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【発明の名称】 封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
【発明者】 【氏名】沢野 伸

【要約】 【課題】高融点を維持したまま粘度を低下させることにより、耐リフロー性が良好で耐ブロッキング性に優れ、また硬化性や流動性といった成形性に優れる封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。

【解決手段】エポキシ樹脂成分、硬化剤及び充填材を含む封止用エポキシ樹脂組成物に関する。エポキシ樹脂成分として少なくとも下記構造式(A)に示すエポキシ樹脂と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂との混合溶融樹脂を含む。この混合溶融樹脂中における下記構造式(A)に示すエポキシ樹脂の含有量が70〜80質量%、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が20〜30質量%である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エポキシ樹脂成分、硬化剤及び充填材を含む封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として少なくとも下記構造式(A)に示すエポキシ樹脂と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂との混合溶融樹脂を含み、この混合溶融樹脂中における下記構造式(A)に示すエポキシ樹脂の含有量が70〜80質量%、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が20〜30質量%であることを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物。
【化1】

【請求項2】 充填材としてシリカを含有して成ることを特徴とする請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】 充填材の含有量を80〜93質量%として成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】 エポキシ樹脂成分として、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂のうちの少なくともいずれかからなるものを、エポキシ樹脂成分全量に対して20〜70質量%配合して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】 硬化剤として、フェノールアラルキル系樹脂を硬化剤全量に対して20〜100質量%配合して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】 モルフォリンを0.01〜1質量%配合して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物にて封止して成ることを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物及びこの封止用樹脂組成物にて封止された半導体装置に関し、更に詳しくは、成形性と耐吸湿半田性に優れ、電子部品、半導体装置等の封止のために好適に用いることができる封止用エポキシ樹脂組成物及びこの封止用エポキシ樹脂組成物にて封止された半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の電気、電子部品や半導体装置等の封止方法として、例えばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等による封止方法や、ガラス、金属、セラミックス等を用いたハーメチックシール法が採用されているが、近年では、信頼性の向上と共に大量生産性やコストメリットの高いエポキシ樹脂を用いた低圧トランスファ成形による樹脂封止が主流を占めつつある。
【0003】このエポキシ樹脂を用いた封止法において、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分とし、フェノールノボラック型樹脂を硬化剤成分とする組成物からなる成形材料が最も一般的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、電子部品の小型化、薄型化に伴って、より低粘度の封止用エポキシ樹脂組成物が望まれるようになっている。また、近年は基板に対する電子部品の実装方式がピン実装方式から表面実装方式に移行しつつあるが、この表面実装方式では、実装時に電子部品のパッケージ全体が半田の溶融温度まで加熱されてしまうため、パッケージに対する熱衝撃や水分の膨脹によるパッケージクラックの発生が大きな問題となっている。更には、近年、半導体素子の高集積化や素子サイズの大型化、配線幅の微細化が急速に進展しており、このためパッケージクラックの問題が一層深刻化している。
【0005】このようなパッケージクラックの発生を防止する方法としては、封止用エポキシ樹脂組成物に対するシリカの高充填化による、封止材の高強度化、低吸湿化、の方法があるが、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物では粘度の低下に限界があり、また充填材の充填量も78〜80質量%も添加すれば樹脂の粘度が急激に上昇し、成形時に素子の変位やボンディング用のワイヤが切断されるといった問題が生じるものである。
【0006】またビフェニル型エポキシ樹脂やジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使用すれば容易に封止用エポキシ樹脂組成物の低粘度化が可能であるが、このような樹脂は高価であり、またこのような樹脂を用いて調製された樹脂組成物は粘度の低下に伴って融点も低下することにより成形時にボイドが発生しやすくなったり、材料がブロッキングを起こしたりするといった問題が発生してくる。またこれら樹脂を用いると樹脂組成物の硬化成形時における反応性が著しく低下し、成形時の脱型性や離型性に問題が生じてしまうものである。
