| 【発明の名称】 |
ラミネートフィルム及びこのラミネートフィルムを用いたラミネート方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】永田 徹
【氏名】岩田 哲
【氏名】鈴木 謙二
【氏名】康井 義成
【氏名】落合 博
|
| 【要約】 |
【課題】基材上に形成された保護層を印画物の画像表面に圧着し、記基材を画像上から分離する際に、印画物の周囲端部にそってきれいに保護層を切断できるラミネートフィルムを提供すること。
【解決手段】基材上に少なくとも表面層及び接着層を積層したラミネートフィルムを形成する際に、表面層を、少なくとも2種類以上のエマルジョンを混合した塗料を塗布して形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材上に、少なくとも表面層及び接着層を積層したラミネートフィルムにおいて、前記表面層が少なくとも2種類以上のエマルジョンを混合した塗料を塗布したものであることを特徴としたラミネートフィルム。 【請求項2】 前記2種類以上のエマルジョンが、ガラス転移温度が異なる2種以上のエマルジョンである請求項1に記載のラミネートフィルム。 【請求項3】 前記塗料に、ガラス転移温度が40℃以上異なる2種以上のエマルジョンを含む請求項1に記載のラミネートフィルム。 【請求項4】 前記2種類以上のエマルジョンが、ガラス転移温度が80℃以上のエマルジョンと、ガラス転移温度が30℃以下のエマルジョンとで構成される請求項3に記載のラミネートフィルム。 【請求項5】 相対的に高いガラス転移温度を有する前記エマルジョンの固形分が、全エマルジョンの固形分に対して10〜90質量%である請求項2に記載のラミネートフィルム。 【請求項6】 前記表面層が紫外線吸収性を有する請求項1に記載のラミネートフィルム。 【請求項7】 前記接着層が紫外線吸収性を有する請求項1に記載のラミネートフィルム。 【請求項8】 請求項2に記載のラミネートフィルムを用い、相対的に高いガラス転移温度を持つエマルジョンのガラス転移温度以上の温度で、前記ラミネートフィルムと印画物とを圧着する工程と、その後前記ラミネートフィルムと前記印画物とを分離する工程とを有することを特徴とするラミネート方法。 【請求項9】 前記ラミネートフィルムと前記印画物とを分離する際の温度が、相対的に低いガラス転移温度を持つエマルジョンのガラス転移温度以上、かつ相対的に高いガラス転移温度を持つエマルジョンのガラス転移温度以下である請求項8に記載のラミネート方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、印画物に保護層を形成するためのラミネートフィルム及びこのラミネートフィルムを用いたラミネート方法に関する。特に、基材上に形成された保護層樹脂を印画物に熱圧着した後、基材を剥離して保護層を形成するためのラミネートフィルム及びこれを用いたラミネート方法に関する。 【0002】 【従来の技術】電子写真やインクジェットの出力印画に、耐熱性基材上に塗布された透明樹脂層を熱圧着し、耐熱性基材を剥離する、もしくは剥離せずそのまま完成印画を得る方法はこれまで広く用いられてきた。例えば、特開平6−91767号公報で開示されているように、耐熱性基材を剥離する場合は印画寸法、幅方向に対して保護層樹脂が塗布された耐熱性基材の寸法を大きくし、送り方向は連続とする、印画に対して接着を行なった保護層部分のみを印画と共に剥離する手法がある。このような保護層の塗布手段としては、ポリマーを溶剤に溶解した塗料を塗布するか、エマルジョンとして溶媒に樹脂粒子が分散した塗料を塗布し乾燥するのが一般的である。 【0003】一方、保護層自身の機能性改善として、保護層樹脂を構成するポリマーに紫外線吸収性の分子構造を組み込み、安定な紫外線吸収層を形成する技術が特開2000−44901号公報に開示されている。この公報に、実施例として開示された樹脂はポリカーボネート基板上では安定であることが述べられているが、同処方の樹脂は紙基板上では吸湿時に紙の伸びに耐えることが出来ず割れてしまうものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の技術に於いては、印画物に接着した保護層を印画物の端部で正確に切断でき、かつ吸湿により寸法拡大する印画物に対して保護層が割れない、という相反する2つの要求に応えられない場合があった。 【0005】本発明は、ラミネートフィルムを印画物にラミネートして剥離する際に、保護層が印画物の端部で正確に切れ、しかも印画物が吸湿しても保護層にクラックが発生しないラミネートフィルム及びこのラミネートフィルムを用いたラミネート方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明のラミネートフィルムは、基材上に、少なくとも表面層及び接着層を積層したもので、少なくとも2種以上のエマルジョンを混合した塗料を塗布して前記表面層を形成したものである。 【0007】また、本発明のラミネート方法は、基材上に、少なくとも表面層及び接着層を積層したもので、少なくとも2種以上のガラス転移温度が異なるエマルジョンを混合した塗料を塗布して前記表面層を形成したラミネートフィルムを用い、相対的に高いガラス転移温度を持つエマルジョンのガラス転移温度以上の温度で、前記ラミネートフィルムと印画物とを圧着する工程と、その後前記ラミネートフィルムと前記印画物とを分離する工程とを有するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】発明の実施形態の説明に先立ち、本発明に関する保護層と印画物の熱圧着/転写プロセスを提供する定着メカニズムについて説明する。 