| 【発明の名称】 |
粘着剤組成物及び感圧性粘着シート |
| 【発明者】 |
【氏名】小池 さなえ
【氏名】三和 義治
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| 【要約】 |
【課題】カラー陰極線管等の表示装置前面に貼付して波長570〜590nmの光を吸収し、赤、青、緑のコントラストの鮮やかな画像を得る粘着シートを提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸の希土類塩、アクリル酸エステル及びα−モノオレフィンカルボン酸及び/又はN−アルキルアクリルアミドを含む三成分以上のモノマー混合物をラジカル共重合して得られるガラス転移点が−20℃以下のエラストマー100重量に対して、0. 01〜5重量部の硬化剤及び必要に応じて粘着性付与樹脂を配合してなる粘着剤組成物であり、その0. 05〜0. 9mm厚層が450nm、550nm、620nmの波長の可視光の透過率が40%以上で570〜590nm付近の最大吸収波長の可視光に対して選択吸収を示す粘着剤層を有する感圧性粘着シート。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アクリル酸又はメタクリル酸の希土類金属塩0. 5〜45重量部、アクリル酸エステル40〜96.5重量部、及びα−モノオレフィンカルボン酸及び/又はN−アルキルアクリルアミド3〜15重量部を含む三成分以上のモノマー混合物をラジカル共重合して得られるガラス転移点が−20℃以下であるエラストマー100重量に対して、0. 01〜5重量部の硬化剤及び必要に応じて5〜60重量部の粘着性付与樹脂を配合してなる粘着剤組成物であり、その0. 05〜0. 9mm厚層が450nm、550nm及び620nmの波長の可視光に対して40%以上の透過率を示し、570〜590nm付近の最大吸収波長の可視光に対して選択吸収を示すことを特徴とする粘着剤組成物。 【請求項2】 前記アクリル酸又はメタクリル酸の希土類金属塩は、アクリル酸又はメタクリル酸のネオジム塩、又はアクリル酸又はメタクリル酸のネオジム塩とアクリル酸又はメタクリル酸のエルビウム塩及び/又はそのプラセオジム塩との混合塩から選ばれる少なくとも1種の塩であることを特徴とする、請求項1記載の粘着剤組成物。 【請求項3】 前記アクリル酸エステルは、アクリル酸と炭素数2〜12の脂肪族1価アルコールとのエステル化物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。 【請求項4】 前記エラストマーは、重量平均分子量が90,000〜950,000の共重合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。 【請求項5】 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の感圧性粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材の片面又は両面に有することを特徴とする、感圧性粘着シート。 【請求項6】 請求項5記載の感圧性粘着シートを陰極線管の前面に貼着したことを特徴とする、陰極線管。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管やプラズマディスプレイ等の表示装置前面に使用した時に、青、緑、赤の三原色以外の波長を吸収してコントラストを鮮やかにした画像を提供するとともに、反射防止や導電膜を貼着する際にも有用な機能性粘着剤とその粘着剤を使用してなるカラー陰極線管用粘着シートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、カラー陰極線管のフラット化が進み、最近、カラー陰極線管表面にスピンコーティング等で施していた低反射膜や導電性膜などの機能性膜を、ポリエステルなどのフィルムによって形成するために該フィルムを粘着剤や接着剤で陰極線管用表面に貼着する方法が増加している。この方法の利点は、陰極線管製造メーカーに塗布や乾燥のための高価な設備投資負担を強いることなく、簡単な作業でかつ高収率で陰極線管に前述の機能を付与させることが出来る点にある。 