トップ :: C 化学 冶金 :: C09 染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用




【発明の名称】 湿気硬化型組成物の硬化促進方法
【発明者】 【氏名】小林 正也

【氏名】二村 高博

【要約】 【課題】硬化促進剤を塗布してから湿気硬化型組成物と接触させるまでの間のオープンタイムを長くとることができ、湿気硬化型組成物を均一且つ速やかに湿気硬化させ得ることが可能な湿気硬化型組成物の硬化促進方法を提供することである。

【解決手段】表面に粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついで湿気硬化型組成物が塗布された被着体と貼り合わせることを特徴とする湿気硬化型組成物の硬化促進方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついで湿気硬化型組成物が塗布された被着体と貼り合わせることを特徴とする湿気硬化型組成物の硬化促進方法。
【請求項2】 一方の被着体の表面に粗面が形成されており、粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついで硬化促進剤が塗布された面に湿気硬化型組成物を塗布したのち、他方の被着体と貼り合わせることを特徴とする湿気硬化型組成物の硬化促進方法。
【請求項3】 貼り合わされる両方の被着体の表面に粗面が形成されており、粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついですくなくとも一方の硬化促進剤が塗布された面に湿気硬化型組成物を塗布したのち、被着体同士を貼り合わせることを特徴とする湿気硬化型組成物の硬化促進方法。
【請求項4】 貼り合わされる被着体のすくなくとも一方の表面に粗面が形成されており、粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついで貼り合わされる被着体の間に湿気硬化型組成物を充填することを特徴とする湿気硬化型組成物の硬化促進方法。
【請求項5】 硬化促進剤がポリビニルアルコールと分子内に活性水素基を有する揮発性物質との混合物からなる硬化促進剤であることを特徴とする請求項1〜4に記載の湿気硬化型組成物の硬化促進方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化促進剤を用いた湿気硬化型組成物の硬化促進方法に関する。
【0002】
【従来の技術】湿気硬化型組成物は、1液型なので塗布作業時や充填作業時に取扱い易く、湿気硬化後はバランスの良い性能を発現するので、接着剤、シーリング材、プライマー(下塗り剤)、塗料、コーティング剤、ライニング剤等として幅広く使用されている。
【0003】特に、1液型のウレタン系湿気硬化型組成物は、上記作業性が簡便であり、且つ、硬化後は優れた接着力や弾力性等のバランスの良い性能を発現するので、従来から一般的に使用されてきたゴム系溶剤型組成物や2液混合型のエポキシ系組成物等に代わり、接着剤やシーリング材等として幅広く使用されており、例えば、建築や土木等に現場においては、床材、壁パネル材、天井材等の現場施工用接着剤やシーリング材等として、その需要を拡大しつつある。
【0004】ところが、1液型のウレタン系湿気硬化型組成物に代表される湿気硬化型組成物は、被着体中の水分や雰囲気中の湿気と反応して硬化するものであるため、湿気の少ない雰囲気中で使用される場合や、水分を殆ど含有せず接合面の湿気硬化型組成物層に湿気を殆ど供給しない金属やプラスチック等の難透湿性材料が被着体である場合には、湿気硬化反応が十分に進行せず、特に接合体の中央部近傍に位置する湿気硬化型組成物は容易に硬化しないという問題点がある。
【0005】このような問題点に対応するため、例えば、特開平11−92729号公報では、硬化促進剤として結晶水を有する無機化合物を用い、この硬化促進剤を1液型の湿気硬化型組成物に添加してなる1液型の湿気硬化型組成物が開示されている。
【0006】しかし、上記開示にある1液型の湿気硬化型組成物の場合、硬化促進剤として添加される無機化合物中の結晶水のみが湿気硬化反応に利用されるため、多量の無機化合物を添加しないと十分に湿気硬化反応を進行させることが出来ず、硬化促進剤そのものやそれが添加された湿気硬化型組成物が、嵩張ったり、比重が重くなるという問題点がある。
【0007】また、結晶水を有する無機化合物(無機化合物の水和物)は一般的に顆粒状や粉末状の固形物であるため、湿気硬化型組成物中に均一に分散させることが難しく、結晶水は本質的には湿気硬化型組成物中で拡散しないので、上記無機化合物の分散が不均一でムラがあると、硬化後の湿気硬化型組成物中に部分的な硬化不十分の箇所が生じるという問題点もある。
【0008】そこで、本発明者らは、水やアルコールなどの分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤をすくなくとも一方の被着体に塗布し、ついで湿気硬化型接着剤組成物が塗布された被着体と接触させることにより湿気硬化型組成物を硬化促進させる方法を開発した。この方法によれば湿気硬化型組成物を均一且つ速やかに湿気硬化させ湿気硬化型組成物の内部まで完全に硬化させることができ、硬化促進剤の取扱い性や作業性も良好となるとの知見を得た。
