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【発明の名称】 絶縁性接着剤、異方導電接着剤、及びヒートシールコネクタ
【発明者】 【氏名】吉田 一義

【要約】 【課題】高温や熱衝撃が作用しても電気的な接続を確実、かつ高信頼性に保つことができ、耐熱性の低い表示基板等でも良好に接着、接続できる絶縁性接着剤、異方導電接着剤、及びヒートシールコネクタを提供する。

【解決手段】回路を有する被着体を熱圧着により電気的に接続する異方導電手段を形成する絶縁性接着剤4であって、エポキシ樹脂とその硬化剤を含有し、温度範囲が(室温25℃)以上(上記被着体の熱変形温度−5℃)以下における熱圧着前後の弾性率の差の最大値を1〜1000MPaとし、かつ熱圧着前の温度範囲の弾性率の最低値を0.01〜1MPaとする。そして、可撓性基材1の少なくとも表面に導電ライン2を備え、導電ライン2の少なくとも接続部に絶縁性接着剤4等を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回路を有する被着体を熱圧着により電気的に接続する異方導電手段を形成する絶縁性接着剤であって、エポキシ樹脂とその硬化剤を含有し、温度範囲が(室温25℃)以上(上記被着体の熱変形温度−5℃)以下における熱圧着前後の弾性率の差の最大値が1〜1000MPaであり、かつ熱圧着前の温度範囲の弾性率の最低値が0.01〜1MPaであることを特徴とする絶縁性接着剤。
【請求項2】 請求項1記載の絶縁性接着剤100容量部に対し、導電性粒子を0.1〜50容量部配合したことを特徴とする異方導電接着剤。
【請求項3】 可撓性基材の少なくとも一面に導電ラインを備え、この導電ラインの少なくとも接続部に、請求項1記載の絶縁性接着剤又は請求項2記載の異方導電接着剤を有することを特徴とするヒートシールコネクタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ(以下、LCDという)やプラズマディスプレイ(以下、PDPという)等の表示基板とこれらの駆動回路を実装した回路基板との電気的な接続等に利用される絶縁性接着剤、異方導電接着剤、及びヒートシールコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒートシールコネクタは、表示基板や回路基板等からなる被着体の接続に使用される。具体的には、LCDやPDP等の表示基板とこれらの駆動回路を実装した回路基板、例えばプリント基板(以下、PCBという)やフキシブルプリント基板(以下、FPCという)との電気的接続に使用されたり、あるいはPCBとFPCとの電気的接続に使用される。
【0003】従来におけるヒートシールコネクタは、図2に示すように、可撓性基材1の表面に所定の導電ライン2が導電ペーストでスクリーン印刷されたり、金属箔をエッチングすることにより形成され、導電ライン2表面の接続部に異方導電手段である異方導電接着剤3が、導電ライン2表面の非接続部には絶縁レジスト層6がそれぞれ配設される。異方導電接着剤3は、絶縁性接着剤4に導電性粒子5が分散することにより形成される。
【0004】また、図3は従来における他のヒートシールコネクタを示すもので、この場合には、同図に示すように、導電ライン2中に予め導電性粒子5が分散固定され、導電ライン2表面の接続部に絶縁性接着剤4が塗布されることにより異方導電手段が形成される。このような構成のヒートシールコネクタは、LCD10に異方導電接着剤3や絶縁性接着剤4が接着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来におけるヒートシールコネクタは、以上のように構成され、電気的特性の信頼性が絶縁性接着剤4の特性に大きく依存する。このため、絶縁性接着剤4には、長期にわたる使用環境下で接着力を維持し続けるという観点から耐熱性や耐湿性が要求される。この絶縁性接着剤4は、通常、印刷やコーティング等の方法で導電ライン2上に形成されることから、汎用の溶剤に容易に溶解する性状であることが望ましい。したがって、絶縁性接着剤4は、粘着力、接着力、加工の容易性という観点からスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、クロロプレン、アクリロニトリルブタジエンゴム等を主成分とするものが多い。
