トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物




【発明の名称】 樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法
【発明者】 【氏名】大谷 幸介

【氏名】清水 光

【要約】 【課題】有機溶剤を含有する接着剤を用いることなく、オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーとポリウレタンとを強固に接着することができる樹脂組成物、該樹脂組成物を用いて得られる積層体及び該積層体の製造方法を提供する。

【解決手段】下記の成分(A)及び(B)を含有し、(A)100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部である樹脂組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の成分(A)及び(B)を含有し、(A)100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部である樹脂組成物。
(A):エポキシ基含有単量体とオレフィンからなる共重合体(B):レゾール型フェノール樹脂【請求項2】 請求項1記載の成分(A)、(B)及びオレフィン系共重合体(C)を含有し、(A)及び(C)の合計量100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部であり、(A)100重量部あたりの(C)の含有量が1〜700重量部である樹脂組成物。
【請求項3】 請求項1記載の成分(A)、(B)及びカルボン酸系化合物(D)を含有し、(A)100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部であり、(A)及び(B)の合計量100重量部あたりの(D)の含有量が0.1〜30重量部である樹脂組成物。
【請求項4】 請求項1記載の成分(A)、(B)、オレフィン系共重合体(C)及びカルボン酸系化合物(D)を含有し、(A)及び(C)の合計量100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部であり、(A)100重量部あたりの(C)の含有量が1〜700重量部であり、(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部あたりの(D)の含有量が0.1〜30重量部である樹脂組成物。
【請求項5】 (B)のレゾール型フェノール樹脂がレゾール型アルキルフェノール樹脂である請求項1〜4いずれかに記載の樹脂組成物。
【請求項6】 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物からなり、平均粒径30〜1000μmである樹脂組成物パウダー。
【請求項7】 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物からなる層(1)とポリウレタンからなる層(2)を積層してなる積層体(I)。
【請求項8】 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物からなる層(1)とオレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)を積層しなる積層体(II)。
【請求項9】 請求項1〜5いずれかに記載の樹脂組成物からなる層(1)を介してポリウレタンからなる層(2)とオレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)を積層してなる積層体(III)。
【請求項10】 層(1)が粉末成形法により製造される層である請求項7〜9いずれかに記載の積層体。
【請求項11】 層(1)を粉末成形法により製造する請求項7〜9いずれかに記載の積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーとポリウレタンとを強固に接着することができる樹脂組成物、該樹脂組成物を用いて得られる積層体及び該積層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の内装部品や靴底、緩衝材などのクッション性を有する材料には、クッション性を発現するポリウレタンの発泡層に、表皮層や基材層を積層した積層体が用いられ、従来、該表皮層や該基材層に塩化ビニル樹脂などが使用されてきた。ところが、近年の環境問題の観点から、塩化ビニル樹脂に代る材料が望まれており、該材料として、オレフィン系又はスチレン系熱可塑性エラストマーを用いる検討が進められているが、オレフィン系又はスチレン系熱可塑性エラストマーとポリウレタンとの接着性は十分でないことから、例えば、特開平6−246858号公報に開示されているように、強固な積層体を得るためには有機溶剤を含有する接着剤を用いることが必要とされた。しかしながら、該接着剤を用いる技術は、接着剤の塗布工程に伴う工程の煩雑化の他、接着剤に含有される有機溶剤により作業環境が悪化するという問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、従来の有機溶剤を含有する接着剤を用いることなく、オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーとポリウレタンとを強固に接着することができる樹脂組成物を提供し、更には、該樹脂組成物を用いて得られる積層体及び該積層体の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一は、下記の成分(A)及び(B)を含有し、(A)100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部である樹脂組成物に係るものである。
