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【発明の名称】 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
【発明者】 【氏名】長谷川 貴志

【氏名】山中 浩史

【氏名】宮田 靖孝

【氏名】牧田 俊幸

【要約】 【課題】常温におけるポットライフが良好であり、温度サイクル時や吸湿後リフロー時の耐クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供する。

【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物に関する。硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用いる。また硬化促進剤として、下記の式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、下記の式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物を用いて成ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【化1】

【請求項2】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、2液タイプのイミダゾール化合物を用いて成ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【請求項3】 エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、上記の式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物及び2液タイプのイミダゾール化合物の両方を用いて成ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物によって半導体素子が封止されて成ることを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子を封止するために用いられるエポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物を用いて封止した半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、樹脂封止型の半導体装置としては、デバイスの高密度化、高集積度化、動作の高速化等の傾向のため、QFP等に代表される従来型のリードスルー実装型パッケージよりも、さらに小型化・薄型化を実現できるパッケージが要求されている。最近ではこのような要求に対して、BGAやCSPといった表面実装型パッケージや、あるいはベアチップ実装といった、半導体素子をパッケージに収容することなく基板に搭載する実装方法が、高密度実装を可能とするものとして注目されている。実際にこのようなパッケージや実装方法を利用した電化製品としては、デジタルカメラ、ビデオ、ノート型パソコン、携帯電話といったものを挙げることができる。今後は、このような電化製品自体の小型化・薄型化がさらに進み、これに伴って製品内部に収容される半導体装置等の各種電子部品に対しても小型化・薄型化が進むと共に、より高い性能が求められるものである。
【0003】ここで、上記のような半導体装置を作製するにあたっては、半導体素子を封止する方法として種々のものを挙げることができるが、特に常温で液状の樹脂組成物を用いて行う場合には、ディスペンス法、マスクを用いた印刷法、金型を用いた射出成形等を挙げることができる。そして、これらのいずれの方法を行う場合であっても、使用される液状樹脂組成物については、作業時に増粘することなく作業可能時間が長いもの、すなわちポットライフが良好なものが求められているものである。
【0004】従来、このような液状樹脂組成物の多くは、ビスフェノール型エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂等を主要成分とするものであって、硬化剤として、液状の酸無水物やフェノールノボラックを用い、硬化促進剤として、アミン類、イミダゾール類、ホスフィン類等を用い、無機充填材として、シリカ、アルミナ等を用いたものが使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸無水物系の硬化剤を含む樹脂組成物は、常温に放置された場合に吸湿し易いものであり、この際に主要成分であるエポキシ樹脂とその他の成分との反応性は、この吸湿による影響を受けることとなる。そしてその結果、樹脂組成物の粘度やチクソ等が上昇し易くなってハンドリング性や脱泡性が低下し、作業性が悪化したり、吸湿により硬化物中に取り込まれた水分がリフロー半田付け時の高温によって気化膨張し、パッケージクラックや剥離が発生するという問題が生じるものであった。
【0006】一方、フェノールノボラックのような液状フェノール系の硬化剤を用いた場合は、上記のような吸湿による影響はかなり少なくなるが、この反面、ガラス転移温度(Tg)が低下するため、作製された半導体装置の反りが大きくなり、しかも温度サイクル時等における耐クラック性等の信頼性が悪化するという問題も生じるものであった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、常温におけるポットライフが良好であり、温度サイクル時や吸湿後リフロー時の耐クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物を用いて封止された、反りが小さい半導体装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、下記の式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物を用いて成ることを特徴とするものである。
【0009】
【化2】

