| 【発明の名称】 |
ガスバリア性フィルム及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 健
【氏名】中野 誠
【氏名】星野 太
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物から形成するガスバリア層、防湿性を有する樹脂(C)から形成する防湿層を積層してなるガスバリア性フィルムであり、樹脂(A)が、カルボキシル基を含有する単量体(a−1)、水酸基を含有する単量体(a−2)、及び、その他の単量体(a−3)の合計重量を基準として、カルボキシル基を含有する単量体(a−1)5〜100重量%、水酸基を含有する単量体(a−2)0〜95重量%及びその他の単量体(a−3)0〜95重量%の(共)重合体であり、樹脂(B)が、カルボキシル基を含有する単量体(b−1)、水酸基を含有する単量体(b−2)、及び、その他の単量体(b−3)の合計重量を基準として、カルボキシル基を含有する単量体(b−1)0〜4重量%、水酸基を含有する単量体(b−2)及び/又はその他の単量体(b−3)の合計として96〜100重量%の(共)重合体であり、かつ、樹脂(A)と樹脂(B)を構成する全ての単量体に、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンを含まないことを特徴とする、ガスバリア性フィルム。 【請求項2】 前記ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物において、カルボキシル基含有単量体(a−1)及び/又は(b−1)が、不飽和カルボン酸であり、水酸基を含有する単量体(a−2)及び/又は(b−2)が、水酸基含有不飽和カルボン酸エステルまたは水酸基含有不飽和エーテルであり、その他の単量体(a−3)及び/又は(b−3)が、アルキルアクリレート、アルキルメタアクリレート、芳香族系単量体、アミド基含有単量体、エポキシ基含有単量体、ブタジエン、エチレン、酢酸ビニルからなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。 【請求項3】 防湿性を有する樹脂(C)から形成する防湿層が、温度40℃、相対湿度90%において、透湿度500g/m2・day以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。 【請求項4】 前記ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物が、樹脂(A)と樹脂(B)の混合物であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 【請求項5】 前記ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物が、樹脂(A)と樹脂(B)が化学結合及び/又は吸着したものであることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 【請求項6】 前記ガスバリア性フィルムが、温度20℃、相対湿度65%において、酸素又は二酸化炭素につき、20×10-13cm3・cm/cm2/s/mmHg以下のガスバリア性を発現するものであることを特徴とする、請求項1乃至5の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 【請求項7】 前記ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物において樹脂(A)と樹脂(B)の合計重量を基準として、樹脂(A)が10〜95重量%、樹脂(B)が90〜5重量%である、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 【請求項8】 樹脂(C)が、ポリオレフィン樹脂、ラテックス樹脂、ポリエステル樹脂、からなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1乃至7の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 【請求項9】 前記樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物がさらに架橋剤を含むものであることを特徴とする、請求項1乃至8の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 【請求項10】 ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物からなるガスバリア層を、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に成膜後、防湿性を有する樹脂(C)を塗工し防湿層を成膜することを特徴とする、請求項1乃至9の何れかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法。 【請求項11】 請求項1乃至9のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの防湿性層上に、さらに熱可塑性樹脂フィルムを積層してなることを特徴とするガスバリア性フィルム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物および防湿性を有する樹脂をコーティングしてなるガスバリア性フィルムに関する。