| 【発明の名称】 |
放熱性粘着剤組成物およびそれを用いた放熱性粘着シート |
| 【発明者】 |
【氏名】棚橋 英明
【氏名】神谷 清秋
【氏名】志水 孝行
【氏名】脇坂 治
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| 【要約】 |
【課題】実使用時の温度で良好な放熱性と粘着性を発揮し、しかもリサイクル時等においては対象物を容易に分離することができる放熱性粘着剤組成物およびそれを用いた放熱性粘着シートを提供する。
【解決手段】放熱性粘着剤組成物として、熱伝導付与剤を含有しているウレタン系粘着剤組成物からなる放熱性粘着剤組成物を用いるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱伝導付与剤を含有しているウレタン系粘着剤組成物からなることを特徴とする放熱性粘着剤組成物。 【請求項2】 熱伝導付与剤の含有割合が、放熱性粘着剤組成物全体中の30〜75重量%の範囲に設定されている請求項1記載の放熱性粘着剤組成物。 【請求項3】 ウレタン系粘着剤組成物のNCOインデックスが0.8〜1.2の範囲に設定されている請求項1または2記載の放熱性粘着剤組成物。 【請求項4】 熱伝導付与剤がアルミナである請求項1〜3のいずれか一項に記載の放熱性粘着剤組成物。 【請求項5】 軟化点が120〜200℃の範囲に設定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の放熱性粘着剤組成物。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の放熱性粘着剤組成物をシート状に形成してなることを特徴とする放熱性粘着シート。 【請求項7】 アスカーC硬度が50°以下に設定されている請求項6記載の放熱性粘着シート。 【請求項8】 厚みが3mm以下に設定されている請求項6または7記載の放熱性粘着シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプレイパネル等に用いられる放熱性粘着剤組成物およびそれを用いた放熱性粘着シートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】プラズマディスプレイパネルは、一般に、ガラスパネルと、アルミシャーシと、両者間に介在する両面粘着性の放熱性粘着シートから構成され、放電によって紫外線を発生させ、その紫外線をガラスパネルの蛍光体に照射させて発光させるものである。上記放熱性粘着シートはその粘着力によりガラスパネルとアルミシャーシとを強固に接着固定している。このようなプラズマディスプレイパネルは、上記のように放電によって蛍光体を発光させるものであるから、放電に伴う発熱を除去することができるシステムを必要とする。特に、高解像度を実現すべく高輝度を確保しようとすれば、発熱量が大きくなるため、放熱量の大きな放熱性粘着シートが設けられ、ガラスパネル面からアルミシャーシへ熱を伝導させ放熱させることが行われている。 【0003】このような放熱性粘着シートとしては、高い温度であっても充分な粘着性と放熱性を発揮しうるようにするため、通常、アクリル系あるいは合成ゴム系の熱硬化タイプのものが用いられる。この種のものは、プラズマディスプレイの実使用時の温度(−20〜100℃)では、安定で充分な粘着性、放熱性を発揮する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種のプラズマディスプレイパネルについて、リサイクルないし廃棄処分をする時には、ガラス部材と金属部材とを分離して回収することが求められる。ところが、上記のような放熱性粘着シートを用いて強固に貼り合わせたものを分離することは容易ではない。無理矢理分離する方法としては、数百度レベルの高温に加熱、ないしは極低温に冷却して上記シートの粘着力を低下させて分離するか、もしくは常温で強引に引き剥がすか、溶剤で上記シートを溶解する等の方法が考えられる。しかしながら、上記のような高温加熱、低温冷却は作業性の点で問題があり、また、強引に引き剥がすことは形状的に困難なことがある。上記シートを溶剤で溶解することは、時間がかかるうえ、溶解できない場合もある。 【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、実使用時の温度で良好な放熱性と粘着性を発揮し、しかもリサイクル時等においては対象物を容易に分離することができる放熱性粘着剤組成物およびそれを用いた放熱性粘着シートの提供をその目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は、熱伝導付与剤を含有しているウレタン系粘着剤組成物からなる放熱性粘着剤組成物を第1の要旨とし、上記放熱性粘着剤組成物をシート状に形成してなる放熱性粘着シートを第2の要旨とする。 【0007】なお、本発明において、「粘着」とは、ピール強度で2〜50N/inch程度のことをいう。 