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【発明の名称】 感熱性粘着材料、その活性化方法及び貼着方法
【発明者】 【氏名】久郷 智之

【氏名】池田 俊明

【要約】 【課題】ポリオレフィンラップに対する粘着力が高く、しかも低温環境下での粘着力や、低温被着体に対する粘着力が向上した感熱性粘着材料を提供する。

【解決手段】本発明の感熱性粘着材料では、熱可塑性樹脂エマルジョンと固体可塑剤とを主成分とする感熱性粘着剤からなる感熱性粘着層が支持体上に付与され、熱可塑性樹脂エマルジョンの粒子内には液体可塑剤が複合されている。液体可塑剤の凝固点は−10℃〜−120℃が好ましい。また、熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の、液体可塑剤に対する重量比率は100:1〜100:10が好ましい。さらに、上記熱可塑性樹脂は、平均粒子径が0.3μm〜10.0μm、ガラス転移点が0℃〜−70℃、平均分子量が10万〜30万であることが望ましい。さらに、固体可塑剤としては例えばヒンダードフェノール化合物が好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂エマルジョンと固体可塑剤とを主成分とする感熱性粘着剤からなる感熱性粘着層が支持体上に付与され、熱可塑性樹脂エマルジョンの粒子内には液体可塑剤が複合されていることを特徴とする感熱性粘着材料。
【請求項2】 液体可塑剤の凝固点が−10℃〜−120℃であることを特徴とする請求項1に記載の感熱性粘着材料。
【請求項3】 熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の、液体可塑剤に対する重量比率が100:1〜100:10であることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱性粘着材料。
【請求項4】 液体可塑剤として、少なくとも1種類の脂肪族二塩基酸エステルを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
【請求項5】 熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の平均粒子径が0.3μm〜10.0μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
【請求項6】 熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂のガラス転移点が0℃〜−70℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
【請求項7】 熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の平均分子量が10万〜30万であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
【請求項8】 熱可塑性樹脂エマルジョンがアクリル酸エステル共重合体からなり、該共重合体は2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
【請求項9】 固体可塑剤としてヒンダードフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、スルホンアミド化合物から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
【請求項10】 固体可塑剤として、下記構造式で表されるヒンダードフェノール化合物(化合物■)、下記構造式で表されるベンゾトリアゾール化合物(化合物■)、下記構造式で表されるスルホンアミド化合物(化合物■)から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項9に記載の感熱性粘着材料。
【化1】

【化2】

【化3】

【請求項11】 感熱性粘着層と支持体の間に、中空粒子を主成分とするアンダー層が付与されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
【請求項12】 感熱性粘着層の上面に、ロイコ染料と顕色剤を主成分とする感熱記録層が設けられていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の感熱性粘着材料。
【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の感熱性粘着材料を熱活性化させる方法であって、被着体温度または環境温度がT1のときに最大粘着力を発現させるエネルギーをE1とし、被着体温度または環境温度がT2のときに最大粘着力を発現させるエネルギーをE2とする(ただし、T1>T2)とき、E1<E2として熱活性化させることを特徴とする感熱性粘着材料の活性化方法。
【請求項14】 請求項1〜12のいずれかに記載の感熱性粘着材料を被着体に貼着する方法であって、感熱性粘着材料を感熱性粘着層側の面から加熱することにより感熱性粘着剤を活性化させて粘着力を発現させ、この粘着力の発現した感熱性粘着材料を被着体に貼り付けることを特徴とする感熱性粘着材料の貼着方法。
【請求項15】 感熱性粘着剤を請求項13に記載の方法により活性化させて粘着力を発現させることを特徴とする請求項14に記載の感熱性粘着材料の貼着方法。