【0007】本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、高融点を維持したまま溶融粘度を低下させることにより、耐リフロー性が良好で耐ブロッキング性に優れ、また硬化性や流動性といった成形性に優れる封止用エポキシ樹脂組成物、及びこの封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止される半導体装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分、硬化剤及び充填材を含む封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として少なくとも下記構造式(A)に示すエポキシ樹脂と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂との混合溶融樹脂を含み、この混合溶融樹脂中における下記構造式(A)に示すエポキシ樹脂の含有量が70〜80質量%、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が20〜30質量%であることを特徴とするものである。
【0009】
【化2】

【0010】また請求項2の発明は、請求項1において、充填材としてシリカを含有して成ることを特徴とするものである。
【0011】また請求項3の発明は、請求項1又は2において、充填材の含有量を80〜93質量%として成ることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、エポキシ樹脂成分として、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂のうちの少なくともいずれかからなるものを、エポキシ樹脂成分全量に対して20〜70質量%配合して成ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、硬化剤として、フェノールアラルキル系樹脂を硬化剤全量に対して20〜100質量%配合して成ることを特徴とするものである。
【0014】また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、モルフォリンを0.01〜1質量%配合して成ることを特徴とするものである。
【0015】また本発明の請求項7に係る半導体装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物にて封止して成ることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】エポキシ樹脂成分としては、上記の構造式(A)に示すエポキシ樹脂と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂との混合溶融樹脂を必須成分とするものであり、この混合溶融樹脂中における上記構造式(A)に示すエポキシ樹脂の含有量は70〜80質量%とし、またo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の含有量は20〜30質量%とするものである。
【0018】このような混合溶融樹脂は融点が119℃程度と高いことから、エポキシ樹脂組成物の融点を高く維持することができ、またエポキシ樹脂組成物の反応性を高く維持することができるものである。更には、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度を低減し、充填材の充填量を高くしても低い溶融粘度を維持することができるものである。
【0019】またエポキシ樹脂成分としては、上記の混合溶融樹脂のほかに、従来から封止用エポキシ樹脂組成物のエポキシ樹脂成分として用いられているものを併用して用いることができ、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0020】また、この全エポキシ樹脂成分中における、上記の混合溶融樹脂の含有量は、30〜100質量%とすることが好ましく、配合量がこの範囲に満たないと耐ブロッキング性を充分に向上することができなくなるおそれがある。
【0021】更に、このエポキシ樹脂成分として、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とのうちの少なくとも一方を配合すると共に、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂との配合量の総量が、エポキシ樹脂成分全量に対して20〜70質量%となるようにすると、封止樹脂の吸湿性を更に低減すると共に、密着性を更に向上することができる。ここでジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とは融点が低いものであるが、上記の混合溶融樹脂を配合することによりエポキシ樹脂組成物の融点は高い温度に維持されるものである。このとき、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂との配合量の総量が上記の範囲に満たないと耐リフロー性の向上の効果が充分に得られないおそれがあり、また上記の範囲を超えると耐ブロッキング性の向上効果が充分に得られないおそれがある。
【0022】上記のようなエポキシ樹脂成分の配合量の総量は、封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して6〜19質量%の範囲とすることが好ましい。
【0023】硬化剤としては、フェノールアラルキル樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、テルペン系骨格を有する化合物、ジシクロ骨格を有する化合物、ナフトールアラルキル樹脂等の、各種のフェノール化合物やナフトール化合物を用いることができる。このうち、特にフェノールアラルキル樹脂やナフトールアラルキル樹脂といったフェノールアラルキル系樹脂を、硬化剤全量に対して20〜100質量%配合すると、封止樹脂の吸湿性や熱時曲げ弾性を更に低減することができ、耐リフロー性を向上することができる。
【0024】このような硬化剤は、封止用エポキシ樹脂組成物中に、エポキシ樹脂成分に対する当量比が0.5〜1.5、好ましくは、0.8〜1.2となるように配合することが好ましい。
【0025】また硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、ジアザビシクロウンデセン等の三級アミン類、2−トリメチルイミダゾール等、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類を用いることができる。