【0008】すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その過程で、従来、耐熱性等の点で、この種の放熱性粘着剤組成物には使用されていないウレタン系樹脂を使用することを試みた。その結果、従来の定説に反し優れた効果が得られ本発明に到達した。すなわち、ウレタン系樹脂を主成分とする放熱性粘着剤組成物を用いると、実使用時の温度で良好な粘着性と放熱性を発揮し、100℃をやや超える程度の温度(120〜200℃程度)にすると軟化・溶融して分離を容易に行うことができることを見出し、本発明に到達した。 【0009】本発明の放熱性粘着剤組成物は、ウレタン系粘着剤組成物の特性により、例えばガラスパネル面およびアルミシャーシの双方の貼合面に対し、容易に流延させることができ、また、粘着性を阻害する気泡(空隙)が発生しにくく、さらに、放熱性粘着剤組成物として一般的なアクリル系粘着剤組成物等に比べて安価なため、コスト低減の要求に応えることもできる。 【0010】特に、上記放熱性粘着剤組成物中の熱伝導付与剤の含有割合が30〜75重量%の範囲内であれば、より一層良好な放熱性等が得られる。また、上記ウレタン系粘着剤組成物のNCOインデックスが0.8〜1.2の範囲内であれば、実使用時により良好な粘着性等を得ることができる。さらに、上記熱伝導付与剤としてアルミナを用いれば、放熱性およびコスト面でより一層良好な結果が得られる。また、軟化点が120〜200℃の範囲内であれば、比較的容易に分離することができる。そして、上記放熱性粘着シートのアスカーC硬度が50°以下であれば、より一層良好な放熱性が得られる。また、上記放熱性粘着シートの厚みが3mm以下であれば、プラズマディスプレイパネル等に使用する際、放熱性およびコスト面において好適なものとすることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態について説明する。 【0012】本発明の放熱性粘着剤組成物は、ウレタン系粘着剤組成物に、熱伝導付与剤を配合することにより得られる。 【0013】上記ウレタン系粘着剤組成物は、ウレタン系樹脂を主成分とするものである。ここで、主成分とするとは、全体が主成分のみで構成されている場合も含む趣旨である。 【0014】そして、このウレタン系樹脂は、多価イソシアネート類と、硬化剤等とから構成される。この発明のウレタン系粘着剤組成物は、上記ウレタン系樹脂を、そのまま、あるいは溶剤に溶解させたり、もしくは水中に分散させたりすることにより得られるものであり、溶剤量や水中分散量等により粘度および硬化温度が調整される。 【0015】上記ウレタン系樹脂に用いられるポリイソシアネート類としては、特に限定されるものではなく、例えば、従来から用いられている2,4−トルエンジイソシアネート(TDI)、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)等の芳香族イソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(HMDI)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、2,6−ジイソシアネートエチイルカプロエート(LDI)等の脂肪族イソシアネートがあげられる。これらは単独でもしくは併せて用いられる。 【0016】上記ウレタン系樹脂に用いられる硬化剤としては、多価アミン類およびポリオール類が用いられ、より好ましくは、多価アミン類が用いられる。そして、これらは単独でもしくは併せて用いられる。 【0017】上記多価アミン類としては、分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物であればよく、具体的にはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、4,4′−ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン等があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。 【0018】上記ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。 【0019】そして、上記ウレタン系粘着剤組成物は、NCOインデックスが0.8〜1.2の範囲に設定されているものが好ましい。より好ましくは、0.85〜1.0の範囲である。このような範囲内になっていれば、実使用時に良好な粘着性を得ることができる。すなわち、NCOインデックスが1.2を超えるものであると、実使用時に良好な粘着性が得られないおそれがあるからであり、NCOインデックスが0.8未満のものであると、実使用時の温度内での耐熱性が不足するおそれがあるからである。 【0020】上記ウレタン系粘着剤組成物に含有される熱伝導付与剤としては、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、金属酸化物(アルミナ等)、金属粉等があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。