【0006】しかしながら、このような絶縁性接着剤4は、熱可塑性樹脂であることから耐熱性に乏しく、高温時の電気的接続が不安定になるという問題がある。特に、ヒートシールコネクタが夏季の自動車内等、高温の環境下で使用されるようになると、熱可塑性樹脂では耐熱性に大きな問題が生じる。このような問題を解消するため、熱可塑性樹脂に代えて熱硬化性樹脂を使用する試みがなされているが、熱硬化性樹脂は圧着時における硬化のコントロールが実に困難であり、硬化が不充分だと高温環境下で不具合が発生することとなる。また、圧着時の硬化にも高熱と長時間を要する。
【0007】さらに近年、LCD10の中でも、薄く軽いプラスチック製LCD10が使用され始めているが、このプラスチック製LCD10は、通常その熱変形温度が200℃以下であり、従来のガラス製のものよりも耐熱性が低く、高温のヒートシール条件下では破損してしまうという大きな問題がある。したがって、ヒートシールコネクタの温度の低温化が強く要望されている。
【0008】本発明は、上記に鑑みなされたもので、特に高温や熱衝撃が作用しても電気的な接続を確実、かつ高信頼性に保つことができ、しかも、プラスチック製LCDのような耐熱性の低い表示基板等でも良好に接着、接続することのできる絶縁性接着剤、異方導電接着剤、及びヒートシールコネクタを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明においては、上記課題を達成するため、回路を有する被着体を熱圧着により電気的に接続する異方導電手段を形成するものであって、エポキシ樹脂とその硬化剤を含有し、温度範囲が(室温25℃)以上(上記被着体の熱変形温度−5℃)以下における熱圧着前後の弾性率の差の最大値が1〜1000MPaであり、かつ熱圧着前の温度範囲の弾性率の最低値が0.01〜1MPaであることを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明においては、上記課題を達成するため、請求項1記載の絶縁性接着剤100容量部に対し、導電性粒子を0.1〜50容量部配合したことを特徴としている。また、請求項3記載の発明においては、上記課題を達成するため、可撓性基材の少なくとも一面に導電ラインを備え、この導電ラインの少なくとも接続部に、請求項1記載の絶縁性接着剤又は請求項2記載の異方導電接着剤を有することを特徴としている。
【0011】すなわち、本発明者は、上記課題を解決する方法について種々検討した結果、絶縁性接着剤については、エポキシ樹脂とその硬化剤とを主成分にすると、圧着前には低い弾性率になるので、圧着時に即座に反応が進行してヒートシール時間を短縮でき、圧着後には熱硬化により高い弾性率となって接着力が増大し、高温における電気的接続の特性も安定して向上することを見出した。そして、圧着前に必要な低弾性率と高温環境下での安定性を保持するための圧着後の高弾性率との相反する二者の関係について鋭意検討し、本発明を完成させた。
【0012】本発明に係る絶縁性接着剤は、エポキシ樹脂とその硬化剤とを主剤として形成される。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のようなビスフェノールエポキシ樹脂や、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロ型エポキシ樹脂等が使用され、170〜9000のエポキシ当量とされる。
【0013】硬化剤としては、各種アミン類、三弗化ホウ素錯体、スルホニウム塩、イミダゾール類、ヒドラジド類、DICY(ジシアンジアミド)等の硬化剤や潜在性硬化剤が使用され、エポキシ樹脂100重量部に対して1〜50重量部の配合量にされる。これは、1重量部よりも小さいと、十分に硬化が進行しないおそれがあるからである。逆に50重量部よりも大きいと、ポットライフが短くなり、取り扱いに難を生じるからである。
【0014】絶縁性接着剤には、エポキシ樹脂と硬化剤の他、好ましくは可撓性と弾性率調整のための樹脂や、エラストマー成分が加えられる。この樹脂や、エラストマー成分としては、フェノキシ樹脂、飽和共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、NBR、SBS、SEBS、SIS等があげられる。これらは、その分子構造中に無水ジカルボン酸基、カルボン酸基、水酸基、エポキシ基等の官能基を含有するものでも良い。これらは、市販のものを使用することができる。上記樹脂やエラストマー成分のうち、特に耐熱性に優れるフェノキシ樹脂、飽和共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、NBR、SEBSの選択が好ましい。但し、接着性や粘着性の観点からすると、SBSやSISが優れており、その一種又は二種以上を使用すれば良い。