(A):エポキシ基含有単量体とオレフィンからなる共重合体(B):レゾール型フェノール樹脂本発明の第二は、上記の成分(A)、(B)及びオレフィン系共重合体(C)を含有し、(A)及び(C)の合計量100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部であり、(A)100重量部あたりの(C)の含有量が1〜700重量部である樹脂組成物に係るものである。本発明の第三は、上記の成分(A)、(B)及びカルボン酸系化合物(D)を含有し、(A)100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部であり、(A)及び(B)の合計量100重量部あたりの(D)の含有量が0.1〜30重量部である樹脂組成物に係るものである。本発明の第四は、上記の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有し、(A)及び(C)の合計量100重量部あたりの(B)の含有量は3〜80重量部であり、(A)100重量部あたりの(C)の含有量が1〜700重量部であり、(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部あたりの(D)の含有量が0.1〜30重量部である樹脂組成物に係るものである。本発明の第五は、上記樹脂組成物からなり、平均粒径30〜1000μmである樹脂組成物パウダーに係るものである。本発明の第六は、上記樹脂組成物からなる層(1)とポリウレタンからなる層(2)、又は、オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)を積層してなる積層体に係るものである。本発明の第七は、上記樹脂組成物からなる層(1)を介してポリウレタンからなる層(2)とオレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)を積層してなる積層体に係るものである。本発明の第八は、上記樹脂組成物からなる層(1)を粉末成形法により製造する上記積層体の製造方法に係るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ基含有単量体とオレフィンからなる共重合体(A)とは、エポキシ環と炭素−炭素不飽和結合とを有する単量体から誘導される繰り返し単位と、炭素数が2〜10のオレフィンから誘導される繰り返し単位とを有する重合体である。エポキシ環と炭素−炭素不飽和結合とを有する単量体としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、イタコン酸グリシジルエステル等があげられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。炭素数が2〜10のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン等があげられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0006】エポキシ基含有単量体とオレフィンからなる共重合体(A)は、エポキシ環と炭素−炭素不飽和結合とを有する単量体と炭素数が2〜10のオレフィンから誘導される繰り返し単位以外の単量体単位を含んでいてもよく、該単量体単位を構成する単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のビニルケトン;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート等のアクリレート等があげられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0007】エポキシ基含有単量体とオレフィンからなる共重合体(A)としては、例えば、エチレン−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタアクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−グリシジルメタアクリレート−メチルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタアクリレート−エチルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタアクリレート−ブチルアクリレート共重合体があげられ、これらの中でも、入手容易性の観点からエチレン−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタアクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−グリシジルメタアクリレート−メチルアクリレート共重合体が好ましい。これらは、公知の方法で製造される。
【0008】本発明のレゾール型フェノール樹脂(B)とは、フェノール類とホルムアルデヒドを塩基性の触媒で反応させて得られるフェノール樹脂である。フェノール類とは、ベンゼン環、ナフタリン環、その他の芳香族性の環の炭素原子に少なくとも一つのOH基が結合した構造を有する化合物であり、たとえば、フェノール、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、フロログルシン、α−ナフトール、β−ナフトールをあげることができる。レゾール型フェノール樹脂の中では、貯蔵安定性の観点より、アルキルフェノールを1種以上含有するフェノール類とホルムアルデヒドを塩基性の触媒で反応させて得られるレゾール型アルキルフェノール樹脂が好ましい。アルキルフェノールとは、ベンゼン環の炭素原子に少なくとも一つのOH基とアルキル基及び/又はフェニル基とが結合した構造を有する化合物であり、たとえば、メチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、tert−オクチルフェノール、tert−ブチルフェノール、テトラメチルブチルフェノール、オルシン、ウルシオールをあげることができる。これらの中でも、取り扱い時の簡便性より、JIS K−7234(1986)に従って測定される軟化点が50℃以上であるレゾール型アルキルフェノール樹脂が好ましい。
【0009】レゾール型フェノール樹脂(B)の配合量は、エポキシ基含有単量体とオレフィンからなる共重合体(A)100重量部あたり3〜80重量部であり、好ましくは5〜70重量部である。(B)の配合量が過少であるとポリウレタンとの接着性が不十分となり、一方(B)の配合量が過多であると組成物の貯蔵安定性が低下することがある。また、後述のオレフィン系共重合体(C)を用いる場合、レゾール型フェノール樹脂(B)の配合量は、エポキシ基含有単量体とオレフィンからなる共重合体(A)及びオレフィン系共重合体(C)の合計量100重量部あたり、好ましくは3〜80重量部であり、より好ましくは5〜70重量部である。(B)の配合量が過少であるとポリウレタンとの接着性が不十分となり、一方(B)の配合量が過多であると組成物の貯蔵安定性が低下することがある。
