| 【発明の名称】 |
ポリウレタン多孔質体及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】永井 匡
【氏名】田所 茂
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| 【要約】 |
【課題】溶剤や乾燥機を使わず、高強度のポリウレタン多孔質体を得ること及び効率良く製造する方法。
【解決手段】常温で半固体状又は固体状のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを60℃〜250℃に加熱溶融したA成分とイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒であるB成分をミキシングヘッドを用いて高速攪拌混合すると共に気体を導入し又は導入しないで、クリーム状に機械発泡させた発泡物を、室温まで冷却し、及び/又は室温で圧締することのみで、高強度のポリウレタン多孔質体を製造出来る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 A成分として常温では半固体状又は固体状であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとB成分としてイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒を加熱溶融後、攪拌混合し機械発泡してなるポリウレタン多孔質体。 【請求項2】 前記A成分がイソシアネート基含有量0.5〜10.0重量%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項1記載のポリウレタン多孔質体。 【請求項3】 前記A成分が、120℃における溶融粘度が500〜100,000mPa・sのイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポリウレタン多孔質体。 【請求項4】 A成分として加熱溶融された常温では半固体状又は固体状であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとB成分として常温又は加熱されたイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒を高速攪拌混合すると共に気体を導入し機械発泡し、冷却すること及び/又は必要に応じて室温で圧締することによりポリウレタン多孔質体を製造する方法。 【請求項5】 前記A成分がイソシアネート基含有量0.5〜10.0重量%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項4記載のポリウレタン多孔質体を製造する方法。 【請求項6】 前記A成分が、120℃における溶融粘度が500〜100,000mPa・sのイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のポリウレタン多孔質体を製造する方法。 【請求項7】 前記A成分を60〜250℃に加熱溶融し、B成分を常温〜230℃に加熱し、混合することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載のポリウレタン多孔質体を製造する方法。 【請求項8】 A成分として加熱溶融された常温では半固体状又は固体状であるイソシアナート基含有ウレタンプレポリマーとB成分として常温又は加熱されたイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒を高速攪拌混合すると共に気体を導入し機械発泡し、その発泡物をシート状物に塗布し、又は必要に応じて貼合せし室温までに冷却すること,又は必要に応じて室温で圧締するによりポリウレタン多孔質シート状構造物を製造する方法。 【請求項9】 前記A成分がイソシアネート基含有量0.5〜10.0重量%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項8記載のポリウレタン多孔質シート状構造物を製造する方法。 【請求項10】 前記A成分が、120℃における溶融粘度が500〜100,000mPa・sのイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のポリウレタン多孔質シート状構造物を製造する方法。 【請求項11】 前記A成分を60〜250℃に加熱溶融し、B成分を常温〜230℃に加熱し、混合することを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載のポリウレタン多孔質シート状構造物を製造する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、溶融攪拌により得られるポリウレタン多孔質体又はポリウレタン多孔質シート状構造物及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】各種化成品、人工皮革、合成皮革、布帛加工などに使用されてきた従来のポリウレタン多孔質体は、一般に湿式法と云われているジメチルフォルムアミドなどの有機溶剤を含むポリウレタン樹脂を水中に導き凝固させると共に有機溶剤を水中で抽出するもの、乾式法と云われているイソシアネート基と水酸基やアミン基を有するポリオール及び/又は水、低沸点溶剤を混合し、その時の反応により発生する炭酸ガスや溶剤の気化ガスを利用して発泡させるもの、ウレタン樹脂に熱分解型発泡剤を混合し、その配合物を塗布後加熱することにより当該発泡剤が分解して発生する窒素ガスなどを利用し発泡させるもの、ポリウレタンエマルジョンに空気を吹込み高速攪拌して泡立てた後、基材に塗布乾燥して得られたものなどが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記する従来のポリウレタン多孔質体は、塗布後加熱させることが不可欠であり、生産速度が遅く、しかも大がかりな設備が必要であると共にその加熱乾燥工程には膨大なエネルギーを消費し、さらに使用する有機溶剤を大気中に放出したり、廃水として流出する為に、環境負荷が大きい。