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【発明の名称】 液晶表示素子製造工程用シート状粘着剤積層体
【発明者】 【氏名】吉川 晋

【氏名】高橋 吉和

【氏名】重野 園子

【要約】 【課題】液晶表示素子用基板を平坦性を有する搬送用基板に貼着することができ、従来のガラス基板を用いた液晶表示素子製造装置や工程がそのまま利用でき、レジスト形成工程、エッチング工程、洗浄工程、配向膜印刷工程等の処理後に、該液晶表示素子用基板の取り外しがきわめて容易となるようなシート状粘着剤積層体を提供すること。

【解決手段】液晶表示素子用基板を搬送用基板に貼り合わせるためのシート状粘着剤積層体であって、液晶表示素子用基板に接着するためのシート状粘着剤層1と搬送用基板に接着するためのシート状粘着剤層2とが積層されてなり、層1および層2の主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下のアクリル系粘着剤であり、かつ層1が活性エネルギ−線硬化型粘着剤である上記シート状粘着剤積層体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶表示素子用基板を搬送用基板に貼り合わせるためのシート状粘着剤積層体であって、液晶表示素子用基板に接着するためのシート状粘着剤層1と搬送用基板に接着するためのシート状粘着剤層2とが積層されてなり、層1および層2の主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下のアクリル系粘着剤であり、かつ層1が活性エネルギ−線硬化型粘着剤であることを特徴とする上記シート状粘着剤積層体。
【請求項2】 層1が、主波長が300nm以下の波長の活性エネルギ−線照射に対しては、粘着力低下、発泡、剥がれがなく、主波長が300nmより大きな波長の活性エネルギ−線照射に対しては、粘着力が軽減するような波長選択性を有する請求項1に記載の粘着剤積層体。
【請求項3】 層1が、吸収波長が300nm以下である紫外線吸収剤を含有する請求項1又は2に記載の粘着剤積層体。
【請求項4】 層2が、活性エネルギ−線照射により、粘着力の低下、発泡、剥がれがない請求項1〜3のいずれか1項記載の粘着剤積層体。
【請求項5】 層1及び層2の外側に剥離シートが設けられている請求項1〜4のいずれか1項記載の粘着剤積層体。
【請求項6】 剥離シート上に、主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下であるアクリル系の活性エネルギ−線硬化型粘着剤の層1を施し、別の剥離シート上に、主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下であるアクリル系の活性エネルギ−線非硬化型粘着剤の層2を施した後、層1と層2とを重ねて両者を接着させた後、剥離シートを剥離することを特徴とする請求項1記載の粘着剤積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック基板あるいは厚さ0.5mm以下のガラス基板などの液晶表示素子用基板を用いる液晶表示素子製造工程で用いるのに好適なシート状粘着剤積層体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子用の電極基板として、従来から、平坦性、耐熱性に優れたガラス基板が用いられてきたが、軽薄短小の時代的要請や表示の二重像解消の目的から薄板化が望まれている。しかしながら、特に、大板化傾向にある液晶表示素子の製造工程においては、破損等の取り扱い性の面からガラス基板の薄板化に限度があり、量産のレベルでは0.5mm程度の薄板が限界となっている。そこで、ガラス基板にかわり、軽量化、薄型化あるいは破損性の面で有利なプラスチック基板を用いた液晶表示パネルが普及してきており、携帯電話、電子手帳、携帯用コンピュ−タ等の、小型で持ち歩く機器に使用する液晶表示パネルはガラス基板から徐々にプラスチック基板へと変更されている。
【0003】プラスチック液晶表示装置は、表示素子の基板となるプラスチックフィルム単体をシ−ト状で流動するか、あるいはロ−ル状で連続的に流動して製造している。この製造工程において、レジストコ−トのパタ−ン露光工程では、基板の平坦性が要求され、さらに配向膜形成、ラビング工程では配向膜上に溝を形成するために基板を強固に固定することが要求される。しかしながら、可撓性を有するプラスチック基板では、ガラスのように平面性がなく、材質あるいは厚みによって変形しやすいため、液晶表示素子の製造工程に流動させることが非常に困難であった。かくして、プラスチック基板を用いた液晶表示用パネルの製造では、従来のガラス基板の製造ラインを流用することができず、新規にプラスチック基板用の製造ラインを構築する必要があった。