【0010】また請求項2に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、2液タイプのイミダゾール化合物を用いて成ることを特徴とするものである。
【0011】また請求項3に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、上記の式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物及び2液タイプのイミダゾール化合物の両方を用いて成ることを特徴とするものである。
【0012】また請求項4に係る半導体装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物によって半導体素子が封止されて成ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】本発明においてエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。そして、これらのうち1種のみ又は2種以上を選んで使用することができる。このとき上記のエポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が好ましい。これらのものを用いると、封止成形時において組成物が増粘し難くなり作業性を高めることができると共に、ガラス転移温度(Tg)、線膨張係数、弾性率、強度といった硬化物の物性を向上させることができるものである。
【0015】また硬化剤としては、イミド変性液状フェノール樹脂を用いるものである。この中で限定されるものではないが、特にイミド変性ノボラック型フェノール樹脂を用いるのが好ましく、このときの骨格はジシクロペンタジエンであっても、ナフタレンであってもいずれでも良い。上記のような硬化剤の具体例としては、イミド変性液状フェノールノボラック樹脂である明和化成(株)製「MEH8105」を挙げることができる。そして、この際に他の硬化剤を併用することもできる。すなわちエポキシ樹脂硬化用のものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン等のアミン系硬化剤、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物硬化剤、フェノールノボラック系硬化剤等を挙げることができる。ただし、2種以上の硬化剤を併用した場合は、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むようにするものである。このようにしておくと、組成物が吸湿し難くなって温度サイクル時やリフロー時における耐クラック性が向上することに加え、組成物について良好な保存性、特に優れたポットライフを得ることができると共に、ガラス転移温度(Tg)の低下が抑制されて半導体装置に生じる反りを低減することができるものである。逆に、イミド変性液状フェノール樹脂の配合量が硬化物全量に対して50質量%未満であると、組成物の保存性向上と半導体装置の反り低減という両方の効果を得ることができなくなるものである。
【0016】ここで、硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比が、0.6〜1.4の範囲となるように設定するのが好ましく、より好ましくは0.75〜1.00である。硬化剤の当量比が0.6未満であると、硬化し難くなったり、硬化物の耐熱性や強度が低下したりするおそれがあり、逆に1.4を超えると、硬化物の耐熱性や接着強度が低下したり、硬化物の吸湿率が高くなったりするおそれがある。
【0017】なお、上述したエポキシ樹脂及び硬化剤としては、信頼性を確保する点から、Naイオン、Clイオン、Brイオン等の不純物ができるだけ少ないものを使用するのが好ましい。
【0018】また硬化促進剤としては、上記の式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物や、2液タイプのイミダゾール化合物を用いるものであり、この際に一方のみを用いたり、あるいは両方を用いたりすることができる。ここで、2液タイプのイミダゾール化合物としては、具体的には例えば、四国化成工業(株)製「P−0505」(イミダゾール)と四国化成工業(株)製「L−07N」(イミダゾール安定化剤)とを組にしたものを挙げることができる。この2液タイプのイミダゾール化合物は、後述するエポキシ樹脂組成物の調製にあたって、イミダゾールとイミダゾール安定化剤の2液を混合して用いられるものである。そして、硬化促進剤として上述したものを用いると、組成物の保存性、特にポットライフが良好となり、作業性を向上させることができるものである。なお、硬化促進剤の好ましい配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して1〜8phrである。
【0019】また無機充填材としては、特に限定されるものではなく、例えば、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ微粉シリカ、マグネシア、窒化珪素等を挙げることができる。このような無機充填材の添加量は、組成物全量中に対して50〜85質量%であることが好ましい。添加量が50質量%未満であると、硬化物の線膨張係数を低減することが困難となり、半導体装置に大きな反りが発生するおそれがあり、逆に添加量が85質量%を超えると、組成物の粘度が増加し、実際に使用することができなくなるおそれがあるものである。
