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【発明の名称】 インクジェット用インクおよびそれを用いた記録方法
【発明者】 【氏名】松本 美子

【氏名】松本 雄一

【要約】 【課題】耐候性があり、インク非吸収性の媒体を使用した場合でも耐水性や定着性に優れ、吐出安定性、インクの保存安定性に優れたインクジェット用インク及びそれを用いた記録方法を提供する。

【解決手段】水性媒体中に少なくとも、着色剤と、エマルション樹脂が分散してあるインクジェット用インクであって、着色剤とエマルション樹脂が静電的に引きつけられていることを特徴とするインクジェット用インクであり、また、前記インクジェット用インクを用いて記録された記録媒体を加熱することを特徴とする記録方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】水性媒体中に少なくとも、着色剤と、エマルション樹脂が分散してあるインクジェット用インクであって、着色剤とエマルション樹脂が静電的に引きつけられていることを特徴とするインクジェット用インク。
【請求項2】前記インクジェット用インクを用いて記録された記録媒体を加熱することを特徴とする記録方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット用インク、及び記録方法に関するものであり、特に定着性、耐候性、耐水性、インクの保存安定性、吐出適性に優れたものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット用インクとして、例えば、特開昭55−65269号公報に記載されているように、各種の水溶性染料を水性の液体中に溶解したものが知られている。
【0003】しかし、このように水溶性染料を用いたインクは、染料の耐候性が劣るため、記録画像の耐候性が問題となる。すなわち画像が太陽光、蛍光灯、プロジェクターの光源光等にさらされると、画像が判読不能になったり、消失したり、あるいは退色したりという欠点を有する。
【0004】耐候性が悪いという欠点を解決する形態として、例えば、特公昭56−18623号公報、特開平4−18463号公報に記載されているように、水分散性の顔料を用いたものが知られている。
【0005】しかし、顔料を用いたインクは、耐候性は改善されるが、一般に定着性が悪い。顔料は基本的に水系溶媒および有機系溶媒に不溶であるため、顔料の沈降によるインクの保存安定性が悪いという欠点を有する。
【0006】この欠点を解決するために、定着性を付与したインクとして、樹脂を添加したものが知られている。しかし、インク中に樹脂が含まれると、インク中の溶剤が蒸発した際に樹脂の析出によりヘッドが詰まる、或いはインクの粘度が高くなるために、吐出が困難である等の問題があった。 さらにここで使用される樹脂は水溶性、あるいは親水性のものが多く、記録画像の耐水性に問題があった。
【0007】これらの問題を解決する方法として、例えば特開平8−218016号公報に記載されているように、電子線により硬化するモノマーを使用するものが知られている。しかし、ここで使用されるモノマーはインク中に溶解されており、硬化後耐水性は上がるものの、インク吸収性の媒体に対しては、インクが媒体内部までしみ込むため、硬化が不十分になる、あるいはモノマーの臭いがあり環境的に安全とは言い切れない、という問題がある。
【0008】さらに別の形態として、例えば特開平8−48922号公報に記載されているように、ラジエーション硬化可能なマクロマーをインク中にエマルション状態で含有させたものが知られている。
【0009】この形態によれば、耐水性、インクの臭い等はかなり改善されるが、エマルションの合一によるインク保存時の安定性に問題がある。
【0010】また別の形態として、例えば特開平4−18462号公報に記載されているように、顔料とエマルション樹脂とを組み合わせたインク組成物が知られている。ここでは、インク組成物中のエマルション樹脂の平均粒径が50nm以下であることが、安定に吐出するためには必要であるとされている。
【0011】さらに例えば、特開平9−208870号公報には、着色剤である顔料とエマルション樹脂の粒径がそれぞれ200nm以下であるインク組成物が記載されている。
【0012】しかしながらこれらの形態によれば、吐出の安定性は改善されるが、インクの保存安定性、記録物の定着性、耐水性には問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐候性があり、インク非吸収性の媒体を使用した場合においても耐水性、定着性に優れ、吐出安定性、インクの保存安定性に優れたインクジェット用インクおよびそれを用いた記録方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、水性媒体中に少なくとも、着色剤と、エマルション樹脂が分散してあるインクジェット用インクであって、着色剤とエマルション樹脂が静電的に引きつけられていることを特徴とするインクジェット用インクである。
【0015】請求項2に記載の発明は、前記インクジェット用インクを用いて記録された記録媒体を加熱することを特徴とする記録方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明に使用する着色剤は水又は水性の溶剤に不溶である顔料が好ましく、水又は水性の溶剤に分散可能なものであればよく、公知の有機、あるいは無機の顔料が使用可能である。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ系顔料や、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、金属錯塩系顔料、蛍光顔料等の有機顔料や、硫酸バリウム、炭酸バリウム、アルミナホワイト、酸化チタン、酸化鉄系顔料、カーボンブラック等の無機顔料が使用可能である。
【0018】本発明による好ましい態様によれば、これらの顔料の内、水と親和性のよいものが好ましい。具体的には、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