更に、薄すぎても厚すぎても均一な多孔質体が得られないなどの問題もあった【0004】本発明は、この様な従来技術の問題を解決するものであり、本発明の目的は、比較的簡単な製造装置と工程で得られるポリウレタン多孔質体及びその製造方法であり、又本発明の他の目的は、環境問題が生じない製造方法であり、更に多量のエネルギーを使用しないので製造コストが安価なポリウレタン多孔質体及びその製造方法であり、更に又、従来のポリウレタン多孔質体より厚み精度に優れ、更に耐熱性、耐溶剤性、剥離強度及び引裂強度などの物理的及び化学的性能においても優れると共に従来方法では困難であった薄くても厚くても均一なポリウレタン多孔質体又はポリウレタン多孔質状シート構造物及びその製造方法である。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のポリウレタン多孔質体は、厚み精度に優れ、更に耐熱性、耐溶剤性、剥離強度及び引裂強度などの物理的及び化学的性能においても優れると共に従来方法では困難であった薄くても厚くても均一な多孔層を形成する。更にポリウレタン多孔質体に使用される発泡物をシート状物に塗布された構造物も同様な特徴を有している。この様な多孔質体及び構造物は、A成分として常温では半固体状又は固体状であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとB成分としてイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒を加熱溶融後、攪拌混合し機械発泡して得られる。 【0006】本発明のポリウレタン多孔質体は、A成分として加熱溶融された常温では半固体状又は固体状であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとB成分として常温又は加熱されたイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒を高速攪拌混合すると共に機械発泡し、冷却又は/及び必要に応じて室温で圧締することにより製造し得られる。 【0007】更に、ポリウレタン多孔質シート状構造物は、A成分として加熱溶融された常温では半固体状又は固体状であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとB成分として室温又は加熱されたイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒を高速攪拌混合すると共に機械発泡し、その発泡物をシート状物に塗布し又は貼合せ、室温までに冷却し又は/及び必要に応じて室温で圧締することにより得られる。 【0008】なお、本発明において機械発泡とは、A成分とB成分に気体を導入又は気体を導入しないで、ミキシングヘッドなどを用い、700〜7,000rpmの範囲で高速攪拌を行うことであり、気体を導入することにより発泡倍率が高く、空孔率の高い多孔質体が得られると共に混合液の粘度が低下し、混合攪拌や混合液の輸送が容易になり、又気体を導入しない場合は緻密な発泡となり剥離強度や引張強度、磨耗強度などの物性が強くなる。 【0009】なお又高速攪拌のミキシングヘッドの回転数は、700rpm以下の混合攪拌では不十分となりセルが大きく不均一な多孔質体となり、又回転数が7,000rpm以上ではミキシングヘッドに負荷がかかり過ぎ作業が困難となる。 【00010】さらに本発明において圧締とは、スムーズロールやエンボスロール又は離型紙などでクリーム状の発泡物の表面をプレスして表面をよりいっそう平滑にしたり、所望する凹凸模様や紋などをつけると共に厚み調整をすることであり、一段と強度を向上することが出来るものである。 【00011】この様にして得られたポリウレタン多孔質体及びポリウレタン多孔質シート状構造物は、耐熱性、耐溶剤性、剥離強度及び引裂強度などの物理的及び化学的性能においても優れると共に従来方法では困難であった厚み精度に優れ薄くても厚くても均一な多孔質体層を有する。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。 【0013】本発明のポリウレタン多孔質体は、A成分として常温では半固体状又は固体状であるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとB成分としてイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒を加熱溶融後、攪拌混合し機械発泡して得られる。 【0014】イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基含有量が、0.5〜10.0重量%で好ましくは1.0〜6.0重量%であり、更に120℃における溶融粘度が、500〜100,000mPa・sで好ましくは1、000〜50,000mPa・sである。