、ペースト状のいずれでもよいが、成形のし易さから液状もしくはペースト状のものが好ましい。なお、本発明に係るシリコーンゴム接着剤組成物の硬化条件は、熱可塑性樹脂との強固な接着性を発現させるために、樹脂が変形、溶融、変質しない温度、硬化時間で行うことが必要である。樹脂の種類にもよるが、50〜150℃で0.2〜5時間程度、とりわけ0.4〜30分程度の硬化条件で一体成形体を得ることができる。 【0059】 【発明の効果】本発明によれば、シリコーンゴム接着剤組成物と熱可塑性樹脂との一体成形体において、射出成形を用いて簡単かつ短時間で成形可能で、プライマーレス成型に適した熱可塑性樹脂との接着性良好なシリコーンゴム接着剤組成物を与え、かつ熱可塑性樹脂を改質せずに接着可能である一体成形体を得ることができ、電気、電子、自動車、精密機械、建築関係等に有用なものである。 【0060】 【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも重量部である。 シリコーンゴム接着剤組成物調製例表1に示すように、(A)成分中の(1)成分として両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ基で封鎖された25℃の粘度が10,000cpsのジメチルポリシロキサン、(B)成分のシリカ微粉末として比表面積200m2/gのヒュームドシリカを使用し、ヘキサメチルジシラザンを(1)成分100部に対して8部加え、ニーダーミキサーに配合して均一に混合した後、更に150℃で1時間加熱混合してシリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベースに残りの(A)成分中の(2)成分として下記平均組成式(4)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン、(3)成分として塩化白金酸の1%2−エチルヘキサノール溶液、更に反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノールの50%エタノール溶液を加え、更に(C)成分として下記I〜IVの接着性付与成分を均一に混合し、シリコーンゴム接着剤組成物を得た。 【0061】 【化5】
【0062】 【化6】
【0063】[実施例1]熱可塑性樹脂用射出成型機に数平均分子量が約1万のポリカーボネート樹脂(PC)、数平均分子量が約2万のポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、ナイロン6−6(PA66)、ポリフタルアミド(PPA)をそれぞれ投入し、290℃で可塑化した後、多数個取りシート型金型キャビティに射出し(射出条件は、射出時間6秒、冷却時間30秒、射出圧力1,000kg/cm2、硬締圧力35ton、キャビティ温度100℃)、厚み2mm×幅25mm×長さ100mmの各樹脂シートを数枚得た。次に、作成した各樹脂シート、同寸法のクロムメッキ金属板を引張り剪断接着試験片作成治具に固定し、上記調製例で(C)成分として式(I)のものを使用し、添加して得たシリコーンゴム接着剤組成物を同治具に適量流し込み、120℃の恒温槽にて10分間加熱し、硬化させた。このように得られた図1の試験片を用いて、JIS K6850の方法に準じて接着性を調べた。 【0064】ここで、図1において、a,bは樹脂シート、c,dはそれぞれ支持体把持部、eはシリコーンゴム接着剤組成物の硬化物である。 【0065】[実施例2]熱可塑性樹脂用射出成型機に実施例1と同様の樹脂を投入し、290℃で可塑化した後、多数個取りシート型金型キャビティに射出し(射出条件は、射出時間6秒、冷却時間30秒、射出圧力1,000kg/cm2、硬締圧力35ton、キャビティ温度100℃)、厚み2mm×幅25mm×長さ100mmのシートを数枚得た。次に、作成したシート、同寸法のクロムメッキ金属板を引張り剪断接着試験片作成治具に固定し、上記調製例で(C)成分として式(II)のものを使用し、添加して得たシリコーンゴム接着剤組成物を同治具に適量流し込み、120℃の恒温槽にて10分間加熱し、硬化させた。このように得られた図1の試験片を用いて、JIS K6850の方法に準じて接着性を調べた。 【0066】[比較例1]熱可塑性樹脂用射出成型機に実施例1と同様の樹脂を投入し、290℃で可塑化した後、多数個取りシート型金型キャビティに射出し(射出条件は、射出時間6秒、冷却時間30秒、射出圧力1,000kg/cm2、硬締圧力35ton、キャビティ温度100℃)、厚み2mm×幅25mm×長さ100mmのシートを数枚得た。