【0003】一方、画像の質を向上させるために、陰極線管に蛍光灯などの外光の写し込みを防ぐ低反射機能や静電気により塵埃などが陰極線管に付着することを防ぐ導電性機能を付与することに加えて、より鮮やかな画像を提供する目的で450nmの青色光、550nmの緑色光及び620nmの赤色光以外の波長光を吸収して画像の輝度を低下させることなくコントラストを向上させる選択波長吸収機能を付与ことへの要望があった。 【0004】上述の選択波長吸収機能を付与する方法としては、ネオジム等の希土類金属酸化物を陰極線管用に混入させる方法(特開平11−250834号公報)や同酸化物を透明樹脂に混入させた成形板(特開平11−231301号公報、特開平11−310717号公報)を使用する方法、及び前述の有機塩の樹脂共重合物をビーズ状にして透明プラスチックス板に分散させる方法(特開平5−179147号公報)、更には、無機及び有機染料又は顔料を混入させる方法(特開平10−111410号公報)等、種々の方法が提案されている。 【0005】しかしながら、金属酸化物を陰極線管に混入させる方法は、数多いデザインの陰極線管毎に最適の配合が必要で、型の段取り替え時に多くの工数を必要とし、陰極線管のリサイクル時に混入した金属酸化物の除去に特別の方法を必要とする不利があった。 【0006】また、成形時に金属酸化物を透明樹脂板に混ぜたり、共重合させて成形板を得る方法は、いずれも高いガラス転移点を持つ樹脂特性のため、それら樹脂板はわずかな衝撃で簡単に割れてしまったり、成形時には高度な技術と精度を必要とするセルキャスト法などを使用する必要があった。 【0007】更に、セルキャスト法などで成形した機能性樹脂板は、陰極線管用パネルに固定するために接着剤を塗布した後、熱や紫外線で乾燥硬化するための長大装置を必要とし、結果として完成品は高価なものとなってしまう不利があった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のような不利を解決し、良好な特定の波長の可視光に対する選択的な吸収機能を有する被膜を形成することができる粘着剤組成物と、陰極線管用パネル前面に簡単な作業で良好な特定波長光に対する選択的吸収機能を有する被膜を形成することができる粘着シート、及び該粘着シートによって形成されている優れた特定波長光に対する選択吸収機能を陰極線管表面に有する陰極線管を提供することを目的とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための本発明は、以下の各発明を包含する。 (1) アクリル酸又はメタクリル酸の希土類金属塩0. 5〜45重量部、アクリル酸エステル40〜96.5重量部、及びα−モノオレフィンカルボン酸及び/又はN−アルキルアクリルアミド3〜15重量部を含む三成分以上のモノマー混合物をラジカル共重合して得られるガラス転移点が−20℃以下であるエラストマー100重量に対して、0. 01〜5重量部の硬化剤及び必要に応じて5〜60重量部の粘着性付与樹脂を配合してなる粘着剤組成物であり、その0. 05〜0. 9mm厚層が450nm、550nm及び620nmの波長の可視光に対して40%以上の透過率を示し、570〜590nm付近の最大吸収波長の可視光に対して選択吸収を示すことを特徴とするカラー陰極線管等に使用する感圧粘着シート用として有用な粘着剤組成物。 【0010】(2) 前記アクリル酸又はメタクリル酸の希土類金属塩は、アクリル酸又はメタクリル酸のネオジム塩、又はアクリル酸又はメタクリル酸のネオジム塩とアクリル酸又はメタクリル酸のエルビウム塩及び/又はそのプラセオジム塩との混合塩から選ばれる少なくとも1種の塩であることを特徴とする、(1) 項記載の感圧性粘着剤組成物。 (3) 前記アクリル酸エステルは、アクリル酸と炭素数2〜12の脂肪族1価アルコールとのエステル化物であることを特徴とする(1) 項又は(2) 項に記載の感圧性粘着剤組成物。 【0011】(4) 前記エラストマーは、重量平均分子量が90,000〜950,000の共重合体であることを特徴とする、(1) 項〜(3) 項のいずれか1項に記載の感圧性粘着剤組成物。 (5) 前記(1) 項〜(4) 項のいずれか1項に記載の感圧性粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材の片面又は両面に有することを特徴とする、カラー陰極線管等に有用な感圧性粘着シート。 