【0019】他の各色用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカッレト)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等が用いられる。
【0020】これらの顔料の粒径は、作製されたインクが、インクジェット方式で使用されるため、ノズルの詰まり防止を考慮すると、また着色性、透明性、インクの経時的な分散安定性を考慮すると、小さい方が好ましく、平均粒径が10nm〜200nm、最大粒径が500nm以下のものが好ましく用いられる。
【0021】エマルション樹脂としては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸エステル、スチレンーブタジエン共重合体、ブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ベンゾグアナミン樹脂、フエノール樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレンーアクリル酸エステル共重合体、スチレンーメタアクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、スチレンーアクリルアミド共重合体、nーイソブチルアクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、シリコーン樹脂、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステル、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、アルコールワックス、合成酸化ワックス、αオレフィン−無水マレイン酸共重合体、カルナバワックス等の動植物系ワックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等があるがこれに限定されるものではない。
【0022】これらの樹脂は、ノズルの詰まり防止を考慮すると、常温下では乾燥するのみで造膜化せず、MFT以上の温度で溶媒が除去された際、耐水性のある膜を形成するものが望ましい。
【0023】これらのエマルション樹脂の粒径は、作製されたインクが、インクジェット方式で使用されるため、ノズルの詰まり防止を考慮すると、またインクの経時的な分散安定性を考慮すると、小さい方が好ましく、平均粒径が10nm〜200nm、最大粒径が500nm以下のものが好ましい。
【0024】さらに、エマルション樹脂の粒径は、着色剤の粒径より小さい方が好ましい。
【0025】本発明では、着色剤とエマルション樹脂は粒子表面に電荷が保持されており、その極性が逆であることにより、静電気的に引き合っている。エマルション樹脂の粒径は、着色剤の粒径より小さく、かつ極性が逆の電荷を有しているため、インク中においてエマルション樹脂は着色剤の周りを覆いやすくなる。従って、着色剤の沈降が抑えられ、より安定なインクを調製することができる。
【0026】インクの調製は、着色剤を分散剤とともに水性媒体中に分散させた顔料分散体と、エマルション樹脂を混合することにより行われる。混合する割合は、着色剤の周りをエマルション樹脂が一様に覆う割合が好ましく、着色剤とエマルション樹脂の粒径により決定される。
【0027】分散剤としては、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両イオン性活性剤、高分子分散剤等が用いられる。陰イオン性活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、等が挙げられる。非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、シリコン系、フッ素系等が挙げられる。陽イオン活性剤としては、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩、等が挙げられる。両イオン性活性剤としてはジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。実際にはこれらの分散剤を単独あるいは混合して用いる。
【0028】分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、着色剤の0.1〜50.0質量部が一般的である。
【0029】分散剤の他に、脂肪族金属塩、第4級アンモニウム塩等の一般に知られている電荷制御剤を添加することにより表面の電荷を安定させることができる。この場合、着色剤とエマルション樹脂は逆の極性に荷電させる。
【0030】着色剤の分散は、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル等の分散機を用い行われる。
【0031】水性媒体としては、水の他に水と混合できるものを適宜添加することができる。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルキルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6,−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル等が使用可能である。
【0032】その他、必要に応じてリン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム等pH調整剤、酸化防止剤、防黴剤、消泡剤等を添加することも可能である。
【0033】また本発明のインクにノズルの目詰まり防止、保湿性、分散安定性等の効果を付与するために親水性高沸点低揮発性溶媒が加えることができる。本発明に用いられる親水性高沸点低揮発性溶媒としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の高沸点低揮発性の多価アルコール類が用いられ、あるいはそれらのモノエーテル化物、ジエーテル化物、エステル化物、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が用いられ、その他Nメチル2ピロリドン、1.3ージメチルイミダゾリジノン、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の含窒素有機溶剤等が用いられる。