【0020】さらに近年、半導体素子が搭載された配線基板において、半導体素子と配線基板とを電気的に接続する金線ワイヤー間あるいはバンプ間の間隔や、半導体素子と配線基板との間に形成される隙間が、狭小化している傾向にあるため、無機充填材の粒径としては、ある程度細かいものを用いるのが好ましい。ここで、無機充填材の粒径を細かくしていくと組成物の粘度が上昇するという不都合が生じ、逆に無機充填材の粒径を大きくしていくと硬化時において無機充填材が沈降するという不都合が生じる。このため以上の点を留意すると、無機充填材として具体的には、粒径が30μm以上のもの(上限は100μm)が無機充填材全量中の20質量%以下含まれると共に、粒径1μm以下のものが無機充填材全量中の5〜40質量%含まれるものを用いるのが好ましい。
【0021】また本発明においては、必要に応じて他の樹脂、顔料、希釈剤、カップリング剤、消泡剤等を用いることができる。このうちカップリング剤としては、シランカップリング剤を用いるのが好ましく、特にその種類としては、エポキシ系、アミノ系、ビニル系、メタクリル系、チタネート系等のシランカップリング剤であって、エポキシ樹脂組成物を改質したり、配線基板等への密着性を向上させたりする目的で用いられるものが好ましい。
【0022】そして、上記のエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、その他の成分を一緒に又は別々に配合し、必要に応じて加熱・冷蔵処理を行いながら、撹拌、溶解、混合、分散を行い、次にこの混合物に無機充填材を加え、必要に応じてさらに加熱・冷蔵処理を行いながら、撹拌、溶解、混合、分散を行うことによって、本発明に係るエポキシ樹脂組成物を調製することができるものである。なお、上記の撹拌、溶解、混合、分散の各工程において、ディスパー、プラネタリーミキサー、ボールミル、三本ロールを適宜組み合わせて使用することができる。
【0023】上記のようにして調製されたエポキシ樹脂組成物は、室温で液状であり、ディスペンス法、マスクを用いた印刷法、金型を用いた射出成形等に用いることができ、上記の方法によって封止成形することによって、以下のような半導体装置を作製することができるものである。すなわち半導体装置の一例として、配線基板に半導体素子を搭載し、配線基板の電極と半導体素子の電極とを金線ワイヤ等で結線した後、上記のエポキシ樹脂組成物を用いてポッティング成形を行うことにより、配線基板に搭載された半導体素子と金線ワイヤとが封止された半導体装置を作製することができるものである。また他の具体例として、半導体素子に形成されたバンプと配線基板の電極とを接合することによって、配線基板に半導体素子を搭載し、その後、上記のエポキシ樹脂組成物を用いてディスペンス法を行うことにより、半導体素子と配線基板との間の隙間やバンプ間の隙間が封止された半導体装置を作製することができるものである。ここで、本発明に係るエポキシ樹脂組成物は優れたポットライフを有するため、上記の封止成形時に増粘して作業を中断することがなくなるものである。
【0024】そして、上記のようにして作製された半導体装置にあって、硬化剤としてイミド変性液状フェノール樹脂が用いられているので、配線基板には反りが生じておらず、あるいは反りが生じていてもそれは極めて小さいものである。また、このような半導体装置を一定期間保管していても吸湿量は極めて少量であると共に、その後この半導体装置をマザーボードのような配線基板に実装するにあたって、この半導体装置がリフロー半田付けの高温過酷な環境下に曝されても、パッケージクラックが発生したり、硬化物と半導体素子や配線基板との間に剥離が発生したりするようなことがなくなるものである。しかも、このような半導体装置が高温下と低温下とに交互に放置されるような温度サイクル時であっても、上記のようなパッケージクラックや剥離が発生するようなことはないものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0026】(実施例1〜6及び比較例1〜9)エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である油化シェルエポキシ(株)製「エピコート828」(エポキシ当量189)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂である油化シェルエポキシ(株)製「エピコート807」(エポキシ当量169)を使用した。
【0027】また硬化剤として、メチルテトラヒドロ無水フタル酸である新日本理化(株)製「MH−700」(酸無水物当量166)、液状フェノール樹脂である明和化成(株)製「MEH8005」(水酸基当量135)、イミド変性液状フェノール樹脂である明和化成(株)製「MEH8105」(エポキシ当量138)を使用した。
【0028】また硬化促進剤として、式(A)で示される化合物である四国化成工業(株)製「2MA−OK」、2液型イミダゾール類である四国化成工業(株)製「P−0505」(Aタイプ)及び「L−07N」(Bタイプ)、イミダゾール系マイクロカプセル型潜在性触媒である旭エポキシ(株)製「HX−3088」、トリフェニルホスフィンである北興化学工業(株)製「TPP」を使用した。
【0029】またカップリング剤として、エポキシシランカップリング剤である日本ユニカー(株)製「A−187」を使用した。
【0030】また無機充填材として、溶融シリカである(株)トクヤマ製「SE15」(平均粒径15μm)を使用した。
【0031】そして、上記の各成分を表1に示す配合量で配合し、実施例1〜6及び比較例1〜9について常温で液状のエポキシ樹脂組成物を調製した。具体的には、このエポキシ樹脂組成物の調製にあたっては、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を配合したものを三本ロールを用いて混合し、次いでこの混合物にカップリング剤で処理した無機充填材を加え、再度三本ロールを用いて混練することによって、行った。
