トップ :: C 化学 冶金 :: C08 有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物




【発明の名称】 硬化性組成物
【発明者】 【氏名】森田 栄一

【氏名】守屋 雅博

【要約】 【課題】製造し易く、かつ作業性の良い、大気中などの水分により硬化して物性の優れたゴム状弾性体となる、接着性、耐候性、耐熱性並びに特に耐水性に優れた低粘度の一液湿気硬化型の硬化性組成物を提供する。

【解決手段】水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとを逐次或いは同時に反応させて得られる架橋性シリル基含有樹脂と、場合により更に添加剤を含有する硬化性組成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとを逐次或いは同時に反応させて得られる架橋性シリル基含有樹脂を硬化成分として含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
【請求項2】 水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとを逐次或いは同時に反応させて得られる架橋性シリル基含有樹脂と、添加剤とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
【請求項3】 前記添加剤が、酸化防止剤及び/又は架橋触媒である、請求項2に記載の硬化性組成物。
【請求項4】 前記添加剤が、酸化防止剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤、揺変剤、及び/又は保存安定性改良剤である、請求項2に記載の硬化性組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中などの水分により硬化してゴム状弾性体となる、作業性、接着性、並びに耐熱性、耐水性などの耐久性に優れた硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築物用、土木用、自動車用などの防水シーリング材、接着剤、塗料などに使用される湿気硬化型の樹脂成分として、一般に変成シリコーン樹脂とよばれている主鎖ポリエーテルで分子内に架橋性シリル基を含有する樹脂やポリウレタン樹脂などが、作業性や接着性などに優れている点から、広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、建築物、土木、自動車などの分野においては長期に渡って性能を維持する、いわゆる超長寿命化のニーズが高まり、これらに使用されるシーリング材、接着剤、塗料などに対しても、接着性及び耐熱性、耐水性、耐候性などの耐久性のさらなる向上が求められている。変成シリコーン樹脂を含有するシーリング材、接着剤、塗料などにおいては、作業性は良いのであるが、耐候性がまだ不十分で、耐水性や耐熱性などの耐久性に劣るという欠点を有し、さらには変成シリコーン樹脂の合成には特殊な装置を必要とし、製造が困難で高価であるという問題がある。一方、ポリウレタン樹脂においては、接着性や耐水性に優れ、製造し易く、比較的安価であるという利点を有するものの、耐候性が劣るという欠点を有する。ここにおいて、イソシアネート基含有ポリウレタン樹脂に分子内に活性水素と架橋性シリル基を含有する化合物を反応させた架橋性シリル基含有ポリウレタン樹脂が知られている(例えば、特公昭46−30711号公報参照)。しかし、この樹脂は合成方法が容易であり、接着性も優れているという特徴を有する反面、粘度が高く、耐水性、耐熱性、耐候性などの耐久性に劣るという問題を有している。また、ポリエーテルポリオールなどのポリオールにイソシアネート基と架橋性シリル基を含有する化合物を反応させた、架橋性シリル基とウレタン結合を含有する樹脂も知られている(例えば、特開平03−47825号公報参照)。しかし、この樹脂は粘度が低いが、耐水性、耐熱性、耐候性などの耐久性に劣るという問題を有している。
【0004】本発明の目的は、上記従来公知技術の問題点を解決して、製造し易く、かつ作業性の良い、大気中などの水分により硬化して物性の優れたゴム状弾性体となる、接着性、耐候性、耐熱性並びに特に耐水性に優れた低粘度の一液湿気硬化型の硬化性組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとを逐次或いは同時に反応させて得られる架橋性シリル基含有樹脂を硬化成分として含有すること、を特徴とする硬化性組成物である。
【0006】本発明は、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとを逐次或いは同時に反応させて得られる架橋性シリル基含有樹脂と、添加剤とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物である。
【0007】本発明は、前記添加剤が、酸化防止剤及び/又は架橋触媒である、前記硬化性組成物である。
【0008】本発明は、前記添加剤が、酸化防止剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤、揺変剤、及び/又は保存安定性改良剤である、前記硬化性組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明における架橋性シリル基含有樹脂について説明する。本発明における架橋性シリル基含有樹脂は、湿気(水分)と反応してシロキサン結合を形成することにより架橋してゴム状硬化物となるシリル基を分子内に1個以上含有する樹脂であり、架橋性シリル基含有樹脂を製造するための水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体は、アルキレンオキシドを開環付加重合させた重合体や、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させた重合体などである。開始剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、シュークローズ等の低分子アルコール類、ビスフェノールA等の多価フェノール類、エチレンジアミン等の低分子ポリアミン類、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類、又はこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、又はこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。すなわち、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体は、分子内に2個以上の水酸基を含有するポリオキシアルキレン重合体であって、具体的には、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−グリコール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシブチレン)−グリコールを挙げることができ、このうちポリオキシプロピレングリコールが特に好ましい。また、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体としては、上記に挙げた各種ポリオールと、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の従来公知のポリイソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基とした重合体も挙げられる。これらは単独或いは2種以上を混合して使用できる。本発明において、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体は、硬化性組成物の低粘度化や硬化物の高い伸びなどの点から、数平均分子量が500〜40,000、更に2,000〜30,000、特に10,000〜30,000のものが好ましく、また、1分子当たり平均の水酸基の数は2〜8、特に2〜4が好ましく、更に、総不飽和度が0.07(meq/g)以下、特に0.04(meq/g)以下の分子量分布の狭いものが好ましい。