【請求項16】 サーマルヘッドにより感熱性粘着材料を感熱性粘着層側の面から加熱することにより感熱性粘着剤を活性化させて粘着力を発現させ、この粘着力の発現した感熱性粘着材料をポリオレフィンからなる被着体に貼り付けることを特徴とする請求項14または15に記載の感熱性粘着材料の貼着方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱性粘着材料、その活性化方法及びその貼着方法に関し、とくに、常温では非粘着性であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現後も粘着性が持続する感熱性粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ラベル用粘着シートを、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステッカー)等のラベル用途として使用することが増加している。その記録方式もインクジェット記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等様々な方式がある。従来よりラベルの情報記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成の一般的な粘着シートが、貼り合わせ時に剥離紙を剥がし加圧のみで簡便に貼り合わせることのできるため広く使用されている。
【0003】しかし、一般的な構成の粘着シートは、剥離紙を剥離して使用するが、剥離された剥離紙は回収されて再利用され難く、ほとんどの場合廃棄処分されている。また、いわゆる粘着剤層はタックをもっており、剥離紙を剥がした後の取り扱いが非常に難しく、被着体に不用意に貼り付けてしまったときに貼り直すために粘着シートを剥がそうとすると、粘着シートがカールしたりしわが入ったりし、最悪の場合にはシートが破れるという問題があった。近年では、常温では粘着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着材料が注目されている。
【0004】感熱性粘着剤は、固体可塑剤および/または液体可塑剤と熱可塑性樹脂を必須成分とし、これらに粘着付与剤等を混合したもので、これらの混合物を支持体上の印刷面の反対面に塗工することにより感熱性粘着材料が得られる。感熱性粘着材料の粘着層表面は、常温では全く粘着性を示さないが、加熱することにより粘着性が発現し、熱源を取り去った後でも暫くの間粘着性を維持するものであり、加熱によりまず固体可塑剤が融解し、熱可塑性樹脂と粘着付与剤を溶解することにより粘着性が発現すると考えられている。
【0005】また液体可塑剤については一般的にマイクロカプセルにより内包されており、加熱によりシェル破壊、シェル透過が生じ前記同様に熱可塑性樹脂と粘着付与剤を溶解することにより粘着性が発現すると考えられている。感熱性粘着材料は、前記の一般的な粘着材料のように剥離紙を使用しないため、省資源、環境問題の点から有利である。更に、被着体に当接させてから感熱性粘着材料を加熱すれば接着できるため、貼付ミスを防止できる。
【0006】このような利点を有する感熱性粘着材料であっても、従来のものには問題点を有するものもあった。その問題点の一つとして粘着力が挙げられる。近年、食品POS業界等では環境問題特にダイオキシン発生対策で食品ラップを塩ビラップからポリオレフィンラップに切り替わりつつある。このようなラップの上にPOSラベルを貼り付けられているが、ポリオレフィンラップでは塩ビラップよりも粘着剤との密着性、濡れ性が非常に弱く簡単に剥がれてしまうという問題点がつきまとっている。一般の粘着剤と剥離紙よりなる粘着材料についてはこのようなラップに対して対策がなされてきつつある。従来よりある感熱性粘着材料についてもこのようなラップに対する粘着力を高める努力はされてきているが、未だ十分に満足しうるものはできていない。
【0007】問題点の二つ目として、低温環境または低温被着体への粘着力の低下が挙げられる。前述した近年のPOS業界への感熱性粘着材料の需要の高まりのなかで、肉や魚の生鮮食品への利用がある。これらのものは鮮度を保つために冷凍して保管されている。このような冷凍された被着体への貼付けはもちろんのこと、低温の環境下においての貼付けもなされている。しかもラベル貼付け後の生鮮食品は冷凍コーナーの長時間陳列されていることになる。このように低温環境または低温被着体への利用の高まりの中で十分に満足しうるものができていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決しようとする第1の課題は、特にポリオレフィンラップに対する粘着力が高く、また低温環境下での粘着力や、低温被着体に対する粘着力が向上した感熱性粘着材料を得ることである。本発明の第2の課題は、この感熱性粘着材料を被着体に貼着する際の活性化方法(熱活性化方法)を提供すること、また本発明の第3の課題は、この感熱性粘着材料の被着体への貼着方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の感熱性粘着材料は、熱可塑性樹脂エマルジョンと固体可塑剤とを主成分とする感熱性粘着剤からなる感熱性粘着層が支持体上に付与され、熱可塑性樹脂エマルジョンの粒子内には液体可塑剤が複合されていることを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の感熱性粘着材料は、請求項1において、液体可塑剤の凝固点が−10℃〜−120℃であることを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の感熱性粘着材料は、請求項1または2において熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の、液体可塑剤に対する重量比率(熱可塑性樹脂/液体可塑剤)が100:1〜100:10であることを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の感熱性粘着材料は、請求項1〜3のいずれかにおいて、液体可塑剤として、少なくとも1種類の脂肪族二塩基酸エステルを含有することを特徴とする。