【0009】図1において、1は保護層を外側にして巻かれた本発明のラミネートフィルム2のロールの巻出しリールで、バックテンション(図中でCCW方向のトルクによる)をフィルム2に与えている。3は加熱ロールでその中心軸に該ロールの回転量を検知するロータリエンコーダ4を持つ。5はフィルム2を加熱ロールに押し付ける加圧ロールで、圧力として線圧5乃至50N/cm、特に線圧15乃至35N/cm前後程度が望ましい。 【0010】6はロール3、5で圧着されたラミネートフィルム2と印画物Pを冷却する冷却ファン、7a、7bは後端剥離部のガイドロールで中心軸に回動可能に構成されている。7cは同じく後端剥離部の可動剥離ロールでフィルム2に保護層を介して圧接着された印画物Pの後端を急速に押すことでフィルム2上から印画物Pを剥離する。8は先端剥離部のガイドロールで、このロール8をフィルム2に保護層を介して圧着された印画物Pが通過することにより、印画物Pの先端がフィルム2との剛性の違いにより剥離する。10はラミネートフィルム2の巻き取りリールで、巻き取り方向にテンションを与えている。11は印画物Pのガイド、12は第一の紙通過センサを構成するフォトインタラプタ、13は第2の紙通過センサを構成するフォトインタラプタである。 【0011】印画物Pがガイド11に挿入され第一の紙通過センサ12が印画物Pの「有り」信号を発生すると加熱ロール3に加圧ロール5が圧接するとともに加熱ロール3がCWに回転開始する。当該回転の線速度は、5mm/sから40mm/s程度の範囲から選択可能であるが、10mm/sから30mm/sの範囲が好ましい。印画物Pはロール3、5により保護層を介してラミネートフィルム2に対して接着する。 【0012】第1の紙通過センサ12が印画物Pの「有り」から「無し」への変化を検知した時の加熱ロール3の角度位置から印画物後端が後端剥離部に位置するまでの加熱ロール3の角度位置を、ロータリエンコーダ4が監視し、後端剥離部の可動剥離ロール7cにより後端剥離を行なう。これにより印画物Pは保護層と共に後端部のみラミネートフィルム2から剥離される。その後、第2の紙通過センサ13が印画物Pの「無し」を検知した後、排紙完了に要する長さ分だけラミネートフィルム2が送られる。これもロータリエンコーダ4が印画物P後端の第2センサ13通過後排紙完了までの距離分の加熱ロール3の回転を監視することで行なわれる。この際、印画物Pは先端剥離部を通過するので急速に曲げられた後で詳述するように、剛性の高い印画物Pと印画物Pに接着した保護層がラミネートフィルムから剥離される。 【0013】この時、加熱ロール3の位置から先端剥離部までの間のラミネートフィルム2には、印画物は接着しておらず再利用できる。この未使用部分を巻き戻した後、圧着ロール5は再び非圧着位置に退避する。 【0014】図2は本発明のラミネートフィルムの断面図である。ラミネートフィルム2は、基材2a上に保護層を有するものである。保護層は、基材2a側から少なくとも表面層2bと、接着層2cとを順次積層した構成である。 【0015】基材2aとしては、印画物Pのインク受容層上に、ラミネートフィルム2の保護層が接着された段階でラミネートフィルムの基材から保護層が剥離し易いものであればよく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド樹脂、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルフォン等の材料からなるフィルムやシートなどを用いることができる。基材2aの厚みについては特に制限を受けるものではないが、経済性と「しわ」の発生しにくさ等を考慮して5μmから50μm、より好ましい範囲は10μmから40μmである。 【0016】基材2aは保護層が形成される面にエンボス加工やサンドブラストなどの粗面化処理、ないしは紛体粒子を含む樹脂層による粗面化処理がされていても良い。粗面化処理しない場合にはラミネートフィルムを印画物にはりあわせた後、基材フィルムを剥離すると保護層を有する光沢画像が得られるが、この粗面化処理をすることにより半光沢ないしはマット調の画像が得られる。 【0017】保護層の表面層は2種以上の高分子物質を混合した水懸濁系からなるエマルジョンを塗布して形成される。本発明に用いられるエマルジョンを構成する高分子物質としてはアクリル系、スチレン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系等の樹脂あるいはそれらの共重合体樹脂が用いられる。 【0018】混合する2種以上の高分子物質としては、ガラス転移温度(Tg)又は最小造膜温度(MFT)の異なる2種類以上の高分子物質が好ましい。Tgが80℃以上の高分子物質と、Tgが30℃以下の高分子物質とを有するエマルジョンがより好ましい。 【0019】アクリル系樹脂としては(メタ)アクリル酸エステル単独あるいはこれを用いた共重合体を用いることができる。(メタ)アクリル酸エステルの具体的な例としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは単独、あるいは組み合わせて用いることができる。