【0026】充填材としては、溶融シリカ、結晶シリカ、ケイ酸ジルコン、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、酸化ジルコン、タルク、クレー、硫酸バリウム、アスベスト粉等を用いることができ、特に溶融シリカや結晶シリカといったシリカを用いることが好ましい。このような充填材は、封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して、80〜93質量%の範囲で含有させることが好ましく、このように充填材を高密度充填することにより、封止樹脂の耐リフロー性を更に向上することができるものである。このとき充填材の配合量が上記の範囲に満たないと耐リフロー性を充分に向上することができなくなるおそれがあり、またこの配合量が上記の範囲を超えるとエポキシ樹脂組成物の成形時の流動性が低下するおそれがある。
【0027】また封止用エポキシ樹脂組成物には離型剤を配合することにより、離型性を向上させることができる。離型剤としてはカルナバワックス、ステアリン酸、モンタン酸、カルボキシル基含有ポリオレフィン等を用いることができ、その配合量は封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0質量%とすることが好ましい。
【0028】また、モルフォリンを封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して0.01〜1質量%配合することが好ましく、このようにすると、封止樹脂の密着性を更に向上し、耐リフロー性を更に向上することができるものである。このモルフォリンの配合量が上記の範囲に満たないと封止樹脂とリードフレーム等との密着性が充分に得られなくなるおそれがあり、この範囲を超えるとエポキシ樹脂組成物の反応性(硬化性)が低下してしまうおそれがある。
【0029】更に、イオン捕捉剤として、下記化学式(B)に示すものを配合することもでき、このようにすると、封止用エポキシ樹脂組成物中の不純イオンを低減して、封止樹脂の耐湿信頼性を更に向上することができる。このイオン捕捉剤の配合量は、封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜1.0質量%とすることが好ましく、この範囲に満たないと封止用エポキシ樹脂組成物中の不純イオンの低減を図ることが困難となり、またこの範囲を超えると硬化特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
Sb・Siv・Biw・Ox・(OH)y・(NO3z・nH2O (B)
(式(B)中において、v=0〜0.3、w=0.5〜2.0、x=3.0〜5.0、y=0.4〜2.0、z=0.1〜0.5、n=1〜2)
また、必要に応じてγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、難燃剤、着色剤、シリコーン可とう剤等を添加することもできる。
【0030】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物を調製するにあたっては、調製される上記の各成分を所望の割合で配合したものを、ミキサー、ブレンダー等で均一に混合した後、ニーダーや加熱ロール等で加熱混練し、その後、冷却固化し、粉砕して粒状の封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができるものである。
【0031】このようにして調製される封止用エポキシ樹脂組成物は、高い融点を維持しつつ、低粘度化を達成することができて成形時のボイドの発生やブロッキングを抑制することができ、更に反応性が高く良好な硬化性を具備するものであり、このため高い成形性を有するものである。
【0032】また、充填材を高充填させても低い粘度を維持することができ、成形性を維持しつつ、成形体に耐吸湿性を具備させると共に線膨脹係数を低減させて、耐リフロー性を向上することができるものである。
【0033】封止用エポキシ樹脂組成物の硬化成形体を封止樹脂とする半導体装置の製造方法の一例を説明すると、例えば先ず42アロイや銅等の金属製のリードフレーム上に、半導体素子をダイボンディングする。次にAu等の細線ワイヤを用いたワイヤボンディング法等でリードフレームと半導体素子を結線する。次に本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形等により封止樹脂を成形し、半導体素子とワイヤを封止するものである。
【0034】
【実施例】(実施例1〜6、比較例1〜3)各実施例及び比較例につき、表1に示す各配合材料を配合し、ブレンダーで30分間混合し均一化した後、80℃に加熱したニーダーで混練溶融させて押し出し、冷却後、目開き3mmの金網にて粉砕して、更に10メッシュの篩いにて分級することにより、粒状の封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0035】ここで、表中の各成分のうち、混合溶融樹脂は、構造式(A)に示すエポキシ樹脂を70〜80質量%の範囲で含み、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を20〜30質量%の範囲で含む、東都化成株式会社製「ZX1598A」(エポキシ当量188;融点119℃;溶融粘度0.04Pa・s)を、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は住友化学工業株式会社製の「ESCN−195XL」(エポキシ当量195;融点60〜70℃;溶融粘度2〜3Pa・s)を、ビフェニル型エポキシ樹脂は油化シェル・エポキシ株式会社製の「YX4000H」(エポキシ当量195;融点105℃、但し結晶性樹脂のため、溶融時には融点が低下する;溶融粘度0.2Pa・s)を、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂は大日本インキ化学工業株式会社製の「HP7200」(エポキシ当量264;融点57〜68℃)を、フェノールノボラック樹脂は群栄化学工業株式会社製の「PSM6200OH」(OH当量105)を、フェノールアラルキル樹脂は住金ケミカル株式会社製の「HE100C15」(OH当量105)を、ブロム化エポキシ樹脂は住友化学工業株式会社製の「ESB400」(エポキシ当量400)を、それぞれ示す。
【0036】(評価試験)