【0013】請求項5に記載の感熱性粘着材料は、請求項1〜4のいずれかにおいて、熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の平均粒子径が0.3μm〜10.0μmであることを特徴とする。
【0014】請求項6に記載の感熱性粘着材料は、請求項1〜5のいずれかにおいて、熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂のガラス転移点が0℃〜−70℃であることを特徴とする。
【0015】請求項7に記載の感熱性粘着材料は、請求項1〜6のいずれかにおいて、熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の平均分子量が10万〜30万であることを特徴とする。
【0016】請求項8に記載の感熱性粘着材料は、請求項1〜7のいずれかにおいて、熱可塑性樹脂エマルジョンがアクリル酸エステル共重合体からなり、該共重合体は2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするものであることを特徴とする。
【0017】請求項9に記載の感熱性粘着材料は、請求項1〜8のいずれかにおいて、固体可塑剤としてヒンダードフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、スルホンアミド化合物から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
【0018】請求項10に記載の感熱性粘着材料は、請求項9において固体可塑剤として、下記構造式で表されるヒンダードフェノール化合物(化合物■)、下記構造式で表されるベンゾトリアゾール化合物(化合物■)、下記構造式で表されるスルホンアミド化合物(化合物■)から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
【0019】
【化4】

【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】請求項11に記載の感熱性粘着材料は、請求項1〜10のいずれかにおいて、感熱性粘着層と支持体の間に、中空粒子を主成分とするアンダー層が付与されていることを特徴とする。
【0023】請求項12に記載の感熱性粘着材料は、請求項1〜11のいずれかにおいて、感熱性粘着層の上面に、ロイコ染料と顕色剤を主成分とする感熱記録層が設けられていることを特徴とする。
【0024】請求項13に記載の感熱性粘着材料の活性化方法は、請求項1〜12のいずれかに記載の感熱性粘着材料を熱活性化させる方法であって、被着体温度または環境温度がT1のときに最大粘着力を発現させるエネルギーをE1とし、被着体温度または環境温度がT2のときに最大粘着力を発現させるエネルギーをE2とする(ただし、T1>T2)とき、E1<E2として熱活性化させることを特徴とする。
【0025】請求項14に記載の感熱性粘着材料の貼着方法は、請求項1〜12のいずれかに記載の感熱性粘着材料を被着体に貼着する方法であって、感熱性粘着材料を感熱性粘着層側の面から加熱することにより感熱性粘着剤を活性化させて粘着力を発現させ、この粘着力の発現した感熱性粘着材料を被着体に貼り付けることを特徴とする。
【0026】請求項15に記載の感熱性粘着材料の貼着方法は、請求項14において、感熱性粘着剤を請求項13に記載の方法により活性化させて粘着力を発現させることを特徴とする。
【0027】請求項16に記載の感熱性粘着材料の貼着方法は、請求項14または15において、サーマルヘッドにより感熱性粘着材料を感熱性粘着層側の面から加熱することにより感熱性粘着剤を活性化させて粘着力を発現させ、この粘着力の発現した感熱性粘着材料をポリオレフィンからなる被着体に貼り付けることを特徴とする。
【0028】本発明者は、感熱性粘着材料について種々の研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂エマルジョンと固体可塑剤とを主成分とする感熱性粘着層が支持体上に付与され、該熱可塑性樹脂エマルジョンの粒子内に液体可塑剤が複合されてなる感熱性粘着材料により、上記第1の課題が解決できることを確認したものである。
【0029】つまり、熱印加時に固体可塑剤が溶融し、熱可塑剤性樹脂内に相溶し、熱可塑性樹脂が可塑化および軟化状態になり粘着力を発現するのであるが、通常は低温環境下あるいは低温被着体に貼り付けるときにこの溶融し液体状態になった固体可塑剤が固体化してしまい、著しく粘着力が低下してしまう。しかし熱可塑性樹脂エマルジョン内に液体可塑剤を含浸させることで、溶融し液体状態となった固体可塑剤の固体化を防止し、液体状態を継続的に維持できるのことを見出したのである。この粘着メカニズムにより、低温環境下おいて、あるいは低温被着体に対しても高粘着力を発現できるのである。
【0030】液体可塑剤の凝固点物性値としては、−10〜−120℃がもっとも優れている。凝固点が−10℃よりも高いと固体可塑剤の液体状態の維持が難しくなるし、また凝固点が−120℃よりも低いと通常温度状態においてブロッキングが生じ易くなるという観点からである。
【0031】熱可塑剤樹脂エマルジョンと液体可塑剤の重量比率としては100:1〜100:10が最も優れている。100:1よりも液体可塑剤複合量が小さいと固体可塑剤の液体状態の維持が難しくなるし、100:10よりも液体可塑剤複合量が多いと液体可塑剤エマルジョン自体の液安定性(ポットライフ)が低下傾向となる。