【0012】(6) 前記(5) 項記載の粘着シートを陰極線管の前面に貼着したことを特徴とする、陰極線管。 【0013】 【発明の実施の形態】一般にカラー陰極線管は、蛍光体の三原色の発光スペクトル(図1)を呈するが、青(450nm)、緑(550nm)及び赤(620nm)の各波長間、特に570〜590nm付近の波長光は、色の鮮やかさを損なう不要な光であり、これらの光を選択的に吸収除去することが可能であればコントラストと鮮明度の向上を図ることができる。 【0014】一方、内部を高度に真空に保っているカラー陰極線管は、外部からの衝撃で爆縮を起こす危険を避けるために前面ガラスを十分に厚くする必要がある。このため陰極線管表面を従来の球面からフラットにするには、強度を高めるためにガラスの肉厚を更に厚くする必要があり、結果として重量が増加する不利がある。表面がフラットであれば前述の機能性フィルムを陰極線管前面に安定して貼着することが出来るが、従来の機能性フィルムに導電性処理や防眩処理に加えて前述の特定波長の可視光に対する選択的な吸収機能を付与するためには該フィルム上に少なくとも3〜12層に及ぶ多層の処理を施すことが必要であり、基材として一般的なポリエステルフィルムのようなプラスチックフィルムは、このような繰り返し行われる機械的、熱的に負荷がかかる処理に耐えることができず、多層化により本来の三原色の波長透過率そのものが低下することもあった。 【0015】本発明によれば、粘着剤分子内に特定波長の可視光を選択的に吸収する機能を有する成分を共重合して導入した感圧性粘着剤を有する粘着シートをカラー陰極線管表面に貼着するという簡単な作業で、前述した色の鮮やかさを損なう不要な光を選択的に吸収除去してコントラストと鮮明度が向上したカラー陰極線管を製造することが可能である。 【0016】本発明を図面で説明すると、図3は本発明の粘着剤を塗布してなる片面粘着シートの構成図で、図4は両面粘着シートの構成図である。図中の符号1は粘着剤層、2はポリエステルフィルム等からなる基材、3はシリコンなどの離型剤を塗布してなるセパレータである。図5は、片面粘着シートを、図6は両面粘着シートを陰極線管の前面6に貼着した図であり、図5の基材2上や図6の粘着剤層1上には導電層、防眩層及びハードコート層などからなる単層又は多層の機能性膜4、又は、それらの機能を有する機能性フィルム5を貼着することできる。 【0017】本発明の粘着剤組成物におけるエラストマーにおいて、特定波長の可視光に対する選択的な吸収機能を有するモノマー成分であるアクリル酸又はメタクリル酸の希土類金属塩は、酸化ネオジム、酸化エルビウム、酸化プラセオジム等の希土類酸化物とアクリル酸又はメタクリル酸とを水存在下に還流加熱して得られる物質であり、粘着剤エラストマー100重量部に0. 5〜45重量部の配合比率で有効な特定波長の可視光に対する選択的な吸収性を備えている。エラストマー中の配合率が0. 5重量部に満たないときには選択吸収性が不足し、45重量部を越える場合は粘着剤の粘着特性と凝集性が低下するとともに水溶解性が大きくなり実用に適さなくなる。 【0018】エラストマーを構成する第2の共重合モノマー成分であるアクリル酸エステルは、本発明の粘着剤エラストマーの骨格となる成分で、通常、アクリル酸と炭素数が2〜12のアルコールとのエステルで、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、 イソプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどがあり、一般的には、目的に応じ2種又は3種又はそれ以上のモノマーを混合して使用することにより、粘着剤エラストマー100重量部に、40〜96.5重量部の比率で配合する。 【0019】40重量部に満たないと、目的とする共重合物のガラス転移点が−20℃以上となり、粘着剤としての適当な粘弾性が発現しなかったり、共重合時の反応制御が不能になったりすることがある。96. 5重量部を越えると極端に凝集性が不足し、強固な粘着力や良好な再剥離性が表れないため、粘着剤エラストマーとしての特性を発揮させることができなくなる。 【0020】エラストマーを構成する第3の共重合モノマー成分であるα−モノオレフィンカルボン酸とN−アルキルアクリルアマイドは反応成分で、単独又は任意の比率の混合物として3〜15重量部の範囲で配合する。