本発明は、ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物および防湿性を有する樹脂をコーティングしてなるガスバリア性フィルムの製造方法に関する。本発明により得られたガスバリア性フィルムは、環境問題に対応したものである。 【0002】 【従来の技術】[技術的背景]近年、食文化の多様化・高度化や医薬品の多様化等に起因して、食品・薬品等の内容物を変質や腐敗等から、長期間に渡り保護する必要性が、年々高まりつつある。その為、包装材料に使用されるプラスチックフィルムに対しても、年々高いガスバリア性が要求されるようになってきている。 【0003】従来より、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリナイロン、セロハン等のプラスチックフィルムや紙等にガスバリア性を付与する場合には、該フィルム上にガスバリア性の樹脂層を形成することが行われてきた。典型的な具体例としては、ポリプロピレンフィルム等からなる二軸延伸フィルム上に、ポリ塩化ビニリデン(以下PVDC)を塗布し、次いで加熱乾燥することにより、ガスバリア性の塗膜を形成することが行われている。 【0004】特開平3−50211号(出願人;三菱油化バーディッシュ(株))には、ガスバリア性と印刷性に優れた、塩化ビニリデン系重合体水性分散体を製造する技術が開示されている。この技術は、単量体混合物(1)として、塩化ビニリデン85〜95重量%、及びメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、及びアクリロニトリルから選ばれた単量体の一種或いはそれらの混合物5〜15重量%を重合した後、単量体混合物(2)として、メタクリル酸メチル、ビニル芳香族化合物からなる群より選ばれた単量体20〜65重量%及び、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、ビニルエステルからなる群より選ばれた単量体35〜80重量%、及び水酸基含有単量体0.2〜5重量%を重合させる多段重合法で、単量体混合物(1)100重量部に対して、単量体混合物(2)を0.5〜20重量部使用し、塩化ビニリデン系重合体を製造する技術である。しかしながら、近年のダイオキシン問題による環境問題に端を発し、包装材料業界においても脱塩素化の流れが加速し始めており、PVDCの代換えコーティング剤として、ポリアクリロニトリルやポリビニルアルコール(以下PVA)等が使用され始めている。しかしポリアクリロニトリルを用いる場合、単量体のアクリロニトリルが毒性を有するため、重合せずに残存するアクリロニトリル単量体を多大な労力を掛けて除去する必要があった。また使用される用途が食品分野となれば、できる限りこのような毒性の強いアクリロニトリル単量体を原料としないガスバリア性樹脂が望まれていた。また、PVAは一般に水溶液として塗布されるが、高粘度になりやすいために低濃度で塗布が行われている。しかし、低濃度で塗布した場合に乾燥時間や乾燥エネルギーが多く必要になり、また特有の粘性による塗工性の悪さから、生産性が低下するといった問題を抱えていた。 【0005】本発明者らは、上記の問題を解決すべく、特定の組成からなる樹脂組成物をコーティングしたフィルムが、ガスバリア性を有することを既に見いだした(特願平11−141590)。しかしながら、年々ガスバリア性に対する要求は厳しくなっており、更なるガスバリア性の向上が望まれていた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、環境対応性に優れ、作業性およびガスバリア性に優れる樹脂組成物および防湿性を有する樹脂を、コーティングすることにより、ガスバリア性の優れたフィルムを提供する事を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意検討した結果、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、塩化ビニルの単量体を原料とせずとも、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、特定量のカルボキシル基を有する樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物から形成された層と、防湿性を有する樹脂(C)から形成された層とを積層することにより、ガスバリア性が更に向上したフィルムが得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。 【0008】即ち、本発明は、以下に記載した事項により特定される。 (1)熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物から形成するガスバリア層、防湿性を有する樹脂(C)から形成する防湿層を積層してなるガスバリア性フィルムであり、樹脂(A)が、カルボキシル基を含有する単量体(a−1)、水酸基を含有する単量体(a−2)、及び、その他の単量体(a−3)の合計重量を基準として、カルボキシル基を含有する単量体(a−1)5〜100重量%、水酸基を含有する単量体(a−2)0〜95重量%及びその他の単量体(a−3)0〜95重量%の(共)重合体であり、樹脂(B)が、カルボキシル基を含有する単量体(b−1)、水酸基を含有する単量体(b−2)、及び、その他の単量体(b−3)の合計重量を基準として、カルボキシル基を含有する単量体(b−1)0〜4重量%、水酸基を含有する単量体(b−2)及び/又はその他の単量体(b−3)の合計として96〜100重量%の(共)重合体であり、かつ、樹脂(A)と樹脂(B)を構成する全ての単量体に、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンを含まないことを特徴とする、ガスバリア性フィルム。 (2)前記ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物において、カルボキシル基含有単量体(a−1)及び/又は(b−1)が、不飽和カルボン酸であり、水酸基を含有する単量体(a−2)及び/又は(b−2)が、水酸基含有不飽和カルボン酸エステルまたは水酸基含有不飽和エーテルであり、その他の単量体(a−3)及び/又は(b−3)が、アルキルアクリレート、アルキルメタアクリレート、芳香族系単量体、アミド基含有単量体、エポキシ基含有単量体、ブタジエン、エチレン、酢酸ビニルからなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする、(1)に記載のガスバリア性フィルム。 (3)防湿性を有する樹脂(C)から形成する防湿層が、温度40℃、相対湿度90%において、透湿度500g/m2・day以下であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のガスバリア性フィルム。 (4)前記ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物が、樹脂(A)と樹脂(B)の混合物であることを特徴とする、(1)乃至(3)の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 (5)前記ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物が、樹脂(A)と樹脂(B)が化学結合及び/又は吸着したものであることを特徴とする、(1)乃至(3)の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 (6)前記ガスバリア性フィルムが、温度20℃、相対湿度65%において、酸素又は二酸化炭素につき、20×10-13cm3・cm/cm2/s/mmHg以下のガスバリア性を発現するものであることを特徴とする、(1)乃至(5)の何れかに記載のガスバリア性フィルム。(7)前記ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物において樹脂(A)と樹脂(B)の合計重量を基準として、樹脂(A)が10〜95重量%、樹脂(B)が90〜5重量%である、ことを特徴とする(1)乃至(6)の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 (8)樹脂(C)が、ポリオレフィン樹脂、ラテックス樹脂、ポリエステル樹脂、からなる群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする、(1)乃至(7)の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 (9)前記樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物がさらに架橋剤を含むものであることを特徴とする、(1)乃至(8)の何れかに記載のガスバリア性フィルム。 (10)ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物からなるガスバリア層を、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に成膜後、防湿性を有する樹脂(C)を塗工し防湿層を成膜することを特徴とする、(1)乃至(9)の何れかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法。 (11)(1)乃至(9)のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの防湿性層上に、さらに熱可塑性樹脂フィルムを積層してなることを特徴とするガスバリア性フィルム。 【0009】 【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。 [ガスバリア性]本発明におけるガスバリア性は、ASTM D−3985、又は、JIS K7126で規定された方法で測定することができ、本発明のガスバリア性の数値は温度20℃相対湿度65%で測定したときの透過係数を意味する。本発明のガスバリア性により得られる樹脂組成物フィルムの酸素又は二酸化炭素の透過係数は、20×10-13cm3・cm/cm2/s/mmHg以下、より好ましくは10×10-13cm3・cm/cm2/s/mmHg以下、さらに好ましくは5×10-13cm3・cm/cm2/s/mmHg以下、最も好ましくは2×10-13cm3・cm/cm2/s/mmHg以下である。 【0010】[透湿度]本発明における透湿度は、JIS Z0208で規定された方法で測定することができ、本発明の透湿度の数値は温度40℃相対湿度90%で測定したときの水蒸気の透過量を意味する。本発明における防湿性を有する樹脂(C)から形成する防湿層の透湿度は、500g/m2・day以下、より好ましくは400g/m2・day以下、最も好ましくは300g/m2・day以下である。 【0011】[カルボキシル基を含有する単量体]本発明における、カルボキシル基を含有する単量体(a−1)・(b−1)は、カルボキシル基を含有していれば特に限定されるものではない。