【0015】樹脂やエラストマー成分の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して10〜200重量部とされる。これは、200重量部よりも大きいと、絶縁性接着剤としての接着力が減少し、耐熱性も満足できなくなるからである。逆に10重量部よりも小さいと、可撓性に欠け、剥離強度が小さくなるおそれがある。絶縁性接着剤には、上記材料の他、酸化チタン、シリカ等の各種フィラー、テルペン類、フェノール類等の粘着付与剤、チタンカップリング剤、シリコーンチタンカップリング剤、各種老化防止剤、顔料、着色剤、紫外線吸収剤等が適宜添加される。
【0016】絶縁性接着剤は、異方導電手段として導電性粒子が分散されることにより、異方導電接着剤として使用されることもある。導電性粒子としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ステンレス、真鍮、半田等の金属粒子、タングステンカーバイト、シリカカーバイト等のセラミック粒子、カーボン粒子、グラファイト粒子、これらの金属粒子、セラミクス粒子、カーボン粒子、グラファイト粒子やフェノール、ポリスチレン、アクリル、ポリウレタン等のプラスチック粒子の表面を金属被覆した粒子等があげられる。この導電性粒子は、配合量が少な過ぎると導通不良を起こしやすく、逆に多すぎると絶縁不良を起こしやすいので、絶縁性接着剤100容量部に対し、0.1〜50容量部、1〜30容量部配合される。
【0017】これを他の異方導電手段として図3のように使用する場合には、導電ラインに導電性粒子が含有されることが必要であり、導電性粒子は上記異方導電接着剤に使用したものと同種のものとすれば良い。但し、この配合量は、少な過ぎると導通不良を起こしやすく、逆に多すぎると導電ラインの形成が困難になる。そこで、導電性粒子は、導電ライン100容量部に対し、0.01〜50容量部、1〜10容量部配合される。
【0018】なお、絶縁性接着剤は、ヒートシールコネクタの使用時には、溶剤に溶かして溶液とされ、ヒートシールコネクタの所定位置にコート法、印刷法により適宜塗布される。溶剤としては、エステル系、ケトン系、エーテルエステル系、エーテル系、アルコール系、炭化水素系の溶液が使用されるが、例えば酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸エチルカルビトール、ジイソアミルエーテル、シクロヘキサノール、石油スピリット、トルエン等が用いられる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して請求項3記載の発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態におけるヒートシールコネクタは、図1に示すように、可撓性基材1の表面に所定の導電ライン2が導電ペーストで印刷等され、導電ライン2表面の接続部に異方導電手段である異方導電接着剤3が、導電ライン2表面の非接続部には絶縁レジスト層6がそれぞれ配設される。
【0020】可撓性基材1は、厚さ10〜100μmのポリエステル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン等のフィルムが使用される。導電ライン2は、有機バインダに0.01〜10μm程度の粒径を有する銀粉、銅粉、カーボンブラック、グラファイト等の導電性付与剤の混合された導電ペーストがスクリーン印刷されたり、金属箔をエッチングすることにより形成される。また、これ以外にも周知構造の導電ライン2が適宜使用される。この導電ライン2は、可撓性基材1の表面のみに形成されることが多いが、スルーホール等により表裏両面にそれぞれ形成されることもある。また、異方導電接着剤3は、絶縁性接着剤4に導電性粒子5が分散することにより形成される。
【0021】異方導電接着剤3や絶縁性接着剤4は、導電ライン2の少なくとも接続部にスクリーン印刷やコータにより形成される。また、離型性のシートに異方導電接着剤3をコータで塗布して乾燥させ、これを導電ライン2の少なくとも接続部に転写して形成することもできる。異方導電接着剤3や絶縁性接着剤4は、0.3〜50μm以下の厚さで層状に形成される。これは、厚くなり過ぎると接続抵抗の不安定化を招き、逆に薄過ぎると接着強度が低下するからである。
