| 【発明の名称】 |
リン含有エポキシ樹脂組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】石原 一男
【氏名】浅野 千明
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| 【要約】 |
【課題】高温時ハロゲン解離発生のない難燃性を有し、且つ、耐熱性、接着性等の物性が高められたリン含有エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リン含有エポキシ樹脂(B)、2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)、エポキシ基と反応する官能基を2個以上持つリン含有化合物(C)及び硬化剤(D)を含有するリン含有エポキシ樹脂組成物であって、前記リン含有エポキシ樹脂(B)はリン化合物(a−1)とキノン類(a−2)とを、リン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)を1モル未満で反応して得らたリン含有化合物類(A)と2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)との反応生成物であり、前記2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)の含有量が、リン含有エポキシ樹脂組成物中におけるリン含有エポキシ樹脂(B)100部に対して0部から40部であり、リン含有率が1%以上4%未満であるリン含有エポキシ樹脂組成物。 【請求項2】 リン化合物(a−1)が9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド及び/またはジフェニルホスフィンオキシドである特許請求項1記載のリン含有エポキシ樹脂組成物。 【請求項3】 キノン類(a−2)がハイドロキノン及び/またはナフトキノンである特許請求項1,2記載のリン含有エポキシ樹脂組成物。 【請求項4】 エポキシ基と反応する官能基を2個以上持つリン含有化合物(C)が10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド及び/または10−(2,7−ジヒドロキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド及び/またはジフェニルホスフィニルハイドロキノン及び/またはジフェニルホスフィニルナフトキノンである特許請求項1,2,3記載のリン含有エポキシ樹脂組成物。 【請求項5】 2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)の一部または全部が一般式1で示されるエポキシ樹脂(E)である特許請求項1,2,3,4記載のリン含有エポキシ樹脂組成物。 【化1】
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は難燃性が要求されるエポキシ樹脂組成物に関する発明であり、特に建材用の注型材・成形剤・接着剤・塗料など、電子回路基板に用いられる銅張積層板製造用の樹脂組成物や電子部品に用いられる封止材・成形材・注型材・接着剤・電気絶縁塗料などとして有用なリン含有エポキシ樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来技術】エポキシ樹脂を実際に利用する形態は液状から固形状、溶剤に溶解したワニス状などがある。液状タイプは注型材料や接着剤用途等に広く利用され、固形タイプは封止材や粉体塗料等に利用される。また、ワニスタイプはガラス基材やカーボンファイバー等に含浸して用いられる繊維補強プラスチック材料や溶剤型塗料として利用されている。これらのうち、難燃性を必要とする用途に使用されるエポキシ樹脂はこれまで臭素化エポキシ樹脂が主に使用されてきた。しかし、臭素化エポキシ樹脂は燃焼の際にハロゲン化物などの有害物質を発生し、環境安全性の視点からハロゲンの利用が問題視されるようになり、これに代わる材料が研究されるようになってきている。この様なことから、ハロゲンを使用しない難燃性付与エポキシ樹脂の開発とその商業化は環境調和を重視する時代の要求に対応するものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ハロゲンを何等使用しないで難燃性を付与したエポキシ樹脂を開発すべく鋭意研究し、西沢 仁著、増補新版「ポリマーの難燃化」株式会社大成社発行(1989年)第49頁、第52乃至59頁に概説されているリン及びリン化合物による難燃作用の基本原理に着目し、この基本原理を応用した難燃性を有する新しいリン含有エポキシ樹脂組成物が、優れた難燃性を有し且つその硬化物の物性が良好であることを見いだし本発明を完成するに至ったものである。本発明者は既に特願平9−244207、特願平10−14512に記述されている難燃性及び硬化物物性に優れるリン含有エポキシ樹脂組成物の発明を行っている。しかし、これらの発明に従来技術で、更に耐熱性、耐湿性、接着性等の物性を向上させようとすると難燃性、接着性、耐熱性等の物性の低下がみられ、幅広い用途で使用するには必要十分な条件を充たすには至らなかった。また、特開2000−212391号公報では10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドを添加剤として配合する事によって、ハロゲンを使用しないで難燃性を付与する発明が行われているが、配合量を高くすることにより難燃性を付与することは可能となるが、これに伴って他の物性の低下が認められ、且つ経済的にも好ましくないという問題がある。