【0032】また、樹脂を軟化状態に維持する液体可塑剤を以下に列挙するが必ずしもこのかぎりではない。液体可塑剤としてはアジピン酸ジオクチル(凝固点=−70℃)、アジピン酸イソノニル(凝固点=−70℃)、アジピン酸イソデシル(凝固点=−50℃)、アジピン酸ジ−n−アルキル(凝固点=−6.8℃)、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)(凝固点=−60℃)、アジピン酸ジブチル(凝固点=−70℃)、アジピン酸ジ−n−ヘキシル(凝固点=−8℃)、セバシン酸ジブチル(凝固点=−9.7℃)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(凝固点=−62℃)、マレイン酸ジブチル(凝固点=−85℃)、マレイン酸ジ−n−エチルヘキシル(凝固点=−60℃)、フマル酸ジブチル(凝固点=−20.8℃)、リン酸トリクレシル(凝固点=−30℃)、トリエチルホスフェート(凝固点=−56.5℃)、トリブチルホスフェート(凝固点=−56.5℃)、トリス・(2−エチルヘキシル)ホスフェート(凝固点=−70℃)、トリ(クロロエチル)ホスフェート(凝固点=−20℃)、トリスジクロロプロピルホスフェート(凝固点=26.8℃)、リン酸トリブトキシエチル(凝固点=−70℃)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリフェニルフォスフェート(凝固点=49℃)、リン酸トリス(イソプロピルフェニル)(凝固点=−20℃)、オクチルジフェニルホヅフェート(凝固点=−35℃)、クレジルジフェニルホスフェート(凝固点=−30℃)、アセチルクエン酸トリエチル(凝固点=−45℃)、アセチルクエン酸トリブチル(凝固点=−80℃)、フタル酸ブチルベンジル(凝固点=−40℃)、フタル酸ジ−n−ブチル(凝固点=−35℃)、フタル酸ジメチル(凝固点=0℃)、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル(凝固点=−5℃)、フタル酸ジヘプチル(凝固点=−46℃)、フタル酸ジオクチル(凝固点=−55℃)、フタル酸ジイシノニル(凝固点=−45℃)、フタル酸ジイシデシル(凝固点=−45℃)、フタル酸ジトリデシル(凝固点=−21℃)等種々なものが挙げられるが、この中でも脂肪族二塩基酸エステル化合物のものが固体可塑剤の液体状態の維持においては望ましいことが見つかった。
【0033】さらに、本発明では熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の平均粒子径が0.3μm〜10.0μmであること、同熱可塑性樹脂のガラス転移点が0℃〜−70℃であること、また同熱可塑性樹脂の平均分子量が10万〜30万であることが、それぞれ好ましく、これにより感熱性粘着材料の粘着力が一層向上する。
【0034】これらの特徴を生かした熱可塑性樹脂として以下に列挙するが必ずしもこの限りではない。熱可塑性樹脂の種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。これら熱可塑性樹脂の中で特にアクリル酸エステル共重合体である2−エチルヘキシルアクリレートが粘着力を高める樹脂であることが見出された。
【0035】一方、前記固体可塑剤としてヒンダードフェノール化合物、ベンゾトリアゾール化合物、スルホンアミド化合物から選ばれた少なくとも1種を用いることで、感熱性粘着材料の低温粘着力が一層向上することも見出した。これらの化合物は熱可塑性樹脂や粘着付与剤との相溶性も非常に高いため、粘着力の向上ばかりでなく耐ブロッキング性の向上にも有効である。
【0036】特に、これらの特徴を生かした固体可塑剤として、上記した化合物■、化合物■、化合物■から選ばれた少なくとも1種を用いることで、粘着力向上と耐ブロッキング性改善とを達成できることが見出された。また、これらの固体可塑剤と熱可塑性樹脂との組み合わせにより、特に粘着力について相乗効果が得られることが見出された。さらには、感熱性粘着層と支持体の間に、中空粒子を主成分とするアンダー層を設けることで、サーマルヘッドから供給される熱エネルギーを高効率に利用することができ、少ないエネルギーで十分な粘着力の発現が可能となった。
【0037】前記感熱性粘着層上に、ロイコ染料と顕色剤を主成分とする感熱記録層(感熱発色層)を設けることでも、様々な付加価値が得られる。例えば感熱記録層側、感熱性粘着層側から熱を印加することで、粘着活性化と感熱発色を同時に行うことができる。
【0038】感熱性粘着材料の熱活性化方法としては、上記した請求項13の方法が好ましい。これにより低温被着体に対して、あるいは低温環境下のみならず常温環境下でも粘着力が向上することを見出した。つまり、低温被着体に対して、あるいは低温環境下で高粘着性が発現する感熱性粘着材料のデメリットの一つとして、常温被着体あるいは常温以上の温度環境下での粘着力が低下するという現象が挙げられる。低温下で熱印加され活性化した粘着層は常温環境においては過剰粘着状態となり、必ずしも強度な接着状態とはならない。この背反問題に対して、各被着体温度あるいは環境温度に適応した活性化エネルギーを印加することで、広範囲な温度環境に適応した感熱性粘着材料および活性化方法を得ることができたのである。
【0039】本発明の感熱性粘着材料の活性化方法としては、熱風活性化方式、熱ロール活性化方式、サーマルヘッド活性化方式などさまざまな活性化方式が可能であるが、サーマルヘッドを用いた活性化方式が一般的である。上記発明であれば1つのプリンターで両面を熱印加して使うことが可能である。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の感熱性粘着材料に係わる特徴について詳細に説明する。本発明における感熱性粘着層を構成する固体可塑剤を、以下の[表1]〜[表7]に列挙するが、必ずしもこの限りではない。なお、これらの表において、化合物1〜7はヒンダードフェノール化合物、化合物8〜15はベンゾトリアゾール化合物、化合物16〜29はスルホンアミド化合物、化合物30〜37はフタル酸化合物である。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