【0009】しかしながら更なる検討の結果、被着体に硬化促進剤を塗布するのに時間がかかる場合や作業手順上の問題で硬化促進剤を塗布してから湿気硬化型組成物と接触させまでの間に長いオープンタイムが必要である場合は分子内に活性水素基を有する物質として比較的利用しやすい水などの揮発性の高い成分を含む硬化促進剤は利用しにくくなるといった問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、揮発性の高い成分を含む硬化促進剤を利用した場合であっても湿気硬化型組成物と接触させまでの間に長いオープンタイムをとることができる湿気硬化型組成物の硬化促進方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明の湿気硬化型組成物の硬化促進方法は、表面に粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついで湿気硬化型組成物が塗布された被着体と貼り合わせることを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の本発明の湿気硬化型組成物の硬化促進方法は、一方の被着体の表面に粗面が形成されており、粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついで硬化促進剤が塗布された面に湿気硬化型組成物を塗布したのち、他方の被着体と貼り合わせることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載の本発明の湿気硬化型組成物の硬化促進方法は、貼り合わされる両方の被着体の表面に粗面が形成されており、粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついですくなくとも一方の硬化促進剤が塗布された面に湿気硬化型組成物を塗布したのち、被着体同士を貼り合わせることを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の本発明の湿気硬化型組成物の硬化促進方法は、貼り合わされる被着体のすくなくとも一方の表面に粗面が形成されており、粗面が形成された被着体に分子内に活性水素基を有する物質からなる硬化促進剤を塗布し、ついで貼り合わされる被着体の間に湿気硬化型組成物を充填することを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の本発明の湿気硬化型組成物の硬化促進方法は、請求項1〜4に記載の湿気硬化型組成物の硬化促進方法であって硬化促進剤がポリビニルアルコールと分子内に活性水素基を有する揮発性物質との混合物からなる硬化促進剤であることを特徴とする。
【0016】本発明の湿気硬化型組成物の硬化促進方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ウレタン系湿気硬化型組成物、シリコーン系湿気硬化型組成物、変成シリコーン系湿気硬化型組成物、シアノアクリレート系湿気硬化型組成物等の従来公知の1液型の湿気硬化型組成物に対して好適に適用することができ、なかでも1液型のウレタン系湿気硬化型組成物に対して特に好適に適用することができる。
【0017】本発明の硬化促進方法に用いられる被着体は接合すべき2つの被着体の内の一方もしくは両方の被着体の接合面に粗面が形成されている。形成される粗面の形状は特に限定されないが例えば、微小な細溝が連続して形成されたものや不規則な凹凸が形成されたものなどがあげられる。本発明の硬化促進方法に用いられる硬化促進剤は分子内に活性水素基を有する物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、水や、分子内にヒドロキシル基やアミノ基などの活性水素基を含有する官能基を有する物質等が挙げられ、好適に用いられる。これらの分子内に活性水素基を有する物質は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0018】分子内にヒドロキシル基を有する物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、フェノール、クレゾール等や、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類等が挙げられ、好適に用いられる。これらの分子内にヒドロキシル基を有する物質は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0019】また、分子内にアミノ基を有する物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、アニリン等が挙げられ、好適に用いられる。これらの分子内にアミノ基を有する物質は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0020】本発明においては、上記分子内に活性水素基を有する物質のなかでも、安全性や取扱い性に優れ、安価でもあることから、水が特に好適に用いられる。上記水は、単独で用いられても勿論良いし、水以外の分子内に活性水素基を有する物質の1種もしくは2種以上と併用されても良い。
【0021】上記分子内に活性水素基を有する物質の形態は、特に限定されるものではなく、常温で液体状、半固形状、固形状等のいずれの形態であっても良い。
【0022】分子内に活性水素基を有する物質が常温で液体状である場合、そのままの状態で硬化促進剤として用いても良いが、塗布作業や塗布量調節を容易にするために、上記液体状の物質を有機溶剤中に溶解もしくは分散させた溶液もしくは分散液の状態で硬化促進剤として用いることが好ましい。また、分子内に活性水素基を有する物質が常温で半固形状や固形状である場合、加熱溶融した状態で硬化促進剤として用いても良いが、塗布作業や塗布量調節を容易にするために、上記半固形状や固形状の物質を有機溶剤中に溶解もしくは分散させた溶液もしくは分散液の状態で硬化促進剤として用いることが好ましい。