【0010】本発明のオレフィン系共重合体(C)とは、炭素数2〜10のオレフィンから誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有し、エポキシ環と炭素−炭素不飽和結合とを有する単量体から誘導される繰り返し単位を含有しない重合体である。炭素数2〜10のオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等があげられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。オレフィン系共重合体(C)は、炭素数2〜10のオレフィンから誘導される繰り返し単位以外の単量体単位を含んでいてもよく、該単量体単位を構成する単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン等のビニルケトン;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート等のアクリレート等があげられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0011】オレフィン系共重合体(C)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体があげられ、これらは、1種又は2種以上組み合わせて使用される。これらの中でも、柔軟性、耐熱性の観点から、炭素数2〜10のオレフィンとカルボン酸ビニルエステルとの共重合体、炭素数2〜10のオレフィンとアクリレートとの共重合体が好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体がより好ましく、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体が更に好ましい。これらは、公知の方法で製造される。
【0012】オレフィン系共重合体(C)の配合量は、エポキシ基含有単量体とオレフィンからなる共重合体(A)100重量部あたり、好ましくは1〜700重量部であり、より好ましくは5〜500重量部であり、更に好ましくは10〜300重量部である。(C)の配合により、オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマー層との接着力を更に向上できる場合がある。一方(C)が過多であるとポリウレタンとの接着性が不十分となる場合がある。
【0013】本発明のカルボン酸系化合物(D)とは、炭素数が2〜50のカルボン酸、該カルボン酸から誘導されるカルボン酸金属塩又は該カルボン酸から誘導されるカルボン酸アミドである。炭素数が2〜50のカルボン酸としては、たとえば、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギジン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、エルカ酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、マレイン酸等のジカルボン酸をあげることができる 。カルボン酸金属塩としては、たとえば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウムをあげることができる。カルボン酸アミドとしては、たとえば、パルチミン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドをあげることができる。これらカルボン酸系化合物(D)は、1種又は2種以上用いることができる。これらの中では、ポリウレタンとの接着性向上効果の観点から、カルボン酸、カルボン酸アミドが好ましく、更には、脂肪酸、脂肪酸アミドが好ましい。
【0014】カルボン酸系化合物(D)の配合量は、(A)及び(B)の合計量を100重量部あたり、好ましくは0.1〜30重量部であり、より好ましくは0.5〜20重量部であり、更に好ましくは1〜10重量部である。(D)の配合により、ポリウレタンとの接着性を更に向上できる場合や、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を改良できる場合がある。一方(D)が過多であると得られた成形品にブリード等の外観不良が発生する場合がある。また、前述のオレフィン系共重合体(C)を用いる場合、カルボン酸系化合物(D)の配合量は、(A)、(B)及び(C)の合計量を100重量部あたり、好ましくは0.1〜30重量部であり、より好ましくは0.5〜20重量部であり、更に好ましくは1〜10重量部である。(D)の配合により、ポリウレタンとの接着性を更に向上できる場合や、本発明の樹脂組成物の貯蔵安定性を改良できる場合がある。一方(D)が過多であると得られた成形品にブリード等の外観不良が発生する場合がある。
【0015】本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、金属石鹸、ワックス、防かび剤、抗菌剤、フィラーなどの添加剤を配合してもよい。
【0016】本発明の樹脂組成物を得るには、(A)及び(B)、並びに必用に応じて(C)及び/又は(D)を、溶融混練すればよい。溶融混練方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ロール、バンバリーミキサー等を用いて加熱溶融混練する方法があげられる。
【0017】本発明の樹脂組成物からなる層(1)を後述の粉末スラッシュ成形法により製造する場合に用いられる本発明の樹脂組成物としては、平均粒径30〜1000μmの樹脂組成物パウダーが好ましく、より好ましくは50〜700μmである。平均粒径が過小であると樹脂組成物パウダーの耐ブロッキング性が低下し、一方平均粒径が過大であると粉末スラッシュ成形する際、本発明の樹脂組成物の溶融性が低下する。
【0018】樹脂組成物パウダーを得る方法の例としては、押出機を用い、溶融混練にて樹脂組成物のペレットを得る。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを冷却(好ましくは樹脂組成物のガラス転移温度以下に冷却)し、衝撃式粉砕機を用いて樹脂組成物パウダーを得ることができる。