【表5】

【0046】
【表6】

【0047】
【表7】

【0048】これら固体可塑剤の中では、[表1]の化合物1(上記化合物■)、[表3]の化合物11(上記化合物■)および、[表5]の化合物17(上記化合物■)が粘着力、耐ブロッキング性の面から好ましい。
【0049】本発明においては、様々なワックスを添加することもできる。ワックスとしては例えば動植物性ワックス、合成ワックスなどのワックス類や高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アニリド、芳香族アミンのアセチル化物、パラフィンワックス、木ろう、カルナウバろう、シェラック、モンタンろう、酸化パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン等が、高級脂肪酸としては、例えばステアリン酸、ベヘン酸等が、高級脂肪酸アミドとしては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等が、高級脂肪酸アニリドとしては、例えばステアリン酸アニリド、リノール酸アニリド等が、芳香族アミンのアセチル化物としては、例えばアセトトルイジド等が、各々例示されるが、高級脂肪族アミドの中のステアリン酸アミドのエマルジョン粒子を用いることで粘着性に影響を与えないでブロッキングを改善することができる。
【0050】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、粘着力を向上するために、粘着付与剤を添加することができる。本発明に用いる粘着付与剤の具体例としては、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いられる。
【0051】これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂100部に対し200部以下、好ましくは20〜150部の範囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加部数が200部を越えるとブロッキングを生じ易くなる。
【0052】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、フィラー等も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であり、例えばアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン等の粘度類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用可能である。
【0053】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、感熱性粘着剤層と支持体との接着または感熱性粘着剤層内の凝集力を高める目的で、水性高分子バインダー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を添加することができる。上記水性高分子バインダーの混合比率は、感熱性粘着シートの本来の粘着力を損なわない範囲で添加され、具体的には感熱性粘着剤層全固形分に対し30重量%以下、より好ましくは10重量%以下の範囲で用いられる。
【0054】本発明に係わる感熱性粘着剤層には上記成分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、増感剤、顕色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0055】本発明におけるアンダー層に用いる中空粒子としては、アクリル系ポリマーや塩化ビニリデン系ポリマーなどの高分子化合物が挙げられる。
【0056】本発明においては、感熱性粘着層の上面にロイコ染料と顕色剤を主成分とする感熱記録層が設けられていても良い。この感熱記録層の感熱記録用ロイコ染料、顕色剤に関しては、一般に感熱記録用紙に用いられているものであれば特に制限なく採用することができる。
【0057】塩基性ロイコ染料の具体例としては、例えばフルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物、フルオレン系化合物等が挙げられるが、好ましくはそれらの吸収スペクトルの特性が550〜1000nm間に1個以上の極大吸収波長を有するものがよい。
【0058】このうちフルオラン系化合物としては、例えば3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソブチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシプロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(p−トルイジノエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−(p−トルイジノエチルアミノ)−6−メチル−7−フェネチルフルオラン等が挙げられる。
【0059】また、トリールメタン系化合物としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン又はCVL)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。