更に、これらの(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体を追加重合して用いることができ、このような単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルブチル等の水酸基を有する単量体;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等のアルコキシ基を有する単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基を有する単量体;(メタ)アクリロニトリルニトリル基を有する単量体;スチレン、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香環を有する単量体;(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する単量体;N−アルコキシ基を有する単量体やN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル基を有する単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブチロール(メタ)アクリルアミド等の、N−アルキロール基を有する単量体;ビニルクロライド、ビニルブロマイド、アリルクロライド、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロメチルスチレン、フッ化ビニル等のハロゲン原子が結合した基を有する単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン系単量体などを挙げることができる。以上示した材料の反応性の基を利用して部分架橋することも可能である。 【0020】本発明に用いられるエマルジョンは一般的に良く知られた公知の技術により合成できるものであり、勿論市販の材料を使うことも可能である。エマルジョンに用いる樹脂のTgは、モノマー成分とその比率をかえることにより調整することができる。 【0021】TgまたはMFTが高い方の高分子物質からなるエマルジョンとしては伸びの大きくないメタクリル酸エステル系の樹脂を用いたものが特に好適である。TgまたはMFTが低い方の高分子物質からなるエマルジョンとしてはTgの低いアクリル酸エステル系の単量体を多く使った樹脂が特に好適である。Tgが高い方の高分子物質からなるエマルジョンとしてはTgが80℃以上の樹脂から成る1種類のエマルジョンとしても良いし、いずれもTgが80℃以上の樹脂から成る複数のエマルジョンをブレンドして用いても良い。 【0022】TgまたはMFTの低い方の高分子から成るエマルジョンとしてはTgが30℃以下の樹脂から成る1種類のエマルジョンとしても良いし、いずれもTgが30℃以下の樹脂から成る複数のエマルジョンをブレンドして用いても良い。 【0023】本発明の表面保護層にはこのTgが相対的に高いエマルジョン(HTgE)とTgが相対的に低いエマルジョン(LTgE)のブレンド物が用いられるが、全エマルジョン固形分を100質量部(以下、断りのない限り「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。)とした場合HTgEの固形分は10部から90部、特に40部から80部が好ましい。LTgE固形分は10から90部、特に20から60部が好ましい。 【0024】エマルジョン層の形成は、エマルジョンを含む塗工液を、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法、スロットダイコーティング法などにより塗工し、乾燥させることで行なうことができる。表面層の厚みは応力によりクラックが入るのを防止できる膜厚が必要である一方、これが厚すぎると印画周囲に沿った剥離の性能が阻害される。そのため、表面層の厚みは1μmから10μmが好ましい。 【0025】以上のように形成された表面層に接着層を形成する。接着層もエマルジョン塗料を塗布乾燥することによって得られるが、熱圧着時に十分軟化し印画表面になじむ樹脂であることが要求される。この接着層用のエマルジョンに用いられる樹脂としてはアクリル系樹脂、酢ビ樹脂、塩ビ樹脂、エチレン/酢ビ共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。中でも印画物表面へのなじみや塗膜の透明性からアクリル系樹脂接着剤が特に好ましい。 【0026】アクリル系樹脂接着剤に用いられるアクリルモノマーとしてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート等のアルキルエステルモノマー、また2−エトキシエチルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート等のアルコキシアルキルアクリレートなどが用いられる。 【0027】接着層の凝集力を調整する上でメタクリレート系モノマー、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドを共重合成分として適宜用いることができる。凝集力を調整する別の手段としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体、(メタ)アクリル酸のようなカルボキシルキ含有単量体を導入しこの活性水素を利用してイソシアネート、ブロックイソシアネート、エポキシ等と部分架橋させる方法がある。 【0028】印画物に貼り合わせた端部における保護層のシャープな切れを確保する上からは架橋による極端な分子量の増大は好ましくないので架橋性単量体は多くとも全単量体の10質量%未満が好ましい。また別の凝集力を調整する手段としてはN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリレート、ブトキシメチルアクリルアミド等を用いて架橋を行わせる方法もある。 【0029】本発明の接着層に用いられるエマルジョンは表面層用エマルジョンの場合と同様に一般的に良く知られた公知の技術により合成できるものであり、勿論市販の材料を使うことも可能である。