【0004】ガラス基板の製造ラインを流用してプラスチック液晶表示装置を製造する試みとして、特開平7−325297号公報に、プラスチック液晶表示素子用電極基板/紫外線硬化型粘着剤層/支持体(ガラス)からなる構成(以下、従来構成1)が開示されている。また同公報および特開平9−105896号公報、特開2000−73027号公報には、プラスチック液晶表示素子用電極基板/紫外線硬化型粘着剤層/プラスチックフィルム/接着剤層/支持体(ガラス)からなる構成(以下、従来構成2)が開示されている。
【0005】従来構成1の紫外線硬化型粘着剤層は単一の層からなり、フォトレジスト工程のみでなく、有機物洗浄工程等の紫外線照射により粘着剤の三次元架橋が進行するため粘着力が軽減し、液晶表示素子製造工程を安定して流動させることに於ける信頼性が十分なものではなかった。また、従来構成2の紫外線硬化型粘着剤層および接着剤層はプラスチックフィルムを介しているため、該プラスチックフィルムと粘着剤の熱収縮の違いによりプラスチックフィルム−粘着剤層に浮き等が発生し、やはり、従来構成1と同様に信頼性に欠けるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液晶表示素子用基板を平坦性を有する搬送用基板に貼着することができ、従来のガラス基板を用いた液晶表示素子製造装置や工程がそのまま利用でき、レジスト形成工程、エッチング工程、洗浄工程、配向膜印刷工程等の処理後に、該液晶表示素子用基板の取り外しがきわめて容易となるようなシート状粘着剤積層体を提供することを目的とする。本発明は、又、このシート状粘着剤積層体の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、層1および層2が特定の平均分子量と多分散度とを有するアクリル系粘着剤を主成分とし、かつ層1が活性エネルギ−線硬化型である多層シート状粘着剤積層体を用いると、上記課題を解決できるとの知見によりなされたのである。すなわち、本発明は、液晶表示素子用基板を搬送用基板に貼り合わせるためのシート状粘着剤積層体であって、液晶表示素子用基板に接着するためのシート状粘着剤層1と搬送用基板に接着するためのシート状粘着剤層2とが積層されてなり、層1および層2の主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下のアクリル系粘着剤であり、かつ層1が活性エネルギ−線硬化型粘着剤であることを特徴とする上記シート状粘着剤積層体を提供する。本発明は、又、剥離シート上に、主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下であるアクリル系の活性エネルギ−線硬化型粘着剤の層1を施し、別の剥離シート上に、主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下であるアクリル系の活性エネルギ−線非硬化型粘着剤の層2を施した後、層1と層2とを重ねて両者を接着させた後、剥離シートを剥離することを特徴とする上記粘着剤積層体の製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に関わる積層シート状粘着剤層は、層1と層2が互いに接した基材レスの形態であり、既存のガラス基板を用いた液晶表示素子製造工程が利用できることを特徴とする。本発明の活性エネルギ−線硬化型粘着剤からなる層1については、主波長が300nm以下(好ましくは230nm以上、より好ましくは、230〜270nm)の活性エネルギ−線照射による有機物洗浄工程では極端な粘着力の低下がなく、高圧水銀灯等での活性エネルギ−線を照射することにより、粘着剤を3次元架橋させ粘着力を低下させることが可能な波長選択性を有することを特徴とする。さらに、レジスト形成工程、エッチング工程、配向膜印刷工程等の処理工程を流動させても極端な粘着力低下、発泡、剥がれのないことを特徴とする。