【0034】本発明のインクの定着は以下のようにして行われる。即ち、インクジェットヘッドより吐出されたインクは、記録媒体上でインクの水性媒体が吸収、あるいは蒸発により乾燥した後、加熱により着色剤の定着が行われる。
【0035】この加熱により、エマルション樹脂が着色剤の周りを均一に覆い、着色剤は記録媒体上に強く定着され、耐水性が付与される。加熱による定着は特に非吸収性の記録媒体への記録の際に有効な手段である。吸収性の記録媒体への記録の場合は、必ずしもこの加熱工程は必要ではない。
【0036】加熱は、エマルション樹脂の最低造膜温度以上の温度で行う。好ましくは最低造膜温度よりも10℃程度高い温度で加熱されるのがよく、さらに好ましくは20℃程度高い温度で加熱することにより、より耐水性が向上する。
【0037】加熱手段は特に限定されるものではない。また加熱は、インク滴が記録媒体に着弾した後開始されるものであっても、予め加熱された記録媒体に記録するものであってもよい。
【0038】本発明においては、エマルション樹脂は着色剤表面に静電的に引き付けられているため、着色剤の周りを効果的に隙間なく覆うことが可能であり、耐水性を向上させることができる。また、エマルション樹脂の添加量を少なくすることができるため、インクの粘度を低く抑えることができ、より安定な吐出を行うことができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて、詳細に説明する。
<実施例1>フタロシアニン系青顔料(平均粒径:150nm)10重量部、エチレングリコール20重量部、グリセリン5重量部、非イオン性活性剤(花王製:エマルゲン109P)1重量部、高分子分散剤(ゼネカ製:ソルスパース20000)10重量部、陰イオン活性剤2重量部、水57重量部を混合し、サンドミルにて3時間分散し顔料がマイナスに帯電した顔料分散体(A)を得た。
【0040】顔料分散体(A)50質量部に、プラスに帯電した酢酸ビニル−アクリル共重合体のエマルション樹脂(平均粒径:50nm、固形分:40%)12.5重量部、水37.5質量部を混合し、1ミクロン、続いて0.4ミクロンのメンブレンフィルターでろ過し、インクジェット用インクを得た。
【0041】このインクをインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製:MJ810C)を用い、PETフィルムに記録後、90℃で5分間加熱乾燥した。記録画像は耐水性、耐溶剤性、定着性に優れており、蛍光灯に3ヶ月さらした後も画像の濃度に変化は見られず、耐候性にも優れた画像が得られた。
【0042】<実施例2>カーボンブラック顔料(平均粒径:170nm)10重量部、エチレングリコール20重量部、グリセリン5重量部、非イオン性活性剤(花王製:エマルゲン109P)1重量部、陰イオン活性剤2重量部、高分子分散剤(ゼネカ製:ソルスパース27000)10重量部、水57重量部を混合し、サンドミルにて3時間分散し顔料がマイナスに帯電した顔料分散体(A)を得た。
【0043】顔料分散体(A)50質量部に、プラスに帯電したスチレン−メタクリル酸共重合体のエマルション樹脂(平均粒径:45nm、固形分:40%)12.5重量部、水37.5質量部を混合し、1ミクロン、続いて0.4ミクロンのメンブレンフィルターでろ過し、インクジェット用インクを得た。
【0044】このインクは6ヶ月以上分散が安定に保持された。このインクをインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製:MJ810C)を用い、PETフィルムに記録後、90℃で5分間加熱乾燥したところ、記録画像は耐水性、耐溶剤性、定着性に優れており、蛍光灯に3ヶ月さらした後も画像の濃度に変化は見られず、耐候性にも優れた画像が得られた。
【0045】<比較例1>実施例2と同様の顔料分散体(A)(顔料の平均粒径:130nm)50質量部に、マイナスに帯電したスチレン−メタクリル酸共重合体のエマルション樹脂(平均粒径:45nm、固形分:40%)12.5重量部、水37.5質量部を混合し、1ミクロン、続いて0.4ミクロンのメンブレンフィルターでろ過し、インクジェット用インクを得た。
【0046】このインクをインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製:MJ810C)を用い、PETフィルムに記録後、90℃で5分間加熱乾燥した。記録画像は耐候性には優れているものの、定着性が不充分であるため、耐水性、耐溶剤性も不充分な画像であった。
【0047】
【発明の効果】本発明のインクジェット用インクは、着色剤の定着材として、エマルション樹脂を用いており、エマルション樹脂粒子と着色剤粒子は静電的に引き付けられている。
【0048】エマルション樹脂の粒径は着色剤の粒径より小さくいため、インク中において着色剤の周りをエマルション樹脂が覆いやすくなり、着色剤の沈降が抑えられ、より安定なインクを調製することができる。また、エマルション樹脂の添加量を少なくすることができるため、インクの粘度を低く抑えることができ、より安定な吐出を行うことができる。
【0049】また本発明では、インクが記録された記録媒体を加熱する。エマルション樹脂の粒径が着色剤の粒径より小さく、かつ静電的に引き付けられているため、エマルション樹脂が着色剤の周りを隙間なく覆うことができる。このため、加熱を行うことにより、着色剤は樹脂により均一に覆われ、耐水性が付与されるとともに着色剤は記録媒体上に強く定着される。加熱による定着は特に非吸収性の記録媒体への記録の際に有効な手段であり、吸収性の記録媒体への記録の場合は、必ずしもこの加熱工程は必要ではない。
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成13年6月15日(2001.6.15)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−371211(P2002−371211A)
【公開日】 平成14年12月26日(2002.12.26)
【出願番号】 特願2001−181893(P2001−181893)