【0019】得られた樹脂組成物パウダーの耐ブロッキング性をさらに向上させる為に、樹脂組成物100重量物に対して、平均粒径が10μm以下の微細粉体を0.1〜10重量部配合することが好ましい。
【0020】平均粒径が10μm以下の微細粉体としては、粉末顔料、アルミナ、シリカ、アルミナシリカ、炭酸カルシウム等を用いることができる。
【0021】本発明の積層体(I)は、本発明の樹脂組成物からなる層(1)とポリウレタンからなる層(2)を積層してなる積層体である。ポリウレタンとは、分子鎖中にウレタン結合を有し、ポリイソシアネートと多価アルコールとの重付加反応等の公知の方法で製造される。
【0022】積層体のクッション性の観点から、ポリウレタンからなる層(2)は、発泡体であることが好ましい。発泡体の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の発泡加工法、例えば、水、二酸化炭素、窒素、有機溶剤などの物理的発泡剤を用いた物理発泡法を用いることができる。
【0023】本発明の積層体(II)は、本発明の樹脂組成物からなる層(1)とオレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)とを積層してなる積層体である。オレフィン系熱可塑性エラストマーとは、オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムからなる組成物であり、該組成物は、過酸化物などにより架橋されていてもよい。該オレフィン系樹脂は、炭素数2〜10のオレフィン1種又は2種以上から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−6301(1975)のA硬度が98以上の重合体であり、該オレフィン系ゴムとは、炭素数2〜10のオレフィン1種又は2種以上から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−6301(1975)のA硬度が98未満の重合体である。これらは公知の方法で製造することができる。
【0024】オレフィン系熱可塑性エラストマーに用いられるオレフィン系樹脂の中では、耐熱性の観点から、プロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量が80重量%以上であるプロピレン重合体が好ましい。該重合体のプロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、より好ましくは85重量%以上であり、更に好ましくは90重量%以上である。また、オレフィン系熱可塑性エラストマーに用いられるオレフィン系ゴムの中では、柔軟性、加工性の観点から、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が90〜30重量%であるエチレン系重合体が好ましい。該重合体のエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、より好ましくは85〜45wt%であり、更に好ましくは80〜60wt%である。
【0025】オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムの組成物の調整方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ロール、バンバリーミキサー等を用いて加熱溶融混練する方法;オレフィンの重合工程でブレンドする方法などを用いることができる。
【0026】スチレン系熱可塑性エラストマーとは、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの炭素数8〜12のビニル芳香族化合物1種又は2種以上から誘導される繰り返し単位を含有し、JIS K−6301(1975)のA硬度が98以下である重合体である。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水添物、ビニル芳香族化合物とオレフィンの共重合体などがあげられ、これら共重合体は、構造が1つのブロックからなるものでもよく、構造が異なる2以上のブロックから構成されてもよい。また、これら共重合体は、1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0027】オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)を後述の粉末スラッシュ成形により製造する場合に用いられる熱可塑性エラストマー組成物としては、特開平5−5050号公報、特開平10−30036号公報等で提案されているものが好ましく用いられる。
【0028】本発明の積層体(III)は、本発明の樹脂組成物からなる層(1)を介してポリウレタンからなる層(2)とオレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)を積層してなる積層体である。また、積層体のポリウレタンからなる層(2)に熱可塑性樹脂からなる芯材層を積層してもよく、該熱可塑性樹脂としては、JIS K−6301(1975)のA硬度が100以上であるものが好ましい。
【0029】本発明の樹脂組成物からなる層(1)、ポリウレタンからなる層(2)、オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の製造方法、たとえば、粉末成形法、押出成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、射出成形法、真空成形法を用いることができる。
【0030】積層体(I)〜(III)の製造方法は、特に制限されるものではなく、全層を同時に押出しする共押出法や、上金型及び下金型にそれぞれ成形体をセットした後に、セットした成形体と成形体の間へ溶融樹脂を供給し加圧成形する方法など、全ての層を同時に積層する方法を用いてもよい。あるいは、粉末スラッシュ成形を行った成形体上に粉末スラッシュ成形を行い二層成形体を得た後、該二層成形体上に更に粉末スラッシュ成形を行う方法や、共押出成形体を金型にセットした後に該共押出成形体の表面へ溶融樹脂を供給し加圧成形する方法など,各層を逐次積層する方法を用いてもよい。