本発明におけるカルボキシル基含有単量体(a−1)・(b−1)の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸が挙げられ、このうちアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸が好ましく、アクリル酸、メタアクリル酸が特に好ましい。これらの単量体は、単独で、又は、2種類以上組み合わせて選択することができる。 【0012】[水酸基を含有する単量体]本発明における、水酸基を含有する単量体(a−2)・(b−2)は、水酸基を含有していれば特に限定されるものではない。本発明における水酸基含有単量体(a−2)・(b−2)の具体例として、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタアクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタアクリレート等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルまたは水酸基含有不飽和エーテルが挙げられ、これらの単量体は、単独で、又は、2種類以上組み合わせて選択することができる。これらのうち、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び/又は2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを含むものが特に好ましい。水溶性に優れ、良好な重合安定性が得られるからである。 【0013】[その他の単量体(a−3)]本発明における、その他の単量体〔(a−1)・(a−2)以外のその他の共重合可能な単量体〕(a−3)は、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニル以外であれば、特に限定されるものではない。本発明におけるその他の共重合可能な単量体(a−3)の具体例として、例えば、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート等のアルキルアクリレート、アルキルメタアクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族系単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド等のアミド基含有単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート等のエポキシ基含有単量体;スチレンスルホン酸及びその塩類、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩類等のスルホン酸基含有単量体;ブタジエン;エチレン;酢酸ビニル等が挙げられ、これらの単量体は、単独で、又は、2種類以上組み合わせて選択することができる。これらのうち、アルキルアクリレート、アルキルメタアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリルアミド及びメタアクリルアミドからなる群から選択された少なくとも一種が好ましく、特に、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタアクリレートを含むものが好ましい。良好な重合安定性が得られるからである。 【0014】[その他の単量体(b−3)]その他単量体〔(b−1)・(b−2)以外のその他の共重合可能な単量体〕(b−3)として特に好適なのは、メチルメタアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、スチレンである。 【0015】[樹脂(A)]本発明における樹脂(A)は、カルボキシル基を含有する単量体(a−1)と、水酸基を含有する単量体(a−2)と、その他の共重合可能な単量体(a−3)との(共)重合体である。単量体(a−1)の量は、単量体(a−1)、(a−2)および(a−3)の合計重量を基準として、5〜100重量%、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは35〜100重量%とする。また、単量体(a−2)の量は、上記合計重量を基準として、0〜95重量%とする。その他の単量体(a−3)の量は、上記合計重量を基準として、0〜95重量%とする。このような量とすることにより、十分なガスバリア性が得られる。単量体(a−1)および(a−2)の合計量は、上記合計量を基準として、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは90〜100重量%とする。この様な合計量とすることにより、十分なガスバリア性が得られる。なお、水酸基含有単量体(a−2)及び、その他の共重合可能な単量体(a−3)は、樹脂に要求される性能に応じて、適宜選択されるが、特に耐水性が必要とされる場合には、カルボキシル基含有単量体(a−1)5〜80重量%、水酸基含有単量体(a−2)20〜95重量%、その他の共重合可能な単量体(a−3)0〜75重量%であることが好ましく、さらには、カルボキシル基含有単量体(a−1)5〜50重量%、水酸基含有単量体(a−2)50〜95重量%、その他の共重合可能な単量体(a−3)0〜45重量%であることがより好ましい。 【0016】[樹脂(A)のガラス転移温度]樹脂(A)の理論的なガラス転移温度に特段の制限はないが、一般的には0℃〜200℃である。樹脂(A)のガラス転移温度が室温よりも著しく低い場合、例えば氷点下では、成形したフィルムがベタ付く問題があり、逆に200℃を超えるような場合は、成膜不良をおこさないために、成型時の乾燥温度を著しく高くする必要があり問題である。 