イソシアネート基の含有量が0.5重量%以下では、硬化性が早く架橋が少なくなる為に、耐熱性や耐溶剤性が不十分で、更には粘度が高くなり作業性が悪い。又10.0重量%以上では、逆に硬化性が遅く、発泡が大きくなったり、不均一になる。 【0015】又溶融粘度が、500mPa・s以下では、発泡性が悪く、更に冷却しても固化しない。100,000mPa・s以上では、均一な混合が困難で均一な多孔質体が得られ難く、更に原料の移動やポンプからの吐出も難しくなる。 【0016】A成分として使用するイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、分子量が500〜10,000のポリエステル系ポリオール、ラクトン系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール又は/及びこれらの混合物とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグリコシドなどの短鎖ジオール、短鎖トリオールなどの多価アルコールの1種又は2種以上とトリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ノルボネンジイソシアネートなどの各種の脂肪族あるいは脂環式ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、カルボジイミド基、アロファネート基、イソシアヌレート基などを含むポリイソシアーネートなどの1種又は2種以上をイソシアネート基含有量が0.5〜10.0重量%で、常温では半固体状又は固体状で、120℃における溶融粘度が500〜100,000mPa・sになるように通常のウレタンプレポリマー重合法に従って製造する。 【0017】更には、上記条件を満足させる市販されている反応性ホットメルトウレタン接着剤を用いてもよい。このような反応性ホットメルトウレタン接着剤としては、大日本インキ化学工業株式会社製の商品名タイフォースNH−122A、NH−200、NH−300、H−1041や武田薬品工業株式会社製のタケダメルトSC−13、SL−01、SL−02、SL−03、SL−04などがある。 【0018】B成分のイソシアネート基と反応しうる化合物とは、分子中に水酸基やアミノ基などを有する化合物であり、A成分のイソシアネート基との反応が当量以下、つまり混合時少しでも未反応のイソシアネート基が残存する量を混合するようにするのが好ましい。 【0019】上記の化合物の例としては、ポリエステル系ポリオール、ラクトン系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール又はこれらの混合物、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグリコシドなどの短鎖ジオール、短鎖トリオールなどの多価アルコール又はこれらの混合物がある。 【0020】更に、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノルボネンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、N,N’−ジアミノピペラジン、2−メチルピペラジン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ジアミノベンゼン、ジフェニルメタンジアミン、メチレンビスジクロロアニリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、ジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテルなどのアミンの1種又は2種以上の混合物が使用できる。 【0021】B成分のウレタン硬化触媒は、上記のアミン化合物やスタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチジラウレートなどの有機金属系化合物、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下「DBU」と略称する)、DBU−p−トルエンスルホン酸塩、DBU−ギ酸塩、DBU−オクチル酸塩などのニ環式アミジン化合物であり、又はこれらの混合物であってもよい。 【0022】又更に、B成分として水、ポリウレタン、ポリアクリルなどの各種エマルジョン、各種ラテックスを用いることが出来る。 【0023】硬化触媒の使用量は、A成分に対して0.0001〜10重量部である。0.0001重量部以下では、反応が遅く、気泡が潰れたり、発泡が不完全になるので好ましくない。又10重量部以上では、反応が早過ぎ、過発泡になったり、瞬時にゲルするので好ましくない。 【0024】なお、A成分及び/又はB成分中に、界面活性剤などの整泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候性向上剤、消臭剤、透湿性向上剤、導電性付与剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、撥水剤、加水分解防止剤、染料、顔料、充填剤、中空発泡体、熱分解型発泡剤、結晶水含有化合物、ジオクチルフタル酸エステルなどの各種の可塑剤、貯蔵安定性を付与する為の吸水剤、吸湿剤などの添加剤や各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、粘着付与剤などの改質剤を加えてもよい。 