【0060】更に、スピロ系化合物としては、例えば3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、1,3,3−トリメチル−6−ニトロ−8’−メトキシスピロ(インドリン−2,2’−ベンゾピラン)等が、ジフェニルメタン系化合物としては、例えばN−ハロフェニル−ロイコオーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が、チアジン系化合物としては、例えばベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が、ラクタム系化合物としては、例えばローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等が、フルオレン系化合物としては、例えば3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3’)−6’−ピロリジノフタリド等が挙げられる。またカラー塩基性ロイコ染料として3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−ジブチルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン、3−N−エチル−N−p−メチルフェニルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノフルオラン)−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−メチル−2−メチルインドリル−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドリル−3−イル)フタリド、3、3―ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3、7―ビス(4−ジメチルアミノ)−10−ベンゾリルフェノチアジン、3、3―ビス(4−ジエチルアミノ−6−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジアニリノフルオラン、3−N−エチル−N−4−メチルフェニルアミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジベンジルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジブトキシフルオラン、3’−メトキシ−4’−ラノキシフェニル−2−シチリルキノリン、2’、4’−ジオクトクシフェニル−2−シチリルキノリン等が挙げられる。
【0061】顕色剤の具体例としては一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられているものであればよく、特に制限されないが、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA又はBPA)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−チオビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2’−(2,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2’−メトキシベンズアニリド等のフェノール性化合物、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸エチル、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導体、芳香族カルボン酸又はその金属塩等が挙げられる。
【0062】本発明における感熱記録層において使用されるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチンなどのプロテイン、酸化澱粉、エステル化合物澱粉などのサッカロースの如き水性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ラテックス、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体などの如き水溶性合成高分子化合物やラテックス類、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性接着樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのラテックスなどが挙げられる。
【0063】また、感熱記録層の感度をさらに向上させるために、増感剤として、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレンなどのナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニルなどのビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテルなどのポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロルベンジル)エステルなどの炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体などを添加することができる。
【0064】感熱記録層に使用される顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが挙げられる。感熱記録層の下部、すなわち支持体の上に感熱発色性を向上させ、印字によるカスを防止するための中間層を設けること、あるいは感熱記録層の上に発色汚れや耐水性などを付与する目的で保護層を設けることは何ら差し支えない。
【0065】本発明に係わる支持体に好ましく用いられる原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成される。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。また、該原紙は、金属ロールと合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても良い。