【0010】本発明における架橋性シリル基含有樹脂を製造するための架橋性シリル基含有イソシアネート化合物は、分子内に1個以上のイソシアネート基と1個以上の架橋性シリル基を少なくとも含有すればよく、架橋性シリル基は、製造しやすく架橋しやすい次の一般式で示されるものが好ましい。
【0011】
【化1】

【0012】(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基より選ばれる基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基が更に好ましい。aは0、1又は2の整数であり、0又は1が好ましい。)
【0013】架橋性シリル基含有イソシアネート化合物としては、具体的には、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルイソプロポキシシラン、イソシアネートトリメトキシシラン、ジイソシアネートジメトキシシランなどが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上混合して使用できる。
【0014】本発明における架橋性シリル基含有樹脂を製造するための有機モノイソシアネートは、分子内に1個のイソシアネート基を少なくとも含有すればよいが、架橋性シリル基は含有していない。すなわち、有機モノイソシアネートのイソシアネート基以外の有機基は湿気(水分)硬化性の官能基を含有していない、好ましくは疎水性の有機基である。具体的には、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシルモノイソシアネート、n−クロロエチルモノイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、クロロフェニルモノイソシアネート、3,5−ジクロロフェニルモノイソシアネート、p−フルオロフェニルモノイソシアネート、2,4−ジフルオロフェニルモノイソシアネート、o−トリフルオロメチルフェニルモノイソシアネート、p−ニトロフェニルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート、2,6−ジイソプロピルモノイソシアネート、p−トルエンスルホニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェニルモノイソシアネートなどの芳香族モノイソシアネート、その他に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。このうち、脂肪族モノイソシアネートが耐水性向上のため好ましい。これらは単独でも或いは2種以上混合しても使用できる。
【0015】本発明における架橋性シリル基含有樹脂は、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に対し架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートのそれぞれのイソシアネート基を、逐次或いは同時に反応させて得ることができる。逐次に反応させる場合、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体に、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとはいずれを先に反応させてもよいが、まず架橋性シリル基含有イソシアネート化合物を反応させ、次いで有機モノイソシアネートを反応させるのが好ましい。本発明の架橋性シリル基含有樹脂は、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に対し架橋性シリル基含有イソシアネート化合物のイソシアネート基を、一部水酸基を残す当量比で反応させて樹脂中に架橋性シリル基を導入し、かつ残りの水酸基の一部或いは全部に対し有機モノイソシアネートのイソシアネート基を反応させ、水分硬化性を有しない疎水性の有機基を導入した構造とすることにより、硬化後のモジュラスや伸びなどのゴム弾性を自由に調節でき、かつ硬化後の耐水性を著しく向上させた硬化性樹脂を得ることができたものである。なお、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとは、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1以上/1.0、更には0.5〜1.5/1.0、特に0.7〜1.0/1.0の範囲で反応させるのが好ましい。イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1/1.0を下まわると、架橋性シリル基含有樹脂に架橋基が少なく水酸基が多く残るため硬化物の物性が発現せず、かつ耐水性が向上しない。水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとを逐次反応させる場合には、水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体と架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とは、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.05〜0.9/1.0、更には0.3〜0.9/1.0の範囲で反応させ、次いで、この反応生成物と有機モノイソシアネートとは、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物との合計で、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1以上/1.0、更には0.5〜1.5/1.0、特に0.7〜1.0/1.0となる範囲で反応させるのが好ましい。この反応の際には、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができ、また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0016】架橋性シリル基含有樹脂分子中に、その硬化性や硬化後の物性等の点から、架橋性シリル基は平均1〜5個含まれるのが好ましい。
【0017】次に、本発明の硬化性組成物における添加剤について説明する。本発明における添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤、揺変剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤等が挙げられる。