なかでも、良好な放熱性を付与できるとともに、汎用性やコストといった観点から、アルミナが好ましい。 【0021】そして、上記熱伝導付与剤の含有割合が、放熱性粘着剤組成物全体中の30〜75重量%の範囲に設定されていることが好ましく、より好ましくは40〜60重量%の範囲である。このような含有割合になっていれば、実使用時の温度で特に良好な粘着性と放熱性を発揮し、しかも100℃をやや超える程度の温度において軟化・溶融させ分離を行うことが特に容易になる。すなわち、熱伝導付与剤の含有割合が30重量%を下回ると放熱性粘着シート全体の放熱性が不充分になるおそれがあり、逆に75重量%を上回ると良好な粘着性が得られないおそれがあるからである。 【0022】上記放熱性粘着剤組成物には、上記各成分に加えて、老化防止剤等を適宜に配合することができる。 【0023】上記老化防止剤として、例えばアルデヒド類、アミン類、フェノール類等の各種のものを単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができるが、なかでもヒンダート・フェノール、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、ジラウリル・チオジブロビオネート、テトラキス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−第三ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリス(混合モノ−およびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、ジ−n−ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛を単独あるいは2種以上組み合わせて用いることが好ましい。 【0024】そして、上記老化防止剤の含有割合は、放熱性粘着シート(放熱性粘着剤組成物の硬化体)の耐老化性向上の観点から、ウレタン系樹脂ポリマー100重量部(以下「部」と略す)に対して、0.5〜5部の範囲に設定されていることが好ましい。 【0025】なお、上記放熱性粘着剤組成物には、上記各成分の他に、必要に応じて、触媒、鎖延長剤、安定剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤等を加えてもよい。 【0026】そして、本発明の放熱性粘着剤組成物は、上記各成分を適宜の割合で配合し、各種の方法で混合することにより得られる。 【0027】このようにして得られた放熱性粘着剤組成物は、その軟化点が120〜200℃の範囲に設定されているものが好ましく、より好ましくは130〜180℃の範囲である。このような範囲であれば、比較的低い温度で分離を行うことができるため、リサイクル時等に容易に分離がなされる。すなわち、200℃を超えるものであると、上記放熱性粘着剤組成物から構成される放熱性粘着シートを軟化・溶融させて分離を行うのが難しくなるおそれがあるからであり、逆に120℃未満のものであると、実使用時の温度で上記放熱性粘着シートが軟化・溶融されるおそれがあるからである。 【0028】また、上記放熱性粘着剤組成物を用いた放熱性粘着シートは、各種の粘着剤シート製造方法によって製造される。上記放熱性粘着シートは、厚み3mm以下、好ましくは1〜2mmの範囲に形成される。すなわち、上記放熱性粘着シートの厚みが3mmを超えると、例えば、それをプラズマディスプレイパネルに用いた場合、得られるプラズマディスプレイパネルの放熱性が不十分になるおそれがあるからである。そして、上記放熱性粘着シートは、通常、長尺の離型紙(セパレーター)の一面に、上記放熱性粘着シートからなる層を形成し、それをロール状の巻装体(幅200〜1200mm、長さ5〜30m程度)にして製造される。 【0029】上記放熱性粘着シートは、アスカーC硬度で50°以下に設定することが好ましく、特に好ましくは25〜45°の範囲である。すなわち、アスカーC硬度が50°を超えると、例えば、それをプラズマディスプレイパネルにおけるガラスパネルおよびアルミシャーシの双方の間に介在した場合、それらの貼合面に対する密着性が低くなり、放熱性が不十分になるおそれがあるからである。 【0030】上記放熱性粘着シートは、例えば温度差が生じる自由に折り曲げのできない2つの板状体等の間に介在させて用いられるが、この放熱性粘着シートは、特殊な放熱性粘着剤組成物によって形成されているため、良好な粘着性と放熱性とを発揮する。また、放熱性粘着シートによって貼り合わされた2つの板状体等を分離する必要が生じた場合には、100℃をやや超える程度の温度にすれば、上記放熱性粘着シートが軟化・溶融するため、2つの板状体を容易に分離することができる。 【0031】そして、上記放熱性粘着シートを、例えば、図1に示すようなプラズマディスプレイパネルに用いた場合、上記放熱性粘着シート1は、発熱により高温となるガラスパネル2と、アルミシャーシ3との間に介在させて用いることにより、実使用の際、ガラスパネル2とアルミシャーシ3とが良好な状態で貼着され、しかも、ガラスパネル2上の熱が放熱性粘着シート1を介してアルミシャーシ3に伝導し、放熱がスムーズに行われる。