本発明は他の物性を低下させないで耐熱性、耐湿性、接着性、難燃性等の物性を向上させることが可能な、難燃性リン含有エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】即ち本発明の要旨は、リン含有エポキシ樹脂(B)、2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)、エポキシ基と反応する官能基を2個以上持つリン含有化合物(C)及び硬化剤(D)を含有するリン含有エポキシ樹脂組成物であって、前記リン含有エポキシ樹脂(B)はリン化合物(a−1)とキノン類(a−2)とを、リン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)を1モル未満で反応して得らたリン含有化合物類(A)と2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)との反応生成物であり、前記2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)の含有量が、リン含有エポキシ樹脂組成物中におけるリン含有エポキシ樹脂(B)100部に対して0部から40部であり、リン含有率が1%以上4%未満であるリン含有エポキシ樹脂組成物である。 【0005】本発明にかかる上記リン含有エポキシ樹脂組成物は通常のエポキシ樹脂と同様に建材用の注型材・成形剤・接着剤・塗料などや、電子回路基板に用いられる銅張積層板製造用の樹脂組成物や電子部品に用いられる封止材・成形材・注型材・接着剤・電気絶縁塗料など難燃性を必要とする幅広い用途に使用可能である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明について詳細に述べる。本発明に用いるリン化合物(a−1)はリン原子に直結した活性な水素原子を持つ化合物であり、具体的にはすでに商業的に生産されているジフェニルホスフィンオキシドや9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(以下HCAと略す。三光株式会/Shell&Seilachr社製)などが挙げられるが、単独でも2種類以上混合して使用しても良く、また、リン原子に直結した活性な水素原子を持つ化合物であればこれらに限定されるものではない。 【0007】キノン類(a−2)の具体例としては1,4−ベンゾキノン、1,2−ベンゾキノン、トルキノン、1,4−ナフトキノン等が挙げられる。これらキノン類は単独でも2種類以上混合して使用しても良く、また、キノン類であればこれらに限定されるものではない。 【0008】リン化合物とキノン類は、例えば特開平5−214068号公報、ロシアの一般的な雑誌である(Zh.Obshch.Khim.),42(11),第2415-2418頁(1972)や特開昭60−126293号公報、特開昭61−236787号公報、特開平5−331179号公報で示される方法により反応される。しかし、本発明ではリン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)は1モル未満で反応を行うのであって、化学量論的に原料であるリン化合物(a−1)を残存させることを特徴としている。これによって反応生成物であるリン含有化合物類(A)はリン化合物(a−1)とキノン類(a−2)の反応生成物及び未反応のリン化合物(a−1)の混合物となる。リン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)1モル以上で反応を行うと、目的とする反応の進行がうまく進まず、結果としてキノン類が残存してしまう。キノン化合物が残存した場合はエポキシ樹脂と反応する反応基を有していないので、物性に悪影響を与える。特に昇華性のキノン化合物の場合、この悪影響の度合いが大きい。リン化合物(a−1)だけでキノン類(a−2)を反応させないで2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)と反応させた場合は、エポキシ基とリン化合物(a−1)との反応が先行するために硬化に関与するエポキシ基が減り硬化物物性が悪くなってしまう。好ましくはリン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)0.3モル以上1モル未満、より好ましくは0.5モル以上1モル未満が望ましい。このような反応条件で得られる反応物であるリン含有化合物類(A)にはリン化合物(a−1)が未反応状態で一部残存しており、後続するエポキシ樹脂類(b)との反応において、粘度が上昇しすぎるのを抑えつつ最終的なリン含有エポキシ組成物中のリン含有率を高く設定することが可能となる。 【0009】リン化合物(a−1)とキノン類(a−2)の反応はあらかじめリン化合物(a−1)を不活性溶媒に溶解した後、キノン類(a−2)を添加して加熱攪拌することにより反応を行う。不活性溶媒の例としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、エチレングリコール、メトキシプロパノール、エチルセロソルブ、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられるが、リン化合物(a−1)が溶解しうる溶媒であれは良く、これらに限定されるものではない。反応はキノン類(a−2)を粉末状または溶媒に溶解して添加して行われる。このとき発熱を伴うので、急激な発熱が起きないよう添加量に応じて分割投入や滴下法によりキノン類(a−2)を添加する。添加後50℃から150℃で1時間から4時間保持しながら反応を行う。 【0010】次に得られた反応生成物に2官能以上のエポキシ樹脂類(b)を反応させてリン含有エポキシ樹脂(B)とする。