【0022】絶縁レジスト層6としては、ポリアミド系、ポリエステル系等の合成樹脂類や各種の合成ゴム類、あるいはその混合物をベースとし、必要に応じて硬化剤、加硫剤、劣化防止剤等の添加物を加えたものを上記溶剤に溶解し、スクリーン印刷等で形成したもの、ポリエステル、塩化ビニルなどのフィルムにアクリル系樹脂等の粘着剤が塗布され、これを貼付したもの等があげられる。これらは、必要とされる絶縁性、表面保護性、コスト等の兼ね合いにより選択される。
【0023】ヒートシールコネクタ、異方導電接着剤3、絶縁性接着剤4の被着体としては、厚さ10〜100μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン等のフィルムを用いた表示基板や回路基板があげられる。これらの熱変形温度は、非結晶性高分子ではガラス転移点Tg、結晶性高分子では融点Tmとされる。また、結晶質と非結晶質とが混在する構造の場合にはTmとされる。
【0024】この熱変形温度と弾性率との関係を図4を用いて説明する。図4は、本発明の絶縁性接着剤の動的粘弾性特性の一例を示している。同図において、横軸が温度、縦軸が弾性率(貯蔵弾性率)である。図において、圧着前の絶縁性接着剤は温度増加とともに、弾性率が低下していき、エポキシ樹脂が硬化し始める温度付近で最低値となり、その後は硬化反応で弾性率が増加する。
【0025】本発明の絶縁性接着剤は圧着前の絶縁性接着剤の弾性率の最低値が室温(25℃)から被着体の熱変形温度により5℃低いところまでの範囲で現れ、その値が0.01〜1MPaとなるが、好ましくは0.01〜0.7MPaなのが良い。弾性率の最低値が(被着体の熱変形温度−5℃)よりも高くなるところで現れると、被着体にダメージを与えない温度で圧着して絶縁性接着剤を硬化させることが困難になるからである。逆に、室温(25℃)よりも低い位置で現れると、室温(25℃)で反応が進行し、保存性が悪くなる。また、その値が0.01MPaよりも小さいと、圧着時に絶縁性接着剤が流れ過ぎて接着力を保持できなくなるし、逆に1MPaよりも大きいと、速やかに硬化反応が進行しなくなるからである。
【0026】さらに、圧着前後における上記温度範囲での絶縁性接着剤の弾性率の差は1〜1000MPaとなるが、好ましくは10〜500MPaなのが望ましい。これは、1MPaよりも小さいと、母材強度が弱く、信頼性のない接着剤となってしまうし、1000MPaよりも大きいと、もろくて硬い絶縁性接着剤となりやすく、剥離接着力が弱くなるからである。
【0027】上記によれば、エポキシ樹脂とその硬化剤を含有し、その圧着時の弾性率について被着体の耐熱性を考慮し、圧着前後の弾性率の差を1〜1000MPaとするとともに、圧着前の弾性率を0.01〜1MPaとするので、圧着前には低い弾性率になり易い。よって、圧着時に即座に反応が進行してヒートシール時間を著しく短縮することができ、低温、短時間でのヒートシールが可能になる。
【0028】また、被着体には、なんら熱的ダメージを与えることがないので、被着体が潜在的な材料ストレスをもつことがない。そして、これを通じ、接着後の熱衝撃によっても接着部になんらダメージを与えることがなく、接続信頼性の大幅な向上が大いに期待できる。さらに、圧着後の接着剤は、熱硬化により高い弾性率を有するので、接着力が増大し、特に高温や熱衝撃が加わる場合でも、電気的接続の特性を安定させたり、接着強度の信頼性を高めることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明に係る絶縁性接着剤、異方導電接着剤、及びヒートシールコネクタの実施例を比較例と共に説明する。なお、以下で述べる弾性率とは、動的粘弾性測定装置で測定した周波数10Hzでの貯蔵弾性率(Pa)[引張り又は圧縮モード、40℃から昇温]をいう。
【0030】実施例(1)絶縁性接着剤の調製飽和共重合ポリエステル樹脂100重量部、エポキシ当量800〜1100のビスフェノール型エポキシ樹脂400重量部、エポキシ当量200〜300のビスフェノール型エポキシ樹脂100重量部、2‐メチルイミダゾール 20重量部、メチルエチルケトン200重量部を混合し、液状の絶縁性接着剤4を調製した。
