| 【発明の名称】 |
ボールペン用水性インキ組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】米田 茂樹
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、底色が青味を帯びた黒色を呈したボールペン用水性インキ組成物はボール座の磨耗が激しく、実用性に耐え得る者は無かった。
【解決手段】少なくとも水溶性樹脂、水、水溶性有機溶剤、着色材を含む水性インキ組成物において、該着色材としてアニリンブラックを含むことを特徴とするボールペン用水性インキ組成物を提供することにより、底色が青味を帯びた色相で、長距離筆記に耐えるボールペンが可能となった。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも水溶性樹脂、水、水溶性有機溶剤、着色材を含む水性インキ組成物において、該着色材としてアニリンブラックを含むことを特徴とするボールペン用水性インキ組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水性のボールペンに好適に使用することができるボールペン用水性インキ組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、黒色のボールペンでは、黒色といってもその色相は微妙に相違し、赤味を帯びた黒色から青味を帯びた(一般に、青味、赤味を帯びている色を底色という)黒色があった。通常、黒色のボールペンには、着色材してカーボンブラックが使用されているが、ボールペン先のボール座の磨耗を少なくする点では、当該カーボンブラックの粒子径が小さい方が好ましいが、小さくすると赤味の黒色となる特性を有している。一方、該粒子径が大きくなると青味を呈する特性があるが、カーボンブラックの粒子径を大きくすると、ボールペンのペン先におけるボール座の磨耗が激しくなり、長距離の筆記ができないという問題があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を解決することを目的とするものである。即ち、水性ボールペンにおいて、ボールペンのボール座の磨耗が少なく長距離の筆記に耐える水性ボールペンを提供することを主目的とするものである。また、使用者に上品な印象を与える底色が青味を帯びた黒色を有する水性ボールペンを提供することを付随的目的とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明は、少なくとも水溶性樹脂、水、水溶性有機溶剤、着色材を含む水性インキ組成物において、該着色材としてアニリンブラックを含むことを特徴とするボールペン用水性インキ組成物が好ましい事を見出した。即ち、上記着色材としてアニリンブラックを含むボールペン用水性インキ組成物は、ボール座の磨耗が少なく、長距離の筆記に耐え得るという主効果があり、また、底色が青味を帯びた黒色を呈するという付随的効果がある。 【0005】 【発明の実施の形態】(着色材)本発明で使用する着色材としては、分散性のよい底色が青味を帯びた、ボール座の磨耗の少ない黒色顔料が使用できる。具体的には、アニリンブラックが例示できる。商品名としては、Dブラック2053(野間化学(株)製)がある。該着色材の使用可能範囲は全インキ組成物中0.1〜20重量%であり、好ましくは1.0〜10重量%である。20重量%を超えるときはインキ組成物の粘度が上昇し、インキ流動性が悪くなる。一方、0.1重量%未満のときは、筆跡の黒さが視認できないという不具合がある。尚、着色材としては、水性ボールペンに通常用いられる酸性染料、直接染料、塩基性染料などの水溶性染料やフタロシアニン、キナクリドン、カーボンブラックなどの有機顔料又は無機顔料、或いは蛍光顔料、着色エマルジョン等、或いはアルミニウム顔料、パール顔料等の光輝性顔料等の着色材を併用しても良い。 【0006】(水溶性有機溶剤)水溶性有機溶媒は、ボールペン先の乾燥防止及びインキの凍結防止を目的として配合するものである。例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン等のグリコ−ル類、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコ−ルエ−テル類を例示することができる。これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらの水溶性有機溶剤の使用可能範囲は、全インキ組成物中1.0〜40重量%であり、好ましくは5.0〜20重量%である。40重量%を超えるときはインキ塗膜が乾燥しにくくなり、また水溶性樹脂の溶解性が悪くなる。一方、1.0重量%未満のときは、ペン先が乾燥し易くなり、またインキの凍結する危険性がある。 【0007】(水溶性樹脂)本発明で用いる水溶性樹脂は、インキの粘度調整又は着色材の分散安定性を付与する目的で使用する。使用できる水溶性樹脂としては、微生物系多糖類及びその誘導体、水溶性植物系多糖類及びその誘導体、水溶性動物系多糖類及びその誘導体、架橋型アクリル酸重合体等がある。インキの粘度調整及びインキ安定性の観点から微生物系多糖類が好ましい。微生物系多糖類及びその誘導体の水溶性樹脂としては、プルラン、ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノグリカン、デキストラン等を例示することができる。また、水溶性植物系多糖類およびその誘導体の水溶性樹脂としては、トラガンシガム、グァ−ガム、タラガム、ロ−カストビ−ンガム、ガティガム、アラビノガラクタンガム、アラビアガム、クイスシ−ドガム、ペクチン、デンプン、サイリュ−ムシ−ドガム、ペクチン、カラギ−ナン、アルギン酸、寒天等を例示することができる。また、水溶性動物系多糖類およびその誘導体の水溶性樹脂としては、ゼラチン、カゼイン、アルブミンを例示することができる。