3重量部未満では、後添加される硬化剤との反応が不足して粘着シートとしての加熱時の凝集性が不足するし、15重量部を越えると共重合体そのものの適度な粘度とならず、粘着剤の反応と粘着シートの塗布に支障をきたす。 【0021】上記配合比率で混合した粘着剤用モノマー混合物を、その混合物重量100部に対し80〜1200重量部のトルエンや酢酸エチルなどの有機溶剤又は水に溶解又は分散させ、0. 01〜0. 5重量部の過酸化ベンゾイルやアゾビスイソブチルニトリル等のラジカル重合開始剤を添加して共重合せしめて粘着剤エラストマーを合成する。この共重合して得た粘着剤エラストマーは、重量平均分子量が90, 000〜950, 000でガラス転移点が−20℃以下のやや紫系の透明で粘稠の液体であり、後の塗布作業性に合せて有機溶剤や水で濃度と粘度を調整する。 【0022】この粘着剤エラストマー100重量部に対し、粘着剤としての基礎的性質を補完する各種添加剤、例えば適度な凝集性と耐熱性を付与する、イソシアナート系、エポキシ系、メラミン系、酸無水物系、過酸化物系及び金属キレート系などの硬化剤を0. 01〜5重量部の範囲で添加するとともに、被着体への粘着特性や粘着剤そのものの耐久性の改善や、新たな機能を付加する目的で、透明性を阻害しない5〜60重量部の範囲でロジン、ロジンエステル、テルペン、石油樹脂などの粘着性付与樹脂や老化防止剤などを添加して粘着剤組成物を配合する。 【0023】上述の方法によって得た粘着剤は、塗布乾燥硬化後の厚さが0. 05〜0. 9mmの範囲で、少なくとも570〜590nm付近の最大ピークの波長透過率は50%以下で、620(赤)、550(緑)、450(青)nmの波長の透過率は40%以上で、これら三原色の波長吸収阻害を起こすことはなく、タック、対ガラス粘着力及び80℃保持力などの粘着特性も実用上十分な特性を有する。塗布厚さが0. 05mm未満では、575nm付近の波長透過率は50%以上となり選択吸収機能が不十分となり、0.9mmを越えると、選択吸収機能は十分であるがコスト面での不利と粘着剤厚さに起因する画像ムラなどを引き起こす。 【0024】この粘着剤組成物は、目的に応じてポリエステル、アクリル、ポリカーボネートなどの透明プラスチックフィルムや表面にシリコン樹脂などで離型処理を施したセパレータ表面にバーコート、ロールコート、グラビアなどの方法で塗布、熱や電磁波で溶剤や水を除去した後硬化させ、そのまま、又はセパレータと共に巻き取るか、枚葉状に切断して本発明の粘着シートを得る。これら粘着シート基材としては、無処理フィルムは勿論のこと、防眩処理や導電処理を単独又は層状に処理し、その上にハードコート層を設けた前述の透明プラスチックフィルムを用いることができる。更に、本粘着剤への投錨力を付与する目的で、基材には物理的、化学的な下塗りを施してもよい。 【0025】本発明の粘着シートに使用するセパレータは、特に限定するものではなく、グラシン紙、上質紙、高分子フィルムなどの片面又は両面にシリコン樹脂などの離型剤を直接又はラミネート状に塗布したものを用いる。 【0026】本発明の粘着シートは、適度な柔軟性と凝集性を有し、−20〜100℃の範囲で厚さが一定であるため安定した選択波長吸収機能を呈するとともに、粘着剤固有の粘弾性を持つため衝撃吸収性にも優れる。 【0027】又、この粘着シートは陰極線管の前面に容易に貼着することが可能で、粘着シートを貼着した陰極線管は、粘着剤の選択波長吸収特性により鮮やかな画面で、特に赤色が際立って視認できる画像を提供する効果があるだけでなく、粘着剤の粘弾性特性により前面に加わる衝撃に対し高い衝撃吸収効果も呈する結果、爆縮に抗する防爆性能を保持するために厚さを大幅に低減することが可能である。 【0028】本発明の粘着シートを貼着した陰極線管から粘着シートを剥がす必要が生じた時にも、糊残りすることなく容易に剥がすことが可能であり、陰極線管のリサイクルにも有用である。 【0029】 【実施例】以下、本発明を実施例で更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、各実施例及び各比較例中で用いられている「部」は重量部を示すものである。 