本発明で使用し得る2官能以上のエポキシ樹脂類(b)の具体例としてはエポトートYD−127、エポトートYD−128、エポトートYD−8125、エポトートYD−7011、エポトートYD−900(東都化成株式会社製 BPA型エポキシ樹脂)、エポトートYDF−170、エポトートYDF−8170、エポトートYDF−2001(東都化成株式会社製 BPF型エポキシ樹脂)、エポトートYDPN−638(東都化成株式会社製 フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、エポトートYDCN−701、エポトートYDCN−702、エポトートYDCN−703、エポトートYDCN−704(東都化成株式会社製 オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)エポトートYH−434(東都化成株式会社製 アミン型エポキシ樹脂)エポトートYD−171(東都化成株式会社製 ダイマー酸グリシジルエステル)、サントートST−3000(東都化成株式会社製 水添BPA型エポキシ樹脂)、エポトートYH−300(東都化成株式会社製 脂肪族ポリグリシジルエーテル)、エポトートZX−1027、エポトートYDC−1312(東都化成株式会社製 ハイドロキノン型エポキシ樹脂)、エポトートZX−1355(東都化成株式会社製 1,4−ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂)、エポトートZX−1251(東都化成株式会社製 ビフェニルエポキシ樹脂)、エポトートZX−1201(東都化成株式会社製 ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂)、ESLV−80DE(新日鐵化学株式会社製 ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂)、ESLV−50TE(新日鐵化学株式会社製 ジフェニルスルフィド型エポキシ樹脂)、ESN−355(新日鉄化学株式会社製 アラルキルナフタレンジオールノボラック型エポキシ樹脂)EPPN−501H、EPPN−502H(日本化薬株式会社製 三官能エポキシ樹脂)等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、又、これらは2種類以上混合して使用しても良い。 【0011】リン含有エポキシ樹脂(B)を得るために使用するエポキシ樹脂類(b)の使用量は、リン含有化合物類(A)に対して化学量論的に等量以上使用する。本発明にかかるエポキシ樹脂組成物を得るためにはエポキシ樹脂類(b)を添加することも出来る。すなわち、リン含有エポキシ樹脂(B)にエポキシ樹脂類(b)を配合してもエポキシ樹脂組成物を得る段階で配合してもよい。添加するエポキシ樹脂類(b)の配合量は、エポキシ樹脂組成物中のリン含有量が1〜4%に調整する必要性から、リン含有エポキシ樹脂(B)100部に対して0部から40部配合することができる。40部以上配合しようとすると、難燃性を損なわないようにリン含有エポキシ樹脂(B)のリン含有量を高める必要があり、この場合、エポキシ樹脂組成物の耐熱性が大幅に低下してしまう。添加するエポキシ樹脂類(b)の配合量が40部以下であれば耐熱性、難燃性を損なうことなく本発明のエポキシ樹脂組成物を得ることができる。 【0012】リン含有化合物類(A)にエポキシ基を2個以上持つエポキシ樹脂類(b)を配合して反応を行う方法として、リン化合物(a−1)とキノン類(a−2)の反応生成物(A)は2個のフェノール性水酸基を持った化合物であるので、2価フェノール類とエポキシ樹脂類の反応であり公知の方法が利用可能である。即ち、均一混合状態で触媒を添加して反応温度100℃から180℃で2時間から5時間攪拌を行って反応を行う。使用する触媒の具体例としてはベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等のホスフィン類、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩類、2メチルイミダゾール、2エチル4メチルイミダゾール等のイミダゾール類等各種触媒が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、2種類以上使用しても良い。反応の終点はエポキシ当量の推移又は、フェノール性水酸基の推移により判断することが出来る。 【0013】エポキシ基と反応する官能基を2個以上持つリン含有化合物(C)は、リン化合物(a−1)とキノン類(a−2)またはアリル基を有する化合物との反応によって得られる。アリル基を有する化合物の具体例としてはアリルアミンが挙げられる。上で述べられたように、リン化合物(a−1)にキノン類(a−2)を反応させた場合は、2個のフェノール性水酸基を持ったリン含有化合物が得られる。また、アリルアミンと反応をさせた場合は、2個のアミノ基を持ったリン含有化合物が得られる。エポキシ基と反応する官能基を2個以上有するリン含有化合物(C)はリン化合物(a−1)やキノン類(a−2)を含まない様、反応後に溶剤洗浄や再結晶法等により単離されたものを使用する。具体的にはメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メタノール等の溶剤を使用して残存したリン化合物(a−1)を溶解除去したり、加熱によりリン含有化合物(C)を溶解後、再結晶させる方法等が挙げられる。リン化合物(a−1)やキノン類(a−2)が残存した場合、硬化物物性に悪影響を与えてしまう。