そして、寿命等によりガラスパネル2およびアルミシャーシ3を分離して回収する必要が生じた場合には、100℃をやや超える程度の温度で加熱すれば、上記放熱性粘着剤シート1が軟化・溶融するため、ガラスパネル2とアルミシャーシ3とを容易に分離して回収することができる。 【0032】つぎに、実施例および比較例について説明する。 【0033】 【実施例1】ウレタン系樹脂(ハイプレンP306/ポリオールEP240、NCOインデックス:0.9、三井化学社製)100部に対し、熱伝導付与剤(アルミナAS−30、昭和電工社製)100部と、老化防止剤(アデカ・スタブ A060、旭電化社製)2部とを添加し、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の50重量%であった。 【0034】つぎに、上記液状組成物を用い、セパレーター上に上記液状組成物からなる放熱性粘着シートを作製した。なお、得られた放熱性粘着シートの厚みは、2mmであった。 【0035】 【実施例2】熱伝導付与剤の配合割合を50部とする以外は実施例1と同様にし、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の33重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0036】 【実施例3】熱伝導付与剤の配合割合を300部とする以外は実施例1と同様にし、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の75重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0037】 【実施例4】ウレタン系樹脂(ハイプレンP306/ポリオールEP240、NCOインデックス:0.8、三井化学社製)100部に対し、上記熱伝導付与剤100部と、老化防止剤2部とを添加し、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の50重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0038】 【実施例5】ウレタン系樹脂(ハイプレンP306/ポリオールEP240、NCOインデックス:1.2、三井化学社製)100部に対し、上記熱伝導付与剤100部と、老化防止剤2部とを添加し、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の50重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0039】 【実施例6】熱伝導付与剤の配合割合を30部とする以外は実施例1と同様にし、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の23重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0040】 【実施例7】熱伝導付与剤の配合割合を500部とする以外は実施例1と同様にし、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の83重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0041】 【実施例8】ウレタン系樹脂(ハイプレンP306/ポリオールEP240、NCOインデックス:0.7、三井化学社製)100部に対し、上記熱伝導付与剤100部と、老化防止剤2部とを添加し、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の50重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0042】 【実施例9】ウレタン系樹脂(ハイプレンP306/ポリオールEP240、NCOインデックス:1.3、三井化学社製)100部に対し、上記熱伝導付与剤100部と、老化防止剤2部とを添加し、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の50重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0043】 【実施例10】老化防止剤の配合割合を5部とする以外は実施例9と同様にし、放熱性粘着剤組成物(液状組成物)を調製した。このとき、熱伝導付与剤の含有割合が液状組成物全体中の49重量%であった。そして、この液状組成物を用い、実施例1と同様にして、放熱性粘着シートを作製した。 【0044】 【比較例】一般的なアクリル系放熱性テープ(スコッチシリーズ、住友3M社製)を用い、これからなる放熱性粘着シートを作製した。 【0045】得られた放熱性粘着シートについて、アスカーC硬度、軟化温度、熱伝導度、タック性を下記の方法に従って評価した。