【0018】酸化防止剤、紫外線吸収剤は、硬化樹脂の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用されるものである。酸化防止剤としては具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができる。
【0019】ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。また、旭電化工業(株)製のアデカスタブシリーズの各化合物も挙げられる。
【0020】ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールが挙げられる。
【0021】紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0022】酸化防止剤、紫外線吸収剤はそれぞれ、架橋性シリル基含有樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、特に0.5〜5重量部配合するのが好ましい。
【0023】架橋触媒は、架橋性シリル基含有樹脂を架橋(硬化)させるための触媒であり、具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられるが、このうち架橋速度にすぐれた有機錫化合物が好ましい。この有機錫化合物は具体的には、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート等であるが、このうち架橋速度が高く、毒性及び輝発性の比較的低い液体である点から、ジブチル錫ジアセチルアセトナートが最も好ましい。架橋触媒は、架橋速度、硬化物の物性などの点から、架橋性シリル基含有樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、特に0.3〜5重量部配合するのが好ましい。
【0024】充填剤、カップリング剤、揺変剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤等は、接着性向上、補強、だれ防止等のために必要に応じて、本発明の硬化性組成物に配合して使用することができる。
【0025】充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、スレート粉、マイカ、カオリン、ゼオライト、珪藻土、脂肪酸処理炭酸カルシウム等が挙げられ、粒径1〜100μmのものが好ましく、このうち脂肪酸処理炭酸カルシウムが更に好ましい。
【0026】カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などのものを挙げることができ、このうちシラン系カップリング剤が接着性に優れているので好ましい。シラン系カップリング剤としては、具体的には、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有する分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物を挙げることができる。
【0027】揺変剤としては、コロイダルシリカ、石綿粉等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤が挙げられる。
【0028】保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応する、ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0029】着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0030】充填剤、カップリング剤、揺変剤、保存安定性改良剤、及び着色剤の合計の配合量は、架橋性シリル基含有樹脂100重量部に対して0〜500重量部、特に50〜300重量部の範囲が好ましい。
【0031】本発明の硬化性組成物において、前記各成分はそれぞれ1種類又は2種以上を混合して使用することができる。
【0032】本発明の硬化性組成物において、必要に応じて、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤で架橋性シリル基と反応しないものであればどのようなものでも、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。その種類と使用量は硬化性組成物の用途に応じて適宜決定すれば良い。
【0033】
【実施例】以下、本発明について実施例等により更に詳細に説明する。ここにおいて、硬化性組成物の例としてシーリング材組成物を示したが、これに限定されるものではない。
【0034】合成例1攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた加温反応容器に、ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量16,000、総不飽度0.02meq/g、旭硝子(株)製PML−4016)を800g(OH当量:0.1)仕込み、攪拌しながら3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9007、滴定による実測イソシアネート基含有量16.4重量%)15.4g(NCO当量:0.06)(R値(NCO当量/OH当量)=0.6)とジブチル錫ジラウレート0.82gを加えたのち、加温して80℃で10分間攪拌を行い、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00重量%、またFTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認して冷却した。次いでこの中に、オクタデシルモノイソシアネート11.8g(NCO当量:0.04)(R値(NCO当量/OH当量)=0.4)を加え、再度加温して80℃で20分間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。得られたトリエトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ウレタン系樹脂は、常温で半透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00重量%、粘度14,800mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をNU−1と称する。
【0035】合成例2合成例1において、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9007)を20.5g(NCO当量:0.08)(R値(NCO当量/OH当量)=0.8)使用し、オクタデシルモノイソシアネートを5.9g(NCO当量:0.02)(R値(NCO当量/OH当量)=0.2)使用した以外は同様にして、反応を行った。得られたトリエトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ウレタン系樹脂は、常温で半透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00重量%、粘度16,000mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をNU−2と称する。