【0017】[樹脂(A)の重量平均分子量]樹脂(A)の重量平均分子量は特に制限されるものではないが、一般的には1000〜100万が好ましい。分子量が1000未満であると、成膜したフィルムの耐水性が低下する問題があり、又100万より大きい場合は、樹脂の粘度が増大し、取り扱いが困難になる問題がある。なお、分子量測定はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によって測定できる。 【0018】[樹脂(B)]本発明における樹脂(B)は、カルボキシル基を含有する単量体(b−1)と、水酸基を含有する単量体(b−2)と、その他の共重合可能な単量体(b−3)との合計重量を基準として、カルボキシル基を含有する単量体(b−1)0〜4重量%と、水酸基を含有する単量体(b−2)又はその他の共重合可能な単量体(b−3)からなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の単量体96〜100重量%との共重合体からなる。単量体(b−1)が4重量%を超えると樹脂の粘度が増大し、取り扱いが困難になる場合がある。単量体(b−3)の量は、単量体(b−1)、単量体(b−2)および単量体(b−3)の合計重量を基準として、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは85〜100重量%、最も好ましくは96〜100重量%とする。このようにすれば、樹脂(B)を製造安定性よく得ることができ、また、得られる樹脂組成物の作業性が良好となる。 【0019】特に耐水性が必要とされる場合には、カルボキシル基を含有する単量体(b−1)0〜2重量%、水酸基を含有する単量体(b−2)0〜20重量%、その他の共重合可能な単量体(b−3)78〜100重量%が好ましく、より好ましくはカルボキシル基を含有する単量体(b−1)0重量%、水酸基を含有する単量体(b−2)0〜10重量%、その他の共重合可能な単量体(b−3)90〜100重量%である。 【0020】[樹脂(B)のガラス転移温度]樹脂(B)の理論的なガラス転移温度に特段の制限はないが、一般的には−50℃〜200℃である。ガラス転移温度は、本発明に係わるエマルション組成物を使用した際の乾燥条件で、十分に成膜するような条件で、適時選択される。 【0021】[樹脂(B)の重量平均分子量]樹脂(B)の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、一般的には1万〜1000万である。 【0022】[樹脂(A)及び樹脂(B)に含有されているカルボキシル基]樹脂(A)及び樹脂(B)に含有されているカルボキシル基は、カリウム、ナトリウム等の金属塩類;アンモニア、アミン等の有機塩基類で、その1部又は全部を中和することもできる。フィルムのガスバリア性や耐水性を向上させるという意味から、中和剤としては有機塩基類が好ましい。カルボキシル基を含有する単量体(a−1)および(b−1)の合計量は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計重量を基準として、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは20〜80重量%とする。このようにすることによって良好なガスバリア性が得られる。 【0023】[樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物]本発明に係る樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物は、樹脂(A)と樹脂(B)が混合、又は化学的に結合した組成物であり、化学的結合とは共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合などであり、吸着現象をも含んだものである。樹脂(A)と樹脂(B)の比率は、樹脂(A)と樹脂(B)の合計重量を基準として、樹脂(A)10〜95重量%、樹脂(B)90〜5重量%であることが好ましい。樹脂(A)が10重量%未満であると、成膜したフィルムのガスバリア性が低下する場合があり、95重量%を超えると、フィルムの耐水性が低下する場合がある。より好ましくは樹脂(A)30〜90重量%、樹脂(B)70〜10重量%である。最も好ましくは樹脂(A)40〜90重量%、樹脂(B)60〜10重量%である。 【0024】本発明における樹脂(A)と樹脂(B)は、溶媒に溶解、あるいは分散した状態が取り扱い上好適である。樹脂(A)が溶媒に溶解し、樹脂(B)が樹脂粒子として溶媒に分散したものがより好ましく、樹脂(A)と樹脂(B)を同一粒子内に含有する樹脂粒子が水に分散したものが最も好ましい。なお、「樹脂(A)と樹脂(B)を同一粒子内に含有する樹脂粒子が水に分散し」とは、樹脂(B)が水中に分散し、この樹脂(B)の表面に樹脂(A)が吸着又は結合した状態をいい、たとえば、アクリル系ポリマーからなる疎水性コアと、水溶性ポリマーからなる水溶性シェルと、からなる複合エマルション等の形態をいう。前述したように、PVA等の水溶性ポリマーはガスバリア性材料として有効であるが、水溶液にした場合、粘度が高くなるという課題を有していた。これは、水中で水溶性ポリマーの分子鎖間のからみ合いが起こることに起因するものと考えられる。これに対し、上記複合エマルションの形態を採用した場合、水溶性ポリマーが疎水性樹脂分散体表面に吸着または結合した形態となるため、水溶性ポリマーの分子鎖間のからみ合いが抑制され、粘度上昇を抑えることができる。