これら多糖類は、所定の分解処理を行うと、多糖の構成単位であるグルコース、マンノースなどの単糖に分解される性質を持つ物質である。 【0008】上記水溶性樹脂は、糖類は1種又は2種以上を混合して用いることができる。また該水溶性樹脂の使用可能範囲は、全インキ組成物中0.01〜40重量%であり、好ましくは0.05〜20重量%である。40重量%を超えるときはインキ粘度が上昇し、インキ流動性が悪くなる。一方、0.01重量%未満のときは、インキの固形分が沈降する不具合がある。 【0009】(その他の添加物)なお、本発明においてはその他必要に応じて、ポリオキシエチレンアルカリ金属塩、ジカルボン酸アミド、リン酸エステル、N−オレイルサルコシン塩等の潤滑剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールジシクロヘキシルアンモニウムナイトレート等の防錆剤、ベンゾイソチアゾリン系、ペンタクロロフェノール系、クレゾール等の防腐防黴剤、各種の界面活性剤などを添加することができる。また、顔料分散剤としてアクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等も添加することができる。また、上記配合物の残りとして水を使用するが、水道水、イオン交換水、蒸留水等が使用できる。 【0010】また、本発明のインキ組成物の好適な粘度範囲は500〜10000mPa・sである。本発明のインキ組成物はかかる粘度範囲に調整される。なお、この粘度はELD型粘度計(3゜R14コーン、回転数:0.5rpm、20℃)における測定値である。 【0011】なお、本発明のボールペン用水性インキ組成物は、従来公知の分散方法により、各添加物を攪拌分散させ、従来公知のろ過方法及び脱泡方法によりろ過・脱泡することで製造することができる。 【0012】 【実施例】(実施例1)着色材として、 アニリンブラック(商品名Dブラック2053 野間化学(株)製)とスチレンアクリル共重合体(商品HPD−96 ジョンソンポリマー社製)とを5:1の比率の固形分をプレミックスしたあと、ボールミルで分散を行い、平均粒子径0.30μm、固形分散濃度20%の水性分散体であるアニリンブラック■を得た。当該アニリンブラック■を使用して表1に示す組成及び配合量(重量部)で各成分を混合攪拌し分散させた後、これを濾過した後脱泡し、実施例1のボールペン用水性インキ組成物を得た。分散方法、脱泡方法、濾過方法等は従来公知の方法を用いた。 【0013】 (表1:実施例1のボールペン用水性インキ組成物) ____________________________________(1)アニリンブラック■(着色材) 4.8重量%(2)ザンサンガム(水溶性樹脂 商品名;KELZAN(三晶(株)製) 0.3重量%(3)ポリアクリル酸 0.2重量% (水溶性樹脂 商品名;カーボポール934(BFGoodrich製) (4)プロピレングリコール(水溶性有機溶剤) 11.6重量%(5)グリセリン(水溶性有機溶剤) 5.0重量%(6)1,2ベンズイソチアゾール−3−オン(防腐防黴剤) 0.4重量%(7)ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.8重量%(8)POEアルキルエーテルリン酸エステル(潤滑剤) 1.3 重量%(9)水 75.7重量%____________________________________【0014】(実施例2)実施例1と同様にして表2実施例2のボールペン用水性インキ組成物を得た。 (表2:実施例2のボールペン用水性インキ組成物) ____________________________________(1)アニリンブラック(着色材) 8.4重量%(2)ザンサンガム(水溶性樹脂 商品名;KELZAN(三晶(株)製) 0.3重量%(3ポリアクリル酸 0.2重量% (水溶性樹脂 商品名;カーボポール934(BFGoodrich製) (4)プロピレングリコール(水溶性有機溶剤) 11.6重量%(5)グリセリン(水溶性有機溶剤) 5.0重量%(6)1,2ベンズイソチアゾール−3−オン(防腐防黴剤) 0.4重量%(7)ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.8重量%(8)POEアルキルエーテルリン酸エステル(潤滑剤) 1.3 重量%(9)水 72.1重量%____________________________________【0015】 【比較例】(比較例1)着色材として、カーボンブラック(商品名PrintexG デグサヒュルス社製)とスチレンアクリル共重合体(商品ジョンクリル690 ジョンソンポリマー社製)とを5:1の比率の固形分をプレミックスしたあと、ボールミルで分散を行い、平均粒子径0.28μm、固形分散濃度20%の水性分散体であるカーボンブラック■を得た。当該カーボンブラック■を使用して表1に示す組成及び配合量(重量部)で各成分を混合攪拌し分散させた後、これを濾過した後脱泡し、比較例1のボールペン用水性インキ組成物を得た。分散方法、脱泡方法、濾過方法等は従来公知の方法を用いた。 (表3:比較例1のボールペン用水性インキ組成物) ____________________________________■カーボンブラック■(着色材) 4.8重量%■ザンサンガム(水溶性樹脂 商品名;KELZAN(三晶(株)製) 0.3重量%■ポリアクリル酸 0.2重量% (水溶性樹脂 商品名;カーボポール934(BFGoodrich製) ■プロピレングリコール(水溶性有機溶剤) 11.6重量%■グリセリン(水溶性有機溶剤) 5.0重量%■1,2ベンズイソチアゾール−3−オン(防腐防黴剤) 0.4重量%■ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.8重量%■POEアルキルエーテルリン酸エステル(潤滑剤) 1.3 重量%■水 75.7重量%____________________________________【0016】(比較例2)比較例1と同様にして表4の比較例2のボールペン用水性インキ組成物を得た。 (表4:比較例2のボールペン用水性インキ組成物) ____________________________________■カーボンブラック■(着色材) 8.4重量%■ザンサンガム(水溶性樹脂 商品名;KELZAN(三晶(株)製) 0.3重量%■ポリアクリル酸 0.2重量% (水溶性樹脂 商品名;カーボポール934(BFGoodrich製) ■プロピレングリコール(水溶性有機溶剤) 11.6重量%■グリセリン(水溶性有機溶剤) 5.0重量%■1,2ベンズイソチアゾール−3−オン(防腐防黴剤) 0.4重量%■ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.8重量%■POEアルキルエーテルリン酸エステル(潤滑剤) 1.3 重量%■水 72.1重量%____________________________________【0017】(比較例3)着色材として、カーボンブラック(商品名モナーク800 キャボット社製)とスチレンアクリル共重合体(商品ジョンクリル683 ジョンソンポリマー社製)とを5:1の比率の固形分をプレミックスしたあと、ボールミルで分散を行い、平均粒子径0.08μm、固形分散濃度20%の水性分散体であるカーボンブラック■を得た。当該カーボンブラック■を使用して表1に示す組成及び配合量(重量部)で各成分を混合攪拌し分散させた後、これを濾過した後脱泡し、比較例3のボールペン用水性インキ組成物を得た。分散方法、脱泡方法、濾過方法等は従来公知の方法を用いた。 (表5:比較例3のボールペン用水性インキ組成物) ____________________________________■カーボンブラック■(着色材) 4.8重量%■ザンサンガム(水溶性樹脂 商品名;KELZAN(三晶(株)製) 0.3重量%■ポリアクリル酸 0.2重量% (水溶性樹脂 商品名;カーボポール934(BFGoodrich製) ■プロピレングリコール(水溶性有機溶剤) 11.6重量%■グリセリン(水溶性有機溶剤) 5.0重量%■1,2ベンズイソチアゾール−3−オン(防腐防黴剤) 0.4重量%■ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.8重量%■POEアルキルエーテルリン酸エステル(潤滑剤) 1.3 重量%■水 75.7重量%____________________________________【0018】(評価)上述により得られたボールペン用水性インキ組成物を用いて、ボールペンチップ(ボール材質;炭化タングステン ソケット材質;洋白)を一端に連接したプロピレン製の中空軸筒よりなるボールペンのインキ収容部に当該ボールペン用水性インキ組成物を充填したものを試験サンプルとして、長距離筆記及び筆跡色相を評価した。その結果を表6に表した。 (表6) 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 比較例3 顔料濃度 4.0 7.0 4.0 7.0 4.0 ボール沈み 18 13 60 62 18 (μm) 評価 ○ ○ × × × 筆跡色相 ○ ○ ○ ○ × 【0019】実施例1,2では、安定した筆記性を長距離保ちかつ青味の黒の色相えられた。また、顔料濃度が7%となっても筆記ができた。一方、比較例1,2では、青味の色相が得られたものの、700m筆記が出来なかった。また比較例3では、安定した筆記性は得られたものの赤味の色相であった。 【0020】なお、長距離筆記は螺旋式筆記試験機を用いて、筆記速度10m/sec、荷重100g、自転あり、筆記角度65度の筆記条件で試験サンプルを700m筆記し、初期のボール出寸法と700m筆記後のボール出寸法をそれぞれ工具顕微鏡で測定し、その差をボール沈みとして計算した。また当該ボール沈みの値が20μm以内を「○」、20μm以上を「×」と評価した。また、筆跡色相は、試験サンプルを用いて市販のコピー用紙に筆記し、筆記線を目視で観察し、底色が青味の黒を「○」、底色が赤味の黒を「×」と評価した。 【0021】 【発明の効果】本発明は、少なくとも水溶性樹脂、水、水溶性有機溶剤、着色材を含む水性インキ組成物において、該着色材としてアニリンブラックを含むことを特徴とするボールペン用水性インキ組成物であるが、当該ボールペン用水性インキ組成物は、アニリンブラックの粒子径が大きくなってもボール座の磨耗が少なく、長距離の筆記に耐え得る効果がある。また、粒子径の大きなアニリンブラックを採用できることとなったので、底色が青味の呈したアニリンブラックを選択することで底色が青味を呈した黒色のボールペンが可能となった。さらに、アニリンブラックの粒子径の小さなもの製造する困難性を回避できる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390039734 【氏名又は名称】株式会社サクラクレパス
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| 【出願日】 |
平成13年6月18日(2001.6.18) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−371219(P2002−371219A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月26日(2002.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−182778(P2001−182778) |
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