エマルジョンに用いる樹脂のTgまたはMFTはモノマー成分によって決まるが特にアクリル系樹脂接着剤の場合には単量体成分とその比率をかえることにより調整することができる。コーティング方法は表面層の場合とまったく同様である。 【0030】接着層の層厚は、最終的に被記録媒体のインク受容層に充分に密着し、気泡が存在しないように接着するのに必要な厚みを持たなければならない。このため、厚みとしては2μmから30μmが適しており、特に好ましい範囲は4μmから20μmである。下限は前記理由により、上限は保護層全体の厚みが増すことによる画像のシャープさの低下やコスト的な理由による。なお、接着層には離型紙を用いてもよいし、あるいは基材の表面に離型処理する方法もある。コスト的には後者の方法が優れており、離型剤としてはフッ素系樹脂やシリコン系樹脂などが用いられる。 【0031】このような保護層によりその表面を改質し、優れた画質を提供できる被記録媒体はインクジェット記録紙、熱昇華記録紙、電子写真記録紙、写真などを挙げることができるが、例えば次のように形成できる。 【0032】被記録媒体の基材としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、等のプラスチックフィルム、上質紙、コート紙、ラミネート紙等の紙材からなるシートを挙げることができる。この表面に塗布されるインク受容層としては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル、ウレタンなどの水溶性高分子エマルジョンとそれらの組み合わせ、及び、この中に更に合成シリカを分散した塗料を塗工したものを用いることができる。塗工方法として、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、スロットダイコーティング法などを用い、塗布後乾燥することにより、記録媒体が得られる。 【0033】以上のように、本発明によれば、ひび割れのない保護層を実現しインクジェット方式によるものや写真等の印画物にラミネートフィルムを熱圧定着した後、ラミネートフィルムの基材を剥離する際に印画物の端部に沿ってラミネートフィルムの表面層と接着層をシャープカットすることができる(課題1)。 【0034】更に、本発明においては高耐光性の保護層を形成することができるラミネートフィルムとすることもできる(課題2)。 【0035】本発明の課題1と2を両立させるためには、表面層又は接着層のいずれか一方に対し、適当量の紫外線吸収剤を含ませるとよい。添加する紫外線吸収剤としては以下に示すような各系の化合物からなる紫外線吸収剤を用いることができる。 【0036】1)2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系2)2−ヒドロキシベンゾフェノン系3)2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシフェニル]−s−トリアジン系4)サリシレート系5)シアノアクリレート系また、上記基本骨格のベンゼン環水素は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基等の置換基により置換されていても良い。低分子の紫外線吸収剤はそれを含む層から揮発やブリードにより性能が劣化したり、低分子材料を含むことによる高分子皮膜の強度劣化をきたす場合がるため、使用する紫外線吸収剤は紫外線吸収性を発揮するための基を有する高分子とすることがより望ましい。 【0037】高分子化するためには、上記紫外線吸収性の基本骨格中のベンゼン核に反応性の基を導入する必要がある。その代表的なものとしては下記一般式(1)で示される基を挙げることができる。 【0038】 ―X―OOCC(−H又は−CH3)=CH2 (1) (1)式で示されるような置換基を導入した反応性の単量体を単独で重合するか、あるいは本明細書の表面層樹脂中で述べたような共重合可能な他の単量体との共重合体を用いることができる。なお、(1)式中のXは炭素数1〜12のアルキレン基又はオキシアルキレン基、又は−CH2C(OH)CH2−等の2価の基を示す。このような紫外線吸収基を持つ樹脂については特開平6−73368号公報:一方社油脂工業株式会社特開平7−126536号公報:一方社油脂工業株式会社特開平9−118720号公報:アイオーラブコーポレーション特開平11−348199号公報:株式会社日本触媒特開2000−44901号公報:大塚化学株式会社等の特許請求の範囲及び実施例に開示されている。 【0039】保護層の耐光性を良くする別の手段としては光安定剤の添加がある。添加の方法は紫外線吸収剤の場合と同様である。代表的な材料としてはヒンダードアミン系の材料がある。紫外線吸収剤の場合と同様に高Tg樹脂、低Tg樹脂、接着層樹脂の少なくともそのひとつに対し適当量の光安定基を含む単量体を含ませた樹脂エマルジョンを用いることがより望ましい。例えば特開平11−348199号公報の特許請求の範囲及び実施例に開示されているようなピペリジン系の反応性光安定剤を単独重合するか、あるいは反応性の紫外線吸収剤、他の共重合可能な単量体との共重合樹脂エマルジョンとして用いることもできる。 【0040】第3図は先端剥離部を印画物Pの先端が通過する様子を側面側から見た拡大断面図である。ラミネートフィルム2の基材2aは先端剥離部において小さな曲率を持つロール8により急激にその方向が変えられている(図3(a))。このとき、接着層2cに接着している印画物Pはその剛性により基材2aから離れようとする。このとき、保護層を構成する表面層2bが変形に追従できずせん断により破断し、これに伴って低Tgまたは低MFTの接着層2cも破断する。従って、表面層を形成する樹脂には急激なせん断力を伴う変形に対して脆性的に破断する特性が求められる。 【0041】後端の分離も同様の機構による。図1の後端剥離部の可動剥離ロール7cがガイドロール7a、7bの間で印画物の接着したラミネートフィルムを急速に押し出すと、加熱圧着部がラミネートフィルムパスの上流に存在する為、巻き取りリール10に印加された巻き取りテンションに抗して後端剥離部の下流側に有るラミネートフィルム全体を巻き戻す方向に動かすことになる。この結果、印画物後端が前記可動剥離ロール7cを通過後に後端剥離動作を行なうと、先端剥離と全く同じメカニズムに従い、印画物後端において印画物の剛性と急激なパス方向の変化により保護層が破壊され、その結果、印画物は、保護層を伴ってラミネートフィルムの耐熱性基材2aから剥離する。 【0042】第4図は先端剥離部を印画物が通過し、保護層の両サイドが切断される様子を印画物の進行方向から見た断面図である。先端分離後、印画物はその剛性によりラミネートフィルムの進行方向とは違った方向に進行しようとする。それにより保護層の先端に続き保護層の両サイドが切断する。この場合、切断メカニズムは先端のせん断に対して、図の如く引っ張りにより切断する。図4は、保護層の両サイドの切断の開始直後を示すが、図示の通り印画物が保護層を伴って基材2aから離れはじめる。この時、表面層2bの基材2aに対する密着力よりも充分小さい引っ張り強度を保護層全体が持つことにより印画物の両サイド近傍で切断する。仮にこの密着力に対して引っ張り強度が大きいと印画物の両サイドから離れた位置の保護層を基材2aから大きく引き離した後に、印画物の両サイドから離れた位置で切断する場合がある。その結果、印画物の周囲に余分な鰭状の保護層樹脂が残ってしまうこともあり得る。従って、保護層を形成する樹脂層全体の引っ張り強度を、保護層と基材との密着力よりも小さくすることが好ましい。 【0043】更に、保護層樹脂はロール対により印画物に接着される為、接着により引っ張りの残留応力が生じる場合がある。更に、印画物が紙の場合、吸湿により伸長し、表面の保護層を引っ張ることによる応力が生じる。このような場合、これら応力によって保護層表面にクラックが生じる場合がある。これを防止する為には表面層2bの引っ張り強度を小さく保ちつつ、クラックに関係する微少区間内での破断伸びを大きくすることが望ましい。 【0044】図5は保護層の表面層2bを構成する樹脂構成を示す図である。高Tgまたは高MFTである第一の樹脂20と、低Tgまたは低MFTである第二の樹脂21とをエマルジョンとして混合しこれを基材上に塗布乾燥するという方法で層を形成している為、第一の樹脂20と第二の樹脂21が成膜した後もそれらの区域が緩やかに混じり合う構造となっている。より正確には、乾過程でより低温で成膜開始する第二の樹脂21の海の中に、より高温で成膜する第一の樹脂20の島が出来るような構造である。その構造の為に、低分子領域によりせん断の容易性、低引っ張り強度、微少区間の大きな破断伸びが同時に成立する。更にこの時膜表面の強度、スティック性などの温度特性は高分子領域の寄与により第一の樹脂20のTg近傍まで安定している。 【0045】更に図6は、基材2aに対する表面層2b、接着層2cの密着強度を測定する摸式図で、粘着テープTに接着した保護層を一定速度Vで引っ張った時のテープに生じるテンションFを測定する。これを測定をする時の雰囲気温度に対してプロットしたグラフが図7である。 【0046】基材2aに密着する表面層2bは第一の所定温度T1よりも高いTg(Tg1)と第二の所定温度T2よりも低いTg(Tg2)を持った樹脂によって構成されるが、T2とT1の間において密着力は略一定に保たれ、T1よりも高い温度領域と、T2よりも低い温度領域では密着力は大きくなる。これは、Tg2を越えると低いTgの樹脂の粘着性が増すことで大きくなった密着力が、T2を越えると粘着性を失うことにより低下し、これがTg1を越えることにより高Tg樹脂が粘着性を獲得するまで大きくならないことによる。 【0047】保護層を熱圧着された印画物の前後端が基材2aから分離する為には保護層表面層2bと基材2aとの間の密着力が小さい必要がある。従って、前後端分離に適当な温度はT2とT1の間が好ましい。 【0048】熱圧着から分離のプロセスは通常の室温の変動範囲、即ちおよそ10℃から30℃の間で安定して作動するようにする。更に、電源投入直後の状態からメカニズムの筐体内が熱的に平行に達した後まで安定に作動するようにする。従って、T1とT2の間には少なくとも40℃の差があることが好ましい。 【0049】熱圧着プロセスを、例えば25mm/sという速度下で安定にする為には、熱圧着プロセス温度は160℃以上であることが望ましい。この際、熱圧着のロール対から出た印画物は急激に温度を下げるが、前後端分離を30℃から80℃の間で行なうことにより上記分離プロセスの安定化が可能である。従って、より好ましくはT1は80℃以上、T2は30℃以下であることが望ましい。 【0050】 【実施例】実施例1[1]ラミネートフィルムの作成(1)表面層塗工液(塗工液S1) (a)高Tg樹脂エマルジョンの合成第1のガラス製反応容器に攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管を備えつけた後、ノニオン系乳化剤としてアクアロンRN−30(第一工業製薬(株)製)6g、アニオン系乳化剤アクアロンHS−30(第一工業製薬(株)製)6g、メチルメタアクリレート119.0g、エチルアクリレート22.3g、メタクリル酸7.4g、水156gを入れ攪拌し総量316.7gの混合物を調整した。