【0030】実施例1アクリル酸ネオジム5部を、ブチルアクリレート37部、2−エチルヘキシルアクリレート55部及びアクリル酸3部と混合して900部の水中に投入し、アゾビスイソブチルニトリルを0. 035部加えて65℃で3.5時間、次いで80℃で1時間懸濁重合させた後、過剰の水−アルコールで洗浄してガラス転移点が−35℃の感圧性粘着エラストマーを得た。このエラストマー100部に対して0. 02部のブロックイソシアナート系硬化剤を加えた後、等量の酢酸エチル−トルエン混合液125部に溶解し、0. 18mm厚のポリエステルフィルム上に乾燥後の糊厚が0. 4mmとなるようにロールコーターで塗布し、110℃で5分間の乾燥硬化を行った後、0. 075mmのポリエステルフィルムセパレータと共に巻き取って感圧性粘着シートを得た。 【0031】得られた粘着シートは図2に示す吸収スペクトルを有し、波長575nmの光の透過率は11%で、620nm、550nm及び450nmの各波長の光の透過率は各々90%、85%、80%であり、良好な特定波長光に対する選択吸収機能を示すとともに三原色光に対する吸収阻害を起こすことはなかった。次いで、適当幅に切り取った粘着シートを用いて対ガラス板粘着力、タック及び80℃保持力を測定した結果は、表1に示されているように良好な特性であった。更に、粘着シートの衝撃吸収性を鋼球落下試験で評価したところ、未貼着ガラス板は250mm高からの落下試験で割れてしまうが、本発明品貼着ガラス板は500mm高で落下させても割れず、2倍以上の耐衝撃吸収性を示した。17インチ フラットカラーディスプレィ管表面の画面の下半分に本発明のシートを貼着して、三原色を映して無貼着画面の画像と比較したところ、赤色が鮮やかで、緑色と青色に深みがあり、画像が鮮明になっていることが確認できた。 【0032】実施例2メタクリル酸ネオジム5部を、ブチルアクリレート25.5部、イソプロピルアクリレート20部、2−エチルヘキシルアクリレート45部及びN−アクリルアミド4. 5部と混合して800部の水中に投入し、アゾビスイソブチルニトリルを0. 03部加えて65℃で4時間、次いで80℃で1時間懸濁重合させた後、洗浄してガラス転移点が−32℃の感圧性エラストマーを得た。このエラストマー100部に、0. 05部のエポキシ系硬化剤を加え、等量の酢酸エチル−トルエン混合液125部に溶解し、0.075mmのポリエステルフィルム上に乾燥後の糊厚が0. 55mmとなるようにダイコーターで塗布し、110℃で5分間乾燥硬化した後、0. 075mmのポリエステルフィルムセパレータと共に巻き取り感圧性粘着シートを得た。 【0033】この粘着シートの波長575nmの光に対する透過率は15%で、620nm、550nm、450nmの各々の波長の光に対する透過率は93%、90%、83%であり、良好な特定波長光に対する選択吸収性を示した。次いで、実施例1と同様の方法で粘着特性と衝撃吸収特性を測定し、その結果を表1に示す良好な結果を得た。更に実施例1で使用したディスプレィ管表面に実施例1と同様に貼着して比較画面を調べた結果、鮮明に波長吸収効果は視認出来た。 【0034】実施例3アクリル酸ネオジム6部とメタクリル酸エルビウム3部を、ブチルアクリレート50部、2−エチルヘキシルアクリレート35部及びアクリル酸6部との混合物を280部の水中に投入、アゾビスイソブチルニトリルを0. 03部加えて実施例1と同条件で懸濁重合させた後洗浄し、ガラス転移点が−38℃の感圧性粘着剤エラストマーを得た。このエラストマー100部に0. 05部のエポキシ系硬化剤を加えて125部のトルエンに溶解し、0. 125mm厚のポリカーボネートフィルム上にロールコーターで乾燥後の厚さが0. 7mmとなるように塗布して110℃で5分間乾燥硬化した後、0. 100mmポリエステルフィルムセパレータを貼着しながら1000mm毎の枚葉状に切り取り、感圧性粘着シートを作成した。本シートの波長575nmの光に対する透過率は17%で、620nm、550nm、450nmの各波長光に対する透過率は各々85%、85%、75%と良好な結果を得た。次いで、実施例1と同様な方法で粘着特性、耐衝撃吸収性及びカラーディスプレィ視認性を評価した結果は表1に示す通り良好な結果であった。 【0035】比較例1ブチルアクリレート37部、2−エチルヘキシルアクリレート60部及びアクリル酸3部と混合し、100部の酢酸エチルと25部のトルエン混合液に投入し、0. 