【0009】層1の主成分としては、アクリル系粘着剤を使用する。アクリル系粘着剤は、その重量平均分子量が60万以上(好ましくは120万以下、より好ましくは、70万〜120万)でかつ多分散度が5以下(好ましくは3.5以上、より好ましくは、3.5〜4.5)のものを使用する。本発明においてこのような平均分子量で多分散度のものを用いると、液晶素子製造中の加熱工程に於いて、粘着剤層と貼着された表示素子用のプラスチック基板または薄板ガラス基板や搬送用基板との間に、発泡による空隙、浮き、剥がれ等の発生を良好に防止して平坦性を担保でき、更にはプラスチック基板側に糊残りもなく、工程安定上及び製品品質上好ましい結果をもたらす。活性エネルギ−線硬化型モノマ−あるいはオリゴマ−については、2個以上の重合性官能基を有するアクリレ−トモノマ−を使用する。多官能アクリレ−トモノマ−には特に制限はなく、例えば、トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリアクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラアクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト、多官能エポキシアクリレ−ト、多官能ウレタンアクリレ−ト、多官能ポリエステルアクリレ−ト等が挙げられる。
【0010】光重合開始剤については特に制限はなく、例えばベンゾインエ−テル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、α,α−ジエトキシアセトフェノン、1−フェニル−1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジケチルケタ−ル、アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル等が挙げられる。層1に波長選択性を与えるに紫外線吸収剤を使用するのがよい。紫外線吸収剤としては300nm以下の波長吸収を有するものが好ましく、例えば2,4−tert−ブチル−3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ−ト、オクタベンゾン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)−フェノ−ル等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、粘着剤中に5〜20質量%含有させるのがよい。
【0011】また、層1には、必要に応じて光重合開始助剤をさらに配合することが可能である。光重合開始助剤としては、例えば、N−メチルジエタノ−ルアミン、n−ブチルアミン、トリアタノ−ルアミン等を挙げることができる。光重合開始剤と300nm以下の吸収を有する紫外線吸収剤を共用することにより、300nm以下の紫外線が照射されてもラジカルの発生が少なく、活性エネルギ−線硬化型粘着剤からなる層1の三次元架橋が抑えられる。一方、主波長が300nmより大きな紫外線が照射された場合はラジカルが多く発生し、活性エネルギ−線硬化型粘着剤が三次元架橋し、粘着力が著しく低下する。本発明において層1の厚みは任意とすることができるが、10〜30μmとするのが好ましい。
【0012】本発明に使用する平坦性を有する搬送基板用粘着剤層2の主成分としては、アクリル系粘着剤を使用する。アクリル系粘着剤は、その重量平均分子量が60万以上(好ましくは120万以下、より好ましくは、70万〜120万)でかつ多分散度が5以下(好ましくは3.5以上、より好ましくは、3.5〜4.5)のものを使用する。層2は、活性エネルギ−線非硬化型であるのが好ましく、活性エネルギ−線照射により、粘着力の低下、発泡、剥がれがないのが好ましい。本発明において層2の厚みは任意とすることができるが、10〜30μmとするのが好ましい。又、層1及び層2で用いる粘着剤としては、乾燥後の積層シート状粘着剤層中の溶剤成分が0.5%以下であるのが好ましい。このようなものを用いると、貼着された表示素子用のプラスチック基板または薄板ガラス基板や搬送用基板との間における発泡による空隙の発生を一層良好に防止でき、好ましい結果をもたらす。
【0013】本発明の液晶表示素子製造工程用シート状粘着剤積層体は、上記積層構造を有する限り任意の方法で製造することができるが、次の方法で製造するのが好ましい。先ず、剥離シート(保護フィルム)上に、主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下であるアクリル系の活性エネルギ−線硬化型粘着剤の層1を施し、乾燥させる。一方、別の剥離シート上に、主成分が、重量平均分子量が60万以上で、かつ多分散度が5以下であるアクリル系の活性エネルギ−線非硬化型粘着剤の層2を施し、乾燥させる。乾燥後、層1と層2とを重ねて両者を接着させた後、剥離シートを剥離する。尚、剥離シートを剥離せず、剥離シートで層1と層2が覆われた形態にしておき、使用直前に剥離シートを剥すのが好ましい。