次にこの混合物の36gを取りだし、同様の第2の反応容器に移した後、窒素ガス導入下73℃で40分間乳化を行った。次いで重合開始剤としてペルオキソニ硫酸アンモニウム17gを水36gに溶解し、前記乳化液に添加した。その後、前記混合物の残量を第1の反応容器より取りだし100分間かけて、第2の反応容器内に徐々に滴下し、73℃で重合を行った。混合物残量を滴下終了した後、73℃で80分間攪拌を継続し、高Tg樹脂エマルジョン(Tg:82℃、樹脂固形分47.0%)を合成した。この分散粒子の平均粒径は80nmであった。 【0051】(b)低Tg樹脂エマルジョンの合成エマルジョンを構成する高分子物質の材料として、エチルアクリレート74.4g、メチルメタアクリレート29.8g、2−ヒドロキエチルメタアクリレート37.2g、メタクリル酸7.4gを用い、その他は高Tg樹脂エマルジョンの合成とまったく同様の条件で低Tg樹脂エマルジョン(Tg:27℃、樹脂固形分47.0%)の合成を行った。この分散粒子の平均粒径は87nmであった。 【0052】(c)表面層塗工液の調整前記高Tg樹脂エマルジョン(Tg:82℃)を60質量部(固形分)と、前記の低Tg樹脂エマルジョン(Tg:27℃)40質量部(固形分)と、水と、を加え混合攪拌して全体の固形分が40%の塗工液S1を調整した。 【0053】(2)接着層塗工液(塗工液A1) (a)接着剤樹脂エマルジョンの合成エマルジョンを構成する高分子物質の材料として、エチルアクリレート111.6g、メチルメタアクリレート14.9g、2−ヒドロキエチルメタアクリレート14.9g、メタクリル酸7.4gを用い、その他は表面塗工液の高Tg樹脂エマルジョンの合成とまったく同様にして、接着層樹脂エマルジョン(Tg:1℃、固形分47.0%)の合成を行った。この分散粒子の平均粒径は100nmであった。 【0054】(b)接着層塗工液の調整前記接着剤樹脂エマルジョンに水を加え、攪拌して固形分40%の塗工液A1を調整した。 【0055】(3)ラミネートフィルムの作成厚さ38μmのPETフィルムに塗工液S1を乾燥膜厚5μmになるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥した。その上に塗工液A1を乾燥膜厚8μmになるように塗工乾燥しラミネートフィルムを作成した。 【0056】[2]インクジェット受像紙と印画物の作成トクヤマ(株)製の合成シリカ(商品名:ファインシールX60)160質量部に対して、結着剤として高松油脂 (株)製エマルジョン(商品名:NS−120XK)100質量部を混合分散し、固形分18%の塗工液を調整し、186g/m2の上質紙に乾燥後の塗工膜厚が50μmに成るようにスロットダイコーターで塗工乾燥させた。このようにして作成したA4サイズのインクジェット受像紙にキヤノン株式会社製プリンタH−100を用いて画像を形成した。 【0057】[3]図1の装置を用いた印画物のラミネート処理と特性評価このインクジェット印画物に対し、上記のように製造したラミネートフィルムを保護層側から積層し、直径80mmのスチールロールでラミネートフィルムの基材フィルム側から140℃加熱し、受像紙側から直径50mmのゴムロールで加圧した。このとき、ニップ加重は120N、送り速度は25mm/secであった。こうして保護層が積層された印画物を作成した。切断された保護層の切断性を調べるとともに、出来上がった印画物を60℃環境2時間(条件1)、30℃RH90%環境に1週間(条件2)放置して表面層のひび割れの加速試験を行った。評価結果を表1に示した。 【0058】実施例2[1]ラミネートフィルムの作成(1) 表面層塗工液(塗工液S2) (a)高Tg樹脂エマルジョンの合成エマルジョンを構成する高分子物質の材料として、メチルメタアクリレート133.9g、エチルアクリレート7.4g、メタクリル酸7.4gを用い、その他は実施例1の高Tg樹脂エマルジョンとまったく同様にして高Tg樹脂エマルジョン(Tg:100℃、固形分47.0%)の合成を行った。この分散粒子の平均粒径は96nmであった。 【0059】(b)低Tg樹脂エマルジョンの合成エマルジョンを構成する高分子物質の材料として、メチルメタアクリレート29.8g、エチルアクリレート96.7g、メタクリル酸7.4g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14.9gを用い、その他は実施例1の高Tg樹脂エマルジョンとまったく同様にして低Tg樹脂エマルジョン(Tg:11℃、固形分47.0%)の合成を行った。この分散粒子の平均粒径は105nmであった。 【0060】(c)表面層塗工液の調製前記高Tg樹脂エマルジョン(Tg:100℃)を50質量部(固形分)と、前記低Tg樹脂エマルジョン(Tg:11℃)50質量部(固形分)と、水と、を加え混合攪拌して全体の固形分が40%の塗工液S2を調製した。 【0061】(2)接着層塗工液(塗工液A2) (a)接着層樹脂エマルジョンの作成エマルジョンを構成する高分子物質の材料として、エチルアクリレート119.0g、プロピルアクリレート7.4g、メチルメタアクリレート22.3gを用い、その他は実施例1の高Tg樹脂エマルジョンの合成とまったく同様にして接着層樹脂エマルジョン(Tg:−11℃、固形分47.0%)の合成を行った。この分散粒子の平均粒径は87nmであった。 【0062】(b)接着層塗工液の調製前記接着層樹脂エマルジョンに水を加え攪拌して固形分40%の接着層塗工液A2を調製した。 【0063】(3)ラミネートフィルムの作成厚さ38μmのPETフィルムに塗工液S2を乾燥膜厚7μmになるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥した。