【0066】原紙に含まれる填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料等が挙げられる。
【0067】感熱記録層、保護層を設ける塗工方法として、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本あるいは5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法、等公知の塗工方法が利用可能である。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明の内容は、これらの実施例に限られるものではない。以下に示す部および%はいずれも重量基準である。また、塗工量を示す値は断わりのない限り乾燥後のものである。
【0069】〔熱可塑性樹脂と液体可塑剤からなる複合微粒子分散液の調製〕固形分50%の液体可塑剤複合の熱可塑性樹脂エマルジョン(液体可塑剤を複合した熱可塑剤樹脂エマルジョン)を調製した。これらを[表8]に示す。
【0070】
【表8】

【0071】上記[表8]において、「凝固点」は液体可塑剤の凝固点である。「複合量」は熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の、液体可塑剤に対する重量比である。「樹脂粒径」は熱可塑性樹脂エマルジョンを形成する熱可塑性樹脂の平均粒子径である。「樹脂Tg」は同熱可塑性樹脂のガラス転移点であり、「樹脂分子量」は同熱可塑性樹脂の平均分子量である。
【0072】<実施例1>〔固体可塑剤分散液[B液]の調製〕[表7]に示した化合物30を1.0部と、ポリビニルアルコール10%水溶液を1.0部と、水を2.0部との処方比率からなる混合物を、サンドグラインダーを用いて平均粒径が1.5μmになるように粉砕、分散化して[B液]を生成した。
【0073】〔感熱性粘着層塗液[C液]の調製〕[表8]に示した液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]を10.0部と、上記固体可塑剤分散液[B液]を40部と、粘着付与剤としてテルペンフェノール50%分散液を4.0部とを混合し、感熱性粘着剤層塗液[C液]を調製した。
【0074】〔染料分散液[D液]の生成〕3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン1.0部と、ポリビニルアルコール10%水溶液を1.0部と、水2.0部との処方比率からなる混合物を、サンドグラインダーを用いて平均粒径が1.0μmになるように粉砕、分散化して[D液]を生成した。
【0075】〔顕色剤液[E液]の生成〕4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン3.0部と、シリカ1.0部と、ポリビニルアルコール10%水溶液4.0部と、水10.0部との処方比率からなる混合物を、サンドグラインダーを用いて平均粒径が3μm以下になるように粉砕、分散化して[E液]を生成した。
【0076】〔感熱液[F液]の生成〕上記染料分散液[D液]を4.0部と、顕色剤液[E液]を18.0部と、水3.0部との処方比率からなる混合液を十分に攪拌して感熱液[F液]を生成した。
【0077】〔シリカ分散液[G液]の生成〕シリカを1.0部と、ポリビニルアルコール10%水溶液を1.0部と、水2.0部との処方比率からなる混合物を、サンドグラインダーを用いて平均粒径が3.0μm以下になるように粉砕、分散化して[G液]を生成した。
【0078】〔保護層液[H液]の生成〕上記シリカ分散液[G液]を4.0部と、ポリビニルアルコール10%水溶液を10.0部と、ステアリン酸亜鉛30%分散液(中京油脂製Z−730)を1.0部と、ポリアミドエピクロルヒドリンの12.5%溶解液を3.2部と、水5.8部との処方比率からなる混合液を十分に攪拌して保護層液[H液]を生成した。
【0079】〔感熱性粘着材料の作製〕支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて感熱液[F液]を坪量50g/m2 の上質紙に、染料重量が約0.5g/m2 および保護層液[H液]が乾燥重量3.5g/m2 となるように順次、塗布および乾燥して、キャレンダー処理を行い、表面の平滑度を、王研式平滑度計による測定値が2000sとなるようにした。さらに、その裏面に感熱性粘着剤層塗液の調製で作製した感熱性粘着剤層塗液[C液]を乾燥重量が12g/m2 になるように塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0080】<実施例2>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A2液]を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0081】<実施例3>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A3液]を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0082】<実施例4>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A4液]を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0083】<実施例5>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A5液]を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