【0025】整泡剤は、有機珪素界面活性剤など従来公知のものが使用され、例えば東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製の商品名SF−2908、SF−2904、SRX−274C、SH−3746、SF−2944F、SH−193、SF−2945Fなどである。これらの整泡剤の使用量は、A成分に対して0.01〜20重量部である。0.01重量部以下では気泡が生じ難く、又20重量部以上では物理的、機械的強度が出難く、又ブリード現象を起こす場合がある。 【0026】粘着付与剤は、ロジンエステル誘導体、石油樹脂、テルペン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂などが使用できる。 【0027】改質用の熱可塑性樹脂は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン樹脂、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニルなどが使用できる。 【0028】本発明のポリウレタン多孔質体の製造方法は、A成分のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを60〜250℃に加熱溶融し、B成分のイソシアネート基と反応しうる化合物及び/又はウレタン硬化触媒を常温〜230℃に加熱した後、このA成分とB成分を混合機に移し、ミキシングヘッドを用い高速攪拌混合すると共に気体を導入し、又は導入しないで出来る限り細かい気泡とし、クリーム状に機械発泡させ、その発泡物を室温まで冷却し、又は必要に応じて室温で圧締することにより製造することが出来る。 【0029】又、上記においてA成分とB成分を高速攪拌混合後に気体を導入し再度高速攪拌混合するか、又は気体導入後に再度高速攪拌混合することにより、均一な気泡の細かい多孔質体を製造出来る。 【0030】更に、A成分に予め気体を導入し、高速攪拌混合によりクリーム状にしたものをA成分として使用することが出来る。 【0031】ミキシングヘッドをA成分液温の±30℃の範囲に保つことは室温混合に比べ、混合しやすくし、硬化速度を早くし、均一な多孔質体層を形成しやすい。 【0032】使用される気体は、空気、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガスなどが用いられる。なお気体は、予め加熱されていても良い。 【0033】本発明のポリウレタン多孔質シート状構造物は、前記ポリウレタン多孔質体と同様な方法により得ることができる。発泡物を各種プラスチックシート、不織布、織物、編物などのシート状物に塗布し又は貼合せ、室温までに冷却し、又は/及び室温で圧締することにより製造される。 【0034】得られたポリウレタン多孔質体及びポリウレタン多孔質シート状構造物は、合成皮革、人工皮革として靴、鞄、衣料、帽子、各種ケース類などに使用出来るだけでなく、衝撃吸収材、吸音材、スピーカーエッジ材、滑り止材、緩衝材、芯材、壁装材、化粧用パフなどに使用される。 【0035】 【実施例】以下、具体的な実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。特に断りのない限り、以下の実施例及び比較例の部、%は重量基準である。 【0036】 【実施例1】A成分として武田薬品工業株式会社製、商品名「タケダメルトSC−13」(エステル系ウレタンプレポリマー、120℃の溶融粘度:3,500mPa・s、イソシアネート基含有量:4.2%)を米国のノードソン株式会社製のドラムメルター5507にて、120℃で加熱溶融し、保温タンク中で120℃にて保ち、B成分として三井化学株式会社製、商品名「三井ポリオールMN−3050」(ポリエーテルトリオール、水酸価:56±1.5mgKOH/g、粘度:500±100mPa・s/25℃)とアミン系硬化触媒として活材ケミカル株式会社製、商品名「ミニコL−1020」及び整泡剤として東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、商品名「SF−2964」を65:5:30に配合し均一混合したものをタンク中で30℃に保ち、その後A成分及びB成分を別々のパイプにより、120℃に保温した台湾の凱力実業株式会社製、商品名「ISM−206H」のミキシングヘッドにA成分:B成分が100:5に成るように定量ポンプで注入し、5,000rpmで1秒間高速攪拌混合した。引続き窒素ガスを導入して、クリーム状に泡立てる為に120℃に保温したミキシングヘッド中に窒素ガスを混合物の密度が0.3に成るように吹込み、5,000rpmで2秒間高速攪拌混合し、スムーズな離型紙上に吐出し、450μのクリアランスを取ったクリアランスコーターで均一に塗布した。この塗布物を室温まで冷却したところ、均一で微細な連続多孔を有する450μ厚の高物性なシート状のポリウレタン多孔質体が得られた。その断面の電子顕微鏡写真を図1に示す。 【0037】さらに、離型紙上に塗布した後に、塗布物上に別の離型紙を挟み込みクリアランスが、400μ及び310μになるように圧締し、室温まで冷却し常温で3日間放置後、その多孔質シートの物性を測定した所、表1の結果が得られた。比較例として市販されている湿式法によるポリウレタン多孔質シートの物性も同時に測定したが、ソフトさや、破断点伸度において、実施例1の多孔質シートの方がはるかに優れていることが判った。 【0038】 【表1】