【0023】上記有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類;ノルマルヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル類;ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、好適に用いられる。これらの有機溶剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0024】本発明においては、上記有機溶剤のなかでも、ケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのような親水性有機溶剤が特に好適に用いられる。硬化促進剤として、前記分子内に活性水素基を有する物質を親水性有機溶剤中に溶解もしくは分散させた溶液もしくは分散液を用いることにより、分子内に活性水素基を有する物質と親水性有機溶剤との相乗効果により、湿気硬化型組成物の硬化促進効果は著しく向上する。
【0025】前記分子内に活性水素基を有する物質と有機溶剤との混合割合は、分子内に活性水素基を有する物質の種類や組成、有機溶剤の種類や組成、硬化促進剤に付与したい硬化促進効果のレベルや粘度、固形分、乾燥速度等に応じて適宜設定されれば良く、特に限定されるものではない。
【0026】また、硬化促進剤に含まれる活性水素基を有する物質が揮発性物質である場合はポリビニルアルコールと混合されていることが好ましい。ポリビニルアルコールは揮発性物質の蒸発を抑える働きがあり揮発性物質であっても長い間硬化促進効果を持続させることができる。なお、鹸化度が40モル%以上のポリビニルアルコールであると比較的高い親水性を示し、水への溶解性や保湿性にも優れているので特に好ましい。
【0027】特に、水とポリビニルアルコールとが混合されている場合が好ましく、ポリビニルアルコールが水100重量部に対して0.1〜10重量部含有されていることが好ましい。ポリビニルアルコールが0.1重量部未満であると十分な保湿性が得られにくく、10重量部を超えると接着面の密着性が悪くなる可能性がある。
【0028】また、本発明の硬化促進剤には硬化促進効果をさらに高めるためにイミダゾール系触媒もしくはモルフォリン系触媒が含有されてあってもよい。イミダゾール系触媒としては例えば、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ヘキシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどがあげられ、モルフォリン系触媒としては例えば、2,2’−ジモルフォリノジエチルエーテル、ジ(2,6−ジメチルモルフォリノエチル)エーテル、ビス{2−(2,6−ジメチル−4−モルフォリノ)エチル}−{2−(4−モルフォリノ)エチル}アミン、ビス{2−(2,6−ジメチル−4−モルフォリノ)エチル}−{2−(2,6−エチル−4−モルフォリノ)エチル}アミン、トリス{2−(4−モルフォリノ)エチル}アミン、トリス{2−(4−モルフォリノ)プロピル}アミン、トリス{2−(4−モルフォリノ)ブチル}アミン、トリス{2−(2,6−ジメチル−4−モルフォリノ)エチル}アミン、トリス{2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノ)エチル}アミン、トリス{2−(2−エチル−4−モルフォリノ)エチル}アミン等があげられる。
【0029】イミダゾール系触媒の含有量は分子内に活性水素基を有する物質100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。なお、含有量が0.01重量部未満であると硬化促進効果を十分に向上させることが難しく、また10重量部を超えると含有量が増えても更なる硬化促進効果が得られにくくなる。モルフォリン系触媒の含有量は分子内に活性水素基を有する物質100重量部に対して0.001〜1重量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5重量部である。なお、含有量が0.001重量部未満であると硬化促進効果を十分に向上させることが難しく、また1重量部を超えると含有量が増えても更なる硬化促進効果が得られにくくなる。
【0030】また、必要に応じて硬化促進剤が塗布された被着体を乾燥や冷却してもよい。
【0031】被着体の接合面に硬化促進剤を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコーター、フローコーター、スプレー塗布機、ホットメルトアプリケーター、ハンドガン等の通常の各種塗布装置を用いて、常温下もしくは加熱下で、塗布を行えば良い。
【0032】また、被着体の接合面に湿気硬化型組成物を塗布もしくは充填する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコーター、フローコーター、スプレー塗布機、ホットメルトアプリケーター、ハンドガン等の通常の各種塗布装置を用いて、常温下もしくは加熱下で、塗布もしくは充填を行えば良い。
【0033】また、本発明の硬化促進方法において湿気硬化型組成物が湿気硬化型接着剤組成物である場合は、湿気硬化型組成物を被着体に塗布する方法が好ましく、湿気硬化型組成物が湿気硬化型シーリング材である場合は被着体の間に充填する方法が好ましい。
【0034】本発明の硬化促進方法においては、硬化促進剤や湿気硬化型組成物が塗布された両被着体を貼り合わせる際に必要に応じて圧着を行ってもよい。ここで圧着する方法は特に限定されるものではなく、例えば、常温プレス(冷プレス)や加熱プレス等の通常の各種圧着装置を用いて常温下もしくは加熱下で両接合体の圧着を行えば良い。
【0035】本発明の硬化促進方法においては、上記硬化促進剤の塗布や湿気硬化型組成物の塗布もしくは充填に先立って、必要に応じて、接合すべき2つの被着体の内の一方もしくは両方の被着体の接合面に予めプライマーが塗布されていても良い。