【0036】合成例3合成例1と同様の加温反応容器に、ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量16,000、総不飽度0.02meq/g、旭硝子(株)製PML−4016)を800g(OH当量:0.1)仕込み、攪拌しながら3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9007)15.4g(NCO当量:0.06)(R値(NCO当量/OH当量)=0.6)とジブチル錫ジラウレート0.82gを加えたのち、加温して80℃で10分間攪拌を行い、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00重量%、またFTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。得られたトリエトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ウレタン系樹脂は、常温で半透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00重量%、粘度14,000mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をNU−3と称する。
【0037】合成例4合成例3において、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9007)を20.5g(NCO当量:0.08)(R値(NCO当量/OH当量)=0.8)使用した以外は同様にして、反応を行った。得られたトリエトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ウレタン系樹脂は、常温で半透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00重量%、粘度15,800mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をNU−4と称する。
【0038】合成例5合成例3において、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9007)を25.6g(NCO当量:0.1)(R値(NCO当量/OH当量)=1.0)使用した以外は同様にして、反応を行った。得られたトリエトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ウレタン系樹脂は、常温で半透明の理論、滴定による実測イソシアネート基含有量0.00重量%、粘度18,000mPa・s/25℃の液体であった。この樹脂をNU−5と称する。
【0039】実施例1加熱装置付き混練容器に、トリエトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ウレタン系樹脂NU−1 400g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製イルガノックス1010)4g、脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製カルファイン200M)350g、脂肪酸アマイド(花王(株)製脂肪酸アマイドS)4.5g、ビニルトリメトキシシラン(チッソ(株)製サイラエースS210)6gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合した。その後110℃で1時間滅圧脱水を行い、冷却後、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成(株)製ネオスタンU−220)2g及びN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(チッソ(株)製サイラエースS310)2gを仕込み、攪拌、混合してシーリング材組成物を調製した。
【0040】実施例2、比較例1〜3実施例1において、トリエトキシシリル基含有ポリオキシプロピレン−ウレタン系樹脂NU−1の代わりにNU−2〜5それぞれを使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0041】〔性能試験〕前記実施例1、2と比較例1〜3で調製したシーリング材組成物を用いて、以下の試験を行った。
(1)押出し性JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.14試験用カートリッジによる押出し試験」に準拠して測定した(測定温度23℃)。
(2)スランプJIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠して、スランプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。
(3)引張接着性JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.21引張接着性試験」に準拠し、養生後、養生後50℃で7日間温水浸漬処理後それぞれの試験体に付いて引張り試験した。なお、試験体は、スレートをプライマー(OP2531、オート化学工業(株)製)で処理しシーリング材組成物を打設、養生して作製した。モジュラスは、50%引張応力(M50)の値が5N/cm2 以上で30N/cm2 未満のものを○、5N/cm2 未満又は30N/cm2 以上のものを×と評価した。伸びは、引張試験において、Emaxが400%以上のものを○、400%未満のものを×と評価した。これらの結果とシーリング材組成物の組成をまとめて表1に示す。なお、表1には、引張接着性保持率として、養生後のM50、Tmax、Emaxに対する50℃温水浸漬7日後のそれらの値の比を併記した。
【0042】
【表1】

【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明における架橋性シリル基含有樹脂は粘度が低く、硬化後、モジュラスと伸びが適当な範囲で且つ強度などが高いため、これを含有する硬化性組成物は作業性に優れており、更に、硬化後の接着性などが優れている。また、本発明の硬化性組成物は、前記特性に加えて耐候性や耐熱性並びに特に耐水性に優れているため、最近の建築物、土木、自動車などの超長寿命化、高性能化に十分適応することができる。特に、本発明の硬化性組成物は、建築物外壁目地などの超長寿命化、高性能化シーリング材又は建築部材、自動車部品などの接着剤に適している。
【出願人】 【識別番号】000103541
【氏名又は名称】オート化学工業株式会社
【出願日】 平成13年2月22日(2001.2.22)
【代理人】 【識別番号】100092314
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 秀雄
【公開番号】 特開2002−249538(P2002−249538A)
【公開日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願番号】 特願2001−46281(P2001−46281)