【0031】(2)異方導電接着剤の調製調製した絶縁性接着剤4 100重量部に、表面を金メッキした平均粒径10μmのスチレン樹脂粒子を20容量部加え、異方導電接着剤3を調製した。こうして異方導電接着剤3を調製したら、表面を離型処理したPETフィルムに、異方導電接着剤3をその乾燥後の塗装厚さが10μmとなるようコート、乾燥させて異方導電接着剤3とした。
【0032】(3)ヒートシールコネクタの作製先ず、厚さ25μmのPETフィルムからなる可撓性基材1の表面に市販の銀ペースト(東洋紡績株式会社製、商品名DW‐250H‐5)をスクリーン印刷して0.2mmピッチ、厚さ7μmの導電ライン2を形成し、130℃のオーブンで5時間乾燥させ、硬化させた。こうして硬化させたら、導電ライン2の接続部に調製した異方導電接着剤3の膜を転写し、異方導電接着剤層を形成した。この異方導電接着剤3の室温〜175℃における最低弾性率は0.5MPaであった。また、圧着前後の弾性率の差の最大値は50MPaであった。次いで、導電ライン2の非接続部に市販の絶縁レジスト層(日本アチソン株式会社製、商品名JEH‐112)6を厚さ30μmに形成し、これを所定の大きさに切断してヒートシールコネクタを作製した。
【0033】(4)環境試験面積抵抗率50Ω/□の透明導電酸化膜基板(ITO)の接続端子を有する厚さ100μmのポリエーテルスルフォンフィルム(熱変形温度180℃)からなる表示基板と、厚さ75μmのポリイミドフィルムからなるFPC接続端子とを用意し、これら表示基板とFPC接続端子との間に、ヒートシールコネクタを160℃、1MPa、5秒の条件でヒートシールし、高温120℃〜低温−40℃の環境試験を実施した。試験の際、両側接続端子間の抵抗値と90°剥離強度を測定したところ、表1に示す結果が得られた。
【0034】比較例(1)絶縁性接着剤の調製NBR100重量部、SEBS100重量部、テルペンフェノール150重量部、酸化チタン50重量部をセロソルブアセテートに溶解し、固形分40%の絶縁性接着剤4を調製した。
【0035】(2)異方導電接着剤の調製調製した絶縁性接着剤4 100重量部に、表面を金メッキした平均粒径10μmのスチレン樹脂粒子を20容量部加え、異方導電接着剤3を調製した。
【0036】(3)ヒートシールコネクタの作製先ず、厚さ25μmのPETフィルムからなる可撓性基材1の表面に市販の銀ペースト(東洋紡績株式会社製、商品名DW‐250H‐5)をスクリーン印刷して0.2mmピッチ、厚さ7μmの導電ライン2を形成し、130℃のオーブンで5時間乾燥させ、硬化させた。硬化させたら、導電ライン2の接続部に異方導電接着剤3を厚さが10μmとなるようスクリーン印刷で塗布し、異方導電接着剤層を形成し、150℃の熱風乾燥機で溶剤を除去した。この異方導電接着剤3の室温〜175℃における最低弾性率は3MPaであった。また、圧着前後の弾性率の差の最大値は0.01MPaであった。次いで、導電ライン2の非接続部に市販の絶縁レジスト層(日本アチソン株式会社製、商品名JEH‐112)6を厚さ30μmに形成し、これを所定の大きさに切断してヒートシールコネクタを調製した。
【0037】(4)環境試験実施例と同様の表示基板とFPC接続端子との間に、ヒートシールコネクタを実施例と同様の条件でヒートシールしようとしたが、当初から接続不能な導電ライン2が存在したため、ヒートシールコネクタを180℃、4MPa、15秒の条件でヒートシールし直した。表示基板に熱収縮が生じたが、接続したので、高温120℃〜低温−40℃の環境試験を実施した。試験の際、両側接続端子間の抵抗値と90°剥離強度を測定したところ、表1に示す結果が得られた。
【0038】
【表1】

【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、例え高温や熱衝撃が作用しても、電気的な接続を確実、かつ高い信頼性をもって保つことができるという効果がある。また、例えプラスチック製LCDのような耐熱性が低い表示基板等でも、良好に接着、接続することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
【出願日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【代理人】 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介 (外2名)
【公開番号】 特開2002−121526(P2002−121526A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2000−316726(P2000−316726)