【0032】(保存性試験)調製した直後のエポキシ樹脂組成物について、B型粘度計を用いて温度25℃、回転数2.5rpmにおける粘度を測定し、初期粘度とした。その後、24時間毎に最初と同じ温度及び回転数で粘度を測定していき、調製後から初期粘度の1.5倍の粘度となるまでの時間を計測した。この時間は長いほど良好であるため、24時間未満のものは「×」、24〜120時間のものは「△」、120時間を超えるものは「○」と判定した。
【0033】(評価用パッケージの作製)評価用の半導体素子であるアルミ回路を形成した3mm角チップを、評価用の配線基板であるFR4グレード相当のガラエポ基板(50mm×50mm、厚さt=0.6mm)に搭載し、上記のチップと基板との間を25μm金線でワイヤボンディングすることにより、TEG(テストエレメントグループ)を作製した。次いで、このTEGに上記の液状エポキシ樹脂組成物を1.5〜3g程度、上記のチップ及び金線が見えなくなるように封止し、100℃で1時間硬化させた後、さらに150℃で3時間硬化させることによって、評価用パッケージを作製した。
【0034】(温度サイクル試験)上記のようにして作製した評価用パッケージを、−25℃で30分、室温で5分、125℃で30分、室温で5分を1サイクルとする、気相下における温度サイクル(TC)試験にかけ、1000サイクル後においてデバイスとしての動作確認を行うと共に、樹脂クラックの有無を観察した。表1において、分母に動作確認と観察を行ったパッケージの総数(10個)を、分子に動作不良が発生したパッケージの個数と樹脂クラックが発生した個数を示す。
【0035】(半田耐熱試験)上記のようにして作製した評価用パッケージをさらに125℃で12時間アフターキュアーし、次いで85℃、湿度60%RHの雰囲気に168時間放置した後に、260℃の半田槽に10秒間浸した。そして、硬化物とチップ、基板との剥離の有無、また樹脂クラックの有無をそれぞれ検査した。表1において、分母に検査したパッケージの総数(10個)を、分子に剥離や樹脂クラックが発生したパッケージの個数を示す。
【0036】(基板反り)表面粗さ計を用いて、評価用パッケージの裏面(チップが搭載されていない側の面)の対角線に沿って基板の表面粗さを測定し、チャートを得た。次に、測定の始点と終点とを結んだ線に対して、最大に反りあがっている点までの距離を、上記のチャートをもとに測定し、これを基板反りとした。上記の距離は短いほど良好であるため、500μmを超えるものを「×」、500〜300μmのものを「△」、300μm未満のものを「○」と判定した。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】表1にみられるように、各実施例のものはいずれも保存性が良好であり、また動作不良発生個数、剥離やクラックの発生個数がいずれも少なく、温度サイクル時の信頼性や吸湿後リフロー時の耐クラック性に優れていると共に、基板に発生する反りが低減されていることが確認される。
【0040】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、上記の式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物を用いるので、イミド変性液状フェノール樹脂と式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物の配合によって、常温において良好なポットライフを得ることができ、封止成形を作業性良く行うことができると共に、イミド変性液状フェノール樹脂の配合によって、温度サイクル時や吸湿後リフロー時の耐クラック性を向上することができるものである。
【0041】また請求項2に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、2液タイプのイミダゾール化合物を用いるので、イミド変性液状フェノール樹脂と2液タイプのイミダゾール化合物の配合によって、常温において良好なポットライフを得ることができ、封止成形を作業性良く行うことができると共に、イミド変性液状フェノール樹脂の配合によって、温度サイクル時や吸湿後リフロー時の耐クラック性を向上することができるものである。
【0042】また請求項3に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を必須成分として含む室温で液状のエポキシ樹脂組成物において、硬化剤として、イミド変性液状フェノール樹脂を硬化剤全量中に50質量%以上含むものを用い、かつ硬化促進剤として、上記の式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物及び2液タイプのイミダゾール化合物の両方を用いるので、イミド変性液状フェノール樹脂と式(A)で示されるトリアジン骨格を持つイミダゾール化合物と2液タイプのイミダゾール化合物の配合によって、常温において良好なポットライフを得ることができ、封止成形を作業性良く行うことができると共に、イミド変性液状フェノール樹脂の配合によって、温度サイクル時や吸湿後リフロー時の耐クラック性を向上することができるものである。
【0043】また請求項4に係る半導体装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物によって半導体素子が封止されているので、配線基板の反りが低減されていると共に、温度サイクル時や吸湿後リフロー時の耐クラック性に優れているものである。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成13年2月23日(2001.2.23)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2002−249547(P2002−249547A)
【公開日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願番号】 特願2001−49171(P2001−49171)