その上に塗工液A2を乾燥膜厚12μmになるように塗工乾燥しラミネートフィルムを作成した。 【0064】[2]インクジェット受像紙と印画物の作成210gの上質紙に実施例1とまったく同様にしてインクジェット受像層を形成した後、印画物の作成を行った。 【0065】[3] 印画物のラミネート処理と特性評価上記のインクジェット受像紙と上記のラミネートフィルムを用い、実施例1と同様にしてラミネート処理と特性評価を行った。評価結果を表1に示した。 【0066】比較例1実施例1と同じモノマー組成の高Tg樹脂と低Tg樹脂をそれぞれ溶液重合した後、実施例1と同じ固形分比の塗工液を調製し、実施例1と同じ基材上に同じ膜厚の表面層を形成した。その上に実施例1と同じ水性エマルジョン接着剤塗工液A1を塗布し乾燥後同じ膜厚の接着層を形成し、ラミネートフィルムとした。 【0067】実施例1と同じインクジェット受像紙に実施例1と同様にして印画物を作成した後、この印画物と上記のラミネートフィルムを用いてラミネート処理と特性評価を実施例1と同様にして行った。評価結果を表1に示した。 【0068】比較例2実施例2と同じモノマー組成の高Tg樹脂と低Tg樹脂をそれぞれ溶液重合した後、実施例2と同じ固形分比の塗工液を調製し、実施例2と同じ基材上に同じ膜厚の表面層を形成した。その上に実施例2と同じ水性エマルジョン接着剤塗工液A2を塗布し乾燥後同じ膜厚の接着層を形成し、ラミネートフィルムとした。 【0069】実施例2と同じインクジェット受像紙に実施例2と同様にして印画物を作成した後、この印画物と上記のラミネートフィルムを用いてラミネート処理と特性評価を実施例1と同様にして行った。評価結果を表1に示した。 【0070】 【表1】
【0071】実施例3塗工液1:高TgエマルジョンとしてJSR(株)製 アクリルエマルジョンT371(Tg=85℃)60質量部(固形分)、低Tgエマルジョンとして日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃)40質量部(固形分)とを混合分散して固形分比38%に調整した。 塗工液2:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃、固形分比40%)。 基材:厚さ38μmのPETフィルム基材に、まず塗工液1を乾燥膜厚5μmとなるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥後、塗工液2を乾燥膜厚8μmとなるように塗工乾燥しラミネートフィルムを得た。 【0072】実施例4塗工液3:高TgエマルジョンとしてJSR(株)製 アクリルエマルジョンT371(Tg=85℃)60質量部(固形分)と、低TgエマルジョンとしてBASF(株)製エマルジョン型高分子紫外線吸収剤UVA−383MG(Tg=27℃、ベンゾフェノン系紫外線吸収性単量体を30%含む自己架橋型エマルジョン)40質量部(固形分)と、を混合分散して固形分比32%に調整した。 塗工液2:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃、固形分比40%)。 基材:厚さ38μmのPETフィルム基材に、まず塗工液3を乾燥膜厚5μmとなるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥後、塗工液2を乾燥膜厚8μmとなるように塗工乾燥しラミネートフィルムを得た。 【0073】実施例5塗工液4:高TgエマルジョンとしてJSR(株)製 アクリルエマルジョンT371(Tg=85℃)60質量部(固形分)と、日本触媒(株)製 紫外線安定基含有単量体を含む共重合体エマルジョンEUV−601(Tg=10℃)40質量部(固形分)と、を混合分散して固形分比37%に調整した。 塗工液2:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃、固形分比40%)。 基材: 厚さ38μmのPETフィルム基材に、まず塗工液4を乾燥膜厚5μmとなるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥後、塗工液2を乾燥膜厚8μmとなるように塗工乾燥しラミネートフィルムを得た。 【0074】実施例6塗工液5:高TgエマルジョンとしてJSR(株)製 アクリルエマルジョンT371(Tg=80℃以上)30質量部(固形分)、及び一方社油脂工業(株)製 エマルジョン系紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収基を有する単量体を含むアクリル系樹脂エマルジョンで、紫外線吸収基を有する単量体50%含有)ULS−1635MH(Tg=85℃)30質量部(固形分)と、低Tgエマルジョンとして日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃)40質量部(固形分)と、を混合分散して固形分比36%に調整した。 塗工液2:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃、固形分比40%)。 基材:厚さ38μmのPETフィルム基材に、まず塗工液5を乾燥膜厚5μmとなるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥後、塗工液2を乾燥膜厚8μmとなるように塗工乾燥しラミネートフィルムを得た。 