このため、水溶液の形態を採用した場合と比較して、水溶性ポリマー濃度を高くしても良好な作業性が得られる。使用される溶媒は特に制限されるものではなく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、グリコール類、エーテル類等の水溶性有機溶剤;トルエン、キシレン等の非水溶性溶剤を、単独で、又は、2種類以上組み合わせて、使用することができる。特に、環境問題の観点から、水を主成分とした溶媒が好適である。 【0025】[第三成分]さらに、ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物には樹脂(A)と樹脂(B)に加え、第三成分として、公知の水溶性樹脂を組み合わせて使用することも可能である。公知の水溶性樹脂としては、例えば、ポリアルコール系ポリマー、糖類、アミノ酸類、ポリエチレンオキサイド類、ポリエチレングリコール類、セルロース類等が挙げられる。 【0026】[樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物の製造方法]本発明に係る樹脂(A)と樹脂(B)を含んでなるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物中の、樹脂(A)と樹脂(B)の製造方法(重合方法)は、特に制限されるものではないが、通常は重合熱の制御の問題から溶媒中で重合が行われる。一般的にはラジカル重合が好適である。 【0027】[開始剤]ラジカル重合を行う場合に使用される開始剤の具体例としては、例えば、過酸化水素;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;あるいはこれらと鉄イオン等の金属イオン及びナトリウムスルホキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤等が挙げられる。ラジカル重合時に使用される開始剤の使用量は、一般的には、単量体の総重量を基準として、0.1〜20重量%である。 【0028】[分子量調整剤]また、必要に応じて、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸及びこれらのソーダ塩等のアリル化合物などを、分子量調節剤として使用することも可能である。 【0029】[界面活性剤]さらに、樹脂粒子の安定性を向上させるために、通常の乳化重合に使用される界面活性剤を用いることも可能であり、特に溶媒が水を主成分とする場合に好適である。かかる界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、その他の反応性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用することができる。 【0030】■ 非イオン系界面活性剤非イオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、tert−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられる。 【0031】■ アニオン系界面活性剤アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、tert−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられる。 【0032】■ カチオン系界面活性剤カチオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。 【0033】[樹脂粒子の平均粒子直径]本発明において、樹脂組成物を構成する樹脂粒子の平均粒子直径は、1〜1000nmが好ましく、より好ましくは1〜500nmである。粒子径が1000nmを超える場合は、成膜したフィルムの平滑性が失われる、ガスバリア性が低下する等の問題がある。 【0034】[重合方法]重合時には、前記した各種の単量体は、溶媒にこれを一括して、もしくは分割して、あるいは連続的に滴下して加え、前記した開始剤の存在下に、0℃〜200℃の温度で重合される。 【0035】本発明におけるガスバリア性被膜形成性樹脂組成物は、樹脂(A)と樹脂(B)を混合、又は化学的に結合したものであり、上記した方法により樹脂(A)と樹脂(B)を重合した後、樹脂(A)と樹脂(B)を混合撹拌する方法;樹脂(A)の存在下で樹脂(B)を重合する方法;樹脂(B)の存在下で樹脂(A)を重合する方法等により、所望の樹脂組成物を得ることができる。この際に行う重合としては、前記した重合方法、溶媒、開始剤、分子量調節剤、及び界面活性剤を用いることが可能である。 【0036】[添加剤]本発明における樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。各種添加剤としては、例えば、架橋剤、顔料、造膜助剤、濡れ剤,消泡剤、防腐剤、増粘剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、無機塩等が挙げられる。中でも、濡れ剤は樹脂組成物をポリオレフィンのフィルムにコーティングする場合は併用することが好ましい。また、架橋剤および顔料は成膜されたフィルムの各種性能を向上させることができるため、併用することが好ましい。 【0037】[架橋剤]本発明における架橋剤は、樹脂組成物から作成した膜の耐水性を向上させると共に、場合によっては樹脂組成物膜の密度を向上させることにより、湿度条件下でのガスバリア性を向上させる役割を果たす。