○耐リフロー性試験金属製のリードフレーム上に、評価用の半導体素子としてTEG(testelements group)をダイボンディングし、各実施例及び比較例にて調製した封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、金型温度175℃、成形時間175秒間の条件でトランスファー成形した後、175℃で6時間加熱することによりアフターキュアーを行って樹脂封止し、外形寸法14mm×14mm×2.4mmの評価用の128pinQFP(quad flat package)を作製した。リードフレームとしては、42アロイ製と銅製の二種類を用い、それぞれにつき評価用QFPを作製した。
【0037】この評価用QFPに対して、ダイパット面を超音波探査装置により観察して剥離の有無を確認した後、85℃/60%RHの条件で、168時間吸湿処理を行い、次いで、熱風リフロー炉にて240〜245℃の範囲で10秒間、リフロー処理を施した。更に、この処理後の評価用QFPのダイパット面を超音波探査装置により観察して剥離の有無を確認し、また評価用QFPを切断し、断面を実体顕微鏡にて観察して、クラックの有無を確認した。
【0038】各実施例及び比較例につき、試験に供した試料数に対する、ダイパット面の剥離やクラック発生の不良の発生した試料数にて、評価を行った。表1中に、分母に試験に供した試料数を、分子に不良が発生した試料数を示す。
【0039】○ボイド発生評価耐リフロー性試験にて用いた評価用QFPに対して、封止樹脂内部を超音波探査装置により観察して、ボイドの発生数を確認した。このとき、42アロイ製リードフレームを用いたものと銅製リードフレームを用いたものそれぞれにつき、10個の試料中のボイドを観察して、全試料中における直径1mm以上のボイドの発生数の総量にて評価した。
【0040】○成形性(硬化性、流動性)評価・硬化性評価各実施例及び比較例にて得られた封止用エポキシ樹脂組成物に対して、キュラストメーターにて、170℃で60秒間加熱した際のキュラストメーターのトルクを測定した。
【0041】・流動性評価各実施例及び比較例にて得られた封止用エポキシ樹脂組成物に対して、スパイラルフロー試験を行い、スパイラルフロー長さにて流動性を評価した。スパイラルフロー試験はASPM−D 3123に準拠して行い、金型温度170℃、供給圧力6.86MPa(70Kg/cm2)の条件で行った。
【0042】○ブロッキング性評価各実施例及び比較例にて得られた封止用エポキシ樹脂組成物に対して、試料50gに単位面積当たり1.96kPa(20g/cm2)の荷重をかけた状態で、25℃で24時間放置した。この処理後の封止用エポキシ樹脂組成物を目開き4mmの篩にてふるい分けして、篩上に残った試料重量を計量した。
【0043】そして試験に供した試料に対する、篩上に残った試料の重量百分率にて、ブロッキング率を評価した。
【0044】以上の結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】耐リフロー性が悪く流動性が低い比較例1や、硬化性及びブロッキング性が悪く、またボイドの発生量も多い比較例2,3に対して、実施例1〜6では、耐リフロー性、硬化性、流動性、ブロッキング性、ボイド発生数において、全てに良好な評価結果が得られ、優れた成形性を有することが確認された。
【0047】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分、硬化剤及び充填材を含む封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として少なくとも上記構造式(A)に示すエポキシ樹脂と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂との混合溶融樹脂を含み、この混合溶融樹脂中における上記構造式(A)に示すエポキシ樹脂の含有量が70〜80質量%、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の含有量が20〜30質量%であるため、このようにして調製される封止用エポキシ樹脂組成物は、高い融点を維持しつつ、低粘度化を達成することができて成形時のボイドの発生やブロッキングを抑制することができ、更に反応性が高く良好な硬化性を具備するものであり、このため高い成形性を有するものであり、また、充填材を高充填させても低い粘度を維持することができ、成形性を維持しつつ、成形体に耐吸湿性を具備させると共に線膨脹係数を低減させて、耐リフロー性を向上することができるものである。
【0048】また請求項2の発明は、請求項1において、充填材としてシリカを含有するため、封止樹脂の耐吸湿性を向上すると共に、線膨脹率を低減して内部応力の発生を抑制し、耐リフロー性を更に向上することができるものである。
【0049】また請求項3の発明は、請求項1又は2において、充填材の含有量を80〜93質量%とするため、このように充填材を高密度充填することにより封止樹脂の耐吸湿性を向上すると共に、線膨脹率を低減して内部応力の発生を抑制し、耐リフロー性を更に向上することができるものである。
【0050】また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、エポキシ樹脂成分として、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂のうちの少なくともいずれかからなるものを、エポキシ樹脂成分全量に対して20〜70質量%配合するため、封止樹脂の吸湿性を更に低減すると共に、封止樹脂にて半導体装置を封止した際のダイパット面との密着性を更に向上することができ、耐リフロー性を更に向上することができるものである。
【0051】また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、硬化剤として、フェノールアラルキル系樹脂を硬化剤全量に対して20〜100質量%配合するため、封止樹脂の吸湿性や弾性を更に低減することができ、耐リフロー性を更に向上することができるものである。
【0052】また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、モルフォリンを0.01〜1質量%配合するため、封止樹脂にて半導体装置を封止した際のダイパット面との密着性を更に向上し、耐リフロー性を更に向上することができるものである。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成13年2月23日(2001.2.23)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2002−249542(P2002−249542A)
【公開日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願番号】 特願2001−49169(P2001−49169)