【0075】実施例7塗工液6:高TgエマルジョンとしてJSR(株)製 アクリルエマルジョンT371(Tg=85℃)30質量部(固形分)、及び一方社油脂工業(株)製エマルジョン系紫外線吸収剤ULS−635MH(Tg=80℃、ベンゾフェノン系紫外線吸収基を有する単量体を含むアクリル系樹脂エマルジョンで、紫外線吸収基を有する単量体50%含有)30質量部と、日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃)40質量部と、を混合分散して固形分比36%に調整した。 塗工液2:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃、固形分比40%)。 基材:厚さ38μmのPETフィルム基材に、まず塗工液6を乾燥膜厚5μmとなるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥後、塗工液2を乾燥膜厚8μmとなるように塗工乾燥しラミネートフィルムを得た。 【0076】実施例8塗工液1:高TgエマルジョンとしてJSR(株)製 アクリルエマルジョンT371 (Tg=85℃)60質量部(固形分)と、低Tgエマルジョンとして日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃)40部(固形分)とを混合分散して固形分比38%に調整した。 【0077】塗工液7:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃)70質量部(固形分)、BASF(株)製UVA−383MG 30質量部(固形分)を混合分散して固形分比37%に調整した。 基材:厚さ38μmのPETフィルム基材に、まず塗工液1を乾燥膜厚5μmとなるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥後、塗工液7を乾燥膜厚8μmとなるように塗工乾燥しラミネートフィルムを得た。 【0078】比較例3塗工液8:大塚化学(株)製 高分子紫外線吸収材PUVA 30M(Tg=90℃、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収基を有する単量体を含むアクリル系樹脂のトルエン30%溶液、紫外線吸収基を有する単量体は全体の30%含まれる)をトルエンに溶解し固形分比25%に調整した。 【0079】塗工液2:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃、固形分比40%)。 基材:厚さ38μmのPETフィルム基材に、まず塗工液8を乾燥膜厚5μmとなるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥後、塗工液2を乾燥膜厚8μmとなるように塗工乾燥しラミネートフィルムを得た。 【0080】比較例4塗工液9:日信化学(株)製 塩ビ酢ビエマルジョン602(MFT=130℃、固形分比48%)。 塗工液2:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2706(Tg=14℃、固形分比40%)。 基材:厚さ38μmのPETフィルム基材に、まず塗工液9を乾燥膜厚5μmとなるようにスロットダイコーティング法により塗工乾燥後、塗工液2を乾燥膜厚8μmとなるように塗工乾燥しラミネートフィルムを得た。 【0081】実施例1と同じインクジェット受像紙に、実施例1と同様にして複数枚の印画物を作成した。その後、これらの印画物と実施例3〜8、及び比較例3、4のラミネートフィルムを用いてラミネート処理と特性評価を実施例1と同様に行った。 【0082】その結果、実施例3〜8では、保護層が印画物の周囲できれいに切断し、保護層が印画物端部から張り出すことが無かった。更に、環境放置後も保護層の表面にクラックは生じなかった。実施例中、樹脂成分にUV吸収剤を配合したものはアトラスフェードメータ100時間暴露後、濃度低下30%未満の十分な紫外線カット機能を示した。 【0083】比較例3では印画物の進行方向に向かって両側の端部で保護層はきれいに切断されたが、印画物の進行方向の前後端で保護層が切断されなかった。更に、条件1及び条件2の環境放置後に保護層表面にクラックが生じた。 【0084】比較例4では、印画物の進行方向の前後端で保護層はきれいに切断されたが、進行方向に向かって両側の両端の端部で保護層がきれいに切断されず、印画物の両側に大きな保護層の張り出しが生じた。条件1及び条件2の環境放置後に保護層にクラックは認められなかった。 【0085】 【発明の効果】本発明によれば、基材上に形成された保護層を、印画物表面に熱圧着転写した後、保護層付き印画物を基材から剥離すると、保護層が印画物印画物の周囲端部に沿ってきれいに切断される。更に、保護層の形成された印画物は高温高湿環境に放置しても保護層にクラックが生じることはない。更に、この保護層中に紫外線吸収剤を配合することにより、十分な耐光性を持つことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年8月13日(2001.8.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088328 【弁理士】 【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−121515(P2002−121515A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月26日(2002.4.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−245421(P2001−245421) |
|