【0014】本発明のシート状粘着剤積層体の使用方法は、活性エネルギ−線硬化型粘着剤からなる層1側の剥離性の保護フィルムを除去し、プラスチック基板または厚さ0.5mm以下のガラス基板の透明電極非設置側に貼着する。次に、搬送基板用粘着剤からなる層2側の剥離性の保護フィルムを剥離除去し、平坦性を有する搬送用基板に貼着する。このようにして得られた積層体を液晶表示素子製造工程に流動させて各種処理を行う。
【0015】処理終了後は、当該積層体に高圧水銀灯により活性エネルギ−線を照射し、層1の粘着力を軽減して、平坦性を有する搬送用基板から剥離することで、従来のガラス基板を用いた液晶表示素子製造装置や工程を利用して、プラスチック液晶表示素子あるいは薄板ガラス液晶表示素子を製造することができる。特に、レジスト形成工程、主波長が300nm以下の活性エネルギ−線照射による有機物洗浄、エッチング工程、洗浄工程、配向膜印刷工程等の液晶表示素子製造工程において、本発明の粘着性剤積層体は、極端な粘着力の低下、発泡、剥がれがなく、高圧水銀灯等による主波長が300nm以上の活性エネルギ−線照射において、顕著に粘着力が軽減する波長選択性を有するので好ましい。
【0016】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
実施例1アクリル系ポリマ−の調製のため、攪拌機、還流冷却管、温度計、滴下ロ−トおよび窒素ガス導入口を備えた五つ口フラスコに、n−ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.02重量部、溶剤として酢酸エチル100重量部を、合計重量が1kgとなるようにそれぞれ所定部数づつ仕込み、攪拌・溶解した後窒素ガスで約30分間置換してモノマー溶液中に溶存する酸素を除去した。その後40℃に昇温した後熱重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.05重量部を酢酸エチルに希釈し滴下ロートにより滴下した。開始剤投入後70℃に昇温し12時間保持してアクリル系ポリマーを得た。上記アクリル系ポリマーの重量平均分子量と多分散度(重量平均分子量/数平均分子量で定義)を、ゲルクロマトグラフィーを用いて、標準ポリスチレンを基準とし、テトラヒドロフランを分離剤とし、検出器はRIを使用して測定したところ、重量平均分子量は100万、多分散度は4.0であった。
【0017】次に、活性エネルギー線硬化型粘着剤の調製のため、上記アクリル系ポリマーを固形分が40質量%となるように酢酸エチルで希釈した。希釈後、アクリル系ポリマー溶液100重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学株式会社、ライトアクリレートDPE−6A)40重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社、ダロキュア1173)3重量部、紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社、CHMASSORB81 0.3重量部)、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社、コロネートL)1重量部を混合して、活性エネルギー線硬化型粘着剤を得た。また、希釈後の上記アクリル系ポリマー溶液100重量部にポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社、コロネートL)1重量部を混合して平坦性を有する搬送基板用粘着剤を得た。
【0018】活性エネルギー線硬化型粘着剤を、シリコンで表面処理された厚さ38μmの剥離性保護フィルムとしてのポリエステルフィルムに、アプリケーターを用いて乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し、45℃の恒温槽に3日間放置して活性エネルギー線硬化型粘着剤からなる本発明の層1を得た。又、平坦性を有する搬送基板用粘着剤を、シリコンで表面処理された厚さ38μmの剥離性保護フィルムとしてのポリエステルフィルムに、アプリケーターを用いて乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布し、45℃の恒温槽に3日間放置し本発明の層2を得た後、上記層1に貼着し本発明のシート状粘着剤積層体を得た。シート状粘着剤積層体中に残存する溶剤成分は0.3%であった。