【0036】上記プライマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイソシアネート化合物、ウレタンプレポリマー、ウレタン樹脂等を有機溶剤に溶解してなるイソシアネート系溶剤型プライマーや、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を有機溶剤に溶解してなるカップリング剤系溶剤型プライマー等が挙げられ、好適に用いられる。これらのプライマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。また、一方の被着体の接合面に塗布されるプライマーと他方の被着体の接合面に塗布されるプライマーとは、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良く、被着体の種類や硬化促進剤や湿気硬化型組成物の種類に応じて、適宜選択されれば良い。
【0037】また、上記溶剤型プライマー中に前記分子内に活性水素基を有する物質を溶解もしくは分散させてなるプライマー兼硬化促進剤を用いても良く、このようなプライマー兼硬化促進剤を用いることにより、塗布工程の短縮化を図ることが出来る。
【0038】上記プライマー兼硬化促進剤は、溶剤型プライマーと分子内に活性水素基を有する物質とが反応性を有しない場合には、予め両者を混合した1液型プライマー兼硬化促進剤として用いれば良く、また、溶剤型プライマーと分子内に活性水素基を有する物質とが反応性を有する場合には、使用直前に両者を混合する2液型プライマー兼硬化促進剤として用いれば良い。
【0039】上記プライマー兼硬化促進剤の好ましい例としては、特に限定されるものではないが、例えば、ノルマルヘキサンを有機溶剤とするイソシアネート系溶剤型プライマーと、分子内に活性水素基を有する物質としての水と親水性有機溶剤としてのアセトンとからなる水−アセトン系溶剤型硬化促進剤との混合物等が挙げられ、好適に用いられる。上記プライマー兼硬化促進剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0040】被着体の接合面に上記プライマー兼硬化促進剤を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、前記硬化促進剤の場合と同様の塗布方法で良い。また、一方の被着体の接合面に塗布されるプライマー兼硬化促進剤と他方の被着体の接合面に塗布されるプライマー兼硬化促進剤とは、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良く、被着体の種類や湿気硬化型組成物の種類に応じて、適宜選択されれば良い。
【0041】(作用)本発明の硬化促進方法によれば、被着体表面に塗布された硬化促進剤は粗面内部に浸入しくぼみの奥深くにまで達した硬化促進剤は揮発しにくくなる。したがって硬化促進剤を被着体に塗布した後しばらくの間硬化促進剤が揮発せず長い間硬化促進効果が持続する。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0043】(実施例1)被着体として硬化促進剤が塗布される面にあらかじめ深さ0.2mmの細溝を0.3mmピッチで無数に形成させたL字状の形状を有するジシクロペンタジエン樹脂成形品と表面が平滑なL字状の形状を有するジシクロペンタジエン樹脂成形品を各1個用いた。先ず、両方の成形品の接合面にイソシアネート系溶剤型プライマー(商品名「エスダインプライマーP−KMC」、積水化学工業社製)を塗布し、乾燥させて、プライマー層を形成した。
【0044】次に、細溝が形成された成形品のプライマー層の上に水50重量%及びアセトン50重量%からなる硬化促進剤を塗布し5分もしくは15分間そのまま放置した。次いで、この放置時間を利用して他方の成形品のプライマー層の上に1液型のウレタン系湿気硬化型接着剤(商品名「エスダインU−770」、積水化学工業社製)を塗布した後、放置時間に達した時点で接着剤面と硬化促進剤が塗布された面とを貼り合わせ、圧着して、接合体を作製した。なお、放置時間を15分間とした場合はウレタン系湿気硬化型接着剤の塗り置き時間が長くならないように貼り合わせる5分前に塗布を行った。
【0045】(実施例2)被着体として深さ0.2mmの細溝が形成された成形品に代えて硬化促進剤が塗布される面をあらかじめ目の粗いサンドペーパーで削っておいた成形品を用いたこと以外は実施例1と同様にして接合体を作製した。
【0046】(比較例)被着体として加工や切削処理が施されていない表面が平滑なジシクロペンタジエン樹脂成形品を用いたこと以外は実施例1と同様にして接合体を作製した。実施例1、2及び比較例で得られた接合体を5℃−45%RHの雰囲気下で16時間養生した後、20℃−65%RHの雰囲気下で、引張り試験機を用いて引張り速度5mm/分でT型剥離試験を行い、T形剥離強度を測定した。また、破壊状態を目視で観察して未硬化部分の有無を確認した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0047】
【表1】

【0048】表1から明らかなように、本発明の硬化促進剤を用いて本発明の硬化促進方法により作製した比較例の接合体はオープンタイムを長くとると硬化促進剤の働きが弱まり一部界面破壊が現れたが、接着面が処理された実施例1、2の接合体ではオープンタイムを長くとっても優れた接着性能を発現した。
【0049】
【発明の効果】本発明の硬化促進方法によれば硬化促進剤を塗布してから湿気硬化型組成物と接触させまでの間に長いオープンタイムをとることができる。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−121501(P2002−121501A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2000−314023(P2000−314023)