【0031】複雑な形状を有するものを成形する場合や、本発明の樹脂組成物からなる層(1)やオレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)を表皮層として薄肉に成形する場合は、層(1)の成形方法が粉末成形法であることが好ましく、更には、層(1)及び層(3)の成形方法が粉末成形法であることが好ましい。該粉末成形法としては、例えば、粉末スラッシュ成形法、流動浸漬法、静電塗装法、粉末溶射法、粉末回転成形法をあげることができる。
【0032】例えば、粉末スラッシュ成形法による積層体(II)の製造方法は、以下に示す第一工程から第九工程からなる方法により行われる。
第一工程:金型の成形面上に、フッ素及び/又はシリコン系離型剤を塗布する工程第二工程:熱可塑性エラストマーの粉末の溶融温度以上に加熱された金型の成形面上に、熱可塑性エラストマー組成物の粉末を供給する工程第三工程:第二工程の成形面上で熱可塑性エラストマーの粉末を所定の時間加熱し、少なくともその表面が溶融した粉末を互いに融着させる工程第四工程:第三工程において所定時間経過した後に、融着しなかった熱可塑性エラストマーの粉末を回収する工程第五工程:熱可塑性エラストマーの粉末が融着した金型の成形面上に本発明の樹脂組成物の粉末を供給する工程第六工程:第五工程の成形面上で本発明の樹脂組成物の粉末を所定の時間加熱し、少なくともその表面が溶融した粉末を互いに融着させる工程。
第七工程:第六工程において所定時間経過した後に、融着しなかった本発明の樹脂組成物の粉末を回収する工程第八工程:必要に応じて、溶融した熱可塑性エラストマーの粉末、及び本発明の樹脂組成物の粉末がのっている金型をさらに加熱する工程第九工程:第八工程の後、金型を冷却して、その上に形成された成形体を金型から取り外す工程【0033】また、例えば、上記の方法で製造された積層体(II)に発泡ポリウレタンからなる層を積層した積層体(III)を得るには、ポリウレタン層成形用一対の雌雄金型の一方に積層体(II)をセットし、ポリウレタンの原料を注入、型締め、発泡、硬化させてポリウレタン発泡層を成形すればよい。
【0034】更に、例えば、オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーからなる層(3)と本発明の樹脂組成物からなる層(1)とポリウレタンからなる層(2)と熱可塑性樹脂からなる芯材層を積層してなる積層体(IV)を得るには、ポリウレタン層成形用一対の雌雄金型のそれぞれに積層体(II)、及び射出成形等により成形された熱可塑性樹脂からなる芯材層をセットし、ポリウレタンの原料を注入、型締め、発泡、硬化させてポリウレタン発泡層を成形すればよい。
【0035】本発明の積層体は、たとえばインストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラー等の自動車内装部品等に最適に使用できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1グリシジルメタクリレート単位の含有量18重量%、酢酸ビニル単位の含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JISK−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃)90重量部、レゾール型アルキルフェノール樹脂(昭和高分子(株)社製、CRM−0803)10重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、型式65C150)により、110℃、100rpmの条件で3分間混練して、樹脂組成物を作成した。この樹脂組成物を200℃に加熱されたプレス成形機により5分間加熱、5分間圧縮して、1mm厚の樹脂組成物シートを成形した。得られた樹脂組成物シートをポリウレタン発泡用金型にセットし、発泡ポリウレタンの原料液(グリセリンのプロピレンオキシド、エチレンオキシド付加物を主体としたポリオール、水、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン等からなる混合物とポリメリックMDI)を10秒間高速攪拌機により混合した後、上記のポリウレタン発泡用金型に供給し、型締めした後、発泡、硬化させ、積層体を作成した。ポリウレタン発泡層の密度は0.18g/cc、平均厚みは10mmであった。一昼夜放置後、積層体を25mm幅に切断し、樹脂組成物シートとポリウレタン発泡層との接着強度を測定した。接着強度は、引張試験機を用い、成形シートとポリウレタン発泡層を200mm/分の速度で剥離することにより行った。また、樹脂組成物の貯蔵安定性の評価として、ラボプラストミルによる混練直後のメルトフローレート(以下、MFRと記す)及び50℃にて5日間保管後のMFRの測定を実施した。MFRの測定は、JIS K−7210(1976)に従い、測定温度130℃、荷重21.18N(2.16kg)で行った。結果を表1に示す。
【0037】実施例2レゾール型アルキルフェノール樹脂として、昭和高分子(株)社製、CKM−1634を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0038】実施例3樹脂組成物として、グリシジルメタクリレート単位の含有量18重量%、酢酸ビニル単位の含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))、レゾール型アルキルフェノール樹脂(荒川化学工業(株)社製、タマノル520S)10重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、型式65C150)により、130℃、100rpmの条件で3分間混練して作成した樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0039】実施例4樹脂組成物として、グリシジルメタクリレート単位の含有量18重量%、酢酸ビニル単位の含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))45重量部、レゾール型アルキルフェノール樹脂(田岡化学工業(株)社製、タッキロール201)10重量部、メチルメタクリレート単位の含有量20重量%のエチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業(株)社製、アクリフトWH501、MFR70g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))45重量部、パルミチン酸3重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、型式65C150)により、110℃、100rpmの条件で3分間混練して作成した樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0040】実施例5樹脂組成物として、グリシジルメタクリレートの含有量18重量%、酢酸ビニルの含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))45重量部、レゾール型アルキルフェノール樹脂(田岡化学工業(株)社製、タッキロール201)10重量部、メチルメタクリレート含有量20重量%のエチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業(株)社製、アクリフトWH501、MFR70g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))45重量部、パルミチン酸アミド(日本化成(株)社製、ダイヤミッドKP)3重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、型式65C150)により、110℃、100rpmの条件で3分間混練して作成した樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0041】実施例6樹脂組成物として、グリシジルメタクリレートの含有量18重量%、酢酸ビニルの含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))45重量部、レゾール型アルキルフェノール樹脂(田岡化学工業(株)社製、タッキロール201)10重量部、メチルメタクリレート含有量20重量%のエチレン-メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業(株)社製、アクリフトWH501、MFR70g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))45重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、型式65C150)により、110℃、100rpmの条件で3分間混練して作成した樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0042】比較例1樹脂組成物として、グリシジルメタクリレートの含有量18重量%、酢酸ビニルの含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))80重量部、テルペン−フェノール共重合体(ヤスハラケミカル(株)社製、YP−902)20重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、型式65C150)により、110℃、100rpmの条件で3分間混練して作成した樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0043】比較例2樹脂組成物として、グリシジルメタクリレートの含有量18重量%、酢酸ビニルの含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、(荷重21.18N、温度190℃))90重量部、ノボラック型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)社製、スミライトレジンPR−53195)10重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、型式65C150)により、110℃、100rpmの条件で3分間混練して作成した樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0044】比較例3樹脂組成物として、グリシジルメタクリレートの含有量18重量%、酢酸ビニルの含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0045】実施例7[樹脂組成物パウダーの製造]グリシジルメタクリレートの含有量18重量%、酢酸ビニルの含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度190℃))90重量部、レゾール型アルキルフェノール樹脂(昭和高分子(株)社製、CKM−1634)10重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、二軸押出機((株)日本製鋼所製、型式TEX−30SS−40W−3V)により、110℃で混練して作成した樹脂組成物を、ペレタイザーにて裁断し樹脂組成物ペレットを得た。このペレットを、液体窒素を用いて−100℃に冷却後、冷却状態を保ったまま粉砕し、樹脂組成物パウダーを製造した。樹脂組成物パウダーの平均粒径を、JIS Z−8801(1976)に従い、標準篩を用い篩分け法により測定した結果、183μmであった。この樹脂組成物パウダー100重量部とシリカ(デグサ社製、OX−50)1重量部、及びアルミナシリカ(水澤化学工業(株)社製、JC−30)1重量部を、スーパーミキサー(川田製作所製、5Lスーパーミキサー)により、室温、1500rpmで2分間混合して、微細粉体が配合された樹脂組成物パウダーを得た。