【0019】実施例2連鎖移動剤を0.04部用いること以外は実施例1と同様にして本発明の粘着剤層を有するシート状粘着剤積層体を得た。シート状粘着剤積層体中に残存する溶剤成分は0.5%であった。アクリル系ポリマーの重量平均分子量は75万、多分散度は3.5であった。
【0020】比較例1連鎖移動剤を0.1部、熱重合開始剤を0.1部、溶剤として酢酸エチル80部/トルエン20部用いること以外は実施例1と同様にして粘着剤層を有するシート状粘着剤積層体を得た。シート状粘着剤積層体中に残存する溶剤成分は0.8%であった。アクリル系ポリマーの重量平均分子量は35万、多分散度は4.0であった。
【0021】比較例2連鎖移動剤を使用せず、熱重合開始剤を0.1部、溶剤として酢酸エチル80部/トルエン20部用いること以外、及び紫外線吸収剤を含まない活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いること以外は実施例1と同様にして粘着剤層を有するシート状粘着剤積層体を得た。シート状粘着剤積層体中に残存する溶剤成分は1.8%であった。アクリル系ポリマーの重量平均分子量の重量平均分子量は60万、多分散度は7.0であった。
【0022】評価65mm×150mmの大きさに裁断されたシート状粘着剤積層体の平坦性を有する搬送基板用粘着剤側のポリエステルフィルムを剥離し、搬送基板として厚さ1.1mmで大きさ65mm×150mmのガラス板に気泡が混入しないようにラミネーターで貼り合わせた。さらに、活性エネルギー線硬化型粘着剤側のポリエステルフィルムを剥離し、ポリカーボネート製のプラスチック基板を気泡が混入しないようにラミネーターで貼り合わせた。このようにしてプラスチック基板−活性エネルギー線硬化型粘着剤−平坦性を有する搬送基板用粘着剤−ガラスからなる液晶表示素子製造工程用積層体の試験片を得た。
【0023】この試験片に、層1側から主波長が254nmの紫外線を300mJ照射した後、130℃で2時間の熱処理を行い外観を評価した。さらに、高圧水銀灯により主波長が365nmの紫外線を層1側から1000mJ照射した後に、プラスチック基板の剥離強度を測定し、剥離後のプラスチック基板側の糊残りを評価した。剥離強度の測定は90度剥離プラスチック基板折り返し、300mm/分で行った。評価結果をまとめて表1に示す。
【0024】
【表1】 表1
【0025】また、実施例1と同様の手順で作製した搬送基板用粘着剤(接着剤層2)を、25μmのポリエステルフィルムに、乾燥後の膜厚が20μmとなるように、アプリケーターを用いて塗布し、45℃の恒温槽に3日間放置した後、厚さ1.1mmのガラス板に気泡が混入しないようにラミネーターで貼り合わせ、上記試験片の場合と同様に紫外線照射した結果、254nmの紫外線照射後と、更に365nmの紫外線を照射した後とのポリエステルフィルムの剥離強度には実質的な差が認められなかった。
【発明の効果】本発明の液晶表示素子製造工程用シート状粘着剤積層体を使用することにより、平坦性の維持が困難で変形しやすいプラスチック基板あるいは破損しやすく取り扱いが困難な厚さ0.5mm以下の薄板ガラス基板を用いた液晶表示素子の製造が容易にできるようになり、さらに既存のガラス基板を用いた液晶表示素子製造工程に流動させて液晶表示素子を製造することができる。
【0026】そして、製造工程を流動している間は、粘着力低下、発泡、剥がれがないが、製造工程を流動させた後に高圧水銀灯等を照射することで粘着力が軽減するので、プラスチック基板または厚さ0.5mm以下の薄板ガラス基板を積層シート状粘着剤層から極めて容易に取り外すことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】591145335
【氏名又は名称】パナック株式会社
【出願日】 平成12年10月16日(2000.10.16)
【代理人】 【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔 (外9名)
【公開番号】 特開2002−121502(P2002−121502A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2000−314642(P2000−314642)