次に、作成したシート、同寸法のクロムメッキ金属板を引張り剪断接着試験片作成治具に固定し、(C)成分として式(III)のものを使用し、添加して得たシリコーンゴム接着剤組成物を同治具に適量流し込み、120℃の恒温槽にて10分間加熱し、硬化させた。このように得られた図1の試験片を用いて、JIS K6850の方法に準じて接着性を調べた。 【0067】[比較例2]熱可塑性樹脂用射出成型機に実施例1と同様の樹脂を投入し、290℃で可塑化した後、多数個取りシート型金型キャビティに射出し(射出条件は、射出時間6秒、冷却時間30秒、射出圧力1,000kg/cm2、硬締圧力35ton、キャビティ温度100℃)、厚み2mm×幅25mm×長さ100mmのシートを数枚得た。次に、作成したシート、同寸法のクロムメッキ金属板を引張り剪断接着試験片作成治具に固定し、(C)成分として式(IV)を使用し、添加して得たシリコーンゴム接着剤組成物を同治具に適量流し込み、120℃の恒温槽にて10分間加熱し、硬化させた。このように得られた図1の試験片を用いてJIS K6850の方法に準じて接着性を調べた。 【0068】[実施例3]実施例2と同様の樹脂とシリコーンゴム接着剤組成物の成形を2基の射出装置を備えた2色射出成型機を使用して行った。この成型機は、射出装置のノズル部(1)及び(2)が図2のように金型に連結する。ノズル部(1)は金型パーティングラインから、ノズル部(2)は金型右側面中央部から射出する。また、使用した金型は、左側金型片(3)と右側金型片(4)とからなり、それぞれの相対向する面の2カ所には成形凹部が形成されており、該各成形凹部により図2に示したようにキャビティ部(5)及び(6)が形成されている(図2参照)。 【0069】この射出成型機にて各樹脂を290℃にて溶融し、ノズル部(1)からキャビティ部(5)に射出し、樹脂シート成形体(7)を形成させた。その条件は、射出時間6秒、冷却時間35秒、キャビティ部(5)及び左側金型片(3)の温度は100℃であった(図3参照)。 【0070】次に、右側金型片(4)を外し、片開きを行うと共に、左側金型片(3)の凹部に樹脂シート成形体(7)を保持したまま左側金型片(3)を180°回転させ、右側金型片(4)を合わせて再び型締めし、シリコーンゴムシート成形体形成用のキャビティ部をシート成形体(7)に形成された面と左側金型片(4)の形成凹部とで形成せしめた(図4参照)。 【0071】この状態で射出装置のノズル部(2)から樹脂シート成形体(7)に形成された面に実施例1と同様のシリコーンゴム接着剤組成物(組成を表1に示す)を射出し、ゴムシート成形体(8)を形成させた。その条件は射出時間6秒、冷却時間90秒、左側金型片(3)の温度は100℃、右側金型片(4)の温度は120℃であった(図5参照)。 【0072】以上の製造工程によって図6に示すような樹脂シートとゴムシートからなる複合体(幅2.5mm、長さ15cm、厚み2mm(樹脂とゴムは同寸法)を得た。金型離型性、寸法精度、生産性は良好であった。またその接着性を調べた。 【0073】以上の各例の評価結果を表1に示す。なお、評価方法は下記の通りである。 接着試験条件:JIS K6850引張り剪断接着試験において25kgf/cm2以上を接着とした。 【0074】 【表1】
【0075】表1に示した本発明のシリコーンゴム接着剤組成物は、短時間硬化が可能で、各樹脂と強固に接着した一体成形体を得ることができるものであった。また、金型離型性、寸法精度、生産性も良好であった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002060 【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月5日(2001.1.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079304 【弁理士】 【氏名又は名称】小島 隆司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−201454(P2002−201454A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月19日(2002.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2001−536(P2001−536) |
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