得られたリン含有化合物(C)の具体例としては10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド(HCA−HQ 三光株式会社製)、10−(2,7−ジヒドロキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、ジフェニルホスフィニルハイドロキノン、ジフェニルホスフィニルナフトキノン、10−(プロピルアミン)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上混合して使用しても良い。本発明の重要な要件であるが、リン含有化合物(C)がエポキシ基と反応する官能基を一分子中に2個以上もっているのでリン含有エポキシ樹脂(B)及び後添加するエポキシ樹脂(b)及びエポキシ樹脂(E)の硬化剤として作用するものであり本発明の耐熱性と難燃性を両立させ効果をもたらしていることである。 【0014】本発明のリン含有エポキシ樹脂組成物の硬化剤(D)としては、各種フェノール樹脂類や酸無水物類、アミン類、ヒドラジッド類、酸性ポリエステル類等の通常使用されるエポキシ樹脂用硬化剤を使用することができ、これらの硬化剤は1種類だけ使用しても2種類以上使用しても良い。 【0015】本発明のリン含有エポキシ樹脂組成物には必要に応じて第3級アミン、第4級アンモニウム塩、ホスフィン類、イミダゾール類等の硬化促進剤を配合することができる。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、焼成タルク、クレー、カオリン、酸化チタン、Eガラス粉末、シリカバルーン等の無機フィラーやガラス布・アラミド繊維などの基材、顔料等を配合しても良い。更にはエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂やフェノキシ樹脂、ポリエステル、ポリフェニルエーテル等の熱可塑性樹脂を配合することも出来る。 【0016】 【化2】
で示されるエポキシ樹脂(E)をエポキシ樹脂類(b)として用いた場合耐熱性を高めることが出来るが、更に、請求項1、2、3及び4記載のリン含有エポキシ樹脂組成物とすることで、難燃性、接着性等の物性を損なうことなく耐熱性の向上が可能となる。エポキシ樹脂類(b)として用いる方法としてはリン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)を1モル未満で反応して得られるリン含有化合物類(A)と2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)を反応して得られるリン含有エポキシ樹脂(B)のエポキシ樹脂類(b)として一部あるいは全部を使用することが出来る。又は2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)をリン含有エポキシ樹脂(B)100部に対して0部から40部配合するときのエポキシ樹脂類(b)の一部あるいは全部として使用することが出来る。但しリン含有エポキシ樹脂組成物中のリン含有率が1%以上4%未満の範囲になることが必須条件である。一般式1で示されるエポキシ樹脂(E)の具体例としてはEPPN−501H、EPPN−502H、FAE−2500(日本化薬株式会社製 三官能エポキシ樹脂)等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上混合して使用しても良い。 【0017】本発明では、実用的な難燃性を得る為に樹脂組成物全量に対してリン含有量は1%以上4%未満である必要がある。要求される難燃性は、その度合い及び樹脂組成物の硬化物の厚みや形態によって大きく左右される。一例として述べるならば、例えば本発明の実施例にもとずく厚み0.8mmの積層板に於いては1.5%以上3%未満の範囲でより好ましい結果をもたらす。 【0018】本発明のリン含有エポキシ樹脂組成物の特性の評価を行った結果、リン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)を1モル未満で反応して得られるリン含有化合物類(A)と2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)を反応して得られるリン含有エポキシ樹脂(B)及び、エポキシ基と反応する官能基を2個以上持つリン含有化合物(C)、硬化剤(D)を必須成分とし、2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)をリン含有エポキシ樹脂(B)100部に対して0部から30部配合してなるリン含有率が1%以上4%未満であるリン含有エポキシ樹脂組成物は、ハロゲン化物を何等含有しないものでありながら難燃性を有しており、当然のことながら、高温でのハロゲンの解離現象は認められず、接着力、耐熱性等に優れた樹脂組成物であった。 【0019】 【実施例】実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例における特性値の測定方法を次に示す。 (1)難燃性はUL(Underwriter Laoratorics)規格に準じて測定を行った。 (2)銅箔剥離強さはJIS C 6481 5.7準じて測定を行った。 (3)層間接着力はJIS C 6481 5.7に準じてプリプレグ1枚と残りの3枚の間で剥離を行い測定した。 (4)硬化物の熱重量減少開始温度及びガラス転移温度はセイコーインスツルメンツ株式会社製 Exster6000で測定を行った。 (5)吸湿率は銅箔をエッチングにより除去した積層板を試験片とした。前処理として50℃で24時間エージングを行い、温度85℃湿度85%で240時間後の重量変化率を測定した。 (6)臭素の解離の有無の判定方法は、硬化物の燃焼時に発生ガスを純水で抽出して得られた溶液をDIONEX株式会社製イオンクロマトグラフィー(IC20、LC25)にて測定し、臭素イオンの有無を確認した。 【0020】合成例1〜7及び合成例9各成分の配合は表1に記載した量を配合した。攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに、リン化合物(a−1)と反応溶媒を仕込み、加熱して溶解した。その後、キノン類(a−2)を反応熱による昇温に注意しながら分割投入した。加熱反応を行った後、溶媒を回収して2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)を仕込み、窒素ガスを導入しながら加熱攪拌を行って更に溶媒を回収した。触媒としてトリフェニルホスフィンを添加して160℃で反応した。リン化合物(a−1)1モルに対するキノン類(a−2)のモル数は表−1記載の値であった。また、得られたリン含有エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量及び、リン含有率は表1記載の値であった。 【0021】 【表1】