そして、これらの結果を後記の表1および表2に示した。 【0046】〔アスカーC硬度〕SRIS 0101に準拠してアスカーC硬度を測定した。 【0047】〔軟化温度〕ビカット軟化温度試験方法(JIS K 4206)に従って測定した。 【0048】〔熱伝導度〕まず、測定試料である放熱性粘着シートの一面を加熱し、その一面の温度Thと他面の温度Tcを測定した。ついで、上記一面の温度Thを一定に保ちつつ上記他面の温度Tcを変化させることによって、Th−Tc(温度差)を種々に変化させ、その際に上記一面の温度Thを一定に保つために発生させた熱量Pを各Th−Tcの値ごとに測定した。そして、上記熱量Pの値とTh−Tcの値とで表される複数の座標値(通常、3点)から、関係式P=(KS/L)(Th−Tc)+Qeで表される直線を最小二乗法によって特定し、その傾きから熱伝導度Kを求めた。なお、式中、Qeは発生熱量のうちロスとして失われた誤差分となる熱量、S,Lはそれぞれシートの断面積,厚みを表す。 【0049】〔タック性〕まず、図2に示すように、傾斜角αが30°である傾斜板31上に、上記放熱性粘着シート(長さ100mm,幅50mm,厚み1mm)32と、助走用のポリエステルフィルム(長さ100mm,幅50mm,厚み25μm)33とを貼着した。ついで、鉄製のボール(15mmφ)34を上記ポリエステルフィルム33の上端部に載置した。そして、ポリエステルフィルム33上を転がるボール34が、ポリエステルフィルム33の下端から100mm下方に離れた放熱性粘着シート32上の地点Xまでに停止した時間を測定し、5秒停止時を100とした指数(6秒なら120)にて評価した。 【0050】 【表1】
【0051】 【表2】
【0052】上記表1および表2の結果から、実施例品は、すべての評価に対して良好であり、特に実施例1〜5品は、総合的にみて、より良好であることが確認できる。これに対し、比較例品は、総合評価が悪く、特に、高温条件下でも軟化しないことから、分離が容易に行えないものであることが確認できる。 【0053】 【発明の効果】以上のように、本発明の放熱性粘着剤組成物は、ウレタン系粘着剤組成物に、熱伝導付与剤を含有するものである。このため、実使用時の温度で良好な粘着性と放熱性を発揮し、しかもリサイクル時等においては、100℃をやや超える程度の温度にすることにより、対象物を容易に分離することができる。さらに、本発明の放熱性粘着剤組成物は、例えばアルミシャーシの面に対し、容易に流延させることができ、また、粘着性を阻害する気泡(空隙)が発生しにくく、さらに、アクリル系粘着剤組成物等に比べて安価なため、コスト低減の要求に応えることができる。 【0054】特に、上記放熱性粘着剤組成物中の各成分の含有割合を特定の範囲に設定した場合には、実使用時の温度で特に良好な粘着性と放熱性を発揮し、しかも100℃をやや超える程度の温度において軟化・溶融し、より一層容易に分離を行えるという利点がある。 【0055】また、上記ウレタン系粘着剤組成物のNCOインデックスを特定の範囲に設定した場合には、実使用時に良好な粘着性等を得ることができるという利点がある。 【0056】さらに、熱伝導付与剤がアルミナである場合には、良好な放熱性を付与できるとともに、汎用性やコストといった観点から好ましいという利点がある。 【0057】また、軟化点を特定の範囲に設定した場合には、比較的低い温度で分離を行うことができるため、リサイクル時等に容易に分離がなされるという利点がある。 【0058】さらに、上記放熱性粘着剤組成物を用いた放熱性粘着シートは、プラズマディスプレイパネル用の放熱性粘着シートとして最適であり、上記シートのアスカーC硬度を特定の範囲に設定した場合には、プラズマディスプレイパネルにおけるアルミシャーシとガラスパネルとを密着させることができるという利点があり、上記シートの厚みを特定の範囲内に設定した場合には、プラズマディスプレイパネルにおいて、そのアルミシャーシとガラスパネルとの間に介在させるのに適した厚みとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000219602 【氏名又は名称】東海ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月29日(2001.5.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079382 【弁理士】 【氏名又は名称】西藤 征彦
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| 【公開番号】 |
特開2002−121529(P2002−121529A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月26日(2002.4.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−161241(P2001−161241) |
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