架橋剤の具体例としては、鉄、亜鉛、錫、銅、アルミニウム、ジルコニウム等の金属およびその塩;塩酸、硫酸等の無機酸およびその塩;リン酸、酢酸等の有機酸およびその塩;メラミン等のメチロール化合物;イソシアネート化合物;グリシジル基を含有したエポキシ化合物;グリオキザール等のアルデヒド化合物;過酸化物等の酸化剤;エチレンイミン等のイミン類;イミド基含有化合物;オキサゾリン基含有化合物;アジリジニル基含有化合物等が挙げられる。これらの化合物のうち、架橋剤として特に好適なのは、金属塩およびその塩、メチロール化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アルデヒド化合物、イミド基含有化合物である。これら、架橋剤の添加率としては、樹脂(A)と樹脂(B)のカルボキシル基及び/又は水酸基の合計モル量に対して、0.05〜2モル当量であるが、より好ましくは、0.1〜1モル当量である。架橋剤の添加率、架橋剤の種類により最適添加量は異なるのが一般的であるが、0.05モル当量より少ない場合は、架橋剤添加による耐水化効果が発現しない場合があり、2モル当量より多い場合は、未反応の架橋剤が樹脂膜中に残存するため、ガスバリア性が低下する場合がある。使用する架橋剤は、上記化合物の中から、単独で、又は2種類以上組み合わせて使用することができる。 【0038】[顔料]顔料の具体例としては、カオリナイト、ハロサイト、モンモリロナイト、バーキュライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、パイロフィライト、ヘクトライト、バイデライト、マーガライト、タルク、テトラシリリックマイカ、白雲母、金雲母、緑泥石等の無機層状化合物;カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アルミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、等の無機化合物;架橋ポリスチレン系粒子等の有機フィラー等が挙げられる。これら、顔料の添加率としては、一般的には単量体の総重量を基準として、1〜30重量%である。さらには、1〜15重量%がより好ましい。顔料の添加率が30重量%を超えると、成膜させたフィルムに微細な隙間が生じ、ガスバリア性が低下する場合があり、1重量%未満であると、添加した効果が得られない場合がある。 【0039】[防湿性を有する樹脂(C)]本発明における防湿性を有する樹脂(C)は、ガスバリア層の上に被膜形成し積層する事により、ガスバリア層の吸湿によるバリア性の低下を防止すると共に、擦り傷等によるガスバリア層の欠陥を防止することができ、湿度条件下でのガスバリア性を向上させる役割を果たしている。更には、樹脂(C)を適宜選択することにより、ヒートシール性をも付与することができる。樹脂(C)の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィン類、熱可塑性エラストマー、アイオノマー等からなるポリオレフィン樹脂;スチレン−ブタジエン共重合体、アルキルアクリレート−ブタジエン共重合体、アルキルメタアクリレート−ブタジエン共重合体等のラテックス樹脂;フタル酸類−グリコール類縮合体等からなるポリエステル樹脂等が挙げられ、単独でまたは2種類以上組み合わせて使用することができる。上記樹脂の中で、防湿性を有する樹脂(C)として特に好適なのは、ポリオレフィン樹脂である。 【0040】本発明における防湿性を有する樹脂(C)は、溶媒に溶解、あるいは分散した状態(エマルション等)が取り扱い上好適である。使用される溶媒は特に制限されるものではなく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類、グリコール類、エーテル類等の水溶性有機溶剤;トルエン、キシレン等の非水溶性溶剤を、単独で、又は、2種類以上組み合わせて、使用することができる。特に、環境問題の観点から、水を主成分とした溶媒が好適である。 【0041】[その他成分]さらに、樹脂(C)には、その他成分として、公知の水溶性樹脂を組み合わせて使用することも可能である。公知の水溶性樹脂としては、例えば、ポリアルコール系ポリマー、糖類、アミノ酸類、ポリエチレンオキサイド類、ポリエチレングリコール類、セルロース類等が挙げられる。 【0042】[熱可塑性樹脂フィルム]熱可塑性樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン12等のポリアミド;エチレン酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリフェニレンオキサイド;ポリフェニレンサルファイド;芳香族ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;セルロース;酢酸セルロース;ポリビニルアルコールなど、及びこれらの共重合体が挙げられる。コストパフォーマンス、透明性、ガスバリア性等の観点から、ポリオレフィンやポリエステル、ポリアミド等のフィルムが好ましい。 【0043】[ガスバリア性フィルム]本発明に係るガスバリア性フィルムとは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物から形成するガスバリア層、および防湿性を有する樹脂(C)から形成する防湿層を積層したガスバリア性フィルムである。また、フィルムが多層構造である場合、本発明におけるガスバリア層、および防湿性層を上層、下層、中間層のどの層に使用されていても構わない。多層構造の例としては、例えば、防湿層の上に、さらに熱可塑性樹脂フィルムからなる層を積層した多層フィルムの形態をとることも可能である。