0084】<実施例6>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A6液]を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0085】<実施例7>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A7液]を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0086】<実施例8>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A8液]を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0087】<実施例9>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A8液]を用い、さらに感熱性粘着層塗液[C液]に添加される固体可塑剤分散液[B液]の化合物30([表7])のかわりに化合物1([表1])を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0088】<実施例10>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A8液]を用い、さらに感熱性粘着層塗液[C液]に添加される固体可塑剤分散液[B液]の化合物30([表7])のかわりに化合物8([表3])を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0089】<実施例11>実施例1で用いた感熱性粘着層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A8液]を用い、さらに感熱性粘着層塗液[C液]に添加される固体可塑剤分散液[B液]の化合物30([表7])のかわりに化合物17([表5])を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0090】<実施例12>〔アンダー液[I液]の調製〕中空粒子エマルジョン(中空率50%、固形分25%)4.0部と、スチレンブタジエンラテックス(固形分50%)0.4部と、ポリビニルアルコール(固形分10%水溶液)1.0部と、水1.1部とを十分に混合してアンダー液[I液]を調製した。
【0091】〔感熱性粘着材料の作製〕支持体の片面に、ワイヤーバーを用いて感熱液[E液]を坪量50g/m2 の上質紙に染料重量が約0.5g/m2 および保護層液[G液]が乾燥重量3.5g/m2 となるように順次、塗布および乾燥してキャレンダー処理を行い表面を、王研式平滑度計での平滑度で2000sとした。さらにその裏面にアンダー液[I液]を乾燥重量3g/m2 になるように塗工、乾燥し、ついで実施例9に用いた感熱性粘着層塗液を乾燥重量が12g/m2 となるように塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0092】<比較例1>実施例1で用いた感熱性粘着剤層塗液[C液]の液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A1液]のかわりに、液体可塑剤複合熱可塑剤樹脂エマルジョン[A5液]を用いた以外は同様にして本発明の感熱性粘着材料を得た。
【0093】以上の実施例、比較例により得られた感熱性粘着材料について、ポリオレフィンラップおよび塩化ラップに対するの粘着性を、以下の試験方法により評価した。結果を下記[表9]に示す。
【0094】<評価1:5℃/15%温湿度環境下での粘着性評価>感熱性粘着材料を4.0cm×9.0cmの長方形にカットし、大倉電気製感熱印字装置TH−PMDを用いて、ヘッド条件0.54mJ/dot、印字スピード4ms/line、プラテン圧6kgf/lineの条件にて感熱性粘着層を熱活性化させる。ついで被着体(ポリオレフィンラップ、塩化ラップ)に加圧2kgのゴムローラーで長手方向に貼り付けて、1分後に剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件で剥離させる。その時の粘着力の抵抗値(剥離抵抗の値)を数値で示した。なお単位はgf/40mmである。また、被着体の温湿度は、評価環境条件(5℃/15%)に等しい。
【0095】<評価2:30℃/65%温湿度環境下での粘着性評価>温湿度条件を30℃/65%とし、ヘッド条件を0.23mJ/dotとした以外はすべて、上記評価1と同一にする。また、剥離条件も評価1と同じにする。なお、この場合の被着体の温湿度は、評価環境条件(35℃/65%)に等しい。
【0096】
【表9】

【0097】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に係わる感熱性粘着材料は、特にポリオレフィンラップに対する粘着力が高く、また低温〜高温環境の高範囲な温度環境において高い粘着力を示すものである。また、本発明に係わる活性化方法によれば、上記感熱性粘着材料の粘着性を十分に発現させることができる。さらに、本発明に係わる貼着方法によれば、上記感熱性粘着材料をポリオレフィンラップに、高い粘着力で粘着させることができる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年10月10日(2000.10.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−121532(P2002−121532A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2000−309781(P2000−309781)