035部のアゾビスイソブチルニトリルを加えて80℃で4時間重合させガラス転移点が−39℃の感圧性粘着剤エラストマーを得た。この溶液中エラストマー固形分100部に対し、0. 02部のブロックイソシアナートを加え実施例1と同様の0.18mmポリエステルフィルム上に乾燥後の厚さが0. 4mmとなるようにロールコーターで塗布し、乾燥した後、ポリエステルセパレータと共に巻き取って感圧性粘着シートを得た。本シートの可視部吸収スペクトルの620nm、575nm、550nm及び450nmの各波長の光に対する透過率はいずれも80%以上であったため、目的とする特定波長光に対する選択的な吸収性はなかった。次いで、粘着特性、衝撃吸収性及びカラーディスプレィ視認性を評価した結果は表1に示す通りで、画像の視認性において鮮明にはならなかった。 【0036】比較例2メタクリル酸ネオジム10部を、エチルメタクリレート85部及びメタクリル酸5部と混合して、1000部の水中に投入、アゾビスイソブチルニトリルを0. 13 部加えて実施例1と同様の条件で重合させて洗浄し、ガラス転移点が85℃のアクリル樹脂を得た。このアクリル樹脂100部に、0. 085部の過酸化ベンゾイルを加えて125部のメタノールに溶解して0. 18mmのポリエステルフィルム上にバーコーターを用いて乾燥後の厚さが0. 4mmとなるよう4回塗布乾燥を重ね、その表面に0. 05mmのポリエステルセパレーター をかぶせて120℃で25分間硬化させてアクリル樹脂シートを作成した。この樹脂シートの波長透過率は、各々620nm、575nm、550nm、450nmで93%、11%、93%、80%で良好な選択吸収機能を呈したが表1に示す通り、粘着力、タック、保持力の粘着特性及び耐衝撃吸収性に劣る結果となった。 【0037】 【表1】
【0038】(試験方法) 1.ガラス転移点:弾性率の温度変化により測定する。 2.重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。 3.粘着力、タック、保持力:JIS−Z−0237−2000(粘着シート試験法)に準じる。 4.耐衝撃吸収性:60×80mm角、厚さ6mmのガラス板の片面前面に各試料を貼着し、500mmの高さから直径10mm、重さ500gの鋼球を落下させてガラスの割れを観察する。 5.透過率:分光光度計で各波長の透過率を測定する。 【0039】 【発明の効果】以上のように、本発明は、アクリル酸希土類金属塩成分を粘着剤中に共重合させて取りこむことにより、効果的で安定した特定波長の可視光に対する選択的な吸収機能を有する粘着剤を提供し得たものであり、また、この粘着剤を使用した粘着シートとして陰極線管表面に貼着するだけで鮮明な画像を得ることができる粘着シートを提供し得たものである。さらに、該粘着シートを陰極線管表面に貼着した陰極線管を提供し得たものである。本発明の粘着シートは、陰極線管のリサイクル工程で剥離する必要が生じても容易に剥離することができることから、陰極線管のリサイクルを可能としたものであるし、メガネレンズ表面や蛍光灯管球表面に貼着して視野や照射品を鮮明にする用途にも利用できるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000145079 【氏名又は名称】株式会社寺岡製作所 【識別番号】000232243 【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年10月16日(2000.10.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087022 【弁理士】 【氏名又は名称】井上 昭 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−121523(P2002−121523A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月26日(2002.4.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−314963(P2000−314963) |
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