このような構造とすることにより、本発明のガスバリア性被膜形成樹脂組成物からなるフィルム層が損傷したり吸水することによるフィルム特性の低下を有効に防止できる。なお、ガスバリア層および防湿層の厚みは適宜設定されるが、例えば0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μm程度の厚み(成膜・乾燥後の厚み)とすることができる。成膜方法は一般的に知られている方法であれば特に問題なく使用することができる。例えば、熱可塑性樹脂フィルムの片面にバーコーターやロールコーター等を用い均一に樹脂組成物を塗工し、引き続き熱風乾燥機等により溶媒を蒸発させ、樹脂膜を成膜させることができる。 【0044】 【実施例】次に本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。以下、部及び%は全て重量基準である。 【0045】[実施例1]脱イオン水746部を反応容器に仕込み、窒素気流下で80℃に昇温した。これとは別に、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート290部、アクリル酸194部の混合液を、20%水酸化ナトリウム水溶液108部で中和させた混合物を作り、反応容器に開始剤として、過硫酸カリウム49部を投入溶解後、先の単量体混合液を2時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温で2時間保持して重合を完結させた。その後、イオン交換水590部を反応容器に加え、80℃に昇温した。これとは別に、n−ブチルアクリレート57部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート2部、メタアクリル酸1部の混合液を作り、反応容器に開始剤として、過硫酸アンモニウム0.3部を投入溶解後、先の単量体混合液を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温で1時間保持し、触媒として過硫酸アンモニウムを0.1部添加し、更に同温で2時間保持して重合を完結させた。得られた樹脂の固形分は30%、pHは4.8で、光散乱測定による重量平均粒子径は0.3μmであった。得られた樹脂にメラミン系架橋剤としてサイメルC350(三井サイテック(株)品)を165部添加し、よく攪拌・混合し、ガスバリア性被膜形成性樹脂組成物を得た。得られた樹脂を、膜厚23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PET)上に、乾燥後の膜厚が2.0μmになるように塗布し、直ちに100℃の熱風乾燥機で1分間乾燥させ水分を蒸発させた後、更に150℃の熱風乾燥機で3分加熱後、防湿性を有する樹脂として、ケミパールS659(ポリオレフィンエマルション、三井化学(株)製、透湿度300g/m2・day)を、乾燥後の膜厚が3.0μmになるように塗工し、直ちに150℃の熱風乾燥機で1分間乾燥させ評価フィルムを作成し、温度20℃、相対湿度65%の条件で酸素ガス透過度を測定した。その後、以下の計算式により、樹脂フィルム単体の酸素ガス透過度及び、酸素ガス透過係数を算出した。結果を表−1に示す。 1/P<total>=1/P<film>+1/P<PET>P<total>:PETフィルムと樹脂組成物フィルムを積層した積層フィルムの酸素ガス透過度P<film>:樹脂組成物単体フィルムの酸素ガス透過度P<PET>:ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)単体の酸素ガス透過度ガス透過係数=1.523×10-12 ×P<film>×dd:樹脂組成物単体フィルムの厚さ(mm) [実施例2]実施例1の防湿性を有する樹脂を、ケミパールS75N(ポリオレフィンエマルション、三井化学(株)製、透湿度300g/m2・day)に変更し、ケミパール塗工後の乾燥温度を100℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、評価フィルムを作成し、酸素ガス透過度を測定し、酸素ガス透過係数を算出した。結果を表−1に示す。 【0046】[比較例1]防湿性を有する樹脂を塗工せずに、実施例1と同様の方法で、評価フィルムを作成し、酸素ガス透過度を測定し、酸素ガス透過係数を算出した。結果を表−1に示す。 【0047】 【表1】
【0048】 【発明の効果】本発明に係るガスバリア性フィルムは、環境問題に対応し、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンを含まず、非常に優れたガスバリア性を発揮する。従って、食品包装材料、医薬品包装材料などの各種包装材料、建築構造物劣化防止材料などに適用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005887 【氏名又は名称】三井化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月10日(2001.1.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−206031(P2002−206031A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月26日(2002.7.26) |
| 【出願番号】 |
特願2001−2992(P2001−2992) |
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