【0022】合成例8攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに、エポトートYDPN−638 761部(重量部、以下同じ)及びビスフェノールA 30部を仕込み窒素ガスを導入しながら加熱溶解した。触媒としてトリフェニルホスフィンを0.03部仕込み150℃で2時間反応を行った。更にHCAを209部を仕込み加熱溶解を行い、触媒としてトリフェニルホスフィンを0.2部添加して160℃で4時間反応した。キノン類(a−2)は使用しないで反応を行った。また、得られたリン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量は350.8g/eq、リン含有率は3.0%であった。 【0023】合成例10攪拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入装置を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコに、HCA 260部とトルエン 650部を仕込み、加熱して溶解した。その後、1,4−ナフトキノン 140部を反応熱による昇温に注意しながら分割投入した。加熱反応を行った後、反応生成物をろ過により分離した。反応生成物にトルエンを650部加え、攪拌混合して残存しているHCAを溶媒に溶解した。濾過により反応生成物を分離した。更にメチルセロソルブに溶解し再結晶を行った。得られた結晶はFTIRによるピークパターンから10−(2,7−ジヒドロキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシドであることを確認した。また、HPLCにて単一ピークであることも確認した。 【0024】実施例1〜9及び比較例1〜4表2に示す配合処方によりリン含有エポキシ樹脂(B)、リン含有化合物(C)、硬化剤(D)、その他のリン含有エポキシ樹脂、一般式1で示されるエポキシ樹脂(E)を含むエポキシ樹脂類(b)、硬化促進剤等を配合した。配合はメチルエチルケトン、メチルセロソルブ、N,N−ジメチルホルムアルド等の溶剤に溶解して配合した。得られた樹脂ワニスをガラスクロスWEA 7628 XS13(日東紡績株式会社製 厚み0.18mm)に含浸した。含浸したガラスクロスを150℃の熱風循環炉で4分間乾燥を行い、プリプレグを得た。得られたプリプレグ4枚と銅箔(3EC 三井金属鉱業株式会社製 厚み35μm)を重ね、130℃×15分及び170℃×20kg/cm2×70分間の条件で加熱と加圧を行い0.8mm厚の積層板を得た。得られた積層板の物性を表2に示す。 【0025】 【表2】
【0026】 【発明の効果】比較例1は臭素化エポキシ樹脂を使用しており、燃焼の際にハロゲン化物等の有害性ガスが発生する可能性がある。比較例3ではキノン類を使用していないため、接着力、耐熱性等が劣っている。比較例4ではリン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)を1モル以上で反応を行った結果、キノン類が残存してしまい接着力、耐熱性等が劣っている。これに対して、リン化合物(a−1)1モルに対してキノン類(a−2)を1モル未満で反応して得られるリン含有化合物類(A)と2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂類(b)を反応して得られるリン含有エポキシ樹脂(B)及び、エポキシ基と反応する官能基を2個以上持つリン含有化合物(C)、硬化剤(D)を必須成分とする実施例1から9では接着力、耐熱性とも優れている。また、一般式1で示されるエポキシ樹脂(E)を配合した比較例2では耐熱性が向上するものの、実施例1,3,4,6のようにリン含有化合物(C)も併用することで更に高い耐熱性を得るとともに接着力、難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000221557 【氏名又は名称】東都化成株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月23日(2001.2.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089406 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 宏 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−249540(P2002−249540A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月6日(2002.9.6) |
| 【出願番号】 |
特願2001−48375(P2001−48375) |
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