【0046】[熱可塑性エラストマー組成物パウダーの製造]プロピレン−エチレン共重合体樹脂(住友化学工業(株)社製、PPD200、エチレン単位含有量5重量%、MFR228g/10分(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N、温度230℃))40重量部、ブタジエン−スチレン共重合体の水添物(JSR(株)社製、ダイナロン2311P、MFR10g/10分(JIS K7210(1976)、荷重21.18N(2.16kg)、温度230℃))45重量部、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(住友化学工業(株)社製、エスプレンSPO V0141、プロピレン単位含有量27重量%、MFR1g/10分(JIS K7210(1976)、荷重21.18N(2.16kg)、温度190℃))12重量部、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋社製、HiMic1080)3重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、IRGANOX−1076)0.5重量部を、二軸押出機により、150℃で混練して作成した熱可塑性エラストマー組成物を、ペレタイザーにて裁断して熱可塑性エラストマー組成物ペレットを得た。このペレットを、液体窒素を用いて、−120℃に冷却後、冷却状態を保ったまま粉砕し、熱可塑性エラストマー組成物パウダーを製造した。この熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部とシリカ(デグサ社製、OX−50)1重量部、及びアルミナシリカ(水澤化学工業(株)社製、JC−30)2重量部をスーパーミキサー(川田製作所製、5Lスーパーミキサー)を用いて、室温、1500rpmで2分間混合して、微細粉体が配合された熱可塑性エラストマー組成物パウダー得た。
【0047】[粉末スラッシュ成形法による、樹脂組成物の層及び熱可塑性エラストマーの層からなる積層体の製造]熱可塑性エラストマー組成物のパウダーを、260℃に加熱されたしぼ模様付き金型(30cm角)の成形面上に供給し、5秒間放置した後、余剰のパウダーを払い落とし、次いで樹脂組成物パウダーを熱可塑性エラストマー組成物のパウダーが付着した金型面に供給し、10秒間放置した後、余剰のパウダーを払い落とし、金型を260℃のオーブン内にて30秒間放置した。その後、金型を冷却し、該金型からシートを脱型することにより、樹脂組成物の層及び熱可塑性エラストマーの層からなる積層体を得た。粉末スラッシュ成形法により得られた成形シートの平均厚みは1.3mmであった。
【0048】[ポリウレタン発泡層が積層された積層体の製造]上記粉末スラッシュ成形法により得られた成形シートを樹脂組成物層面がポリウレタン発泡層と層続きになる様、ポリウレタン発泡用金型にセットし、発泡ポリウレタンの原料液(グリセリンのプロピレンオキシド、エチレンオキシド付加物を主体としたポリオール、水、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン等からなる混合物とポリメリックMDI)を10秒間高速攪拌機により混合した後、上記のポリウレタン発泡用金型に供給し、型締めした後、発泡、硬化させ、熱可塑性エラストマーの層と樹脂組成物の層とポリウレタン発泡層が順次積層してなる積層体を得た。ポリウレタン発泡層の密度は0.18g/cc、平均厚みは10mmであった。一昼夜放置後、積層体を25mm幅に切断し、成形シートとポリウレタン発泡層との接着強度の測定した。接着強度は、引張試験機を用い、成形シートとポリウレタン発泡層を200mm/分速度で剥離することにより行った。結果を表3に示す。
【0049】実施例8[樹脂組成物パウダーの製造]グリシジルメタクリレートの含有量18重量%、酢酸ビニルの含有量1重量%のエチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、ボンドファースト、MFR340g/10min(JIS K−7210(1976)、荷重21.18N(2.16kg)、温度190℃))40重量部、レゾール型アルキルフェノール樹脂(昭和高分子(株)社製、CKM−1634)20重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)社製、スミテートHC−10)40重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、IRGANOX1076)0.1重量部を、二軸押出機((株)日本製鋼所製、型式TEX−30SS−40W−3V)により、110℃で混練して作成した樹脂組成物を、ペレタイザーにて裁断し樹脂組成物ペレットを得た。このペレットを、液体窒素を用いて−100℃に冷却後、冷却状態を保ったまま粉砕し、樹脂組成物パウダーを製造した。樹脂組成物パウダーの平均粒径を、JIS Z−8801(1976)に従い、標準篩を用い篩分け法により測定した結果、171μmであった。この樹脂組成物パウダー100重量部とシリカ(デグサ社製、OX−50)3重量部、及びアルミナシリカ(水澤化学工業(株)社製、JC−30)3重量部を、スーパーミキサー(川田製作所製、5Lスーパーミキサー)により、室温、1500rpmで2分間混合して、微細粉体が配合された樹脂組成物パウダー得た。
【0050】[粉末スラッシュ成形法による成形シート及びポリウレタン発泡層が積層された積層体の製造]実施例7と同様にして、熱可塑性エラストマーの層と樹脂組成物の層とポリウレタン発泡層が順次積層してなる粉末スラッシュ成形シートを作成し、成形シートとポリウレタン発泡層との接着強度の測定をした。結果を表3に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、従来の有機溶剤を含有する接着剤を用いることなく、オレフィン系及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーとポリウレタンとを強固に接着することができ、粉末成形性、貯蔵安定性に優れる樹脂組成物を提供することができ、更には、該樹脂組成物を用いて得られる積層体、及び、該積層体の製造方法を提供することができた。本発明の積層体は、たとえばインストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラー等の自動車内装部品等に最適に使用できる。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【出願日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
【公開番号】 特開2002−249551(P2002−249551A)
【公開日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願番号】 特願2001−288712(P2001−288712)