【0039】 【実施例2】A成分として大日本インキ化学工業株式会社製、商品名「タイフォースNH−200」(エーテル系ウレタンプレポリマー、120℃の溶融粘度:3,500±500mPa・s、イソシアネート基含有量:3.5±0.5%)を米国のノードソン株式会社製のドラムメルター5507にて、120℃で加熱溶融し、保温タンク中で120℃にて保ち、B成分として三井化学株式会社製、商品名「三井ポリオールED−200」(ポリエーテルジオール、水酸価:36±2mgKOH/g、粘度:870±100mPa・s/25℃)とニ環式アミジン化合物の硬化触媒としサンアプロ株式会社製、商品名「U−CAT、SA506」及び整泡剤として東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、商品名「SF−2944F」を50:20:30に配合し均一混合したものをタンク中で30℃に保ち、その後A成分及びB成分を別々のパイプにより、120℃に保温した凱力実業股▲ふん▼有限公司製、商品名「ISM−206H」のミキシングヘッドにA成分:B成分が100:5に成るように定量ポンプで注入し、5,000rpmで1秒間高速攪拌混合した。引続き窒素ガスを導入して、クリーム状に泡立てる為に120℃に保温したミキシングヘッド中に窒素ガスを混合物の密度が0.5に成るように吹込み、5,000rpmで2秒間高速攪拌混合し、着色した30μ厚のウレタンエラストマー表皮を塗布乾燥したエンボス離型紙上に吐出し、300μのクリアランスを取ったクリアランスコーターで均一に塗布し室温で3分30秒放置後に、1.0mm厚のウレタン含浸不織布を貼合せ室温まで冷却した。室温で1日放置した後、離型紙を剥がしたところスポーズシューズ用の規格を満足する常温屈曲性20万回以上、剥離強度2.5kg/cm以上で天然皮革調の外観に優れた均一で微細な連続多孔を有する人工皮革が得られた。その断面の電子顕微鏡写真を図2に示す。 【0040】 【実施例3】実施例2で製造した人工皮革を95℃に加熱したエンボスロールで、後エンボス加工した所、ソフトな風合いやボリュウーム感がエンボス加工前後で殆ど変化せず、シャープなエンボスが入った天然皮革に酷似した人工皮革が得られた。その断面の電子顕微鏡写真を図4に示す。 【0041】この写真で判るようにエンボス後も圧縮されたセル(多孔層)は、残っており、これがエンボス前後で風合いやボリューム感が、殆ど変化しない理由であると思われる。参考に市販されている湿式法により製造された人工皮革を同様の条件でエンボスした所、エンボス後は風合いがかなりハードになると共に厚みの減少が顕著でボリューム感の無いペーパーライクな人工皮革になった。その断面の電子顕微鏡写真を図5に示す。 【0042】この写真で判るように湿式法によるセル(多孔層)は、熱エンボスの条件によっては、セルの壁面が互いに融着する事によりセルが殆ど消失する為、厚みの減少が顕著で風合いがハードになり、ボリューム感の無いペーパーライクになるものと思われる。 【0043】 【比較例1】実施例1において、B成分を用いずA成分のみで同様な方法により製造したが、得られたシートは、不均一で部分的に大きな泡があるだけで多孔質体にはならなかった。その断面の電子顕微鏡写真を図3に示す。 【0044】 【比較例2】実施例2において、B成分を用いずA成分のみで同様な方法により製造したが、得られた人工皮革は、多孔質体を形成しておらずペーパーライクでボリューム感や一体感がなくシワの大きなハードなものであった。 【0045】 【発明の効果】本発明のポリウレタン多孔質体、ポリウレタン多孔質シート状構造物及びそれらの製造方法は、有機溶剤や乾燥機を使わない為に、作業環境に優れ、極めて短い製造ラインにて経済的で、高効率的に高強度の製品を得ることが出来ると共に、多孔質体中に、人体に有害な溶剤が一切残留せず極めて健康的な製品を作ることが出来る。 【0046】応用分野としてポリ塩化ビニル代替の環境対応製品、湿式製法による合成皮革、人工皮革、布帛加工品の代替製品、従来のポリウレタン軟質フォームの生産性、品質、各種機能性改善製品など幅広い分野があり、各種他素材との複合化も可能である。特に後加熱を必要としない為に、熱乾燥出来ない素材との複合化も問題が無くなる。 【0047】具体的な応用例としては、高物性なスポーツシューズ、紳士靴、婦人靴、サンダル、家具、車両、衣服、鞄、ケースなどに使用される合成皮革、人工皮革、布帛加工品や衝撃吸収性、クッション性、耐久性などに優れた種々の厚みの連続したポリウレタン多孔質シート状構造物を用い靴、家具、衣料、電器、電子、建材、土木、医療用部材や、その関連製品などがある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501041012 【氏名又は名称】永井 匡 【識別番号】501041263 【氏名又は名称】田所 茂
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| 【出願日】 |
平成13年11月7日(2001.11.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−249534(P2002−249534A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月6日(2002.9.6) |
| 【出願番号】 |
特願2001−379324(P2001−379324) |
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